キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【レイセンガ】鈴仙奮闘記29【タダシイヨ】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/27(水) 00:27:49 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1428845712/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

全幻想郷代表選抜大会で活躍し、代表メンバーの一員となる事を夢見てきた鈴仙はある日、
自身が『プロジェクト・カウンターハクレイ』のキャプテン候補に選ばれている事を知る。
それは霊夢や紫達幻想郷に敵対し、以て幻想郷の価値観を覆すという壮大な計画。
更に鈴仙は、全幻想郷代表の下部組織、『リアル・幻想・セブン』の一員として、
乱心した八雲紫と幻想郷を救って欲しいと紫の式・八雲藍から懇願された。

幻想郷を変える為に戦うか、幻想郷を守るために戦うか。そもそも、自分は何の為に戦うのか。
そう思い悩む鈴仙の心の隙を突く悪しき者もいた。
それは『プロジェクト・カウンターハクレイ』と『リアル・幻想・セブン』との争いに乗じ漁夫の利を狙う第三勢力。
聖徳ホウリューズの一員にして、『ハイパーカンピオーネ』計画の一翼を担う天性の詐欺師・岬太郎だった。

「鈴仙は永琳の途方も無いエネルギー蒐集計画遂行の為の道具である」
巧みな話術で彼は鈴仙を動揺させ、追い打ちとばかりに仲間への疑心をも植え付けた。
そんな中、決勝トーナメント第2回戦、永遠亭ルナティックスは聖徳ホウリューズと相対する。
野心溢れる政治家・豊聡耳神子を中心として集まった様々な悪意と戦術に、鈴仙達はどう立ち向かうのか。
そして鈴仙は疑心を振り払い、強い気持ちで仲間を信じる事ができるのだろうか――。

136 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 14:07:07 ID:???
>……中山がどうした意図で鈴仙にこう接したのか。後にその理由を悟った鈴仙は、中山の心配りをいたく感謝をしたという。
って書いてあるんだろうし時間経過系なのはわかってたからヒントで無駄に置けね使わなくてよかった
今言うとめっちゃ後出しに聞こえるけどw


ところでこの試合の審判を今すぐマスターアンパイアか東方不敗かマスターアジア
か東西南北中央不敗に変更できませんか?

137 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 14:08:22 ID:???
全部おなじ人物じゃんw

138 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 21:38:38 ID:???
スレ主さん、>>33で書いてあったのに鈴仙と姫様に清き一票入れてきたぜ!
「カグロットォー!」のコメント付でw

139 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 22:17:46 ID:jZlE+Pqg
こんばんは、更新します。
>>136-137
すみません、そこまで考えていませんでした(汗)
審判は良く分かりませんが、とりあえずフランスでは無いのでご安心下さい。
>>138
投票&コメントありがとうございます!
ガレリがならず者を総動員したら姫様も1位になれるかも……?

140 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 22:21:16 ID:jZlE+Pqg
A ウサギB

鈴仙「……うーん。ねぇ、Bちゃん」

ウサギB「……はい。どうかしましたか、鈴仙さま?」

何となく話し足りない気分の鈴仙は、近くに居たウサギBに声を掛ける。
普段はソツの無い優等生然としたウサギBは、特別驚く様子も無く、
柔和な笑みのままに鈴仙に振り向いた。

鈴仙「(Bちゃん……。この子はこの子で、てゐやつかさとは違った貫録というか存在感を出してる気がする。
見た目的には大体佳歩と同じくらいだけど、あわてんぼうな佳歩よりもずっと雰囲気が大人というか……。
――ま、まあ。その辺りは置いといて……Bちゃんとは、どんな話をしてようかしら?)」

そんなウサギBに対して、鈴仙は少し複雑な表情を向けてしまうが、
すぐにお姉さんっぽい笑顔を取り繕って、こう話しかける事にした。

A:「いや。ちょっと雑談でもしたいなって思ってね」雑談をする。
B:「今日の試合後、一緒に練習しない?」練習に誘う。
C:「――Bちゃんの方で、何か不審な動きとかって聞いてない? ウチのチームへのスパイ工作とか」ウサギBの情報に頼る。
D:「Bちゃんは今日の試合について、何か良い情報とか持ってない?」今日の試合の有力情報が無いか聞く。
E:「そういえば、Bちゃんは射命丸さんに憧れてたのよね。……今、天狗社会から風当たりが強いみたいだけど」射命丸について話す。
F:その他 自由選択枠 ブリッツボールに勧誘したい場合等もこちらで

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

141 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 22:21:57 ID:OiITAI5c


142 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 22:22:31 ID:noOedkSQ
E

143 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 22:30:19 ID:JVJA4oN2
D


144 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 22:47:37 ID:jZlE+Pqg
D:「Bちゃんは今日の試合について、何か良い情報とか持ってない?」今日の試合の有力情報が無いか聞く。

鈴仙「……Bちゃん。何か今日の試合についての情報とかって……掴んでいないかしら?」

ウサギB「やっぱり、気になりますよね」

これは鈴仙も少し前に知った事だが、ウサギBの情報収集能力は群を抜いて高い。
ひょっとしたら自分とは別ルートで、聖徳ホウリューズの弱点や秘密戦術について何か知っていないか。

ウサギB「うーん。そうですね。私の持ってる情報で、役に立ちそうなものと言えば……」

そんな鈴仙の問いかけについて、ウサギBは首を捻って考えている。
やがて彼女の口から出た言葉は――。

先着1名様で、

★ウサギBの情報網→ ! card★

と書き込んでください。マーク・数値で分岐します。

JOKER→ウサギB「全部完璧に分かりました! データもバッチリです!」
ダイヤ→ハート+その戦術に関する具体的な攻略方法も教えてくれる。
ハート→ウサギB「……聖徳ホウリューズの戦術について、少し情報があります」
スペード・クラブ→ウサギB「うーん。聖徳ホウリューズのセキュリティがきつくって、あんまりは」
クラブA→ウサギB「すみません。ハッキングするつもりが逆にこっちの情報が敵に流出しちゃって……」

145 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 22:49:51 ID:???
★ウサギBの情報網→  スペードK

146 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:01:55 ID:???
★ウサギBの情報網→  スペードK ★
スペード・クラブ→ウサギB「うーん。聖徳ホウリューズのセキュリティがきつくって、あんまりは」

ウサギB「……すみません。ちょっと考えてみたんですが、あんまりは」

鈴仙「そ、そう……(――守矢神社の預金残高まで盗み出したあのBちゃんが、こんな困り顔なんて。
一体どんな厳重なセキュリティを張っているのかしら……?)」

――鈴仙の期待に反してウサギBの表情は暗かった。
さしもの情報マニアの彼女と言えど、これまでずっと仙界に籠って情報を巧みに遮断していた
聖徳ホウリューズの情報を暴いて見せるのは一苦労だったらしい。

鈴仙「ううん、良いの。その辺りは時間も無かったし、しょうがないわよね」

ウサギB「すみません。ただ、それだけ自分達の情報を隠したがるという事は、
それだけ聖徳ホウリューズには隠し玉が多く隠されているという事に間違いない筈です。
ですから、鈴仙さまはこの試合、何が起きても決して驚かないようにするのが大事だと思います」

鈴仙「――う、うん。分かってるわ。ちょっと自信無いけど……。 ありがとね、Bちゃん」

ウサギBから逆に励ましの言葉を貰った鈴仙は申し訳無さげに会話を終える。
本来はウサギ達のリーダーである自分が励まされるのは少しだけ情けないが、
しかしそれでもウサギBの言葉は鈴仙の心に残った。

