キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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屁理屈推理合戦withキャプ森

1 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2016/12/30(金) 03:30:43 ID:???






――この物語はどうせ幻想に決まってます。
      キャプ森本編・外伝及び「うみねこのなく頃に」本編と関係有る筈もありません――。











※このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「うみねこのなく頃に」とのクロスオーバー作品です。
※内容は、「うみねこのなく頃に」本編中の赤字&青字による屁理屈合戦(推理)ゲームを、独自の謎を使って行うものです。
 「うみねこ」本編ストーリーの直接的なネタバレはありませんが、「うみねこ」本編の登場人物がスレに登場します。
※最初のエピソードだけ>>1が書きたいですが、それ以降は他の方も書けるようにしたいとか考えています。

☆出典☆
【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレ@wiki
http://www19.atwiki.jp/herikutu/

104 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/02(月) 23:45:26 ID:4yGz+HWo
森崎「なら、お望み通りにしてやるぜ。受け取りなベアトリーチェッ!
   『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』!」

カッ! ドーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

ベアトリーチェ「……! 妾の、負けだ……!!」

森崎が最後に紡いだ特大の青の槍は、ベアトリーチェの心臓を貫いた。
魔女は最後に清々しい表情すら見せながら、森崎に対し敗北を表明する。

森崎「あばよ。クソッタレ魔女。翼や若林に負けないレベルにウザかったが。
    ……ほんの少しは、お前の事を悔いてやるぜ」

ベアトリーチェ「く、くくくっ……! 妾もだ、モロサキ、いや森崎有三よ……!
          今にみておれ。次のゲーム盤では、必ず、妾が……くうっ!」

そして、森崎の振り向きざまに――魔女が作り出した儚くも哀れな幻想は、
金色の光を放ちながら立ち所に雲散霧消し、空の彼方へと消えていった。

105 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/02(月) 23:48:22 ID:4yGz+HWo
**************************************
【とある哀れな老人の手記】

「一体、どうしてこんな事に……」

私は何度目かも分からぬ言葉を呟いた。

「私は……死にたくない。まだ何も成し得ていないのに……」

――あれは恐らく、70年程前の事だろうか。
私はサッカーボールを取りに体育用具室に入ったところ、事故により鍵がかかってしまった。
最初は些事と思い、何とか出られる方法を探していたが、具合が悪く、どうしても出る事が出来ない。

助けを待てども、一向に助けは現れなかった。
海運会社の父親が乗った船が難破した事など、私には知りようがなかったし、
浮気相手と再スタートを切りたい母親としては、私は行方不明で失踪した、とした方が都合が良かったのだろう。

「私はプロになって……日本をワールドカップに……」

それが私の夢だった事は、痴呆が激しくなった今も辛うじて覚えている。
もっとも、寝たきりとなって動く事すらままならない今の私にとっては、途方もない夢ではあるが。
……そして、この悪夢のような現実も、そろそろ終わりの時が来たようだ。

「もり……さき……」

――殆どが体育用具室で過ごした、長いようで短い人生の走馬燈が走る。
そんな時に、何故その単語が浮かんだのかは、私にもよく分からない。
ただ分かったのは。果たせぬ夢を抱いたままであっても、永遠の眠りは等しく穏やかで安らかであるという、
たった一つの真実のみだった。
**************************************

106 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 00:04:30 ID:IB1rcuRM
『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』
……と、言うのが今回の謎の真相でした。と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
次回にちょっとした締めを書いて、とりあえず問題第一号は完結としたいと思います。

すみません、第一号にしては正答の発想がレベル高すぎたかもしれません(汗)
ただ、屁理屈推理合戦ではこうした『現実的に考えてありえない!』という発想が正解である事が、
往々にしてあり得ます。(今回の死因についても、これまで出した赤字には抵触していないと思います。)

参加して下さった皆さんは本当にありがとうございました。
個人的には、初見でも比較的参加しやすい、謎が思い浮かべば割と簡単にGMが出来る、決着が数日で付く、
キャプ森キャラの新しい掘り下げが出来る、(ついでに、これまであまり無かった「ひぐらし」「うみねこ」キャラとのクロスが容易)
…と言った面から、
森崎板での新しい読者参加型ゲームとして、キャプ森キャラを使った屁理屈推理合戦は面白いのでは?と思っています。

参加して頂いた方やROMして頂いた方につきましては、ゲームの感想や今後の改善点等について、
色々とコメントをして頂ければ嬉しいです。
もしも好評意見があり、次回も参加したいという方が居りましたら、第2回ゲームもやりたいと思っています。
(その時は難易度を下げます(汗))

また、私以外の方も、このスレを自由に使えるようにしたいと思っていますので、
もしもGMをやってみたい、という方がおりましたら気軽にコメントして頂ければ幸いです。
新しい試みに参加・応援して頂いた皆さまには、本当にお疲れ様&ありがとうございました。

107 :森崎名無しさん:2017/01/03(火) 00:12:19 ID:???
乙でしたー
まさか数十年経過してたとは……赤だけがゲーム上は絶対だってことを忘れてて、すっかり冒頭の文章の固定観念に囚われてしまった……
やはり常識に囚われてはいけないんですね!(風祝並感)

108 :森崎名無しさん:2017/01/03(火) 00:24:46 ID:???
乙です
私も常識にとらわれていた……なんとか当てることできたけどあくまで消去法だった

109 :森崎名無しさん:2017/01/03(火) 15:05:09 ID:???
楽しかったですよー!
乙でした!

110 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 22:21:52 ID:IB1rcuRM
>>107
乙ありがとうございます。
そうですね、冒頭に森崎が翼の死体を発見するシーンは、
中学時代にベアトリーチェを召喚した直後に発生したとは限らないです。
>>8までは中学時代の話で、>>9からは70年後の世界の話として読んでも辻褄は合うと思います。
突拍子も無い発想が正解に繋がり得る、と言うのが分かって頂ければ幸いです。

>>108
乙ありがとうございます。
最終的には雁字搦めに制限された赤字を潜り得る青字(仮説)を探す、
というのがこのゲームの肝なので、消去法も全然良いと思います。
ただ今回は、死因にしても種類が多すぎるので大変だったかもですね…。

>>109
乙ありがとうございます。
普段のサッカーゲームとは違う面白さを提供できたなら幸いです。

ところで今更になりますが、私のゲーム盤において登場する「うみねこ」キャラ
(ベアトリーチェ、ワルギリア)及び、魔法の設定の詳細については、原作に準拠しておりません。
私のオリジナルです。基本的なキャラの性格や立ち位置は原作を参考にしていますが、イコールではありません。
その点につきましては、ご了承いただきますようお願いします。

111 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 22:23:42 ID:IB1rcuRM

森崎「これで……終わったんだな」

ワルギリア「ええ。無限の魔女・ベアトリーチェは貴方が提出した青字に対してリザインを宣言。
       それにより、あの子がかけた魔法が否定されました。
       じきに遡って、貴方の大切なご友人――大空翼くんも、息を吹き返すでしょう。
       これまでの争いなど、何も無かったかのように」

ベアトリーチェの消滅を見守ったのち、森崎は残された魔女――ワルギリアに問いかける。
彼女は淑女然とした佇まいを崩さず、小さくコクリと頷いた。

森崎「聞かせてくれないか。お前は……お前達は、一体何者なんだ?
    お前は、さっきのベアトリーチェと知り合いのようだったが」

ワルギリア「ええ……そうですね。時間が無いのでかいつまんでにはなりますが、
       お話しましょう。私と、あの子の事について――」

ワルギリアはそれから、森崎に自分とベアトリーチェの正体について話してくれた。
ベアトリーチェは元々、ワルギリアが魔術師として仕えた旧家の子女であったこと。
『ベアトリーチェ』の名前は本来、ワルギリアが冠していたものだったが、
彼女――今のベアトリーチェが卓越した魔法の才能を見せた為に、その名を継承させたこと。
しかしその後、ベアトリーチェは自身の余りの魔法の才能に溺れ。
果てには人を殺し傷つける事を愉しむ、黒き魔法に魅入られてしまったこと。

ワルギリア「……あの子は、自分が元居た世界だけでは飽き足らず、
       あらゆる世界を渡り歩いては、黒き魔法で人を苦しめるようになりました。
       しかしそれは、師たる私が未熟であるが故に、あの子の増長を止められなかった事が発端。
       だから私もまた、こうして世界を渡り歩いては、魔女と戦う者達に知恵と力を与えているのです。
       それが今の私にできる、せめてもの罪滅ぼし――」

112 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 22:25:37 ID:IB1rcuRM

スッ……。

そこまで話を聞いて、森崎はワルギリアの身体が透けている事に気付く。

森崎「それで、悪の魔女が消えたら、正義の魔女サマも退散、ってか?」

ワルギリア「ほっほっほ。私は正義ではありませんよ。同様に、あの子もまた純粋な悪では……。
        ――ですが、それについて、今の私には語る時間も権限もありません。
       さあ、森崎くん。消えゆく魔女幻想は忘れておしまいなさい。
       そして、真実に存在するご友人を大切にするのですよ」

フワァァァッ……!

――ワルギリアはその言葉を最後に消えた。
魔女ベアトリーチェを存在せしむ魔法力が否定された以上、
同じ魔女である彼女もまた、その存在が否定されるのも必然だった。

森崎「だ、誰があんなヤツを大切にするかよ!」

森崎はそう言いながらも、内心では翼の安否が気になって仕方なかった。
だから、ワルギリアとの別れを惜しむ間も無く、彼は体育用具室へと走っていき――。
鍵のかかっていないドアをガタリと開ける。……そこに、彼は『生きていた』。

森崎「つ、翼ァ!」

翼「……どうしたんだよ。森崎、いきなりそんな気持ち悪い声を上げて」

相変わらずの生意気な声に、今にも殴りたい衝動が走る。
しかし、それはまさしく翼が生きていなければ、決して生じえない感情だった。
魔女との争いを通じて、そうした怒りや憎しみの感情すらもが大切である事を知った森崎だが、
……しかし、それを正直にぶちまけるのはとても恥ずかしい。

113 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 22:26:46 ID:IB1rcuRM
森崎「チッ、なんで生きてやがるんだよ。俺の黒魔術作戦は失敗だったか……。
    作戦通りに行けば、金髪ボインな魔女の姉ちゃんが、お前を破裂死させてたのによ」

――だから森崎は、再びコイツが黒魔術だか魔法だかで死ねば良いと思った。
生きていたら生きていたで文句を言うし、死ねば死んだで大騒ぎする。
随分身勝手な感情であるが、ある意味そこは森崎らしいと言えた。

翼「ハァ……黒魔術? 森崎、そんなつまらない物に頼ってるヒマがあるなら、練習でもしたらどうだい?」

森崎「ふ、ふざけんな! こっちが一体どんだけ苦労して……!」

翼「……それとも、熱でもあるのかな。今日は自主練習を止めて帰ったら?
  明日の練習試合、そっちも不調で臨みたくはないんだろ?
  じゃ、俺はこれから一人で練習するから。……風邪、移さないでくれないかな?」ニコッ

森崎「ギギギギ……やっぱりムカつくぜ。魔女なんて目じゃねぇほどに……!!」

そして翼は翼で、森崎とは水と油の存在である事には変わりない。
彼は散々森崎の神経を逆撫でしてから、彼を通り過ぎて平然と体育用具室から出ていくのだった。

森崎「……フン! なーにが『風邪、移さないでくれるかな?』ニコッ
   だよあのクソ翼! いやアイツなんて糞で充分だ! 漢字だって似てるし!
   くっそー、こうなったら帰ってから特訓だ! 絶対明日は、あの糞をギャフンと言わせてやるー!!」

返す森崎もまた、顔を真っ赤にさせた状態で用具室を飛び出す。翼の姿はもうそこには居ない。
また、他に練習しているチームメイト達も居ない。……だから、森崎は幸運にも気づかれなかった。

森崎「……ケッ」


翼に対して敵愾心を燃やし、明日の計略を考えている自分の表情が。
怒りのそれでは無く、満ち足りた笑顔であった事に――。

114 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 22:29:14 ID:IB1rcuRM



    屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
         Episode 1  Apperance of the golden witch  〜黄金の魔女の登場〜


                         完




115 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:05:45 ID:IB1rcuRM


*****


〜????〜

――ここは、森崎が翼との奇妙な友情を確認した世界から見て、上位に位置する世界。
そのテラスにて、とある絶世の美女は溜息をついていた。

絶世の美女「いやいや……。一体全体どーして、高名なる無限の魔女・ベアトリーチェ郷なんぞが、
        ウチの領地に現れてるのよ……しかもまた何かをする気マンマンだし……はぁ」

絶世の美女の名はニネー。森崎が主人公として活躍を遂げる『ゲーム盤』を統べるゲームマスターにして、
千年を生きた偉大なる運命の魔女。そんな彼女にとって、無限の魔女が自身の領地に入り込んで来る事は予想外だった。

ニネー「ベアトリーチェの魔法は同じ1を無限に繰り返す魔法。
     対する私の魔法は無限の中からたった1を紡ぎ出す魔法。
     互いに正反対の性質だから、決して相容れない存在だと思ってたのになァ」

無論、この運命の魔女のゲーム盤を愛し、その領地にて無数の物語を紡ぎ始める創造主は絶えない。
しかし、今回の場合は性質が違いすぎた。いや、違うのは性質だけならば問題無かった。

ニネー「例えば……いや、例えじゃなくて半分直球だけど。皆がサッカーゲームで楽しんでいる中、
     一人だけチェス盤を持って来て、おもむろに対局を始めたような。そんな違和感があるのよね。
     勿論、皆が楽しんでくれるんだったら、私はチェスをされようが将棋をされようが、一向に構わないのだけど。
     ……私が気になるのは、このゲームを始めた人の、真なる目的。
     ただ単に、新しい遊びを持ち込みたかった……それだけ?」

ニネーは、無限の魔女を疑っていた。正確には、無限の魔女の『駒』を操り、新たなゲーム盤を持ち込んだ者の目的を。
繰り返しになるが、実際にゲームを楽しんでいる者がいる以上、ニネーとしても魔女を頭ごなしに否定する気は無い。
……しかし、どうしてもその意図が解せないが故に、気になるのだ。

116 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:11:32 ID:IB1rcuRM

ニネー「……でも、実際に手の打ちようが無い訳だし。だったら、しょうがないわ」

――魔女の意図が解せないというだけで、上位世界の住民が一つの下位世界を荒らして良い訳が無い。
そのため彼女は、普段通りかつ奥の手を使って、魔女の動向を監視する事にした。


ニネー「……あなた。この物語を読んでくれるあなた、参加してくれている、画面の向こうのあなた。
     悪いのだけれど、これからも、この世界における森崎君に気を配ってくれないかしら。
     そして、再び魔女が魔法でこの世界を侵食しようとしたら――森崎君の力に、なってほしいの。
     魔女の真意が、純粋にゲームを楽しみたいという事であれば、それで良い。
     だけど、魔女の真意が、別の所にあるのだとしたら――それは、森崎君や私の力だけでは、
     どうしようも無くなってしまう恐れがある。だから、その時に備えて、力を貸して……!」

パァッ……!

彼女はそう言うと、自身の魔力(この表現を使う事自体、無限の魔女の作法に従っているようで気分が良くないのだが)
を練り上げて、参加者に対して黄金の勲章を授与した。

ニネー「……このゲームに参加してくれるあなた達を、このニネーの領域における【ウィッチハンター】として任命します。
     ウィッチハンターの皆さんは、常に魔女の動向を監視し。
     魔女が魔法によって、『キャプテン森崎』のゲーム盤に登場する人達を苦しめた場合は。
     その時は、主人公の森崎君を通じて、魔女の魔法を否定する事で助けてあげて」

……これは屁理屈による推理合戦の範疇を既に超えている。
運命の魔女と無限の魔女との探り合い。その間に発生するであろう、人間と魔法の戦い。
『戦争』とも称すべきその争いが、今、静かに始まろうとしていた―――。

117 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:17:12 ID:IB1rcuRM
――と、言ったところで第一話は完とします。
ニネーさんの名前・設定については俺inキャプ森さんの設定を勝手にパク……リスペクトさせて頂きました(汗)
何か伏線っぽく書いてしまいましたが、この伏線が今後活かされるか否かは私の気分次第です(爆)

第二話については、また時間のある(かつ、参加してくれそうな方がいる)時に書いていければと思いますが、
もしも『自分も出題者になりたい!』…という方が居られましたら譲りますので、書き込み頂ければ幸いです。
本日もありがとうございました。

118 :森崎名無しさん:2017/01/03(火) 23:21:32 ID:???
乙なのです!
改めて作者さんの構成力や文章力に唸らされました。
楽しかったです!