鈴仙「(そ……そうよ。私はキャプテンなんだから。スパイやら謎戦術やらにいちいち面喰らってちゃいけないんだから!)」

鈴仙は心の中でそう自身にゲキを入れて、試合開始までに残された時間をロッカールームで一人座って待つ事にした。


*特に情報は分かりませんでしたが、鈴仙の心が少しだけ落ち着いた……かもしれません。

147 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:03:39 ID:???
いったんここまで。いつもならこれで試合開始ですが、今回はその前に、予告していたイベントを書きたいと思います。

148 :森崎名無しさん:2015/05/30(土) 23:05:16 ID:???
一旦乙です
評価上げるには雑談が一番なのかな、やっぱり

149 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:48:01 ID:jZlE+Pqg
>>148
一旦乙ありがとうございます。攻略情報、成長関係については評価値上昇は控えめになります。
雑談は一番手堅いですが、頼み事や困り事を聞いてあげるのも評価値上昇につながります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コン、コン、コン……。

大会スタッフ「すみませーん、永遠亭ルナティックスさんにお届け物でーす」

――後はフィールドへの入場と試合開始を待つだけ。
そう思って精神を統一していた鈴仙は、不意に聞こえたノックの音によって集中を乱される。

永琳「ウドンゲ、出てあげなさいな」

鈴仙「はーい、お師匠様」

そして、日常における永遠亭の受付窓口は決まって鈴仙である。
幾らサッカーでは実質的キャプテンを務めてはいれど、こうした主従関係に変わりはない。
鈴仙は永琳の指示を素直に受けて、ドアへと駆け寄った。

ガチャッ

鈴仙「はい、どちら様でしょうか」

大会スタッフ「恐れ入ります。こちらスポーツドリンクのセットになっております。
永遠亭ルナティックスのファンからの贈り物だそうでして……」

鈴仙「は、はぁ……」

ドアの先には大会スタッフと思われる若い哨戒天狗の青年が、ダンボール箱に詰まったスポーツドリンクを抱えて待っていた。
幻想郷の古参名門チームとして評判の良い永遠亭ルナティックスだったが、こうした差し入れは珍しい。
鈴仙は訝しみながらも、スタッフから箱を受け取って、控室のテーブルの上にドサリと乗せた。
箱の中にはペットボトル――外界で最近普及した、ドリンクの保存形態である――に詰まったドリンクが、ざっと2ダース程入っている。

150 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:51:29 ID:jZlE+Pqg
輝夜「へぇ。気の利いたファンもいるもんね」

パスカル「そう言えば、最近飲んでいないな。懐かしい」

ウサギC「わーい、すぽーつどりんくだぁ〜!」

ウサギB「外の世界だったら流行ってるんだよね、これ! 幻想郷だと凄く高いけど……」

ウサギD「つかさちゃん、一緒に飲もう!」

つかさ「え、ええ……」

佳歩「…………!」

ウサギ達が喜んだとおり、幻想郷において「スポーツドリンク」という種類の飲み物は珍しい。
ブドウ糖溶液に電解質やミネラル、それにアミノ酸やビタミンを配合したその液体は、
永遠亭でも軽い体調不良の患者に対して投与することもあるが、原料が入手困難な事も相まって高価である。
スポーツ時の水分補給にも打ってつけという事で、最近ヒューガーが幻想郷の市場に卸してはいるが、その数も未だ少ない。

慧音「ふうん。外界の企業製のドリンクか。私も話に聞いてはいたが、これはまだ飲んだ事がないな」

妹紅「私は里の自警団の差し入れで貰った事があるよ。何だろう、柑橘の香りがしてすごく飲みやすかった記憶があるわね」

中山「…………永琳さん」

永琳「中山君。貴方の言いたい事は分かる。 ……だけどここは様子を見ましょう」

大人である慧音と妹紅も、思いがけぬ差し入れに目を丸くしてはいるが、
差し入れ内容の珍しさに意識が向いており、好意的に受け取っているように感じる。
中山と永琳だけは一歩引いてはいるが、特段何か行動を起こす気配はない。
いずれにせよ、このままでは皆が試合前に封を開けてしまう事は間違いないように思えた。

151 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:56:41 ID:jZlE+Pqg
鈴仙「(……怪しい)」

――この場において、突然の差し入れに強い疑問を持っていた鈴仙を除いては。
鈴仙は先の守矢みらくるず戦の開始前、観客席に居た霊夢と針妙丸との会話を思い出す。


〜回想シーン〜

鈴仙「……ええ。それって、神子が上手い事天邪鬼を焚き付けて、マッチポンプしてたりとか……?」

霊夢「――証拠は無いけれど。でも、そうだとしたら上手い手段よ。
天邪鬼はダメと言われたら何でもやりたくなるタイプだから、自分の手を汚さず操作しやすい。
神子と鬼人正邪との繋がり――と、いうのは違うけれど。
そうした汚い勢力を手駒にしている可能性も、否定しちゃいけないわね」

針妙丸「そうだよ! ウサギさんも気をつけてね! アイツ、善人顔で擦り寄ってくるけれど、本質は根っからのゲスだから!
最近は裏ルートで下剤を買い集めてるとか聞いたし!」

鈴仙「そ、そうなのね……(――下剤か……。何となく気を付けた方が良いような気しかしないわね……)」

152 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/30(土) 23:59:58 ID:jZlE+Pqg

〜回想シーン終了〜

鈴仙「(弁当じゃないけど、これって……下剤か何かが入ってるんじゃない!?)」

この会話のお蔭もあって、鈴仙は気付いていた。
今回の試合前には何か罠がある。これに引っかかってはいけない……と。
そのため、箱に群がろうとするチームメイトに対し、鈴仙は――。

A:「師匠、この飲み物を調べてみてください。どこか怪しくはありませんか?」永琳に調査依頼した。
B:「皆! これは下剤が入ってるわ! だから飲まないでーー!」大声で阻止した。
C:「…………!」急いで弾幕を展開。ドリンクを一つ残らず破壊した。
D:「姫様、試しにこの飲み物毒見してくれませんか?」輝夜に毒見依頼した。
E:その他 自由選択枠 気にせずドリンクを飲みたい(※ハズレです)人はこちらで


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*難しそうな選択ではありますが、明確な大ハズレが無いため、ここは2票決とします。
*選択肢については、A>B>Cの順番で穏便度が高くなりますが、ドリンク誤飲リスクも高まります。
 穏便度については、今のイベント展開の進み方に関わります。
*Dは半分ネタ選択肢です。姫様に毒見させたい方はこちらで。(ハズレではありません)

153 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:00:56 ID:YY1QUoMU


154 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:02:23 ID:itJoqOoI
C 臆病さが活きる、と思う

155 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:03:06 ID:JWo0NlMw
D

156 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:03:46 ID:Zd6DKbGw
B マラドーナか

157 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:04:13 ID:VwdSuW2E
E 「皆! これは下剤が入ってる可能性が高いわ! だから飲まないでーー!」
+根拠として先の霊夢との会話を話す

158 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:05:11 ID:???
狂気度UPかなw

159 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:07:20 ID:???
輝夜「あんたら私に対する扱いが酷くないぃ!?」

160 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:11:56 ID:???
多少笑いに行かないといい加減胃に穴が空きそうなんで姫様ここはオナシャス

161 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:13:15 ID:???
カグヤ カグヤ カグヤ カグヤ カグロットォー!