119 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/04(水) 20:05:53 ID:???
>>119
乙ありがとうございます。そう言って頂いて大変嬉しいです。
ただ、構成や表現については、原作の「うみねこのなく頃に」をリスペクトしている部分も結構ありますので、
もし気に入って下さったのなら、「うみねこ」もプレイして頂ければ幸いです。(既プレイだったらすみません)
昔と比べてはマシ…とは聞きますが、今もネット上の評判はそこまで高くないですし、
実際人を選ぶところもあるゲームかもしれません。ただ、少なくとも私は楽しめました。

第二のゲーム盤について、ネタは何となく考えているのですが、
もう少し固まるまで最短数日、最長数週間お休みします。
(なので、その間出題したい! という方が居りましたら是非使ってください!)
出題が無ければ、書く予定と言っていたTIPSを、気の向くままに投下しようと思っています。

120 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:10:27 ID:???

【TIPS@・悪魔の証明】

<序・TIPSコーナーについて>
〜黄金郷・魔女のテラス〜


ワルギリア「ウィッチハンターの皆さま、御機嫌よう。私は有限の魔女・ワルギリアと申します。以後お見知りおきよう。
        あの子、ベアトのゲーム盤はもうお楽しみ頂けたでしょうか?
        私は今宵、主の意向にて、皆さまに魔女のゲーム盤における基礎知識を教示する事となりまして。
        その為に召喚されたものでございますよ。ほっほっほ……」

美しい黄金の薔薇が咲き乱れる庭園。その中に備え付けられたテラスにて、彼女は紅茶を嗜んでいた。

ワルギリア「ここは私達の故郷――『黄金郷』を魔法で再現した場所。
        あらゆる望みが叶い、全ての愛が結ばれる地ゆえ、決して不快にはさせないとは思いますが。
        ……私だけが話しっぱなしとなっても辛いでしょう。ここに生徒役を二人程呼びましょうか」

魔女はそういうと講義に先立って魔法の杖を振るい、一人の人間と一人の魔女を呼び出した。

森崎「……なんだよ。また魔女の魔法か? コレ」

ベアト「くっくっく。お師匠様も準備が良い。この辺境の地においてこの風景が見られるとは思わんかったぞ。
     ああ、懐かしい……。お師匠様、また美味しい紅茶を入れてくれよォ」

ワルギリア「この森崎くん。そしてベアトは、私が魔法で呼び出した駒に過ぎません。
        【ここはTIPSの為の空間であり、本筋とは完全に隔離された空間】と認識して頂ければと思います」

121 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:12:54 ID:???
森崎「……前置きは良いからさ、折角呼んでくれたんだ。教えてくれよ、さっき言ってた魔女との戦い方ってヤツ」

ベアト「妾はもう、お師匠様から一度勉強済みだけどなァ。妾はそなたにとっては先輩みたいなモンだぞぅ。
    ほら、敬え! 指を舐めろ! 全裸で首輪になり、その上で妾の椅子となれ!」

森崎「最悪な先輩だぜ……。なぁ、ワルギリア。この配役なんとかならねーのか?」

ワルギリア「無理ですね。無理に私達の世界から戦人くんとか引っ張って来ても、『誰コイツ?』ってなるでしょうし。
       それなら本編と多少役どころが変わっても、あなた達二人が生徒役。
       私が教師役というのが一番しっくり来るでしょう」

森崎「まぁ、長く引っ張ってても疲れるだけだし、仕方ないか……宜しく頼むぜ、先生」

ワルギリア「ほっほっほ。成績優秀な子には、先生が鯖ジュースを奢ってあげますよ?
        ……と。本格的な説明に入る前に、一つ前置きを。
        今回からの講座で取り上げる単語(『悪魔の証明』など)は、一般的・辞書的な意味ではなく。
        『うみねこ』及び『屁理屈推理合戦』の世界で使われる意味に則り、説明を行っていきます。
        そして、その内容についても、【当説明は>>1の主観に則っているため、絶対的に正しいとは限りません。】
        その点につきましても分かって頂ければと思います。では、次から講義に入っていきましょう」

122 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:16:00 ID:???
<第一講・『悪魔の証明』とは?>

ワルギリア「それでは栄えある第一回講義ですが、『悪魔の証明』から初めていこうと思います。
      ――ベアト、魔女のゲームにおける『悪魔の証明』とは何か分かりますね?」

ベアト「はァァ〜イ! お師匠様! ズバリ『悪魔の証明』とは。
    『妾は黄金の魔女である!』という事について何の疑いも無いという事です!」

森崎「いや、分かんねーよ」

ワルギリア「……ベアトの言いたい事もあながち分からないでも無いですが。
        ここは私が順を追って説明していきましょうか」

ワルギリアは形式的な前置きを終えると、魔法を使ってテーブルの上に一つのリンゴを生みだした。

ワルギリア「……さて。森崎くんに質問です。この世界に、『リンゴ』という果物は存在するでしょうか?」

森崎「は? いきなり何聞いてんだ? リンゴなら、今お前が持ってるだろ。ボケたのか?」

ワルギリア「……そうですね。『リンゴ』という果物は確かに、この私の手に存在していました。
        では、この世界に『ゴリン』という果物は存在するのでしょうか?」

森崎「いや。そんな果物ねーだろ。聞いた事無いし」

ワルギリア「あら。ですが、南アメリカの奥地には、そうした果物があるのかもしれませんよ?」

森崎「だからねぇっての。辞書でもウィキペディアでも何でも調べてみろよ。そんな果物、どこにも無いから」

123 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:17:34 ID:???
ワルギリア「そうでしょうか。実は人類がまだ未発見で未定義の為辞書には載っていませんが。
        実は地球から100万光年離れた惑星の果樹には『ゴリン』の実が成っているのかも。
        森崎くんはこの宇宙、いやこの地球すら隅々まで見ていないのに、
        どうして『ゴリン』が存在しない事を、高らかに主張できるのですか?」

森崎「だーっ! それがどうしたんだよ。 だったら、そんなモンは単に証明不可能って事だろう!」

ワルギリア「その通り! このように、ある事柄がこの世界に『ある』事を証明する事は、その事柄を実際に持ち出せば良い一方。
        ある事柄がこの世界に『ない』事を証明する事は、この世界全てを確認した上で『ない』と結論付ける必要がある事から、
        現実的にはほぼ不可能である。これが、『悪魔の証明』の基礎理論となるものです。

        そして、実際の魔女のゲーム盤――屁理屈推理合戦においては、この基礎理論を応用し。
        『ある事象Xの有無について争う際、事象Xが『ある』と主張する者は、その存在について証明する責を負わない』。
        ……と、いう意味合いとして、『悪魔の証明』という単語を使う事があります」

森崎「成程な。……ん? でもそうしたら、『魔法や魔女が存在しない』って事も、決して否定できないんじゃ……?」

ベアト「くくくくくっ! そうだ。漸く分かったか? つまり魔法や魔女は存在するんだよォ!」

ワルギリア「ベアトは少し黙っていなさい。……それでは次に、魔女のゲームにおいて、
       『悪魔の証明』が、どういった風に活用されているのか。実例を踏まえて考えてみましょう」


124 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:18:58 ID:???
<第二講・『悪魔の証明』の使い方>

ワルギリア「さて。悪魔の証明とはつまり、『「ある」事の証明に比べて、
        「ない」事の証明は非常に困難である』という事でした。つまり……」

ベアト「はァァ〜い! 妾はー、魔法はァー、存在すると思いまァ〜す!
     何故ならァ、妾こそが魔法を使いこなす魔女だからで〜〜〜す☆」

ワルギリア「――と、ベアトが宣言すると、魔法を否定したい森崎くんは大変な事になります。
        何故なら、魔法は本当にこの世に存在しないと。そう言い切る事は困難だからです。
        南アフリカのどこかに、魔法を使える部族が居るかもしれません。
        1万2千年前に滅んだ古代民族は、魔法を使っていたのかもしれません。
        これから3千年後、魔法理論が確立し、人類も魔法が使えるようになるかもしれません。
        それを実際に確認して否定できない以上、森崎くんは『魔法は存在しない』事を立証する事はできません」

森崎「いや……でも、魔法なんて無いだろ、実際」

ベアト「何言ってるんだよぅ、森崎ィ! 魔法はあるんだってばァ!
    何ならそなたの目の前で魔法を見せてやろうか、ほらァ!」

パァァッ……フワッ。――パチンッ!

森崎「あいたっ」

そういうとベアトは金色の蝶を呼び出すと、
蝶々はやがて星のような形を取り、森崎の額めがけてぶつかった。
気付くと森崎の手元には数粒の金色の金平糖が落ちていた。

125 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:24:07 ID:???
ベアト「くっくくくっく……くひゃひゃひゃ! どうよ、これこそが魔法!
     『妾が金色の蝶を操り、森崎にぶつけてやったのだ』!
    どうよ森崎ィ、確かにそなたも見ただろう? あの金色の蝶を! 妾が魔法の証を!」

森崎「いや……こんなの『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。
    金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』だろうが! 何が魔法だよ!」

ベアト「何かァ〜? CGか何かって何だ森崎ィ? 妾に具体的に説明してみろよォ。
     そんな小細工、そう簡単にできる訳が――って、しまった」

ワルギリア「全く、本当に余計な事を口走るのが好きなんだから。……でも、良い教材になりました。       
       さて。……『悪魔の証明』はこの時、人間側にとっても有利に働きます。
       ベアトは今しがた、森崎くんの仮説『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。
       金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』に対して、
       『そんな小細工、この黄金郷で出来る訳が無い』……、そう言いかけました。
       ――ですが、本当に出来る訳が無いのでしょうか?
       謎の機関がCG発生装置を取り付けている可能性は? 新種の蝶が発見された可能性は?
       ――これもまた、人間が魔法の不存在を証明できないのと同様、魔女は証明する事はできないのです」

森崎「……成程、分かって来たぜ。今の話で言う『CGか何かを使った機械的な演出』ってのが、
    前のゲーム盤でもあった『謎の兵器X』とかなんだな」

ワルギリア「ええ。人間側が魔女の魔法を否定しきれないのと同じように。
        魔女もまた、人間のトリックに『人間にとって都合の良い非魔法要因X』の存在可能性を、
        否定する事が出来ないという事です。――まぁ、魔女には【赤き真実】があるんですけど」

森崎「人間も魔女も、『未知の可能性X』を提唱されたら、黙るしかねぇって事か……」

ワルギリア「そうですね。魔女が『魔法は存在する。存在の証明については拒否!』と言えるように。
        人間もまた、『魔法以外のトリックXは存在する。存在の証明については拒否!』とも言えるという訳です。
        そのため、魔女のゲームにおける人間の目的を正確に言うと、『魔法の否定』ではなく。
        『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』となるでしょうか」

126 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:26:05 ID:???
<第三講・『悪魔の証明』の注意点>

〜ある日のゲーム盤にて〜

ベアト「なぁ森崎森崎ィー。面白いゲーム盤を考えたから付き合ってくれよー」

森崎「フフ……良いぜ。今の俺は必勝法を身に着けたからな」

ベアト「ほう……威勢が良いな。ならばどうだ、【 サンタマリア は他殺された】【殺害現場は密室】
     この謎を解いてみろ森崎ィィィィイイッ!」

森崎「――これを食らえ!『犯人Xが何らかの方法Xで密室を突破し何らかの仕掛けXで中山を殺害。
    その後、何らかの方法Xで密室から脱出した』!
    犯人Xが誰か、何らかの方法Xとは何か、何らかの仕掛けXとは何かについては、
    悪魔の証明により説明不要! どうだ、カンペキな説明だろう!!」

ベアト「……………」

***

ワルギリア「――『悪魔の証明』の理屈で行けば、森崎くんはこうした青字を撃てることになります。
        しかし、……どう思いますか? コレ」

森崎「これじゃあ、『魔女が魔法で密室を突破し被害者を殺害。その後、魔法で脱出した』
    ……と、殆ど変わらねーな。でもいいんじゃね? 魔女には勝てるだろ」

ベアト「くっくっく。甘いのう森崎。こんなんでしたり顔をされても、妾はちっとも悔しくなんか無いわ。
    そもそも、妾の目的が何であったかを忘れた訳でもあるまい?」

森崎「魔女の目的ィ? それってつまり、一見不可能に見える犯罪を、魔法のせいだと主張する事で、
    魔法・ひいては魔女が実在する事を証明するって……あ、そうか」

127 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:28:02 ID:???
ワルギリア「そう。このゲームの本質はあくまで、『不可能犯罪を人間とトリックで説明すること』であり。
        魔女が示す『不可能性』を明確に否定しない事には、その仮説には意味が無い、という事です」

森崎「Xだらけの仮説は、さっきワルギリアが言ってた、『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』
    に当たらない。だから魔女もピンピンしてるって訳か……。
    『悪魔の証明』は便利だが、頼りすぎてもダメ……う〜ん。使い方が難しいな……」

ベアト「これは妾の意見だが。『悪魔の証明』とは、『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、
    詳細を説明する事は不要である』と。そう考えて使うのが良いと思うぞ?」

ワルギリア「……ベアトもたまにはしっかりとした事を話しますね。
        ですが、あの子の説明は誤りでは無いと思います。
       ……そうですね。第1のゲーム盤を例に、具体的に補足しましょうか」

128 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:30:04 ID:???

『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』

ワルギリア「……さて。これはベアトの考えた、第1のゲーム盤における真相です。
        さっそく証明不要な『何らかの理由X』という、悪魔の証明が用いられていますね」

森崎「これはつまり、ゲームの謎の核心は『翼の死因』だったから。
    翼が何故密室に閉じ込められたか。どのようなトリックで密室が出来たかは重要では無い、って事か?」

ベアト「『石崎が翼を閉じ込め外から鍵をかけた』『事故Xにより扉の前に岩盤が落ちて来た』
     ……理由など、幾らでもでっち上げられる。
     そして今回の謎において、密室が出来た理由はさして重要ではない。
     今回の核心は、『外部からの干渉を一切受けない密室において、翼は何故死亡したのか?』だったからな」

ワルギリア「そこで。今回のリザイン手は『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』
       でした。――ベアトはこのリザイン手について、足掻こうと思えばもっと足掻けた訳です。
       例えば、【ベアトリーチェは今回の事件に関係しない】とか【翼は自分では鍵をかけていない】とか。
       ……ですが、どうですか?
       もしもこれで魔女に、『死因については認める。では犯人を当ててみろ! 鍵がかかった理由を当ててみろ!』
       と、居直られた場合。――果たして、このゲームは面白いでしょうか?
       既に謎の核心は暴かれ。魔法以外での翼君の死亡について、有力な仮説が立てられたというのに」

ベアト「妾が断言する。くだらん。実にくだらんな」

森崎「そりゃあ、犯人当てつっても、それこそ当てずっぽうに『犯人は石崎!』『犯人は滝!』『犯人はロベルト!』
    『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』……ってやり続けるしかないしな。まさしく不毛な言い当て合戦だ」

ワルギリア「……勿論、犯人当てが意味をなさないのは、今回のゲーム盤の謎の核心がそれでは無いからであり。
        死因についてはどうでもよく、限られた人物から犯人を特定する事が謎の核心であるゲーム盤であれば、
        それはそれで面白くはなるでしょう」

ベアト「要するに、悪魔の証明は、用法を守って正しく使いましょうって事だな!」

129 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:32:56 ID:???
<今回のまとめ>

ワルギリア「随分と長くなりましたが。今回説明した『悪魔の証明』についてまとめてみましょうか」


〜魔女のゲームにおける『悪魔の証明』まとめ〜

 1.特定の事象Xの存在の有無について、『ある』事を証明するのは容易だが、『ない』事を証明するのは困難

 2.故に、魔女/人間側は、『未知の魔法/トリックX』等が存在する事について、証明不要で主張しても良い

 3.人間側の目的は、『不可能犯罪を人間とトリックで説明する事』なので、全てを証明不要とする事はできない。
    『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、詳細を説明する事は不要である』と考えるのが吉?


森崎「こうして見ると、随分簡単だな。こんな事に時間を割きすぎじゃないのか?」

ワルギリア「そうですね。確かに少々教えるのに難儀してしまったかもしれません。
        ですが、この辺りの理論はこのゲームを行う上で重要でして……。
        単なる用語解説にとどまらず、その考え方についても丁寧に書く必要があると考えました」

ベアト「その結果より分かりづらくなってしまっては、目も当てられないがなァ!
     ……ま、大丈夫だろう。お師匠様の教えだし、何より結局は習うより慣れよだしな。妾も腕が鳴るぜェ?」

森崎「何だと〜!? 俺も負けてられないぞ!」

ベアト「くっくくく! 相変わらず吠える声だけはデカい男よ! ならばさっそく、次のゲーム盤で勝負だ!」

ワルギリア「――と、言ったところで。長くなりましたが第一回のTIPSはここまでです。
       ……次回は、もう少し短く、分かりやすくなると思います。ええ、そうしますとも」

                                                    〜TIPS@ 了〜

130 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/08(日) 14:00:59 ID:???
こんにちは、他にGMをやりたい方が居なければ、
早速ではありますが、私の第二のゲーム盤を投下したいと思っています。
予定としては、本日〜明日よりNPCパート投下を始め、
明日の1月9日の夜21時〜22時頃から、第一の晩を始めるつもりです。

もしもその時間にゲームに参加して下さる方がおりましたら、
本日中にその旨書き込みして頂ければ幸いです。
(1名以上書き込みがあれば、予定通り始めます。勿論当日の飛び込み参加も可です。)

131 :森崎名無しさん:2017/01/08(日) 20:06:50 ID:???
>『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』
凄い、これ初めて見た……あ、ゲーム参加させて頂きます

132 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:13:57 ID:???
>>131
これは乱心の魔術師ミカミ卿の登場フラグですね…
ゲーム参加の表明、ありがとうございます。

結構分量があるゆえ、一気に投下しても読みづらいと思うので、
次レスから時間を空けて少しずつ投下していこうと思います。

133 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:17:06 ID:???


     屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
        Episode 2  Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜




おはようございます。

黄金の魔女はあなた方の声にお応えし、新たなゲーム盤を用意されました。
どうぞお相手をよろしくお願いいたします。

魔女はあなた方が楽しめるよう、様々な趣向を考えておいでです。
趣向よりも、血沸き肉踊る鍔迫り合いを望まれる熱心な方々のご期待には、
恐れながら応えられぬかもしれませんが。

難易度は基礎。
このゲームの仕組みを理解した者にとっては、容易い問題でございます。


134 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:19:47 ID:???
〜東邦学園宿舎・反町の私室〜


反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」

全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。
反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。

反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督!
    タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」

その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、
現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。

反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。
    仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。
    これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」

これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、
反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。
しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。

反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」

――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。
事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……!
いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!

135 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:21:31 ID:???

反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」

しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。
それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。

反町「喉が渇いた。自動販売機で、 ドリンクバー でも買って来ようかな……」

だから彼は、気分転換を兼ねて自室を離れようとした。
外の空気を吸えば、自然と建設的な考えも浮かぶ――そう思っていた時だった。

ヒラリ……。

反町「(ん……金色の……蝶?)」

――反町の私室の窓枠に、黄金の蝶が一羽、舞うのが見えた。
何かの見間違いか。そう思って目を凝らすと、それはゆっくりと人の姿を象り……。

ベアトリーチェ「くっくくく……少年よ。一つ妾と取引をしないか?」

反町「何だって……?」

やがて、蝶は美しい金髪の女性の姿を取った。
その姿は亡霊のように朧げであったが、気品に溢れており、反町は自然と姿勢を正してしまう。
亡霊は続けてこう言った。

ベアトリーチェ「妾は無限の魔女。妾はそなたにこの魔力を貸し与える。
          そしてそなたは魔力を使って、妾の代わりに殺人を犯すのだ」

136 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:24:27 ID:???

反町「な、何だって……!」

ベアトリーチェ「何、心配は要らない。妾の魔法は完璧だ。
          警察に足が付く事を恐れているならば、それも心配ない。
          魔法による完全犯罪など、赤子の手を捻るより容易い事よ」

その提案は衝撃的だった。それは反町がつい先程妄想していた事を、
眼前の魔女は現実に可能であると断じてみせたのだから。
しかし、反町の疑念はまだ拭えない。それを悟ったベアトリーチェは、先回りするように説明を重ねる。

ベアトリーチェ「……まだ妾の存在が信じがたいとみる。まあ、それも仕方ない。
          人間とは元来、抗魔力が高い生き物故、妾の姿など目視できぬ者が多いのよ。
          ――そんな中で、そなたが妾を視認できたのはまさしく僥倖。
          元より異世界との親和性が高いが故、妾の魔力を敏感に察知できたのではないか?」

反町「いや、異世界なんて行った覚え、ないんですが……」

ベアトリーチェ「くくくくっ、その辺りは妾の推測だ! 気にせずとも良い。
         それより肝心なのは、これはそなたの妄想でも何でも無い。
         そなたには魔術師としての適性がある。先程の話は、それを見込んでの取引だという事よ!」

反町「取引……?」

ここまで話を聞いて、反町は自然と、この幻想的な出来事が事実ではないかと薄っすら思い始めていた。
気付けば彼は、ベアトリーチェの美しく凛とした声に聞き入ってしまっていた。

ベアトリーチェ「うむ。本来妾は無限の魔女故、殺人など幾らでも犯す事が出来るのだが。
         しかし先般、とある事情から魔力の多くを失ってしまってな。
         このように、完全なるニンゲンの形をとる事が出来なくなったのだ。
         これでは、妾が単独で殺人を犯す事はできぬ。誰かの力を借りるしかない」

137 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:26:15 ID:???

――ここでベアトリーチェは「とある事情」とぼかしたが、
これは数か月前、森崎に魔女のゲームを提示するも、敗れた事が原因である。
彼女の創り上げた魔女幻想が、人間とトリックにより説明されたことにより、
ベアトリーチェはその存在意義を失って雲散霧消していた。
それを辛うじて現世に繋ぎ止めたのが、今の亡霊のような姿であるため、
正直に暴露すれば、彼女は今追い詰められた状況下にあったのだが――そこは敢えて語らない。

ベアトリーチェ「妾が完全な力を取り戻すには、幻想により、魔女が実在すると多くのニンゲンに認められる必要がある。
         しかし今の状態では、妾のみの力では困難だ。
         ……故に反町。そなたが妾の代わりに、魔女幻想を起こして欲しいのだ。
         これが妾の願い。そしてそなたへの対価は、無限の魔法の使用権となる。
         ……どうだ? 聡明なそなたならば、この取引が不公平な物では無い事が分かったろう?」

反町「魔女は魔法で自分の存在を証明したい。俺はその依り代となる代わりに、
    俺が望む事を魔法で叶えさせてやる。……そう言いたいのか」

ベアトリーチェ「その通り! どうだ、妾と契約して魔法少年、いや魔術師となってくれぬか?」

どこかのアニメに出て来たマスコットキャラクターのような語り口で、ベアトリーチェは反町を誘惑する。

反町「……」

ベアトリーチェ「ま〜だ悩んでおるのか! 良いか、もしもそなたがニンゲンの下らぬ良心の呵責に囚われてるなら、
         それは全く心配せずとも良い! 何故なら妾の無限の魔法はニンゲンの理の先にあるもの。
         そうした悩み、そなたが魔法を覚えれば全てどうでも良くなろう!」

反町「……………」

反町は当初、その良心から魔女の誘いを断ろうと考えていた。
幾ら日向達が憎いと言っても、人は人を殺すべきではない。
……しかしその一方で、ベアトリーチェの提案に魅力を感じている自分が居る事に気付く。

138 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:28:13 ID:???
反町「(考えてみれば、日向だけじゃない。俺は今まで……誰にも言いたい事を言えない人生を歩んで来た。
    物心ついた頃から、サッカーの英才教育を受け、練習後は夜遅くまで塾通い。
    両親や、チームの監督や、塾や学校の先生。その期待に応えたいと思っていた。
    だから、辛くても辛いと言えなかった。地道に努力を重ねるしかないと思っていた。
    ――だけど。そもそもどうして俺だけがこんな目に遭わなくちゃいけないんだ?)」

ベアトリーチェ「そうだ反町ィ。憎い奴らを殺すのは単なるきっかけだと考えよ!
          これはいわば試練なのだぞ。そなたが下らん大人の価値観を脱ぎ捨て、
          言いたい事を言える、立派な一人格となる為のな!

          完全犯罪の魔法は五万とある。後はその魔法を解き放つか否か!
          さあどうする? このまま魔法を否定し、大人や暴君に言いなりの人生を歩むか?
          それとも魔法でそいつらを殺し、自分らしく言いたい事を言える人生を歩むか??
          この絶好のチャンスをみすみす逃すのかソリマチィィィィィィイイィィッ!?」

反町「(そうだ。魔女の言う通りだ。このまま大人しくしていても、食い殺されるだけだ。
    やられる前に、やらなきゃダメなんだ。俺が……俺が、日向達暴君どもに、鉄槌を下すんだ!
    そして、俺は全てから解放されるんだ!!)」

ベアトリーチェの狂気に触れ、反町の心に生じたどす黒い感情はますます高まる。
その感情は毒のように、真面目で聡明な少年の心を蝕んでいき――。


反町「……分かった。取引に応じよう。無限の魔女、ベアトリーチェ」

139 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:29:58 ID:???

ベアトリーチェ「くくくく……! 宜しい。それではそなたに、無限の魔法を授けようぞ!」

ゴオオッ……!!

魔女と人間との取引は成立した。その瞬間周囲に凄まじい量の魔力が迸った。
如何に力の大半を失っているとはいえ、無限の魔女が保有する魔力は規格外。
常人ならばその洪水を受ければ、たちまちに絶命してしまうだろうが――。

パァァァァッ……!

ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿(以下長いのでソリマチ卿)
「……くっくっく。くわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーはっはっは!
 なんだ、これは。これが俺だというのか……! 全身を駆け巡る無限の魔力!
 全身の血液がヘロインになったみたいに、爽やかで、満ち足りたっ!」

――魔女と契約を結んだ魔術師となれば、話は別であろう。
黄金の気を纏った魔術師にとっては、その毒こそが生命の源。
よって、ベアトリーチェの魔力を体内に宿した彼はもはや、
人間としての生命から完璧に逸脱した存在と進化していた。

ベアトリーチェ「うむ……妾の見立て通り。そなたには魔術師としての適性があったようだ。
         では殺せソリマチィ! 今こそそなたの積年の恨み、果たすべき時ぞ!」

ソリマチ卿「ふーはっはっはは! 分かっておるわ、ベアトリーチェ卿!」

魔力譲渡を終え、人の姿すら喪い金色の蝶と化したベアトリーチェに対し、
ソリマチ卿はこれまでの理性あふれる少年の仮面を脱ぎ捨て、傲然とした口調で応じた。

140 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:33:15 ID:???
…と、言ったところで一旦ここまでです。今回の森崎の敵は、毒の魔術師ソリマチ卿になります。
次回は肝心の殺人シーンの幻想描写(魔女(魔術師)が自らの主観で現実を歪めたシーン描写)を更新します。

141 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 00:39:43 ID:???
乙でした
また反町が人間を止めてしまったか……

142 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 09:59:58 ID:???
魔力が53ぐらいありそう(魔王並感)

143 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:51:28 ID:???
続きを投下します。
>>141
乙ありがとうございます。某スレの影響もあってか、反町君をよく弄ってしまいます(爆)
>>142
シュート力は67あります。

144 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:54:24 ID:???

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【毒の魔術師の殺人、そして蘇生】


ソリマチ卿「まずは召喚魔法を行う。日向、若島津、吉良! この3名を俺の部屋に転送する!!」

そして彼はまず、数ある魔法体系の中でも基礎である召喚魔法を詠唱した。
すると今や彼専用の魔術工房となった反町の私室に異空間が現れ、
そこから宣言通り日向、若島津、吉良の3名が召喚される。

日向「な、何だ……? 俺は今、東京のヒューガー本社で会議中だった筈だが……?」

若島津「――飛騨の山奥で修行をしていた筈だったが。何故反町。貴様がここに居る……!?」

吉良「ウイ〜ヒック。んあ? ワシは埼玉の居酒屋で飲んどった筈じゃが。記憶が飛んだか?」

ソリマチ卿「くっくくく……! 愚かな暴君どもめ。俺は今から、貴様らを処刑する」

日向「ホウ……? 良く分からんが反町の奴、随分と調子に乗ってるみたいだな。
    もしかして貴様、俺のタイガーショットを受ける側に回りたいというのか……?」

ソリマチ卿「ハン! 吠えていろ、駄猫が。 ……ハァァァッ!」

パァァッ……ゴオオオッ! ……ブチンッ!

日向「ぐ、ぐわぁぁぁっ……!!」

第一の処刑は、この状況下を理解せず偉大なるソリマチ卿に楯突く愚かな日向小次郎。
毒の魔術師は魔力による大槌を練ると、次の句も告げぬ間に潰され肉塊と化す。

145 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:56:28 ID:???
若島津「貴様……よくも日向さんを……!」

ソリマチ卿「若島津よ……今すぐ俺の軍門に下るというならば、命を見逃してやらん事もないぞ?
       力を信望する貴様の事だ、今ので俺と日向、どっちに付く方が得か分かったと思うが」

若島津「ふざけるな……! 自分で強くなる努力を忘れ、下らぬ外法の力に溺れる貴様などの下に誰が付くか!
     俺を従いたいのなら、まずはこの俺を倒し――ぐふっ!」

パァァッ……グシャァァッ!

ソリマチ卿「私のシュート力は67です」

第二の処刑は、力を求める癖して偉ぶり身の程を弁えぬ若島津健。
まずは自分を倒してみせろ、と意気込む割には、ただのシュートを食らっただけで絶命する。

吉良「ひ、ヒイイイ……! ワシは、ワシは被害者なんじゃ。
    日向にそそのかされ、無理矢理東邦学園に連れてこられたんじゃぁ……」

ソリマチ卿「日頃は威張っていながら、窮地に立つと被害者面か。日向や若島津以上に見苦しいぞ」

吉良「な、何が目的じゃ!? か、金ならある! それとも女か!? ひ、ひいいいいっ!?」

ソリマチ卿「死ね」

パァァッ……ブンッ、グシャアアアアアアアアアッ!!

第三の処刑は、殺人思想をばら撒く割には自らの保身には必死の腐った大人、吉良耕三。
ソリマチ卿は天空からグングニールの槍を召喚して、その身体を一突き。それだけであっけなく動かなくなった。

146 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:58:26 ID:???

ベアトリーチェ「く……くっくくく! お見事、お見事! 中々やるでは無いか!
         一時譲渡なのが勿体無い、そなたなら修行を積めば、さぞ立派な魔術師に――」

その凄惨なる処刑光景に、ベアトリーチェは若干気圧されながらも、しかし上機嫌にソリマチ卿の魔法に賛辞を贈る。
当初の予定以上にソリマチ卿は優れた魔術師であったが、ともかく、これでベアトリーチェの目的は半分果たされた。

ベアトリーチェ「さてさて。後は妾が適当に密室結界でも張っておく。
         だからその魔力を一旦妾に返すが良い。良い塩梅の不可能犯罪に仕立て上げてや……」

ソリマチ卿「――だが断る」

ベアトリーチェ「ん、んなっ!?」

――しかし、ベアトリーチェは同時に誤算していた。ソリマチ卿の魔法適正の高さを。
彼はもはや、ベアトリーチェの駒を逸脱し、一個の魔術師として覚醒を果たしていた。

ソリマチ卿「俺が今アイツらを殺した魔法は貴様の力による物では無い。
       全て、この俺の血に生まれながら宿っていた毒の魔法。それが目覚めたのだよ。
       くっくくくく……! ああ、スゲー力だぜ魔法ってのは。
       どうして今までこの力に気付いていながら使わなかったのかなァ!!
       食らえよ、毒属性レベル67魔法、『トクシックインパクト』ォ!」

グンッ、ドガァァッ!

ベアトリーチェ「ぐうううううっ!?」

強烈な毒属性の魔法を受け、ベアトリーチェは数メートル先まで吹き飛ばされる。
普段ならば生来の高い抗魔力でレジスト出来た筈の攻撃に耐えられぬ程、今の彼女の力は減衰していた。

147 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 11:03:10 ID:???

ソリマチ卿「……そうだ。この魔力があるんだったら、日向共を何度でも殺せるんだったなァ。
       だったら、あんなショボい殺し方をしてオシマイ、じゃ勿体ねぇ。
       とりあえず、アイツらも生き返られせてやるかァ」

ベアトリーチェ「な、何をやっている! 反魂の魔法はそれ相応の対価が――」

ソリマチ卿「関係ねーよ、ババア!」

ベアトリーチェ「ばッ……。わ、妾はまだ19だ! ぴちぴちの乙女であるぞっ!?」

パァァッ……フワァァッ!