輝夜「な、なにか期待されてるわ…」

162 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 00:27:59 ID:YK6fxAVA
D:「姫様、試しにこの飲み物毒見してくれませんか?」輝夜に毒見依頼した。

鈴仙「……姫様、試しにこの飲み物毒見してくれませんか?」

輝夜「ハァ? イナバ、私を何だと思ってるんのよ!?
姫に毒見をさせる従者とか、一体どこにいるっつーの! 普通逆でしょうが!?」

鈴仙「……いやー。だって、姫様って死なないですし」

輝夜「だからと言って、この態度はあんまりじゃない!? つーかそれなら妹紅だって同じでしょうが!?」

――このドリンクが危険と思った鈴仙は、咄嗟の判断で輝夜に薬を飲ませようとした。
無論、それに対する輝夜のツッコミは至極真っ当であり、鈴仙の態度は無礼極まり無い物ではあった。

永琳「……ウドンゲ。アンタ、後で永遠亭の地下実験室ね」

鈴仙「ヒイイッ!?」

輝夜「ま、別に良いのよ。どーせ死なないのは事実なんだし。それならむしろ、毒見にチャレンジってのも刺激的だからね」

それ故に、輝夜はもとより、輝夜の保護者である永琳の目線は非常に冷ややかなものであったが。
それでも事が緊急だからか、永琳はそれ以上何も言わず、毒見を承諾した輝夜の意志を尊重している様子だった。

輝夜「じゃ、飲むわよ……」

――そして、輝夜は皆が見守る中、スポーツドリンクに口を付ける。

コクリ、コクリ。

ちびりちびりとドリンクの中身を飲み干す輝夜。
黙っていれば非常に儚げで愛らしいその様子に、鈴仙は思わず釘づけになってしまいそうになる。
そしてドリンクの半分程度が空いた頃に、輝夜はペットボトルから手を放して……。

163 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 00:30:15 ID:YK6fxAVA
輝夜「……ぷはー。今日も良い天気ね」

――と、非常に晴れやかな表情でドリンクを飲み終わる。

鈴仙「――ど、どうでしたか、姫様……?」

鈴仙はおずおずと輝夜に近寄って、その感想を伺う。輝夜は暫く黙っていたが、やがて口を開いて――。

先着1名様で、

★姫様の運命→ ! card★

と書き込んでください。マーク・数値で分岐します。

JOKER→超カグーヤ「私は姫様じゃない……。 超〈スーパー〉カグーヤ様だ! ちゃあああああああーーー!」輝夜、覚醒!
クラブA→輝夜「うっ!? 急にお腹が!? 仮にも姫なのに、なんてヒドい役どころなの、私って……!?」輝夜、再起不能〈リタイア〉!
それ以外→輝夜「……毒見して良かったわね、コレ。何か毒が入ってるわ。……蓬莱の薬のお蔭で中和されたけど」

*仮にクラブAだったとしても、流石にリタイアまでにはなりませんw
*輝夜に毒見をさせた事で、永琳印象値が下がります。51→49

164 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:30:55 ID:???
★姫様の運命→  クラブ7

165 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:31:01 ID:???
★姫様の運命→  ダイヤK

166 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:31:18 ID:???
★姫様の運命→  ダイヤ2

167 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:32:41 ID:???
超カグーヤになったらカップヌードルのCMにでれそうw

168 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 00:48:24 ID:???
姫様のお蔭で下剤被害はゼロ! ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
明日はもうちょっと、このイベントをやらせて頂こうと思います。
>>158
部下としては狂気的な失礼さですが、作戦的にはアリと言えばアリのため、今回は上昇ナシにしましたw
>>159
日頃の行いでしょうかw これも姫様のボスとしての器の大きさ故という事でひとつ。
>>160
カタルシスについては、もう暫くお待ちください。
>>161
彼らは本当にファンなんでしょうか……w
>>167
食べたらスーパー月人になれそうですねw

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

169 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:49:16 ID:???
そういやコーヒー無料券があったね。
ウサギBちゃんかつかさちゃん誘ってみるのもありかな。
アリスさんという選択肢もあるけど

170 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:49:48 ID:???
乙ロットォー!

171 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 00:54:28 ID:???
乙なのです!

姫様には「あらゆるものをファンにする程度の能力」と
「シリアスブレイカーする程度の能力」を持っているな。

172 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 05:08:29 ID:???
乙です
きっとこれも紫ってやつの仕業に違いない!
毒を盛るなんてなんて薄汚いんだ!やはり化け物どもは滅びるべきであったか!


・・・評価値はそりゃ下がるよな、毒と知ってて飲めって言ってるようなもんだもん


ところでどうでもいいが俺はアクエリかポカリかと聞かれたらアクエリ派である
普通のアクエリが最高だと思うボトルの形も強そうだし

173 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 07:30:36 ID:???
私はめんつゆ薄めて飲む派です(小声

174 :森崎名無しさん:2015/05/31(日) 21:08:20 ID:???
>>173 どうしてくれるんだ、君がそんなこというから暑い時期だしそうめん食いたくなってきたじゃないか

175 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 23:55:07 ID:???
こんばんは、遅くなりましたが少しだけ更新します。
>>170
乙ロットありがとうございます!
>>171
乙ありがとうございます!
姫様のお蔭でユルいムードになったのは事実ですね。
>>172
乙ありがとうございます。
今回のは永琳印象値を代償に、状況を丸く収めた的な選択でした。
>>172-174
私はソルティライチ派でしたね。めんつゆはそうめん位にしか使わず、余らせてしまいます。

176 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 23:56:25 ID:???
★姫様の運命→  クラブ7 ★
それ以外→輝夜「……毒見して良かったわね、コレ。何か毒が入ってるわ。……蓬莱の薬のお蔭で中和されたけど」

輝夜「……そうね。味はまあまあって言ったところだけど」

輝夜は手に持ったペットボトルを握りながら、含みを持った表情で話し始める。
その内容は、鈴仙が事前に予測した通りだった。

輝夜「私の身体は蓬莱の薬により、あらゆる変化を寄せ付けない。
だからその分、本来起こり得る変化に対してとても敏感になれる。
そんな私の基準から言わせてみれば――この飲み物。軽い物でしょうけど、毒かなんかが入ってるわね」

ルナティックスメンバー「「「「…………!!」」」」

――この飲み物には、ルナティックスメンバーを妨害する意図を持った何者かにより、毒が仕込まれている。
輝夜の宣言を確認したと同時に、永琳は近場のボトルをひょいと持ち上げてその周囲を確認すると。

永琳「……本当。良く見るとボトルに、液体が零れない程度の小さな穴が開いているわ。
注射器を使えば、事前に毒か何かを仕込む事は充分可能そうね」

慧音「な、何だって……! だとすると私達は、何者かにより狙われていたという事なのか!?」

永琳「――恐らくは、そうだと思うわ。もっとも、私も姫もこうした薬は大抵効かないし。
毒の仕込み方についても単純だから、本当に軽い嫌がらせレベルだとは思うんだけど。……ねえ、ウドンゲ?」

鈴仙「あっ、は、はいっ。 実はすみません、今まで言わなかったんですが……」

177 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 23:57:42 ID:???
永琳の発言を受けて、ここで鈴仙が一連の行動理由を説明し始める。

鈴仙は以前、霊夢などを通して破壊工作を行う天邪鬼が居る事を聞いていたこと。
取り分け、下剤を裏ルートから入手していたと聞いたため、弁当や飲み物などに警戒を払っていたこと。
そのため、飲み物に毒が入っている事を輝夜に確認して貰おうとしたこと。