日向・若島津・吉良「「「い、今のは一体……」」」

ソリマチ卿「貴様等とは明日も遊ぶからな。今の内に準備しておけ」

フワァァァッ……

ベアトリーチェ「む、むううっ……! あやつ、何の気も無しに反魂の魔法を成功させおって……!
          こうも容易く魔法を使われては、妾の立つ瀬が無いではないか……!」

そして、思わぬ罵詈雑言にベアトリーチェがたじろぐ間にもソリマチ卿は魔法を使い、
日向達を蘇生させ、彼らが元居た場所にそれぞれ転送させる。
無限の魔女にとって反魂術は簡単であったが、それでもある程度の魔力を消耗する。
それを片手間でやってのける行為は、彼の魔力の青天井さを証しており。
――かつての無限の魔女・ベアトリーチェのそれを圧倒的に上回っていた。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

148 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 11:05:09 ID:???
反町が無双した所で一旦ここまでです。続きは本日の夜21時くらいから始めます。
幻想描写の要点や実際の赤字についてはゲーム開始直前に提示します。

149 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 17:20:49 ID:???
毒々しいソリマチ郷を崇めるのだ乙

150 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 17:34:13 ID:???
キバヤシ「ノストラダムスの予言書によると、反町の子孫がシスの暗黒卿ダース・ソリマチアス卿になるんだよ!」
研究員「な、なんだってーっ!」
キバヤシ「時代を越えて爆誕したのか、ダース・ソリマチアス卿!」

151 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 19:27:07 ID:???
我らが毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

152 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 19:32:04 ID:???
乙です……
すみませんソリマチ卿信徒のサバトはこちらでよろしいでしょうか?

153 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:01:17 ID:MGYyPwiA
こんばんは。ゲームを始めていきます。
ですがその前置きの文章が長くなってしまいましたので、暫く文章を投下しています(汗)
出題文とかはまたまとめて出すので、文章に興味ない方はもう暫しお待ちください。
>>149
乙ありがとうございます。ソリマチ卿人気が凄いですね…w
>>150
ダース・ソリマチアス卿「コーホー」(←言いたい事が言えてない)
>>151
乙ありがとうございます。
強キャラっぽいですがゲーム盤の難度自体は低めなので、
「ソリマチ卿って案外大したことなくね?」ってならないか心配です(爆)
>>152
乙ありがとうございます。
キャプ森キャラが魔女(魔術師)になるのが面白いかな?と思いソリマチ卿を出しましたが、
まさかここまで信徒が出来るとは思いませんでしたw

154 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:03:34 ID:MGYyPwiA

ソリマチ卿「……俺はもう、誰にも縛られない。ベアトリーチェ、貴様にもな!
       そして俺は――この魔力で、新世界の神。いや、魔王となるのだ!
       全ての記憶、全ての存在、全ての次元が言いたい事を言えるユートピアを作りあげるのだ!       
       くくくくく! くわーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

ベアトリーチェ「おのれ、ソリマチ卿……!」

自身の無限の魔法に加え、生来の毒の魔法にも覚醒してしまった今のソリマチ卿には敵わない。
そう悟ったベアトリーチェは、惨めにも金色の蝶の姿のまま、逃げ延びるしかなかった。

ベアトリーチェ「だが……ソリマチ卿の思想は危険だ。誰もが言いたい事を言える世の中だと?
         そんな世の中が実現すれば、魔女やゲームどころではない。社会秩序の崩壊だ! 野放しにしてはおけぬ!」

しかし、全人類が言いたい事を言える世界を魔法で作り出そうとしているソリマチ卿は、
この世界の秩序を乱すのみならず、人類滅亡すら招き得る恐れがある。
故にベアトリーチェは――。

ベアトリーチェ「こうなれば……仕方あるまい。この妾をも倒した『奴』の力を借りるしか……!」

その高いプライドを捨ててまで、ある『ウィッチハンター』に助けを求める事を決意した。

155 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:05:01 ID:MGYyPwiA
〜南葛中・宿舎〜

森崎「ぐが〜、すぴぴ〜」

……ここは東邦学園の宿舎からそう離れた場所ではない、南葛中の宿舎。
日向との決戦を控え、最後の特訓を積んだ森崎は僅かながらの休息を取っていた。

ベアトリーチェ「……森崎。森崎よ! 妾の声に応じよ!!」

森崎「ぐが〜、ん。そのイラつく声は……いや、流石に夢か……」

故に、人としての姿も保てぬ状態で、如何にベアトリーチェが呼びかけようとも、森崎は一向に起きる気配がない。

ベアトリーチェ「ええい、この非常時に……! ならば仕方ない、魔法を使うか……」

元はと言えば自分の誤算により引き起こされた異変であるが、傲慢なる魔女はそうした細かい事は気にしない。
ベアトリーチェは森崎を起こす為、なけなしの魔力でごく小さな魔法を使った。

――ジリリリリ! ジリリリリ!

目覚まし時計に黄金の鱗粉を振りまくと、時計の針が早回しのように進んでいき
――そして、目覚まし時計のベルを鳴らす。
時そのものを加速させる事はできずとも、手を触れずに時計の針を進める程度は造作もない。

森崎「うわっ! やべっ、寝坊した!」

ベアトリーチェ「ようやく起きたか、この寝ぼすけが」

森崎「……姿は見えぬが声は聞こえるぞ。その声は……テメエ。ベアトリーチェだな」

ベアトリーチェ「ほう! 良く覚えていたなぁ森崎。くひひひひ!! そうだよ妾だよ妾ァ。
         可愛い黄金の魔女サマが、お前を起こしに来てやったんだよぉホラホラ喜べよォ!」

156 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:06:39 ID:MGYyPwiA

先の戦いで大きな痛手を負ったベアトリーチェだったが、
同時にあの戦い以来森崎の実力を認め、一方的なライバル心を抱くようになっており。
今日の晩も、ソリマチ卿ではなく自分が出題者として、森崎にリベンジを果たしたいと思っていた。
そうした彼女の内心もあり、ベアトリーチェは嬉しそうに森崎を煽るが。

森崎「……クソッタレ。まだ死んでなかったのかよ。
   誰が喜ぶか、幻想になったとはいえ、翼を嬉々として殺したようなヤツをよ」

森崎としては、ベアトリーチェは翼を殺そうとした、単なる残酷な魔女にしか過ぎない。
無論彼女が先のゲームの終盤で見せた粘り強さや執念はある程度評価していたが、
それはあくまで敵としての視点であり、こうして馴れ合う為のものではない。

ベアトリーチェ「あ、あんときの事は悪かったよォ。
         でも、ちょっと派手にやった方が魔女を信じてくれるかなーって思ったんだもん。
         ポケットから鉛筆が無くなったとか、目覚まし時計が勝手に鳴ったとか。
         そんな手品みたいな魔法を持ち出しても、信じてくんないだろぉ?」

森崎「……『鉛筆が無くなるのはポケットに穴が空いていたから』だし、
    『目覚まし時計が勝手に鳴るのは、単に俺の設定ミス』だからな。
    ――だが、そういう事を言っているんじゃない。
    俺が言いたいのは。魔女のお前にとっては人の生死はゲームかもしれないが。
    人間の俺達にとっては、その生死が一番大事だって事なんだよ」

ベアトリーチェ「む、むぅ……ニンゲン達の価値観位、妾も分かっておる。だが……」

魔女のベアトリーチェと人間の森崎では、根本的に視点がズレていた。
無限の魔女にとっては、人の生死はチェスの駒と同じで、ゲームが終われば何度でも蘇る。
しかし、魔法の使えぬ人間にとっては、一度きりの人生をただのゲームと切り捨てられる訳がない。
故に、二人の口論は平行線。
ゲームを楽しみ、魔法を認めて貰う事が最優先で、人の生死など二の次と平気で話すベアトリーチェと、
野望を求めて毎日を一生懸命に生きている森崎が交じり合う可能性は無かった。

157 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:08:07 ID:MGYyPwiA
ベアトリーチェ「……妾は、そなたとは良きライバルになれると思ったのだがなァ」

森崎「何がライバルだ。ライバルになりたかったらサッカーでも始めやがれ」

――しかし、今はそうした口論をしている場合ではない。決然と、ベアトリーチェは本題を切り出す。

ベアトリーチェ「――だが。今は少なくともそなたに共闘を頼みたいのだ!
          ……凶悪なる毒の魔術師が生まれてしまった。奴はゲームを望んでおらぬ。
         奴の狙いは世界の秩序の崩壊。そうなれば、魔女も人間も、生きる場所が無くなる!」

森崎「へぇ。そりゃいいや。そいつのお蔭で、てめえみたいなゲーム脳で頭薔薇庭園の魔女が消えるんだったら、
    その魔術師さんの方を応援してやるぜ。てか第一、信じられるかそんな与太話」

ベアトリーチェ「与太話などでは無い! 現に脅威はすぐそこにまで迫って来ておる!」

とはいえ、敵視され一切信頼されていないベアトリーチェの発言に、森崎は耳を貸そうとしない。
これも魔女の新たな策略かもしれないのだ。一度彼女の甘言に乗せられている森崎は慎重だった。
しかし、丁度その時だった。

ドオオオンッ!

森崎「な、なんだよ次は……!?」

ベアトリーチェ「……魔術師だ。ヤツが来たのだ!」

南葛中の宿舎を揺るがす地響きとともに、森崎の部屋に大きな穴が空いた。
その穴の先には――ベアトリーチェの言う通り、凶悪な表情をした毒の魔術師が、
かつての無限の魔女がそうであったように、夜の世界の王者として君臨していた。

158 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:09:29 ID:MGYyPwiA
ソリマチ卿「ほう……そんな所に逃げ隠れていたのか、ベアトリーチェ。惨めだな」

ベアトリーチェ「貴様……ソリマチ卿! 妾を追って来たのか!?」

ソリマチ卿「当たり前だ。貴様が再び力を取り戻した際、
       俺様の『言いたい事を言い放題ユートピア』の障害となるかもしれんからな。
       危険因子は、芽のうちに摘んでおかねばなるまい」

ゴオオッ……!

ソリマチ卿はそう言うと邪悪な笑みを浮かべながら、空中に毒々しい色の球体を編み出す。

ソリマチ卿「毒魔法レベル59。『ポイゾナスドライブ』だ。この魔法を受ければ、
       半径10キロメートル内は死の毒に満ち溢れるだろう……!
       くっくっく。たまんねえぜ!! 貴様らは青酸カリのように甘ァいアーモンド臭に溢れて死ぬんだ!」

森崎「いやいや……! そんな魔法を使われたら俺が死ぬだろう!
    ベアトリーチェ、お前が撒いた芽だろう、何とかしろよ!」

ベアトリーチェ「それが出来るなら、もうやっておるわ! 増長した魔術師を倒すのは、森崎。
          この妾をも制してみせたウィッチハンターたる、そなたにか出来ぬのだぞ!」

森崎「倒すったって、どうすれば良いんだよ。俺にかめはめ波でも打て、ってか?」

ベアトリーチェ「違う! ……そもそも、あやつの魔術師幻想を繋ぎとめているのは、
          不可能状況での殺人によるもの。その真相を人間とトリックで説明すれば、
          遡ってあやつの魔力は立ち消える! 要は、妾の時と同じという事よ!」

ソリマチ卿「ホウ……? 貴様、この俺様相手に『魔女のゲーム』で勝負するというのか?」


159 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:11:12 ID:MGYyPwiA

ベアトリーチェの発言に、ソリマチ卿は何らかの興味を示したらしい。
彼は毒の魔法を一旦中止して、森崎の下へと降り立った。

森崎「――知らねえけど、どうせやるしかないんだろ。やらないと俺はこの宿舎を破壊し尽すとか、言っちゃうんだろ?」

ソリマチ卿「成程。どうやらあの小五月蠅い蠅から聞いているようだな。
        俺の魔力の源泉を。それを止めるというのか……くくくくっ! 愚かな!」

そして、かつての森崎とベアトリーチェとの対峙と同じように、
二人の間を隔てるように一台のチェス盤が置かれる。
局面は序盤にも関わらず黒番の不利。盤面中央に白のクイーンが鎮座している一方、
黒はルーク、ビショップ、ナイトの駒が既に1枚ずつ脱落していた。

ソリマチ卿「見るが良い。この俺様が構築した、圧倒的な赤き真実を。
       そして屈服するが良い。ベアトリーチェをも超えた、俺様による完全不可能犯罪の前にな!!」

ベアトリーチェ「……期せずとも勝負が始まったか。森崎!
         そなたが何と言おうとも、このゲーム、妾がそなたのサポートとして補佐をさせて貰おう。
         そして必ず勝つのだ! さもないと魔女幻想やゲームどころでは無い!
         ソリマチ卿の魔力により、この世界は破滅してしまうぞっ!!」

森崎「世界がどうとかは知らねえが。俺はまだ死ねねえんだよ。ベアトッ!
    この戦いが終わったら、俺が説教たんまりかましてやるから、覚悟しとけよ!」

――かくして、些か不格好ではあるが。
世界の崩壊を賭けた、魔女と人間による奇妙な共同戦線がここに張られたのだった。

160 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:14:48 ID:MGYyPwiA
Episode 2   Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜 第一の晩 開始

−魔術師の出題(幻想描写は>>144-147)−
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹により殺害された】。
しかし、【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】が、
【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】。
加えて、特記事項として【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】。

魔術師側はこれを、「魔術師が3人を魔法で自室に召喚・殺害し、その後反魂の魔法で3人を蘇生した」と主張する。
人間側は、「魔術師の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、
以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。
  ※実際にこうなりそうな場合は、GM側にて正解の進行を描写しようと思います。

・(新ルール)どうしても謎が解けない場合、助言役(ベアトリーチェ)にヒントを貰う事ができます。
 ヒントが欲しい場合は、「ベアトにヒントを聞く」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

161 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:16:04 ID:MGYyPwiA
−これまでの赤字−※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える場合があります。

【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹により殺害された】
【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】
【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】

162 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:17:57 ID:MGYyPwiA
森崎「――よし。まずは復唱要求でも……って、何だァこの赤字は!?
   遠隔殺人にしても三人の距離が離れすぎてるし、第一、殺害されても生きてるって、矛盾してるじゃねーか!!」

ソリマチ卿「くひゃひゃひゃ! それは勿論、この俺が魔法で3人を召喚・殺害し。
       その後更なる拷問の為に魔法で蘇生させたに決まっておろう!! 全く矛盾しておらぬ!
       逆に聞くが、人間の転送! もしくは遠隔殺害! 極め付けに蘇生! これを人間とトリックでどう説明するのだ!?」

問題を提示しその不可能性を強調する事で悦に浸るソリマチ卿。
実際、悩みながらも、何らかの仮説は出せていた前回のゲーム盤と違い、
非常に強固な赤字で固められたソリマチ卿のゲーム盤を見て、森崎は戦慄していた。

ベアトリーチェ「慌てるな、森崎!」

――それを一喝し、冷静さを取り戻してくれたのはベアトリーチェだった。
彼女は平静なまま、今回のゲーム盤について解説を加えてくれた。

ベアトリーチェ「まずは、核心となるべき謎の整理だ。問題文から読み取れる謎は大きく分けて2つ。

その1、「それぞれ離れた場所に居た日向、若島津、吉良を、反町は東邦学園の自室でどのように殺害したのか」

その2、「一度殺害した筈の日向、若島津、吉良は、何故殺害の翌日に生存しているのか」。

        これを人間とトリックで解き明かす事が、妾達の目的となろう」

163 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:20:10 ID:MGYyPwiA

森崎「その位は分かってるっての。でも、あまりに謎過ぎるだろ!
   前回の翼の密室殺人だったら、まだとっかかりはあったけどよぉ。何も思いつかねえぜ!」

ベアトリーチェ「そうか? 魔女として、様々なゲーム盤を作り、覗いて来た妾からすれば。
        このゲーム盤の心臓はあまりに陳腐で単純と読めるぞ?」

森崎「そうなのか? でもだって、赤が強すぎるぜ。まるでチェス盤の中央でデカイ面してるクイーンみたいだ。
   あいつが居るせいで、どこの駒も進ませようが無いっつーか……」

ベアトリーチェ「だからこそ、よ。ソリマチ卿……きゃつが放った赤き真実は強力だが、強すぎる。
          アーリー・クイーン・ムーブ。――強力なクイーンを先出しする戦法は、
          無能な者を完膚なきまでに叩きのめすという意味では強力だが、欠点も多い。
          強力な赤それ自身が推理の幅を狭め、真相という名の心臓を剥きだしにしてしまうのだ。
          ――名うてのウィッチハンターならば、たった一発の青き杭にて潰されるであろう」

森崎「マジかよ……」

ソリマチ卿「何を話しておる、雑魚共が! 来るならさっさと来るが良い! くははははははは!!」

ベアトリーチェ「――ああは言ったが、無理に一撃必殺を試みる必要はないぞ、森崎!
        失敗や拒否を恐れず、色々な復唱要求や青き真実を放ってみせよ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