三段目の解説をしている時の永琳の目線が若干というかかなり怖かったが、
鈴仙はそれを気にしないようにして説明し終えると、チームメンバーの間からどよめきが起きる。

パスカル「なんという事だ。しかし、もしこれが本当に聖徳ホウリューズの刺客によるものだとすると、
本当に厄介だぞ……!」

中山「スポーツマンシップに則って戦ってほしい……とは俺の率直な本音だが。
しかし戦場にはこうした敵も居る。まず何よりも自らの勝利を求め、その為には自らを外道に落とす事すら厭わない奴らが」

輝夜「私知ってる、『私は戦うのが好きなんじゃない、勝つのが好きなんだよ!』的なヤツでしょ!
確かショウの大冒険で出て来る三下ボスの、モコイザードくんの名ゼリフだよね!!」

妹紅「誰が氷炎魔団長だ誰が!? しまいにゃフィンガーフレアフェニックス再誕ズぶちかますぞ!」

つかさ「お二人とも、分かる人にしか分からないネタで喧嘩するのは止めて下さい……」

――とはいえ、現に今その毒薬を飲み干した輝夜がケロリとした表情で妹紅との喧嘩に興じているため、
チームメイトに流れた緊迫感というものはそこまででも無い。
それ故、聖徳ホウリューズのメンバーによる妨害工作による混乱は最小限に留まったとも思われる。

178 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/31(日) 23:58:49 ID:???
鈴仙「(だけど……やっぱり謎はまだ残る。仮に聖徳ホウリューズに天邪鬼が操られていたとして。
彼女は一体どうやって裏ルートで下剤を? もしもこの中に内通者が居れば、永遠亭の薬棚から、
強力な下剤を大量に取り出す事も出来たんじゃ……?)」

チームに実害は無かった。しかし、鈴仙の疑念はこれで消え去る事は無い。
何の背景も持たぬチンピラ妖怪が、下剤を使ってここまで大規模な妨害工作を行うのは困難に感じるからだ。
神子達が手を回したことも考えたが、ウサギBをして暴けない程巧みに情報を操作している彼女達が、
分かり易い形で援助を行うことも考えにくい。

パスカル「なあ、レイセン。俺だって言いたくはないが……」

――そして、鈴仙と同じ疑問を持つチームメイトも複数居た。
パスカルは鈴仙の耳元でそっと囁くように、鈴仙が感じた疑問と同じ内容を口にする。
鈴仙はパスカルに対し、何も言わず首を振る形で応える。

鈴仙「(――そんな事、あるはずない……。あるはずがない、……と、思うから……!)」

パスカルにも恐らく、鈴仙の動揺は伝わっただろう。
鈴仙は仲間を信じようとしながら、その一方でどうしても仲間を疑っていた。
特に、岬から「宿題」を渡された鈴仙にとっては、ある一名に対しそうした疑念が生じるのは当然だった。

佳歩「………!!」

鈴仙「(佳歩……? あんたはどうしてミーティングに遅刻して来たの?
どうしてミーティング中も何もしゃべらなかったの? どうして……今、貴女はこんなにも怯えて震えているの……!?)」

鈴仙は佳歩を疑っていた。スポーツドリンクに何かしらの毒を入れたのではないにせよ、
少なくとも、彼女が良からぬ連中と何等かの形で関与しているのではないか。
今の一件を受け、その疑念は鈴仙の「信じたい」という思いを少しずつ浸食していく。

179 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 00:00:46 ID:???
鈴仙「(――佳歩が本当にスパイ……じゃないにしても!
永遠亭ルナティックスの中に、内通者が居る可能性については言及すべきなのかしら……。
多分、私やパスカル君だけじゃない。中山さんや師匠はとっくに勘付いてるでしょうし、
慧音さんは勿論、ウサギBちゃんやつかさみたいに頭の良いメンバーだったら、
下剤は姫様が飲んだからはい終わり、……とは思っていない筈!)」

そんな想いが鈴仙の中で。あるいはひょっとしたら、チーム全体で広がっていたところ。

??「……あの」

――ある人物が、唐突に口を開いた。
どよめきが沈黙に変わりつつあるタイミングでの彼女の発言を聞き取れる者は初めは少なく、
具体的に言うと輝夜と妹紅のしょうもないショウの大冒険論議
(お題:モコイザードとカグエラ(※ショウの大冒険に出て来る陰険な魔導士らしい)だったらどっちが強いか)
により掻き消されていたが。

佳歩「…………あのっ!」

ある人物――因幡佳歩は、もう一度意を決したような大声で、チームメンバーに存在感を示した。
その切羽詰まった声色に、ルナティックスのメンバー一同は一斉に佳歩を見つめる。

鈴仙「……ど。どうしたの、佳歩。そんな素っ頓狂な声を上げて……」

鈴仙は辛うじて喉を振り絞って、そう事務的に発言する事ができた。
しかし、その次に佳歩が発した言葉に対して、鈴仙は絶句せざるを得なかった。
佳歩は鈴仙の発言を受けて、じいっと鈴仙の瞳を見つめた後。
――観念して全てを投げ出した罪人の如く、チームメイトにこう言い放ったのである。

180 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 00:04:00 ID:???


佳歩「……み、みなさん。ごめんなさい……! この一件は、全部私のせいです。
    私は……実は、聖徳ホウリューズの、えっと、その……す、スパイだったんですから……!!」



ルナティックスメンバー「「「………………………!!?!??」」」

鈴仙「――か、かほ……? あなたは……何を……言ってる、……の?」


一旦寛解しかけたロッカールームに、再び冷たい緊張が走った。

181 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 00:08:56 ID:???
……と、言った所で今日の更新はここまでです。試合開始には、もう少し時間が掛かりそうです(汗)
明日は鈴仙が自慢の銃弾型弾幕(座薬ではない)で佳歩の主張を論破していく、逆転鈴仙改めウドンゲロンパ編が始まります(多分うそです)

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

182 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 00:12:43 ID:???
乙なのです

なにか裏がありそうですねえ
ここで暴露する理由がないし
佳歩の様子が変になったのは最近のことだし
……まあ検討がつかないですけどね!(汗)

183 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 00:29:18 ID:???
乙です
とりあえずフレイザードを三下扱いしたそこの姫様
ちょっとこっちに来なさい
大魔王バーンの魔力でFFB(つまりカイザーフェニックス×5)使ってあげるから


なんとなくスパイがもう一人いそうな気がするんだよね
岬→佳歩がスパイ(この後のことで佳歩がスパイだということが真実だと確信しそれで安心するだろう。もう一人は気づかずに)
佳歩→自分がスパイ(もう一方をかばうことで反省アピール+もう一方をかばえるという一石二鳥)
もう一人→佳歩を弾圧(裏切り者は許さないアピール、しかしほかのことで妨害していく)

184 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 01:26:51 ID:???
鈴仙「異議あり! この一連の行動には大きな矛盾があります!」
永琳(そうよウドンゲ……佳歩の証言の矛盾を突いていけば必ず突破口があるわ)
鈴仙「それは……姫様をなによりも大事に思っている師匠が、なぜ姫様の代わりに毒味をしなかったのか! ということです!」
ウサギC「へ?」
永琳「ウドンゲ……三途の川の渡し賃は用意したかしら?」
鈴仙「え? いや、最近お小遣いが少ないので……あれ師匠何をぎゃー!?」
佳歩「鈴仙さまー!?」

その後……佳歩のスパイ疑惑はうやむやになった。
永琳により超魔玉兎と化した鈴仙がダブルハットトリックを決めて神子達を凌辱したからだ
その様子は謎の向日葵仮面すら私を超えるかもしれないと発言したという
ちなみに、その光景を目の当たりにした、佳歩を含むウサギ5人組は鈴仙に心酔し
鈴仙の親衛騎団として名を馳せることになるのであった……

悪ふざけしました、すみません

185 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 01:30:33 ID:???
乙ロット!

186 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 09:42:18 ID:???
真面目にこういうことに対して何て返してあげればいいかワカラヌ。
いきなり踏み込んだ質問をして理由を聞いていいものか。
さすがにふーんはいさよならーはないしな...

187 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 09:43:52 ID:???
後で二人きりで話をするってのが良いんじゃないかな?

188 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 20:03:04 ID:???
しかし現実世界でチームの妨害行為に走った場合退団とまではいかずともかなりの罰則がある。
いかに幻想といえど、公に公表した以上このあとの台詞次第で試合出場停止もありうる。
さて、この後の展開しだいだ

189 :森崎名無しさん:2015/06/01(月) 23:06:10 ID:???
佳歩がスパイになったのも鈴仙って奴の仕業なんだ

190 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 23:54:46 ID:???
こんばんは、更新していきます。
>>182
乙ありがとうございます。
佳歩の謎については鈴仙が解き明かしてくれます。
>>183
乙ありがとうございます。
妹紅は実はカイザーフェニックス再誕(高クリア+6)300消費が使えます(たぶんうそです)
スパイ疑惑については、たぶんチーム的には丸く収まると信じてます。
>>184
永琳は「毒見を承諾した輝夜の意志を尊重している」という事でお願いします(汗)
超魔玉兎……鈴仙の胸には黒のコアが埋められてそうですねw
ウサギCちゃんは親衛騎団で言ったらマキシマムだと思います。(親衛騎団じゃない)
>>185
乙ロットありがとうございます!姫様順位下がっちゃいましたね……。
>>186-188
どう転ぶかは多分今後の鈴仙の選択次第ですね。
>>189
そうかもしれません。

191 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 23:55:55 ID:???
***


パスカル「……どういうことだ?」

まず先に佳歩に問いかけたのは、普段から冷静なパスカルだった。
もしくは、下剤騒ぎになった時からこの可能性を認識していたのかもしれない。
彼は高くも無ければ低くも無い声でそう言った。

佳歩「どうもこうも。さっき言った通りです。この一件は、全部私のせいです……!」

そんなパスカルに対し、佳歩は目をぎゅっと瞑って手も握って、何かを振り払うようにそう言い切った。

慧音「――そう言われても。それだけじゃあ何も分からないぞ。私だけじゃなく、他の皆にとっても」

妹紅「そ、そうだよ。どういう訳かしっかり説明してくれないと!」

それに続いたのは妹紅と慧音。元々彼女達は人里FCの一員だったために
永遠亭ルナティックスの初期メンバー――鈴仙やてゐ、他のウサギ達よりも一歩引いた目線でそう発言する。

中山「……慧音さん達の言う通りだな。きちんと、話をしてくれなければ。
――でなければ、俺達はどれ程重く、君を裁かないといけないのかも分からない。
話せる状態でない、と言うのなら……まずは落ち着いてみてはいかがかな?」

佳歩「………は、はい」

それに加えて、中山が普段よりも重々しい声で厳しくそう言った事もあり、
佳歩は一旦冷静になったようだ。しゅんと頭を垂れてから、暫くの間沈み込んでいる。
まるで悪戯を叱られた時のような姿勢だが、微笑ましさはどこにも無い。

鈴仙「…………」

192 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/01(月) 23:59:04 ID:76m9SDUI
――鈴仙は、何と佳歩に話し掛けるべきかを完璧に見失っていた。
口汚く佳歩を糾弾……はしなくとも、慧音たちや中山のように、中立的な立場で発言を促すか。
それとも、やはり佳歩の友人として、何故こう発言したのかその心中を慮るべきか。

鈴仙「(――私はやっぱり、佳歩を完全に信用していない……と思う。
理屈もそうだし、何よりも感情がそうなってしまっている。
だから、口先だけの言葉は絶対失敗する。私は不器用だから。
そして私はキャプテンでもあるから――不用意すぎる発言をしてはいけない。
その位ならわかる。でも、分かったからと言って――私は何を言えば……!)」

佳歩はまだチームメンバーの浴びるような視線を受けながら、大きく項垂れている。
泣いてはいないが、苦しそうな佳歩の息遣いが聞こえる。

鈴仙「……!」

そんな彼女の様子を見て、口を突いて出た鈴仙の言葉は……。

A:「……佳歩、どうして? どうして、そんなスパイだなんて……?」
B:「……辛いとは思う。だけどやっぱり、話して頂戴、佳歩」
C:「……だ、大丈夫よ! 私は佳歩の事、信じてるからね!!」
D:「……落ち着いて、佳歩。大きく息を吸ってね」
E:「……ええーい! こんな狼藉者はキャプテン権限でクビよクビよクビよ!」
F:その他 自由選択枠

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*難しそうな選択ではありますが、そこまで重い選択肢ではないため、ここは2票決とします。
*とはいえ、この中でもハズレ選択肢はあります。ヒントはFの自由選択枠からお使いください。

193 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:00:45 ID:MOyrtV1I
D

194 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:01:55 ID:jQCT8IWY


195 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:02:03 ID:VoMtdOdw
D
私の勘は当てにならないけと……これかなあ
まず落ち着かせないと

196 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:02:27 ID:DuGevpnI
E

197 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:04:09 ID:???
れれれ冷静になれ 落ち着けハマーD! KOOLになれ

198 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:49:37 ID:???
F岬に化してた本に火をつけそれで思いっきり頬をひっぱたき相手が倒れた後に追撃の
 ローキックからの唾吐きによる3ゲージ消費の社会的自殺コンボを実行する

・・・いや、じょうだんだけどね

試合始まる前に岬に情報ありがとうというお礼の言葉(皮肉と挑発)でも言うべきかな

199 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 00:49:48 ID:Qx9upqsE
D:「……落ち着いて、佳歩。大きく息を吸ってね」

佳歩「……はぁ、はぁ……!」

鈴仙はまず、佳歩の本当に辛そうな表情が特に気になった。
仮に佳歩が鈴仙を裏切っていたとしても、鈴仙は佳歩のこんな顔は見たくなかった。
だから鈴仙は最初に素直な気持ちでこう言ってあげる事ができた。

鈴仙「……落ち着いて、佳歩。大きく息を吸ってね」

佳歩「は……はぃ。……ありがとう、ございます……」

――佳歩は鈴仙の呼びかけに応じて大きく深呼吸をしている。
これで少しは、彼女の気持ちも収まったであろうか。

鈴仙「(うーん。とりあえず佳歩が冷静になってくれたのは……良かった、のかな?)」


*佳歩が比較的冷静になりました。

200 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 00:51:26 ID:Qx9upqsE
ウサギD「……でも。佳歩ちゃん、一体本当にどうしたの……?」

ウサギB「――正直、佳歩ちゃんはスパイに向いてないと思うけど……」

――そうして佳歩が落ち着きを取り戻そうとする事数分。
選手入場まで微妙に時間が残されている中、先程よりは落ち着いた様子の佳歩に、
今度は永遠亭の仲間のウサギ達が声を掛け始める。

佳歩「……うん。えっとね……」

そして、応じる佳歩も冷静さを取り戻したのか、ウサギ達の問いかけにも意思を持って頷いている。
これでもう充分と判断したのか。

てゐ「……よし。それじゃあ話してみるんだね。佳歩。アンタがスパイでドリンクに毒を仕込んだとしたら。
一体どうやって毒を仕込んだのか。……そのストーリーの一部始終をさ」

佳歩の親分であり親代わりでもあるてゐが、これまで鈴仙が見た事も無い程の無表情でそう問いかける。
佳歩はてゐの視線を真正面から受け取るように頷いて。……そして、こう語り始めた。

佳歩「今回、私がドリンクに毒をを盛ったとして。その理由ですね。分かりました。お話しましょう……」

201 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 00:52:52 ID:Qx9upqsE
〜佳歩の証言〜

――私は今日、早起きをしました。全ては永遠亭の薬棚にある【下剤】を盗み出すために……。
薬棚は、永遠亭のウサギなら誰でも知っているから、誰にも見られない時間に行けば、
盗み出す事だって簡単にできちゃいます。

――そうして得た【薬の粉末】を、私はポーチにひっそりと忍ばせて、再び寝床に戻ります。
それで、他の子たちと一緒に目覚めたフリをして、身支度を始め。
その後、てゐさまや鈴仙さまと合流して、ルナティックスメンバーとしてスタジアムに向かいました。

――ですが、スタジアムに向かってから、私は別行動を取りました。
……勿論、下剤の入ったドリンクを拵える為です。
私はお手洗いに行くと言って他の子たちと別れた後、【隠れた場所】で……!