164 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:24:32 ID:???
「反町一樹という名称の人物は複数人存在する」
「日向、若島津、吉良という名称の人物は複数人存在する」

165 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:28:04 ID:???
「宿舎の中に東京、岐阜、埼玉という呼称の空間が存在する」

166 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:29:21 ID:MGYyPwiA
森崎「……そうだな。確かに可能性は限られる、か。――よし! 復唱要求だ、ソリマチ卿!
    「反町一樹という名称の人物は複数人存在する」
    「日向、若島津、吉良という名称の人物は複数人存在する」ッ!」

ソリマチ卿「……ふんっ! 復唱は拒否だ! 理由は特に無い!」

森崎「へえ。折角魔術師になったってのに、言いたい事も言えねえのか?
    ……それとも、言いたくないから言わねえのか?」

ソリマチ卿「それは好きに解釈するが良い。クククッ……!!」

ベアトリーチェ「相手のペースに乗せられる必要はないぞ、森崎。その調子でどんどん敵を突いて行くが良い!」

森崎「うるせえ、言われなくても分かってるぜ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

167 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:31:46 ID:MGYyPwiA
>>165

森崎「おっと、もう一つ復唱要求だ。
    「宿舎の中に東京、岐阜、埼玉という呼称の空間が存在する」!」

ソリマチ卿「くっくくくく……! 面白い要求だ。だが拒否する。理由は特に無い!」

ベアトリーチェ「発想は面白いが、魔術師もそう簡単に口を割らぬか。
         これが果たしてブラフなのか、核心を突くが故なのか……」

森崎「まあいいさ。勝負はこれからだ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

168 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:42:16 ID:???
「反町一樹は生存している」
「反町一樹はこの事件の犯人である」
>反町一樹の殺害
読み方によっては反町自体がもう殺されているようにも読めるけど……

169 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:47:18 ID:???
『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』

170 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:48:30 ID:MGYyPwiA
>>168

森崎「……ちょっと待った。この要求には応じられるか? 復唱要求!
   「反町一樹は生存している」
   「反町一樹はこの事件の犯人である」」

ソリマチ卿「なんだ、そう言う事か。ではあらぬ誤解の無いよう、これは復唱しよう。
       【反町一樹は生存している】!
       【反町一樹はこの事件の犯人である】!
       ――更に既存の赤字を、より明確な意味に訂正させて貰おう。
       【反町一樹が殺害を行った直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】」

ベアトリーチェ「成程。反町一樹の殺害、という表現をそう取ったか。
         赤字の定義についてしっかりと確認を取る事は、このゲームの基礎中の基礎。流石だなァ、森崎」

森崎「クソ魔女に褒められてもうれしくないぜ。……さっさと次に行くぞ、次!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

171 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:49:49 ID:???
『被害者の三人は反町一樹の指示で動いた人物Xによって殺された』

172 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:55:42 ID:MGYyPwiA
>>169

森崎「よし。それじゃ誤解も解けたところで青を打って行くぜ! 喰らえ!
   『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
    同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
    反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』!」

ドーーーーンッ!

強烈な青き真実が杭の形をとり、ソリマチ卿の胸に突き刺さる。

ソリマチ卿「ぐっ……!」

しかし、その直前にソリマチ卿は足に赤きオーラを纏わせ、
その強烈なシュート力を持って杭を破壊する。

ソリマチ卿「【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】!」

シャキーンッ、ブンッ、ガシャアアアアアアアアアアアンッ!

森崎「チッ、駄目だったか!」

ベアトリーチェ「いや。この青は惜しくも切られたが、確実に真相の範囲を狭めている!
          臆せず攻撃の手を緩めるなよ!」

173 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:02:51 ID:MGYyPwiA
>>171

森崎「おうよ、食らえ! もう一発赤だ!
    『被害者の三人は反町一樹の指示で動いた人物Xによって殺された』!
    人物Xがタケシか、小池か、北詰監督か、それとも高島だか三島だったか誰かは知らんぞ。
    だが、細部に関する説明は『悪魔の証明』理論の応用により、拒否する!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「フン……! ならばこの赤を食らえ、【この事件において、謎の人物Xは一切関与しない!】」

シャキーンッ、ブンッ、ガシャアアアンッ!

ベアトリーチェ「謎の人物Xの関与が否定されたか。……どう思う?」

森崎「くくっ。不可能性が増して大変だが、一方で可能性もまた崩された。随分推理がしやすくなったぜ!」

ソリマチ卿「強がりを言っていられるのも今の内だぞ森崎ィ。
       貴様の運命はトリカブトの如く急激に絶たれるのだァ!!」

森崎「チッ……! それはどっちかな。まだまだ行くぜェ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

174 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:03:38 ID:???
『反町は自室に日本地図が印刷されたカーペットを敷いており、その東京、岐阜、埼玉の上で三人を何らかの方法で仮死状態にし、
その後三人に蘇生処置を行った』

175 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:04:37 ID:???
『反町は被害者の三人に仮死状態となるような毒物を送り飲ませ、被害者たちはその後息を吹き返した』

176 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:11:58 ID:MGYyPwiA
>>174


森崎「だったら次はトンデモだ!
    『反町は自室に日本地図が印刷されたカーペットを敷いており、その東京、岐阜、埼玉の上で三人を何らかの方法で仮死状態にし、
    その後三人に蘇生処置を行った』!
    何故反町がそんな事をしたのか、その理由Xについては説明拒否!」

ソリマチ卿「くひゃひゃひゃひゃひゃ! 笑わせてくれる、森崎!
       だが……そうだな。如何にして切ろうか。
       【反町の私室に、日本地図は存在しない】。いや、もう少し具体的に言ってやろうか。
       【東京、岐阜、埼玉とは単なる名称ではなく、実際の日本国の都道府県内を指す】
       これはつまり、宿舎内の『東京』『岐阜』『埼玉』という場所で殺害を行った、という意味では無く。
       彼らは実際に、東京都、岐阜県、埼玉県のいずこかに存在していた、という意味よ」

ベアトリーチェ「ふむ……。赤で囲まれていない部分もあるが、ソリマチ卿の発言は信用しても良さそうだ」

森崎「どうしてそう言えるんだ?」

ベアトリーチェ「正確には、疑う必要が無いというべきか。こうした詳細の定義は、日本語での説明が難しい事が往々にしてある。
         どうしても疑いたい場合は、対応する青字を打っても良いが。
         ここは対戦相手を信じても良いのではないか……と、長年の感覚からそう思うだけだ」

森崎「まぁ、お前のゲームに対する律義さというか、流儀は何となく分かってるよ。……参考にはするぜ」

177 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:19:45 ID:???
「反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない」

178 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:21:57 ID:MGYyPwiA
森崎「……一度死んだ人間が生き返る方法について、仮説を叩いてみるか。
    『反町は被害者の三人に仮死状態となるような毒物を送り飲ませ、被害者たちはその後息を吹き返した』!
    そんな毒物Xが実際にあるかどうか、三人が実際に飲む理由Xかどうかについては、悪魔の証明により説明拒否!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「クックク……くわーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

森崎・ベアトリーチェ「「!?」」

森崎が提出した青き真実に対し、ソリマチ卿は待っていたかの如く高笑いを上げる。
そして次の瞬間、彼が何故こうした余裕を持っているかを思い知らされることとなる。

ソリマチ卿「【この事件において、いかなる薬物・毒物Xは関係しない】ッ!」

カッ!

バキイインッ!

ソリマチ卿はまず、森崎の青を赤い気を纏ったダイビングボレーで撃ち返す。
しかし、彼の攻撃はまだ終わらない。

ソリマチ卿「出血大サービスだ、更に赤字を出してやる。
       【日向小次郎・若島津健・吉良耕三はいずれも、反町一樹による攻撃が原因で絶命した】!
       どうだ? 【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】状況下だが、
       俺は【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】
       アイツ等を殺したのよ。ククク……どうだ森崎ィ? どう見ても不可能だろう??

シャキーンッ! ゴオオオオッ……!!

一旦森崎の青を打ち返した赤きシュートは、ソリマチ卿の魔力に呼応してその威力を増幅させ、
更なる赤き真実を加えて森崎を圧倒する。

179 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:26:53 ID:MGYyPwiA
ベアトリーチェ「魔力増幅術……! いわばこれが奴の得意技と言ったところか。
          得意とする箇所への青を打たれた場合、更なる赤を追加し不可能性を強調する。
         『強烈なシュート』。このゲームに即して言えば、『強烈な赤き真実』と言ったところか……!」

森崎「……ああ。確かに痛い攻撃だぜ。だが、まだ終わっちゃいねえ。生憎と、俺は諦めが悪いんでな」

ソリマチ卿「ホウ……? この俺様の『強烈な赤き真実』を食らって尚耐えるか。面白い……!」


>>177

森崎「面白いついでに復唱要求、
    「反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない」!」

ソリマチ卿「応じる。【反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない】」

森崎「クッ……!」

ベアトリーチェ「落ち着くのだ森崎。詰まった場合はこれまでの赤字を読み返すのも良い。
          ……とにかく、攻撃の手を休めてはならんぞ!」

森崎「分かってる、分かってる! よし、じゃあ次は……」



☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

180 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:28:23 ID:???
『ソリマチ卿とは別人の反町一樹という名前の医師が複数存在し、
日向小次郎には東京、若島津健には岐阜、吉良耕三には埼玉でそれぞれ心臓の手術を行った
手術中に三人は一時心停止したが、その後再び心臓を動かし蘇生させた』

181 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:28:23 ID:???
『三人は反町一樹の自室から放たれたシュートによって殺された』

キックオフシュートを決める魔王ならやってくれる(信頼の目)

182 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:34:13 ID:MGYyPwiA
>>180


森崎「これはどうだ!
    『ソリマチ卿とは別人の反町一樹という名前の医師が複数存在し、
    日向小次郎には東京、若島津健には岐阜、吉良耕三には埼玉でそれぞれ心臓の手術を行った
    手術中に三人は一時心停止したが、その後再び心臓を動かし蘇生させた』!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「無駄無駄ァ!【反町一樹という名称の者は、この世界に1人しか存在しない】!
       勿論、この1名というのは殺人を行ったこの俺様の事よ! くわぁっかっかっか!!」

シャキーンッ、グワァァッ、ドガァァァァァッ!

森崎「チッ、これもハズレか」

ベアトリーチェ「………」

183 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:38:12 ID:MGYyPwiA

>>181

森崎「チイッ……じゃあこれだ、『三人は反町一樹の自室から放たれたシュートによって殺された』!
    シュート力67の魔王ならこの位楽勝だよなァ!?」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「ええい、変な青を打ってきおって……!
        ならばこうだ、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹の私室にて殺害された】!
        加えて、【反町一樹は殺害にあたり、一切の道具Xを凶器として使っていない】!
        道具Xにはサッカーボール、ブラックボール等も含める!
        ついでに言っておこう、【このゲームに謎の異世界Gは関係しない】!」

シャキーンッ、ズバァァァッ! ガシャァァァンッ!

ベアトリーチェ「なあ森崎ぃ。謎の異世界Gって何だ? 黄金郷の事?」

森崎「俺も知らん。……知らんが、多分どうでも良い事だろう」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

184 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:43:43 ID:???
「東邦学園の宿舎は一つしか存在しない」
「日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された」

185 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:49:22 ID:???
殺し方まではまだなんとなくいけそうな気がするけど、蘇生の経緯が全く検討もつかない……
「反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた」

186 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:50:06 ID:MGYyPwiA
>>184

森崎「くそっ……。悔しいが、詰まって来たな。復唱要求!
   「東邦学園の宿舎は一つしか存在しない」、
   「日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された」!」

ソリマチ卿「そうだな。別に拒否をしても良いのだが……まァ良かろう。
       復唱に応じる。【東邦学園の宿舎は一つしか存在しない】、
       【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された】。
       更に言ってやろう、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、それぞれ5分以内の間隔で殺害された】。
       ククク……どうだァ? 俺は東京、岐阜、埼玉に居る3人の人間を、自室に居ながらにして、
       僅か5分以内の間隔で殺害したのだ。これを魔法と言わずして、何と呼ぶまい?」

森崎「ええい、それも『強烈な赤き真実』ってヤツか? 余計な事ばっかり喋りやがって……」

ベアトリーチェ「案ずるな森崎。赤き真実は伝家の宝刀。使い過ぎはこちらの利になる。
         よいか森崎。事件の不可能性が高いという事は、それだけ他の可能性が想定し難いという事よ。
         後はこれまでの赤字を見たり、不明瞭な定義を確認する事により、心臓を撃ち抜く青を出せばいい事。
         絶対に諦めぬそなたの方が、今なお立場としては強いのだ」

森崎「お世辞がうまくなったじゃねーか。でもご心配なく。俺はまだ諦めてないぜ」

187 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:55:18 ID:MGYyPwiA
>>185

森崎「復唱要求だ。……「反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた」!」

ソリマチ卿「そうだな。……復唱してやろう。【反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた】!
       殺意とは即ち、その対象の生命を奪おうとする意志を指す。
       赤で囲う程ではないため白字だが、この定義について過たない事を約束しよう」

ベアトリーチェ「魔女のゲームは、ゲームマスターとプレイヤー。双方の信頼があって成り立つ。
          ここは妾達も、その言葉を信頼するしかあるまい」

森崎「分かったよ。でも何で白字なんだ? 文字的には黒だろ。
    それを言い出せば、【】も『』も赤でも青でも無いし……」

ベアトリーチェ「そ、それは元ネタの文章が……ええい、そんなつまらぬ事は突っ込まんで良い!
         さっさと青字なり復唱要求なり考えろ!」


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188 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:58:50 ID:???
『全てはオンラインゲームX上での出来事だった』


189 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:06:14 ID:MGYyPwiA
>>188

森崎「……現実的に考えてあり得ない遠隔殺人、そして死者の蘇生。
    これを説明するのは――そうだ!
    『全てはオンラインゲームX上での出来事だった』!
    こうしたオンラインゲームが存在するか否かについては――」

ソリマチ卿「説明拒否。それも良かろう。なぜならば、
       【この事件は全て、現実世界で起こった事である】からな。
       なお、事件というのは、反町一樹による日向小次郎、若島津健、吉良耕三の殺害を指し。
       現実世界というのは、この我々が存在している世界の出来事、という風に捉えれば良い」

森崎「おいベアト、これも信用できるのか」

ベアトリーチェ「事件及び現実世界の定義か。……まあ、ここを疑ってはキリが無いからなァ。
         ただ、ネットゲーム説は屁理屈推理合戦では頻出かつ、正解になる事もままある青だ。
         こうした柔軟な発想を持つ事自体は悪くないぞ」

森崎「そうかよ。しっかし、どうしたもんか。本当に人間が死んで生き返るのか?」

ベアトリーチェ「そうだな。……そもそも。本当に人間が生き返っているのか?という事も含めて。
         一度これまでの赤字を見返してみるのも、必要かもしれぬな」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
※今晩のゲームは、24:00まで行います。それまでに回答が無い場合は、明日の夜に続きをやります。    

190 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:13:36 ID:???
「反町一樹が殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三の三名は人間である」

191 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:22:20 ID:MGYyPwiA
>>190

森崎「……おっと、そう言えば。――復唱要求!
   「反町一樹が殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三の三名は人間である」」

ソリマチ卿「……復唱を拒否する。理由は特に無い」

ベアトリーチェ「ほう? 先程までは威勢よく赤を並べておったのに、ここに来てダンマリか」

ソリマチ卿「余裕故よ。これ以上貴様等に赤を出さずとも、この謎は到底解けまい」

森崎「……そうかい。そんなら良いけどよ。……それならお言葉に甘えて、
   有力な青か、それともお前が顔を真っ青にするような復唱要求でも考えてみるぜ?
   お前がこれまでホイホイ下さった赤字をよ〜く検討してみてな!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

192 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:26:51 ID:???
『反町は自室にて三人の名前をつけた生物Xを殺害した』

193 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:27:05 ID:???
『ソリマチ卿が殺害したのは、日向小次郎、若島津健、吉良耕三と名付けた人形である』

194 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:42:59 ID:MGYyPwiA
>>192

森崎「そう言えば。序盤にスルーしちまったが、一点気になる赤があったんだよな」

ソリマチ卿「ホウ……?」

森崎はそう言うと、ソリマチ卿が切った無数の赤字の中から一つを取り出した。

   【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】

それは当初、日向達の同一人物説を否定するために切られた赤字。
一見何の変哲も無い赤字のように見えるが――。

ベアトリーチェ「気付いておったか」

森崎「ああ。……よく考えてみたら、この赤。俺の青を完全には切ってねぇ。
    俺の青はこうだった。」

   『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
    同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
    反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』