――サッー!!


――……そうして、私は【ドリンクの詰まった箱】を通りがかったスタッフさんに手渡しました。
それで、私は何喰わぬ顔……じゃ、無かったかもですけど。
とにかく、その後皆と合流しました。それから先は、特に言う事もありません。


〜証言ここまで〜

202 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:56:22 ID:???
待った!意義あり!

203 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:58:02 ID:???
はえーよホセ

204 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 00:58:46 ID:???
注射で入れたのに粉末か

205 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 00:59:51 ID:Qx9upqsE
佳歩「……と、いう訳なんです」

妹紅「ふーん、成程。確かに理屈は通るけど……。なんでそれを今バラしちゃったの?」

佳歩「そ、それは……! えっと、その。鈴仙さまが思ったよりも早く勘付いてましたし、
お師匠様……永琳様が怖い目線で睨んでいたからです。
それでもう、逃げるのは止めよう、嘘を吐くのは止めようって……!」

パスカル「仮に君が本当にスパイだったとして。いつから、何故、何のためにこんな事を?」

佳歩「り、理由は……その。お金です。聖徳ホウリューズの偉い人が、この作戦に乗ったらお金をくれるって……。
それで私、大会の始まる前からずっとこの瞬間を狙ってたんです!」

証言を一通り終えた佳歩は、妹紅とパスカルの質問についても、最低限ではあるが一応筋の通った風に答えていく。
ただ、最低限……とはその通りであり、かなり内容的にも怪しい。
佳歩がスパイかどうかは置いておくとしても、証言自体の信憑性も疑わしく見えて来る程である。

鈴仙「(うーむ。佳歩は最初から私達に毒を盛る心算で準備していて。
それで、席をはずしている間に毒を仕込んでいた……か。成程、これなら理屈としてはまかり通るけど……?)」

鈴仙は、ある程度冷静さを取り戻した佳歩のロジックについて苦戦していた。
佳歩の発言には何か不自然な点がある。しかし、それを巧く指摘できない。
そんな鈴仙の背中を、ぽんぽんと叩く者が居た。

てゐ「……鈴仙。困ってるね。どうやって佳歩ちゃんを論破してやろうかって」

鈴仙「ろ、論破って……人聞き悪いわね。私はただ、佳歩が何かを隠してるんじゃないかって思っただけよ」

てゐ「ふ〜ん。じゃ、鈴仙は信じてるワケだ」

鈴仙「な、何を?」

206 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 01:01:20 ID:Qx9upqsE
てゐ「佳歩のコトをさ。もし完全に佳歩の事をスパイだって思ってたら、それでオシマイ!
……で良かった筈なのに。鈴仙はこうやって佳歩のムジュンを見抜いて、それで佳歩の真意を見抜こうとしている。
信じる為には、嘘を受け止め、それを乗り越えなくちゃいけないからね〜」

鈴仙「そ……そう。なのかな」

鈴仙は確かにこの時、確かに佳歩を信じたいという自分自身が居ることに気付いた。
鈴仙が佳歩の発言を怪しいと思ったのは理屈では無い。
これまで永遠亭ルナティックスのツートップとして苦楽を共にした佳歩が、
こうした裏切りをするはずがない。そう信じたいのではなかったか。

鈴仙「(……もしも裏切っていたら怖いだとか。そんなのは本当の私の感情じゃない。
それは感情の皮を被った打算。私は、そんな打算をも捨てて佳歩を信じたいって思ってる筈。
ちょうどさっき、苦しそうな佳歩に、裏切りの可能性を度外視して、優しい言葉をかける事ができたみたいに……!)」

そう思った鈴仙は、少しだけ楽になる事ができた気がした。
そして、それを見計らったかのように。

てゐ「……とゆわけで、ほい」

鈴仙の肩程も無い背丈のてゐが、そんなご立派な事をのたまいながら、鈴仙にとあるものを手渡した。

鈴仙「? これは………これって、さっきのドリンクじゃない。下剤入りの」

てゐ「そ。鈴仙。……佳歩の発言のウソを見抜きたいんでしょ? だから、その為の弾丸。このドリンクがね」

鈴仙「弾丸……ねえ。どっちかというと法廷の証拠品みたく見えるけど」

てゐ「う、うるさいな。だって良く分かんないだもん! ……ま、それは置いといて。
『佳歩の発言には、このアイテムを根拠として暴けるウソが混じっている』よ。
鈴仙は今から、このアイテムで佳歩のロジックをやっつけるのさ」

207 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:02:36 ID:???
ペットボトルのふたは開けると分かりやすいから粉末を水に溶いて注射器でブスリ♂したんだろう(援誤射撃)

208 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 01:08:49 ID:Qx9upqsE
先程佳歩に語り掛けた時の、能面のような無表情とは違う。
てゐは鈴仙を自分と仲間と認めて、その上で佳歩の無実を証明したがっているのかもしれない。
鈴仙は都合良く、てゐを信じる事にした。

※証拠アイテム『下剤入りドリンク』を入手しました。
 『下剤入りドリンク』の詳細:ヒューガーブランドのスポーツドリンク。幻想郷では高価だが、
                  外の世界ではいわゆる自社ブランド物であり、有名なスポーツドリンクよりもぐっと安い。
                  下剤は極細の注射器を通して注入させられたらしく蓋は空いておらず、
                  一見新品と見分けがつかない。グレープフルーツ味(無果汁)。


鈴仙「(さあ……! 第一問目は軽いジャブ。佳歩の発言のムジュンを、このアイテムで見抜いてやるんだから!)」

鈴仙は佳歩の発言の思い出しながら、その中で追及できるキーワードを一つ選び出した。それは……

<第一問 佳歩の発言のムジュンを暴け!>
難易度:★☆☆☆☆  石崎君でも解けるレベルです。

A:【下剤】だ!
B:【薬の粉末】だ!
C:【隠れた場所】だ!
D:【ドリンクの詰まった箱】だ!
E:わ、わからない! ヒント神・ヨッチャンに救いを求める!(! dice×100円消費します)

鈴仙の残機:***
証拠アイテム:『下剤入りドリンク』

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*試合前にすみませんが、試験的にADVもどきにしてみました。
*鈴仙がここでイベント成功させると、佳歩への疑心が早期に解消し、若干ボーナスが付与されます。
*失敗した場合でも、佳歩への疑心はイベント進行で絶対に解消されます。

209 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:13:33 ID:jQCT8IWY


210 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:14:26 ID:yyMNyNyc
C トイレで飲食物を使用挙句の果てに下剤混入とは実に許せん!
  飲食物に対する冒涜だ!

211 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/02(火) 01:14:28 ID:Qx9upqsE
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
問題数は4〜5問程度にして、一日2問程度できればと思っています。
後半は少し難し目な問題になれば面白そうとは思っていますが、多分優しくなります。
深読みしすぎて……という風にならず、素直に考えれば解ける程度の難易度をめざしています。

反論できるのは【】で囲ったキーワードについてですが、
その根拠等については、佳歩の証言全体に及びますので、注意して読んで頂ければ幸いです。

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

212 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:14:54 ID:VoMtdOdw
B
注射器なのに粉末はない

213 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:23:01 ID:???
蓋開いてないのにどうやってサッー!!て入れるんですかねえ…

214 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:25:50 ID:???
サアッー!!

215 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:29:13 ID:???
いや、サッーはトイレで注射器に入れる溶媒(水)に粉末を入れている音で粉を入れている音じゃない・・・から・・・

216 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 01:53:49 ID:???
極細すぎるので粉末では無理、水に溶かしてもクスリの目に見えない粒はつまる

217 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 17:50:29 ID:???
逆転裁判とかダンガンロンパだと矛盾点を突いて行けば話が進んでいく
仮に穴があったとしても今度はそこの話に発展していくこともある
書いてある通りに深読みしすぎて……みたいな事はしなくていいはずですよ

218 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 20:05:50 ID:???
そもそもどうやって永琳の目をごまかしてスパイなんか出来るのかって
話になるしね

219 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:05:01 ID:???
>姫様順位下がっちゃいましたね……。
姫様を26位にしたいなぁと思っていたら、ヒジリーが26位ですってねw

220 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:22:01 ID:???
>>218
確かに…。そもそも永琳の目を盗んで薬や注射器を持ち出せるかって話になるよね
薬や注射器は管理が厳しいから、紛失したら医師の永琳の責任になる
あの永琳が気付かないなんてヘマをするわけがないしな

221 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:24:49 ID:???
つまり永琳もスパイだったってことか!

222 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:25:33 ID:???
クラブA出したんだろ

223 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:26:16 ID:???
犯人はお前(永琳)だ!じっちゃんの名にかけて!

224 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 21:50:36 ID:???
もしかしたら、薬や注射器は持ち出したんじゃなく、スリにあったかで紛失したんじゃないか。
スタジアムで鈴仙が財布を紛失したけど、直前に少年とぶつかったよね。財布を持っていたのは岬。
となると、岬か岬の息のかかった人間がスリをしたことになる。
推論だけど、薬や注射器をスリで紛失したのは佳歩。医療器具が紛失したらただでは済まない。
岬に言いくるめられて、自らスパイだと名乗り出たのでは。
じゃあ岬は何故そんなことをしたか。永遠亭メンバーに不信の楔を打つこと。そして八意永琳の信用を失墜させることだ。

225 :森崎名無しさん:2015/06/02(火) 22:19:01 ID:???
続きの証言を聞かない限りはなんとも
名推理を頼むぜ、探偵ウサギCw

226 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/03(水) 00:54:19 ID:QzZxj+Aw
こんばんは、今帰ってこれました(汗)
折角ですので少し更新します。出題までには行けませんでしたが……。

>今回の問題について
少し簡単すぎたかもですが、答えはBでした。
粉末を水に溶かして注射器で注入した可能性もありましたが、
「サッー!」というネタっぽい擬音語で粉末を混入した感じを示唆してます。
確かに溶媒に粉末を入れてる音だった可能性とかも完璧には否定できませんが、
その辺り考え出すとキリが無くなりますので、深く考えても良い事は無いと思います(笑)

>姫様の順位について
後少しでぬえは追い抜けたんですが、ちょっと残念でしたね。
ヒジリーさんは伝説の超人とは違う路線(ヒャッハー系)を突き進んでる気もしますw
私的には、鈴仙と早苗さんがベスト10入りして欲しかったですね。

>えーりんが居るからスパイなんてできないんじゃ?
永琳は沈黙を保っていますね。
気付かなかったのか、気付かないフリをしていたのか、それとも……

>名探偵ウサギCについて
推理小説とかだと、Cちゃんみたいなキャラは名探偵率高いですが、
実際のCちゃんはたぶん、バトエンをコロコロして犯人を決めるタイプですね。

227 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/03(水) 00:55:31 ID:QzZxj+Aw
B:【薬の粉末】だ!

鈴仙「待った!!」

佳歩「……! は、はい! どうしましたか、鈴仙さま!?」

鈴仙「――今の佳歩の発言は、この証拠と明らかにムジュンしているわ! ……くらえ!」

バン!!

佳歩「あっ! そ、そうか……!」

――鈴仙は、物凄い勢いで佳歩にてゐから貰ったドリンクを叩きつけた。
佳歩は鈴仙の口ぶりから自身のミスを悟り青ざめたが、周囲はポカンとしていたが。

つかさ「えっと……。どうされたんですか、鈴仙さま?」

妹紅「その下剤入りドリンクがどうかしたの?」

鈴仙「――皆。良く見てみて。このドリンクは、容器側面に小さい穴が開いていた。
そこから下剤が注入された……って、事だったわよね?」

慧音「ああ、そうだな。 ……と。成程」

ウサギB「どういう事ですか、慧音先生?」

そこから鈴仙の説明を受けて、気付く者も少しずつ出始めた。
ウサギBの問いかけを受けて、慧音がゆっくりと鈴仙の意図を説明しだす。

慧音「……鈴仙。君はつまりこう言いたいんだな。
『佳歩は粉末の下剤をドリンクに混入したと言った。しかし、実際には下剤は液体として、注射器により注入された。
 実行犯である筈の佳歩が、こんな大きな言い間違いをするのはおかしい』……と」

228 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/03(水) 00:57:02 ID:QzZxj+Aw
鈴仙「はい。そうです」

鈴仙は慧音の説明に頷きながら続ける。

鈴仙「佳歩が犯人だったら、こんなバカバカしい間違いをする筈がありません。
それなのにどうしてこんな間違いをしたのか。
勿論、単純に言い間違えた可能性だって否定はできないけれど。
……そうじゃなくって、それよりも」

佳歩「それよりも……何だって言うんですか?」

珍しく反抗的な目付きを作って、必死に抗おうとする佳歩。
しかし、自身の急造のロジックがアッサリ破綻した以上、今の彼女に鈴仙を押さえつける力は無い。
鈴仙は自信たっぷりに、佳歩にこう言い放った。

鈴仙「佳歩――あんた、本当は下剤を混入なんて、してないんじゃないの?」

佳歩「……………!!」

佳歩はたじろいだ。実に真っ正直な佳歩らしい反応とも言える。
鈴仙は更に追い打ちをかける。

鈴仙「更に言えば、佳歩。あんたは薬棚から下剤も盗んでいないし、多分きっと神子のスパイでも何でも無いんじゃないの?
……誰かに脅されているか、誰かを庇っているのかは分からないけれど。
だって、落ち着いて考えれば、薬棚から薬品が無くなっていたら簡単にアシが付くし、
神子のスパイだったとして、ここまで師匠やてゐにまでボロを全く出さずに振る舞うだなんて、まずムリでしょうし」

佳歩「ぁ、う……!」

たじろいだ佳歩が、今度はよろめいた。鈴仙によるロジックの弾幕が、佳歩のロジックを打ち破った。
――しかし、この時鈴仙を始めとするルナティックスメンバー全員が失念していた。
因幡佳歩は単なる直情的な少女では無い。

229 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/03(水) 00:59:28 ID:QzZxj+Aw
佳歩「…………」