森崎「同性同名の別人の存在については、確かに否定されたかもしれない。
    だが、ソリマチ卿。本当ならお前はもっと良い赤の切り方があった筈なんだ。
    例えば、『このゲームにおいて、日向小次郎、若島津健、吉良耕三の名称を持つ者は1名ずつしか存在しない』
    ……とかさ。でも、お前はしなかった。……いや、出来なかったんだ」

ソリマチ卿「………………………」

先程までの饒舌さが嘘のように、ソリマチ卿は黙して語らない。森崎は更に推理を続ける。

195 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:53:42 ID:MGYyPwiA

森崎「それと、殺された3人の蘇生トリック。これについてお前は赤では、『殺害された』『生存していた』しか語ってねぇ。
    蘇生した云々は、あくまで幻想描写部分や、赤で無い部分だけでしか言ってない。
    そして、生きた人間が死ぬ方法なんて腐る程あるが、死んだ人間が生き返る方法なんて殆どねぇだろ。
    しかし、お前は【この事件において、謎の人物Xは一切関与しない】、【この事件において、いかなる薬物・毒物Xは関係しない】
    と赤を出す事で、蘇生が可能な医師X、一時的な仮死薬Xの可能性を悉く否定している。ゲームXの出来事である可能性すらもだ。
    こうなると、答えは簡単だ。……【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、生き返っていない。ずっと死んだまま】なんだろ?」

ソリマチ卿「ぐっ……………」

森崎「そこに気付いてからは早かった。遠隔殺人なんて不可能、死者の蘇生なんて不可能。でも日向達は死んでいる。
    この条件を満たしつつ、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】を満たす方法。
    それは――【人間でない】同性同名の日向達を、反町の部屋で殺す事。
    お前は丁寧にも、ちょくちょくヒントを与えててくれたしな」

ソリマチ卿の顔が宣言通りみるみる青ざめるのを尻目に、森崎は幾つかの赤字を並べる。

    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三はいずれも、反町一樹による攻撃が原因で絶命した】
    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、それぞれ5分以内の間隔で殺害された】
    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】

森崎「まずはこの赤。死んだ日向達について、お前は「人」という表現を使っていない。
    人という表現が出て来るのは、同名の人間の否定。それと、生存していた3人について赤を出しただけだ」

【反町一樹という名称の者は、この世界に1人しか存在しない】
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】

森崎「あとは……この赤もヒントだったんだろ? 『反町一樹』は『者』という抽象的な表現を使用する一方、
    日向達については『人間』と限定している。まぁ、者もイコール人間だっていわれりゃ、きついけどな。
    でも、お前は公正だった。『人間』という表現に疑いを向かせるよう、伏線を張ってくれた」

ソリマチ卿「俺様は……お、俺は……!!」

196 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 00:00:44 ID:LKwyGoHo
森崎「……後半の方では『事件』やら『現実世界』やらについて、嫌に丁寧に定義解説をしてくれたのもそうだろ?
    『殺害』とは人間を殺す事なのか? 動物を殺す場合も含まれるのか?
    ……と聞かれた場合に備えて、定義の確認の重要性を俺達に示そうとした。
    ――ったく。キャラ変はしても、その無駄に真面目で丁寧なトコは変わんねーのな、反町?」

ソリマチ卿「違う。俺をその名で呼ぶな。俺はこれより千年を生きる無限と毒の魔術師。
       ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿であるぞ……!」

森崎はソリマチ卿のハラワタを完全に掴んでいた。後は森崎が手を引き抜き、その心臓を外部に撒き散らすのみ。
魔術師の処刑。その瞬間はすぐそこに迫っていた。
森崎は最後の情けとして、彼の首を取る為の青いギロチンを召喚し。



森崎「――『反町は自室にて三人の名前をつけた生物Xを殺害した』」



ドーーーーーーーーーーーーーーンッ!
……ガシャァァァァァアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァンッ!!


ソリマチ卿「ぐ…………ぐぐぐ………………ぐぼぼぼぼぼわーーーーー!!」

プク……プク、プクプク……。


――森崎がそれを振りかざすのとほぼ同時に、ソリマチ卿は自身の体内に溢れる毒を制御できず。
世界を支配しようと試みた魔王であるとは到底思えぬ程情けない断末魔の叫びとともに、
泡を吹きながら、その存在を否定されたのだった。

197 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 00:13:23 ID:LKwyGoHo
無限と毒の魔術師ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿は、
>>192さまの提出した青き真実に対し、リザイン(投了)を表明しました。
よって、このゲームは人間側の勝利となります。お疲れ様でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――


……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
次回以降は幻想描写抜きの真相を描写の上、少し森崎とベアトのやりとりを挟み、
第二話完、としたいと思います。

前回は『死んだ理由当て』が謎の核心でしたが多くて難しかったので、
今回は逆に『復活した理由当て』を謎の核心にしようと思っていました。
人間が死ぬ理由は沢山ありますが、生き返る(ように見える)理由は少ないと思ったので…。
最初>>172が出て来た時ヒヤリとしましたが、
『人間』という表現について特段の突っ込みが無かったため、続行させて頂きました。
結果としては、前回よりも難易度を下げつつ、そこそこ駆け引きと推理を楽しめるゲームになったのではないか、
と思っています。また感想や意見を書き込みして頂ければ嬉しいです。

>>192
正解おめでとうございます。私の中では反町が殺した生物Xはアリでした。
反町はアリの巣キットを持ち歩いており、ストレスが溜まった際は適当なアリを日向と見立てて、
愚痴を言ったり殺したりしてストレス発散を試みていたようです。
>>193
この場合、【殺害とは、特定の対象Xの生命を意図的に奪うことである】【人形に生命は無いものとする】
と逃げようと思いましたが、これは実質、1手詰のチェックメイトに近い状況でしたね。

今回もゲームに参加して頂き、また色々なコメントを頂き、誠にありがとうございました。
お疲れ様でした。

198 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 00:18:23 ID:???
乙なのです
>>193を書き込んだあと、よく考えれば人形は殺害したとか言いませんよねって自分でも思いました(汗)

でも今回も楽しめました!

199 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 00:21:15 ID:???
乙でしたー
二回目ということもあり、参加者としては前回よりもある程度は慣れてきた感じがして非常に楽しめました。
次回もあるなら期待してます。

……それと反町がフィクションでよくいるサイコパスみたいに哺乳類には手を出してなくて良かった。
元・相方の某エースは激怒するだろうけどwww

200 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 05:12:42 ID:???
人間ごときにヒントをくれるとは、なんと慈悲深き御方よ
我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

201 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 07:08:50 ID:???
乙でした!
ソリマチ卿渾身のサバト楽しかったですよ
……ソリマチ卿信徒になろうかな

202 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 07:56:11 ID:???
いやあてっきりシュートによる殺害だと信じて疑わなかったぜ(超次元脳)
皆さんお疲れ様でした

203 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:51:06 ID:LKwyGoHo
こんばんは、今日はボチボチゲーム後の描写をしたいと思います。
>>198
乙ありがとうございます。楽しんで頂けて安心しております。
『人形は謎の生きてる(?)人形Rゼンメイデンだった可能性は否定できない。だから人形は殺害された!』
とかいう屁理屈もアリだと思いますw
>>199
乙ありがとうございます。魔女側としても鋭い復唱要求をどうかわすか悩んだり、
面白い青が色々出てきて笑ったりして、前回以上に楽しめました。
現在第三のゲーム盤までは考えていますが、
皆さんのレベルが上がって一撃リザインしそうなのもあり、ちょっと怖いですw(屁理屈推理合戦では良くある事ですが)
すみません、謎の蛍妖怪Rさんへの配慮を忘れていました(爆)
>>200
乙ありがとうございます。ある程度は手掛かりを出さないと、
言い当て合戦になってしまう…というGMとしての配慮もありますね。
「ソリマチ卿って案外(ry」にならず崇拝されててよかったですw
>>201
乙ありがとうございます。サバト(アリ殺し)なのが哀愁を誘いますね…。
ソリマチ卿は序盤のザコ的な設定でしたが、意外な人気が出て良かったです。
第三のゲーム盤もキャプ森キャラを魔女化させる予定ですが、人気ではソリマチ卿には勝てないかも…(汗)
>>202
お疲れ様でした。実は>>181のシュート殺人説は結構切り辛かったですw
実際それで、日向達は反町の私室で殺害された事が確定したりするなど、
人間側にとって有利な赤が出たりしますし、私も面白いので、超次元な説を期待してますw

204 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:52:10 ID:LKwyGoHo
**************************************
【S少年の秘めやかなる安息】

反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」

全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。
反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。

反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督!
    タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」

その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、
現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。

反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。
    仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。
    これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」

これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、
反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。
しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。

反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」

――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。
事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……!
いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!

205 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:53:17 ID:LKwyGoHo


反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」

しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。
それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。

反町「喉が渇いた。自動販売機で、ドリンクバーでも買って来ようかな……。
    って、何言ってるんだ俺。自販機でドリンクバーなんて買える訳ないだろ。
    はぁ……疲れてるのかな、俺。独り言ばかりは増えるし……」

……しかし、大舞台である全国大会の決勝を前にして、少しばかりの気分転換は役に立ちそうになかった。
溜息をつくと、ふと自分の旅行用カバンが目に着く。
すると、反町は最近覚えてしまった、自分の後ろめたい欲求を叶えたくて堪らなくなった。
幸い、ここは一人部屋だ。自分がここで何をしていようとも、決して恥じる必要は無い――。

反町「自分でも気持ち悪い趣味だ、ってのは分かってるけど。やめられないんだよなぁ……」

そう呟きながら大き目の旅行鞄を漁る反町。その目的は如何わしい雑誌……ではなく。
近頃疲れた大人向けへの癒しとして百貨店に販売されるようになった、アリの巣観察キットだった。
反町は最近、小さめの観察キットを買い。日常でも良く持ち歩くようになっていた。

反町「最初はアリでも観察してれば気が楽になるかな、って思っただけだけど……」

しかし、今の反町の目的はアリの観察では無い。アリが目当てである事は間違いなかったが、
その利用方法が一般的な用途とは少しばかり違っていた。

206 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:54:44 ID:LKwyGoHo
反町「よし。今日はこいつと……こいつと……こいつだ」

アリの巣をほじくって、適当な働きアリを3匹ほど見繕うと、
机の上にティッシュを敷いて、アリを乗せる。こうするとアリの身体が良く見えるのだ。
しっかりと3匹ともに区別できるよう、細心の注意を払った上で、こう呼びかける。

反町「よし。お前の名前は、『日向小次郎』。真ん中のお前は『若島津健』。
    それでフラフラしてるお前は、『吉良耕三』だ。良いな、分かったな」

アリ達「「「…………」」」

――勿論、アリ達がそう呼びかけて何かをする訳でも無い。
しかし、この命名が反町にとって大事なおまじない――一種の『魔法』だった。
周囲から見てはアリと話すだけの行為だが、この魔法により反町の脳内ではこいつらが確かに、
『日向小次郎』、『若島津健』、『吉良耕三』となるのだ。反町は物言わぬアリ達に続ける。

反町「くそっ……! いつもいつも俺の事をコケにしやがって!!
    日向ァ、お前はいつも俺にコーラを実費で買わせる上に、こないだも炭酸の吹いたコーラを飲ませようとしやがった!
    若島津ゥ、お前は疲れている俺の背中を蹴り飛ばして、皆の見てる前で転ばせたよな。……畜生、舐めやがって!
    吉良監督、いや吉良ァッ! 何が『心臓をぶち破るつもりでタックルしろ』だ! そんなの、反則指南なだけだろ!!」

アリ達「「「…………」」」

反町はこうしてアリ達を日向達に見立てて日頃の不満をぶつける事により、ストレスを発散させていた。
傍から見ては恐ろしいまでに寂しい行為だが、これが無ければ反町は今頃精神を病み(もう病んでるとか言わない)、
サッカーどころでは無かっただろう。アリ達は今や、反町の生命線と言っても良かった。
しかし、その時だった。

207 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:56:45 ID:???
アリ達「「「…………」」」

アリ達がティッシュの檻を抜け出し自分の腕を駆け上がろうとしている。
彼らを日向と見立てている反町にとって、これは反抗されたように思えて腹が立った。

反町「くそっ! アリまで俺の事を馬鹿にするのかっ! ……死ねぇえっ!」

ブンッ! ……ブチンッ!

アリ達「「………」」

――反町はアリの内一匹を握りこぶしで潰す。これは日向と名付けたアリだったか。
そして間髪入れずに、

アリ達「「………」」

反町「今ので一匹地面に落ちたか。なら俺のシュートを食らえっ!」

ガシッ、……グシャァァァッ!

床に落ちたアリ(これには若島津と名付けていた)を足で踏みつぶす。
普段は滅多にゴールを奪えない若島津にこうも容易く勝ってみせる自分は、
まるで絶不調でも11人を抜いてゴールを決める、シュートの魔王のようだと陶酔した。

反町「ようし、最後は吉良、お前だなァ。……それ、死ねッ! 死んでしまぇええぇぇぇえぇぇッ!」

アリ「……」

ブンッ、グシャアアアアアアアアアッ!!

最後に、そのまま上機嫌で残された吉良アリを指で潰す。
まるで神話の神々が持つ槍に刺されたかのように、その一撃は絶大だった。……アリにとっては。

208 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 23:03:09 ID:???
反町「……はぁ。虚しい」

……そして、吉良耕三を潰してから僅か数秒で陶酔感は消え、死にたくなるほどの絶望感が襲ってくる。
当たり前だ。こんな事をしたところで何も変わらない。
日向は先程ヘリで東京のヒューガー本社に向かい、今は恐らく会議中だろうし、
若島津は人間離れした機動力で、どこかの山奥で熊でも相手に修行中だろう。
吉良は……あの飲んだくれだ。どうせ大会会場の辺りの安居酒屋で引っかけているに違いない。
反町が『魔法』で何億匹のアリを日向達と見立てて殺そうとも、現実の彼らには一切影響しないのだ。

――それでも。それでも、反町は止められないのだ。いくら周囲から見て惨めであっても、
いくら自身の行為が無益であると自覚し理解していても。
それでも、このアリ虐めだけが、今の反町の疲弊した精神を救う唯一の手段だったからだ。

反町「………………寝よう」

ストレスのせいか、最近はあまり眠れない。しかし、昔は眠る事は好きだった。眠ると夢を見れるから。
夢の中では、自分は強豪アルゼンチン相手に10−0で勝ってみせるシュートの魔王だったり。
可愛らしい容姿の神様に言い寄られるハーレムの中心だったり。自分でもびっくりするような凄い存在になれる。
……たまにヒューガーの手によって毒の怪人に改造させられる悪夢も見るけど。

反町「……ふふ……。無限と毒の魔術師、ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿……か。
    なんだか、悪の天才魔術師みたいで、カッコいいな……」

しかし、今日彼が見れた夢はどうやら幸せな夢のようだった。
――夢の中で反町は、いやソリマチ卿は輝き続ける。いつかは現実でも……とは、少し欲張り過ぎだろうか。
とりあえず今は、目覚めの朝まで良い夢見て、ゆっくり休めよ。反町……。
**************************************

209 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 23:07:48 ID:???
『反町一樹が自室で殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三とは彼がそう名付けたペットのアリの事を指す。
 反町は人間の日向、若島津、吉良には一切関与していない為、彼らの生存は当然の事である』
……と、言ったところで一旦ここまでです。

210 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 12:25:16 ID:???
ソリマチ卿は最初のインパクトが凄まじかったからね
そりゃ信徒が出現しますわ

では、我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

211 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 13:16:30 ID:???
我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿よ永遠なれ乙
次も期待してます

212 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 20:48:11 ID:???
勝負には勝ったけど
信徒を獲得したソリマチ卿にある意味負けたか

213 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 00:56:07 ID:qD5desek
>>210
ソリマチ乙ありがとうございます。これだけ崇められたらもはや魔法ですね…
普段の言いたい事を言えない感とのギャップが良いのでしょうかw
>>211
ソリマチ乙ありがとうございます。
次回は少し難解な謎&ミステリー寄りなトリックに挑戦したいと思っています。
ただ、ちょっと難解なのでもう少し時間がかかりそうです(汗)
他にも、『ベアトリーチェの密室定義』について解説したいと思っているので、
気長に待って頂ければ幸いです。
>>212
アルゼンチン・ラプュタ文明の末裔パルスダ・アア・メガ・ラプュタ王子とかネタ自体は色々ありますが、
彼らがソリマチ卿を超えられるかは微妙ですね…

214 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:02:59 ID:???
ベアトリーチェ「……勝ったな」

森崎「ああ。何とかな」

既に周囲の魔力は消え去り。反町が宿舎に空けた大穴も、何もかもが元通りになっていた。
戦いの内に夜は明けて、白みがかった空が森崎と魔女を優しく照らす。
第二の魔女のゲームにおいても、森崎は勝利した。

森崎「魔法の散り際に、幸薄そうな奴がアリを踏みつけて楽しんでる姿が見えたけど……。
    ――あれが、この事件の『真相』って奴だったのか?」

ベアトリーチェ「うむ。魔法が存在しうる猫箱の中身は、今や人間の手によって暴かれた。
          そなたが見たという光景こそが、魔法幻想の向こう側にある、一なる真実よ」

魔女ベアトリーチェは未だ不定形の蝶の姿を取ったまま、寂し気に呟く。
世界の崩壊を食い止める立場上、今回は人間側に味方した彼女だったが、
哀れで惨めなソリマチ卿の――いや、反町一樹の『真実』を目にする事は、
真実を幻想で包み隠す事を至上の喜びとする魔女にとっては、辛かったのかもしれない。
その真実の痛みを感じ、ベアトリーチェは……ベアトは思い出す。自分が何故、魔法を使おうと思ったのか。

ベアトリーチェ「……あのさァ、森崎」

森崎「何だよ。気持ち悪い声出して……。そんなに説教が嫌か?」

戦いが終わる前、森崎はベアトに対して説教をしてやりたいと思っていた。
人間の生死をゲームとして嘲笑う事が、いかな冒涜であるかを伝えたかった。
しかし……ベアトに対してそう言いながらも、今の森崎は彼女を糾弾する気が失せていた。
故に、暫し沈黙が続く。その中で、不意にベアトが口火を切った。

ベアトリーチェ「すまぬ。……最初のゲーム。妾は、やり過ぎた」

215 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:07:48 ID:???