てゐ「――ま。そんなワケだからさ、佳歩。洗いざらい吐いちゃいなよ。
試合前だからさ、カツ丼はやれないけど。でも、話してくれるよね?
どうして自分はスパイだなんて言ったのか。誰かを庇ってるの? それとも脅された?」

佳歩「………からです」

てゐ「ほへ?」

フレンドリーな熱血教師っぽい感じで、てゐは佳歩の肩をポンポンと叩き、
今回の発言の意図について問いただそうとしていたが、佳歩はそんなてゐの手を振り払って。

佳歩「――どうして自分がスパイだなんて言ったかと言うと。それは、私が本当にスパイだからです……!」

佳歩はユラリとよろめいた身体を起こして、鈴仙達を精一杯にらみつける。
そんないつもの佳歩らしからぬ様子にルナティックスメンバーは困惑したが。


佳歩「――すみません、さっきは気が動転してて怪しい発言をしちゃいましたが。
もう一度証言させて下さい。これで、私がスパイである事を証明してみせますから……!」


鈴仙「(あっ。そうか。……そういや、佳歩ってば頭の回転も結構良かったんだっけ。
直情的で一度信じた事、決めた事には突っ走るタイプで、かつ、頭も実は悪くない。
――ん? こ、これって……思ったよりもめんどくさい状態なような…………)」

――佳歩との付き合いの長い鈴仙はいち早く気付いた。
佳歩はただの直情的な少女では無く。
頭脳的で華麗で、かつ直情的な、敵に回すと案外厄介なタイプな少女であったという事実に……。

230 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/03(水) 01:01:44 ID:???
佳歩第二形態との戦闘を前にして、今日の更新はここまでです。
皆様、本日もお疲れ様でした。

231 :森崎名無しさん:2015/06/03(水) 01:06:12 ID:???
佳歩「私は後3、4回変身を残している……この意味が分かるか?」

てゐ「れ、鈴仙がこんなに論理的に話を進めていくなんて……はっ!?」
つかさ「まさか鈴仙さまの偽者!?」
ウサギB「しょーたいを現せー!」
鈴仙「よしあんたらあとで覚えてなさい」

乙なのです!

232 :森崎名無しさん:2015/06/03(水) 02:38:21 ID:???
(早く試合したい)
乙でした

233 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/04(木) 00:08:26 ID:???
こんばんは、今日も更新します。
>>231
乙ありがとうございます。
鈴仙は案外頭悪くないようで実は割と頭良く無いかもですw
>>232
乙ありがとうございます。
そうですね、確かに試合が一番大事ですし、あまりぐだつくのも良く無いので、
問題は残り1問にして、今日で終わらせるくらいの勢いにしようと思います。
その代わり、(個人的な趣味で)問題を難し目にしてみようと思います。

234 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/04(木) 00:09:41 ID:???
〜真・佳歩の証言〜

――すみません、下剤は粉末じゃなくって飲み薬でした。
危険なお薬は流石に厳重に保管されてますけど、【下剤とか日用薬】程度は、簡単に手に入りますからね。
時間さえ選べれば、薬棚から失敬するのは、さして困難じゃありませんでした。

――注射については、お師匠様の部屋から失敬……は、流石に難しかったので、
ヒューガーの社員の……えっと。名刺を持ってます。沢田タケシって人から【自分で買いました】。
外の世界の商品を卸している会社ですもの、極細の注射器を持っていても、おかしくないですからね。
私はスパイですから。多少の前金は、えっと……神子様からこっそり貰っていたんです。

――スタジアムに向かってから、下剤の入ったドリンクを拵えるのはおんなじです。
ドリンクの箱は、事前の取り決めとおり、スタジアムの倉庫にコッソリ入っていました。
その倉庫はめったに人も入らないと聞いてましたから、私はそこで注射器を使って、ドリンクに下剤を混入させました。
あんまり時間がかかっては怪しまれるので、多少注射が雑になっても良いから、【兎に角迅速に】……ね。

――そしてその後、私はまずドリンクの詰まった箱を通りがかったスタッフさんに、ファンのフリをして渡しました。
とは言っても、妖怪ウサギの私がファンのフリと言うのも、身内なのがバレバレで難しいので。
人間の子どもっぽく見えるよう、【兎耳を隠して】、それでスタッフさんに渡していますよ。

――それから、私は注射器と下剤の残りをスタジアムのトイレに流して捨てて……それで、皆と合流したんです。
鈴仙さまも知っての通り、【お手洗いが混んでいた】と言い訳をして……ね。それから先については同じです。

〜証言ここまで〜

235 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/04(木) 00:18:01 ID:???

鈴仙「――ずいぶんとマシな理由を言ってくれるじゃないの、佳歩」

佳歩「え、へへへ……。当たり前です。なんたって私は、鈴仙さま……いや、れ、れ、れ……鈴仙!
貴女……じゃなくてき、き、きさま! す、すみませんっ!? ……じゃない、貴様!!
貴様を裏切る為に、ここまでスパイとして暗躍してきたんだから、いや、ですから……いや、やっぱりだからな! です!!」

てゐ「(口調ガバガバやんけ。ここまでロジカルに考えられる頭があるのに、どーしてこうも、チグハグかねぇ……)
――なるほどね。つまりアンタは、ここまで鈴仙を騙すために、ずーっと、ずーーっと潜んでいたわけか。
聖徳ホウリューズの刺客としてね」

佳歩「そ、そうよっ……です! 鈴仙さまが幻想郷に与える影響力については、私は何度も神子様から聞いていた!
そしてあの方はこれまで幾多の苦難を乗り越え、幻想郷一のストライカーとして成長して来た!
そんな鈴仙さま……いや、鈴仙を潰すべく! わ、わたし……私は、派遣されていたのよ!!
こうやって聖徳ホウリューズ戦の直前で鈴仙……さまを裏切って、それを自白する事でねっ!!!!」

佳歩は大汗をかきながら、半ばヤケになったようにそう大声を出して言いきって見せる。
その迫力は、これまで鈴仙達は勿論、他の妖怪ウサギも見た事が無い様子だった。

ウサギD「そ、そんなぁ〜!! 佳歩ちゃんが裏で、そんな事を考えてたなんて……!!」

パスカル「い、いや。確かに筋は通るし割と現実味もある話だが、しかし……」

中山「――とりあえずは、証拠を見せてくれなきゃ信用できない話ではあるな」

慧音「そうだな。もしも佳歩、君が本当にその話通り私達を裏切ったとしたら。
それに伴う証拠がある筈だぞ? 注射器をやりとりした会社員の名刺だとか、
妖怪である事をスタッフに隠す為に使用した衣類だとか。今君の手元にある証拠類、まずは全て見せてくれないと始まらん」

236 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/04(木) 00:20:16 ID:???
佳歩「い、いいですよ? 見て下さい。これで私がまぎれもなく悪のスパイだって事が、証明できちゃうんですから……」

佳歩はそう呟きながら、小さなカバンから色々な物を取り出していく。
名刺、古ぼけたタオル、それとついでに永遠亭のエンブレム――永遠亭の薬売りなら全員が持っている――を
テーブルの上に置いた佳歩は、やましい事の筈なのに、誇らしげに胸を張っている。

佳歩「こ、これで証拠になりますよね? 決定的な証拠である注射器とかは無いんですけど……。
――こ、これで私がスパイって事で良いですよね? ね?」

鈴仙「(……怪しすぎるけど。逆に言えば怪しいという以外に、佳歩が嘘をついているという判断材料は無いわね……。
――とりあえずは、証拠を見てみないと)」

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