人間の少女としての姿が保てぬゆえ、ベアトがどのような表情をしているのかは、森崎には読み取れない。
しかし、少なくとも彼女は純粋な想いからそう言っているのだと。そう感じる事は出来た。

ベアトリーチェ「妾はただ、自分の存在を認めて貰いたかった。
          何故なら、そうでなくては、妾はこの世界に存在し続けられないから。
          ――先のソリマチ卿のゲーム盤とその真相を見て分かったろう?
          憎む人物を無限に殺せる毒の魔術師ソリマチ卿は、
          彼の事を理解せぬ第三者に見られれば、あっという間に消え失せる。
          何故なら、第三者にとっては、ソリマチ卿の魔法は魔法でなく。単なるアリ虐めに過ぎぬからだ。
          ……しかし。そのアリ虐めで、反町一樹は精神を保ち、生きようとする気力を持ち続けた。
          妾は、こうした生きる為の魔法すらも、無意味な殺戮で穢そうとしていたようだ」

森崎「……それは、何となく分かったよ。お前も、ソリマチ卿も。
    自分の魔法を認めて欲しい。自分の存在を認めて欲しい。それで必死なんだって事は」

森崎とて、魔女の言い分に納得できずとも、理屈としては既に理解していた。
魔女のゲーム――これは魔女にとっては自身の存在承認の為に必要な儀式であるが、
一方で、真実を暴き出す人間による魔女の処刑にもなり得るのだ。
そうした意味では、魔女もまた、生命を投げ出しゲームに挑戦していると言え。
仮にその際に人間の生命を奪ったとしても、その条件は対等とも考えられる。

森崎「……でも、俺は人間だ。魔女側の理屈は分かっても納得できねえ。
    毎日を頑張ってる人間を、自分の存在の為とは言え殺すって事は……本当に重い事なんだ。
    だから――一つだけ言っておく。仮にお前が今後俺にゲームを挑んで来るとしても。
    もう二度と、残酷な殺し方はするな。……人間を、軽んじるな」

しかし、対等であるからこそ、魔女は人間の尊厳を重んじるべきだ。そう森崎は主張する。
ベアトもまた、先のゲーム盤を通してそうした森崎の主張を理解していた。
魔女の魔法が奇跡であるとするならば。如何に魔法を否定されても、惨めな真相を暴かれても、
それでも尚頑張って日々を生きる反町一樹もまた奇跡。彼の生き様もまた、本来ベアトにとって尊い筈なのだ。

216 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:09:36 ID:???
ベアトリーチェ「……うむ。約束する。【今後一切のゲームで、妾は人間の尊厳を尊重する】であろう。
          勿論、妾は魔女幻想を世に運ぶ側。そしてゲームがその手段である以上、
          今後一切魔法殺人をやらぬ、とは断言しない。だが、その方法については、
          そなた達人間側の意見を聞き入れ、尊重させて貰おう」

森崎「そうかよ。勝手にしやがれ。……ま、正直お前がどんな殺し方をしようとも。
    この俺が絶対に勝ってみせるから、どれも同じだけどな」

ベアトリーチェ「くっくっく……! こうした時すら挑発を止めぬか。本当に面白いヤツよのう……」

魔女ベアトリーチェの絶対の宣言を、森崎はつっけんどんに返しながらも、内心では信じていた。
彼女は確かに残酷で、傲慢で、性格がねじ曲がっているかもしれない。
しかし一方で、ベアトはどこまでも純粋であり、こと勝負に対しては真剣だった。
――双方も頑として認めないだろうが。この二人はやはり、ある意味では似た者同士だった。

パァァァァァァッ……!

森崎とベアトの間に生まれた、未だ奇妙な信頼感。
それに呼応するかのように、周囲には金色の光が満ち溢れ、魔女の姿を包んでいく。

森崎「これは……」

ベアト「――魔法の力の源泉は、互いを信じあう力。妾がそなた達人間を信じる事と決め。
     そなたが妾を信じてくれたから、妾もまた、再びこうして魔力を得る事が出来たのだ」

金色の蝶は一匹、また一匹とその姿を増やしていき。
――やがて蝶の群体は集まって、人間の少女の姿を映し出した。
金色の髪に黒いドレス。青く澄んだ瞳に高貴な笑み。そして黄金の煙管を持った、
黄金の魔女ベアトリーチェは今、互いを信じあうという『魔法』によって、ここに復活を遂げた。


217 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:11:30 ID:???

ベアトリーチェ「……あり、がとう」

彼女は静かな表情のまま、小さく何かを呟いた。
しかし、森崎の耳には聞こえなかったため、何を言ったかを訊き返そうとすると――。



ベアトリーチェ「………………作戦、大・成・功☆」

森崎「……は?」

ニヤリ。そう持ち前の下品で嫌味な笑顔を作って、今度はハッキリ聞こえるように森崎にそう言った。
そしてそこからは、再び魔女のターンだった。

ベアトリーチェ「くーひゃひゃひゃひゃひゃあひゃひゃひゃあひぃ!!
          モロサキったらマジな顔してなーに照れてんだよォ!!
          これまでのしおらしい下りなんて、ぜ〜んぶ妾の演技に決まってるじゃんかァ!!
          魔女はァ、謝罪なんて、しませェん☆ ってか! きひゃひゃひゃひゃ!!」

森崎「て、てめぇ……! まさかさっきまでのも、テメエが魔力を取り戻す為の……!」

ベアトリーチェ「魔女は人間に認められて存在し得る、って言ったじゃん?
          だけど、認められるにはゲームで勝てば良いって訳じゃないんだよなァ!
          良い子ちゃんな魔女を演じて、バカなモロサキに信頼され、存在を認められる!
          ……ってな、陳腐なお涙頂戴の茶番をやっただけでも、魔力を得る事はできるって訳よォ!
          くっひゃひゃひゃひゃヒャァ!」

これまでの反省は全て、自分が森崎に信用される事により、魔女として認めて貰う為の作戦だったと、
ベアトリーチェは下品な笑いと共に明かす。

218 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:14:15 ID:???
森崎「…………」

ぶち、ぶち……ぶちんっ。

森崎の中で何かが切れた。それは、この永遠に口の減らない魔女に対しての、純粋な怒りだった。

森崎「テメエ……やっぱり殺す! 次にゲームを持って来た時は……見てろよ?
    それがテメエの命日だからぁおらぁぁぁっ!!」

ベアトリーチェ「くっくくく……! 腹が立てばすぐに暴力に出る。ニンゲンの悲しい性よのお。
          よいぞ。妾はまたすぐにでも、新たなゲーム盤を用意しようではないか。
          そして森崎、貴様は妾の全裸人間椅子になって、しかる後は山羊の餌になって貰うぞ!
          あっははははははははは! くーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」



こうして、人間と魔女との戦いはまだ当分続く事となったのだが。
不思議な事に、ベアトリーチェの魔力は、当初と比べて随分安定していた。
……その理由は、本人は演技と否定すれどもやはり。
彼女と森崎との間に僅かに芽生えた、互いをライバルとして認め合う為の親近感や信頼感。
その表れであるのかもしれなかった。

219 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:16:09 ID:???



    屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
         Episode 2  Resurrection of the golden witch  〜黄金の魔女の復活〜


                         完

220 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:21:42 ID:???
第二話完、と言ったところで今日はここまでです。
第三のゲーム盤はしっかり準備を整えた後にしたいと思うので、気長にお待ちください。
それまでの間は、TIPSその2を書かせて頂きたいと思います。

(もし魔女側でゲームをやりたい方が居られましたら、是非使ってください。
 ひっさつわざスレにて、屁理屈推理合戦的なシステムについて提案されてる方がいましたので、
 GM需要は私以外にもあるのでは無いか…と思っています)

221 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:34:33 ID:???
【TIPSA・ベアトリーチェの密室定義】

<序・ある日のゲーム盤にて>
〜黄金郷・魔女のテラス〜

ベアト「森崎ィー、妾のゲーム盤で勝負だ!【 ガルシア は密室で死んでいる】」

森崎「密室だァ〜〜? じゃあいくぜ、『その密室には隠し扉があった』」

ベアト「ふん、ならば赤で切ろう。【密室には隠し扉などない】!」

森崎「まだまだ、『犯人は釣り糸を巧く使って、密室の外から殺害した』」

ベアト「【密室の扉には隙間がない!】【すなわち、糸すらも通さんぞ】!」

森崎「ならこれだ、『犯人は携帯電話を使ったトラップXにより殺害した』」

ベアト「甘いわ、【密室は電波も含め、外部からの干渉が一切遮断されている】!」

森崎「チィッ……! 中々に強固な密室だぜ」

ベアト「当たり前よ。何故なら【この密室は、ベアトリーチェの密室定義を常に満たしている】からなァ!
     くひゃひゃひゃはァ! リザインするなら今の内――」

森崎「えっ………何だ、ソレ」

ベアト「えっ」


222 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:35:51 ID:???
***

ワルギリア「……と、いう事があったのですね」

ベアト「だって信じらんねえぜー? 妾の密室定義はもはや常識なのによォ」

森崎「いや、知らねえし。一瞬お前も、ソリマチ卿的な中二病に罹ったかと思ったぜ」

ワルギリア「まぁ、森崎くんの反応が世間的には普通でしょうね。
       別にミステリー用語でも無いですし、この単語に引っかかるのは、
       今や数少ない熱心な「うみねこ」ファンか、魔女のゲーム……屁理屈推理合戦に造詣がある者か。
       そのどちらかでしょうに……」

ベアト「お師匠様まで冷たァーい。だって妾の名を冠しておるのだぞー。
     無限の魔女でありっ、密室魔法の大家でもあるッ!
     この妾が掲げる密室定義なのだぞォ。森崎も実は興味あるよなァ?」

森崎「全然ないな」

ベアト「む、むぅ。本当につれないヤツだのう……妾、スネてしまうぞ」


223 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:36:55 ID:???

ワルギリア「あなたは多少大人しい位が丁度良いです。……ですが、森崎くん。
       『ベアトリーチェの密室定義』は、魔女のゲーム盤においても頻出の単語であるのは本当です。
       この単語が何を意味しているかを学んでおくのは、魔女や魔術師との戦いにおいても非常に役立つ筈。
       敵を知れば百戦も戦わずに済むとも言いますし、これを機会に勉強してみては?」

森崎「学校の勉強はそんなに好きじゃあないがな。でも確かに、知らないせいで戦いを面倒にしたくねえ。
    悪いが、教えてくれないか。ワルギリア」

ベアト「ちょっと待てよー。この単語を創ったのは妾だから、お師匠様より妾を頼るべきだろォ〜?」

森崎「だって、お前ウザいし。笑い声下品だし、一々何でも挑発してくるし。
    ……ハッキリ言って、教師とかには一番向かないタイプだと思うぜ」

ベアト「……お師匠様ァ、森崎がいじめる〜」

ワルギリア「完全に自業自得です。
        ……と、言う訳で今回は『ベアトリーチェの密室定義』について講義しますが。
        【当説明は>>1の主観に則っているため、絶対的に正しいとは限りません】。
        この事を了承して頂ければと思います。それでは、次から講義に入りましょう」


224 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:38:31 ID:???

<第一講・『ベアトリーチェの密室定義』 総論>


ワルギリア「……と、言う訳で。早速ですがこの『ベアトリーチェの密室定義』とは何か。
        これを以下の通り指し示しましょう」



【ベアトリーチェの密室定義】
 内外の出入りが一切隔絶された室内を指す。
 当然、内外からの一切の侵入・脱出は愚か、干渉もできない。
 それは包括的に、隠し扉の否定、外部干渉の余地一切の否定を含む。



森崎「うん……? 良く分からないが、凄い密室って事か?」

ベアト「大枠はそれで良い。……そもそも、どうしてこのような定義を設けたかというと、
    妾がかつて作ったゲーム盤に戦いを挑んだ、とある無能がいてな。
    そやつが妾の密室に一々、『誰にも知られなかった隠し扉から逃げた!』だの、
    『謎の道具Xで外から殺した!』だの、『謎の毒電波で密室内の者を殺した!』だの。
    一々しょうもない事で突っかかっているが故、こうした包括的な定義が必要となったのだ」

225 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:42:17 ID:???
ワルギリア「普通のミステリーの文脈で考えれば、『密室』と聞けば概ね、
       隠し扉や外部干渉の余地はないと考えられるのですが、
       このゲームにおいては、犯人及びトリックを特定しなければならないミステリーと違い、
       魔女幻想を否定――すなわち、犯行を人間とトリックで説明出来さえすれば問題ない。
       それ故に、『悪魔の証明』を用いた謎の犯人/トリックXが認められるのです。
       ですが……そうなると、今度は逆に、如何なる屁理屈がトリックとして認められてしまう問題が発生します。
       当然、それこそがこのゲームの面白さではありますが……」

ベアト「考えてもみろ。一々『密室』とこっちが言うたびに、
     『外部干渉の余地は?』『隠し扉は?』『本当に密室なのか?』とか、
     お決まりの文句を繰り返すのは、人間にとっても疲れるであろう。
     魔女としても、謎の核心とはズレた部分で同じ回答を出すのは疲れるし楽しくない。
     妾の定義のお蔭で、人間・魔女ともが幸せになれるのだぞ! くっくくく!」

ワルギリア「人間側は、密室破りについてある程度の指針を定める事ができる。
        魔女側は、密室の強固さ・犯行の不可能性を手軽に表す事ができる。
        そうした理由から、このゲームにおいて、『ベアトリーチェの密室定義』が、
        非常に有益なものであるのは間違いないでしょう。
        ……ですが、『ベアトリーチェの密室定義』にはいくつかの穴や不明瞭な点があります。
        第二講では、それについて具体的に語りましょう」

226 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:43:24 ID:???

<第二講・『ベアトリーチェの密室定義』 各論>

ベアト「ちょ、ちょっと待ってくれよォお師匠様ァ。妾の密室定義の穴って何だよぉ!」

ワルギリア「ほっほっほ。……では、森崎くん。今までの話を聞いて。
        この『ベアトリーチェの密室定義』の弱点や穴について、何か分かりましたか?」

森崎「いや。弱点は分からんが、三つ程、疑問に思う事はあったな。
    ……そこについて、順番に聞いていってもいいか」

ワルギリア「ええ。構いませんよ。その方が分かりやすいですし。
        ……ただ、恐らく細かい内容になるので、特に興味のないウィッチハンターの方は、
        この第二講は飛ばしていただいても差し支えないかもしれませんね」

227 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:46:04 ID:???
(1)『外部に出入り’不可’な隠し扉』について

森崎「ベアトリーチェの密室定義では、『内外からの一切の侵入・脱出はおろか、干渉もできない』。
    っていう事を理由に、隠し扉を否定できるって書いてあったが。
    ……これって、『内外からの一切の侵入・脱出が不可能な隠し扉』だったら、良いって事か?」

ワルギリア「流石、鋭いですね。ええ……そうです。
       あの子の密室定義においては、そのような隠し扉の存在は決して否定していません。
       仮に、『隠れたクローゼットの中に犯人が隠れていた。探偵はそのクローゼットに気付かなかった』。
       という真相があったとしても、これは『ベアトリーチェの密室定義』に反しないと言えます」

ベアト「……わ、妾もこの位気付いておったわ!」

森崎「(絶対気付いてなかったな、コイツ……)」

ワルギリア「ただ、『犯人が隠れた床下は地下1000メートルあった』という真相を持ってきて、
        【犯人は部屋には隠れていない】! という赤を出す事には是非が別れそうです。
        確かに部屋には隠れていないでしょうが、地下1000メートルもあれば、実質部屋の外とも言えそう。
        ですが部屋の外となれば、『ベアトリーチェの密室定義』に反します」

ベアト「じゃあお師匠様だったら、どんな風な赤を出せば良いと思う?」

ワルギリア「そうですね……。私であれば、『床下は奥行10000キロメートルあった』という事にして。
        【犯人は犯行後、フランス(日本から約10000キロメートル離れた場所)に居た】
        ……とか言う赤を出すでしょうか。
        これならば、部屋の外に出ている、と断言していないので、定義には抵触しないかと」

森崎「ひっでぇ屁理屈だな。流石あのベアトの師匠なだけあるぜ……」

228 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:48:10 ID:???
(2)外部干渉の余地一切の否定について

森崎「次に、外部干渉の余地一切の否定についてだが。この範囲ってのは、どこまでなんだ?
    謎の電波や細い棒やら。そんなのの干渉の余地が無いってのは分かったけどよ。
    例えば、密室の外から声を掛けたりとか。もっと言うと、光とか空気とかも外から中に入れないのか?」

ワルギリア「この辺りは少し釈然としませんが。ゲーム本編、「うみねこのなく頃に」においては。
        『外部から内部へ音声などを伝えることは可能』としています。
        その事をもって、光や気体までは干渉可能ではないか? と、言う向きもありますが。
        ……私の意見として言わせれば、光や気体を認めるのは、ややアンフェアなきらいがあると思います」

ベアト「うむ。それを認めれば、『外部からの謎の毒電波による死亡』は外部干渉としてNGであるにも関わらず、
    『外部からの謎の毒ガスによる死亡』が外部干渉とあたらずOK、という事実になるな。
    音声にしても、『外部からの剛田リサイタルによる死亡』は外部干渉に含まれるのか? という疑問が浮かぶ」

森崎「確かに、『密室はベアトリーチェの密室定義』を満たす! って宣言しつつ、真相が
    『死因は外からの剛田の歌声! 音声による干渉はベアトリーチェの密室定義に反しない!』
    ……って言うんだったら、何となく興ざめな気もするな」

ワルギリア「こうした微妙なラインについては、あらかじめ参加者……人間側との合意を得た上で示すべきでしょうか。
        そもそも、こうした内容を真相に置くべきか? という事も含めて考える必要も出てきますが」

森崎「定義確認も大事だが、定義確認で出た単語の定義確認……とかまで来るとメンドいしなァ。
    この辺りは互いに空気を読むしかないってか」

229 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:49:53 ID:???
(3)『ベアトリーチェの密室定義』の強固性

森崎「……というか。そもそもの疑問になるんだが。
    『ベアトリーチェの密室定義』は、外部からの一切の干渉を受けないんだよな」

ワルギリア「ええ、ええ。そうですとも」

森崎「じゃあ、その密室は、例えば大地震が起きようが、宇宙から小惑星が降って来ようが、
    太陽が膨張して地球を巻き込もうが、……外部からの一切の干渉を受けないのか?
    なんか、色々とおかしい気がするが」

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ! 面白い事を言うな森崎ィ!
    だがしかし、ここは敢えて妾が突っ込んでやろう。それは順番が逆であろう、と!」

森崎「順番? ……って、そうか。そういう事か」


230 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:53:30 ID:???
ワルギリア「……理論上、森崎くんが言った事は本当です。しかし、実際はそう言った事実はありません。
       何故なら、地震や隕石衝突があったとしたら。
       その時点で部屋は吹き飛び、『ベアトリーチェの密室定義』を満たさなくなる訳ですから」

森崎「ああ、もう言わなくても良い。例えば、【事件終了時、その部屋はベアトリーチェの密室定義を満たす】
    って赤があったとしたら。
    それはつまり、【事件終了前、その部屋はベアトリーチェの密室定義を崩すような事象Xは起きなかった】
    ……と、言い換える事ができるって訳だろ?」

ベアト「うむ。さすがは妾が見込んだ男よ、理解が早い。その場合、
    『地震などの天災が起きても、ベアトリーチェの密室定義は崩れない』ではなく。
    『ベアトリーチェの密室定義が崩れていないという事は、地震などの天災は起きなかった』
    と、考えるべきであろう、という事だ!」

ワルギリア「少し複雑な話になってしまいましたね。ですが実は、ここはベアトリーチェの密室定義の弱点でもあります。
        つまり、あまりに強固な密室であるが故に、密室を破る可能性が限られてしまうのです。
        更に言えば、ベアトリーチェの密室定義を持ち出すという事は、魔女は人間側に、
        『この謎の核心は密室状態時にはなく、その前後に存在する』と、宣言しているようなものです」

森崎「確かにな。地震やら毒電波やら剛田リサイタルやら剛田シチューの匂いやらに気を取られてるんだったら、
    それは別に一切関係しないし気にするな! ……って、言われてるようなものか」

ベアト「魔女側としても、『ベアトリーチェの密室定義』とは、それだけ大きな駒である、という事であるな!」

231 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:54:45 ID:???
<今回のまとめ>
 
森崎「何だなんだで今回も長かったな、オイ」

ワルギリア「すみません。ですがこの定義も、ただコピペするだけならば簡単なのですが。
       詳細については色々の議論の余地があるところでして。
       これでも、本当に細かい部分については説明を割愛しているのですよ」

ベアト「『外部干渉の余地否定は、扉にも及ぶのか?』『壁や天井や窓はどうか?』
     『外部干渉により密室構築した場合も、ベアトリーチェの密室定義を満たすのか?』
     ……などについては、魔女の評議会においても度々議題とされる内容であるな。
    まぁ、そんな事まで考えても面白くないから、妾は語らぬがな!」

ワルギリア「定義の隙間を縫ったトリックは魔女のゲームの基本であるとしても。
        細かすぎる言葉遊びになってしまうと、それはそれで意見が分かれ面白くない。
        しかし、意外性のある面白い発想は時間により出尽くしてしまう。
        それは、このゲームの難しいところだと思います」

ベアト「それでも、妾たちはあの手この手で魔女幻想を振りまき続けるがなァ!
    うっひゃひゃっひゃっひゃははぁ! 妾もさっそく一つ新たな密室のアイデアが思い浮かんだところだ!
    今度ゲーム盤を片手に、そなたの家に遊びに行くから待っておれ!」

フワァァァッ……!

森崎「そ、それだけは止めろ! 親への説明が面倒だッ!? ……って、行っちまった」

ワルギリア「森崎くんも、厄介な子に好かれてしまいましたね。あの子、中々執念深いですよ?」

森崎「分かってらぁ。……はぁ。綺麗な女に気に入られて絶望的な気分になるなんて、生まれて初めてだぜ……」

ワルギリア「ほっほっほ。それもまた若さですよ。私もつい800年前は……と。
        話が逸れてしまう前に、今回のまとめを置いておきましょうか」

232 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:55:55 ID:???

〜『ベアトリーチェの密室定義』まとめ〜

 1.『ベアトリーチェの密室定義』とは、ざっくり言うと『とても強固な密室』

 2.『とても強固な密室』でも、幾つかの抜け穴はある(『脱出不能な隠し扉』など)

 3.『ベアトリーチェの密室定義』=『このゲームの謎の核心は密室じゃないよ』のメッセージ?

                                                   

233 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:59:52 ID:???
<補講・ロノウェのトラップ定義について>

ワルギリア「……森崎くんとベアトは去ってしまいましたが。
        折角の機会を利用して、もう一つ、魔女のゲームにおいて使われる単語を紹介しましょう」

ワルギリアはこの世界を『観劇』している名もなき無数のウィッチハンターに向かい、補講を始めた。

ワルギリア「定義系の言葉として、『ベアトリーチェの密室定義』に加え、
       『ロノウェのトラップ定義』というものがあります。定義は以下のとおりです」


【ロノウェのトラップ定義】
 仕掛け人が直接関与することなしに殺人を遂行できる全ての仕掛け。


ワルギリア「ええ。ええ。分かっていますよ。『ロノウェって一体誰やねん!?』……ですね。
        彼は、ベアトが使役する大悪魔の一人であり、彼女の家具頭として仕える執事。
        魔女の社交界では彼を雇用する事が一種のステータスで……
        ――とか、設定は色々あるのですが、特に重要ではありません。
        重要なのは言葉と定義です。魔女のゲームにはこうした単語があると言う事だけ、
        頭に入れておいてください。もっとも、議論の余地についてはあまりないのですが。

        強いて言えば、『殺人を遂行できる』とはどこまでの範囲を指すのか。
        そのトラップが直接殺人を行えるもののみか、
        そのトラップが発動した結果、間接的に人間が死亡する(餓死等)ものも含めるか、
        そのトラップ自体に危険性は無いが、事故により結果的に死亡した場合はどうか。
        ……などについては疑問がありますが、そこまで深く考える必要は無いと思います。
        まぁ、魔女のゲームを楽しむためのフレーバーとして、
        『こんな用語もあるんだ!』……程度に覚えて頂ければと思います。
        さて、それでは補講もおしまい。皆さん、次のゲームでもご武運を。ほっほっほ……」

                                                  〜TIPSA 了〜

234 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 19:10:54 ID:???
ベアトリーチェの密室定義について、TIPSを書かせて頂きました。
書いてるうちに一部複雑になってしまいましたが、読んで頂ければ幸いです。

第三のゲーム盤について、当初構想していたゲームの他に、
『ベアトリーチェの密室定義』を使った、シンプルな問題が一問思いついたので、近い内に開催できればと思います。
(ソリマチ卿は出てきませんがw)
内容を詰めて、具体的な日程が決まれば、またアナウンスさせて頂きますので、参加して頂ければうれしいです。

235 :森崎名無しさん:2017/01/14(土) 19:19:29 ID:???
ワルギリアおb・・・先生の分かりやすい講義乙
要するに「そんな細かいところ突っつかなくていいから」という魔女の良心なわけですね


236 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:47:45 ID:???
>>235
乙ありがとうございます。分かり易ければ幸いです。
そうですね、私もそう考えています。>「そんな細かいところ突っつかなくていいから」
ただ、中には定義の穴を利用した問題(脱出不能な隠し扉とか)もあるので、信じすぎても問題かもしれません。

第三のゲーム盤について、準備が出来ましたので投下したいと思います。
取りあえずNPCパートだけ投下しておいて、開始は明日以降人がいる時間にしようと思います。
(私以外にやりたい人がもしいたら、スレを押さえてしまっててすみませんが…)

237 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:55:35 ID:???


   屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
     Episode 3  Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜


おはようございます。

黄金の魔女はあなた方のご活躍に大変驚いております。
魔女も是非雪辱を晴らしたいと意気込んでおられます。

とはいえ、これはあくまでも楽しいゲーム。そう、ゲームの世界の出来事なのです。
そのため、肩肘張らずにお付き合いして頂ければ幸いです。

難易度は王道。
王道の謎には王道の推理、王道の展開、そして王道の真相がつきもの。
どのような真相が待ち受けていようとも、決して諦めない事もまた王道かと思われます。

238 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:58:08 ID:???

森崎「弘法は筆を選ばず、なんて死語だよな。良い選手には良い道具が必要なんだ」

全国中学校サッカー大会を終えた森崎は、Jr.ユースの合宿が始まるまでの束の間の休日を楽しんでいた。

森崎「……優勝したはいいが、大会MVPは翼のクソヤローに取られちまったしな。
    合宿を迎えるまでに、少しでも出来る事はやっておかなくちゃな」

今日の予定はショッピング。しかし森崎は当然、ただ遊び呆けるつもりは毛頭ない。
日本国内だけではなく、世界中に森崎有三の名を知らしめる第一歩として、
次のJr.ユース大会のキャプテン就任、そして優勝は必要不可欠。
そして、その為にはまずは自分自身の実力とコンディションを高めておく必要がある。

フワァァァッ……

ベアト「森崎、こんな所で会うとは偶然だなァオイ? こうもなったら妾が作ったゲーム盤で一勝負……」

森崎「……………」

森崎は暇な時間などない。仮に、スポーツ用品店を目指す道中に金色の蝶が羽ばたいても、
その蝶から現代日本には似つかわしくない豪奢なドレスを来た金髪の女が現れても、
そいつが馴れ馴れしく遊ばないかと誘って来たとしても、構っている暇など存在しないのだ。


239 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:00:42 ID:???
ベアト「おーい、相手してくれよォ。こないだの事なら謝るからさぁ……」

森崎「……………」

ベアト「……むぅ。こうなっては仕方あるまい。先にそなたの家に潜り込んでご両親にでも挨拶しておくか」

森崎「おいやめろ。話をややこしくするな」

と、言いつつこうやって理由を付けて構っているあたり、森崎も根はお人好しなのかもしれない。
以前ひょんな事で知り合ってしまった、黄金と無限の魔女・ベアトリーチェ。
傲然と煙管を吸う彼女に対し森崎は思いっきり舌打ちしながら睨み付けた。

ベアト「まぁまぁ。どうせ、【そなたは今日、これからスポーツショップに行ってグローブを新調する以外、
    特段の予定がない】のであろう? 妾は何でも知っておるぞ!
    なにせ妾は『読心の魔法を使い、そなたの思考を読み取った』のだからなァ! くっくっく!」

森崎「……何が魔法だ。『この通りにはスポーツ用品店以外、俺が好みそうな店はない。
    そして、中学大会の日向のシュートのせいで、俺のグローブは痛んでいる』から、
    推理してそんな事言ってるだけだろう。それが魔法なら、ポーやドイル、
    クリスティやエラリーは大魔術師だぜ」

ベアト「ほう! そなたのような無学な輩にも天界大法院の上席審問官の名が轟いているとは。
    妾も以前は、SSVDのご厄介になったものだ、懐かしい」

森崎「(何言ってるんだ、こいつ……)」


240 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:04:08 ID:???

森崎が幾ら面倒そうな素振りを見せても、この魔女はマイペースを崩さない。
とはいえ無視するともっと面倒なのは明らかなため、森崎は諦める事にした。

森崎「……どうしたらここから失せてくれるんだ?
   世界のてっぺんを目指す俺にはな、お前なんかとじゃれ合ってるヒマは無いんだっての」

だからせめて、森崎は少しでも時間の浪費を最小限にするべく、単刀直入に要件を聞くのだが。

ベアト「くっくくく……! そなたがそう言う位、妾とて推理……じゃなかった。
    地獄の魔女・サトリーヌ卿から学んだ『心を読む魔法』で予知済みよ!」

が。どうもこれがまた、ベアトの思い通りの返しだったらしい。したり顔で笑っている。

ベアト「だから妾は、そなたにゲームを挑むとともに……『ご褒美』を用意している。
    そなたの覇道を手助けする事間違いナシの『魔女のマジックアイテム』をな」

するとベアトの掌から蝶が一匹生まれ、それはみるみるうちに姿を変える。
姿を変えて現れたのは――小さく黄金の蝶の刺繍がなされた、上質なグローブだった。

森崎「……! お、お前。これ幾らで……」

ベアト「魔女に金策の心配とは愚かな。妾は無限の黄金すら生み出せる大魔女ぞ。
    この程度のグローブなど、使用人の支給品にするにも憚られるわ」

『良い選手には良い道具が必要』と主張し、サッカー用具の質には一家言ある森崎が見ても、
そのグローブは素材、製法、性能からして良質だった。
恐らく、これから行こうと思っていたサッカー用品店では売っていない――売っていたとしても、
到底今の森崎の小遣いでは買えるレベルで無い代物である事は間違いなかった。
森崎の目の色が変わった事を確認してから、ベアトは頷いてこう続けた。

241 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:05:34 ID:???
ベアト「妾はそなたに挑戦するため、一つのゲーム盤を用意した。
     もしもこのゲームで、そなたが妾に勝つ事ができれば、このグローブをそなたに贈ろう」

森崎「グローブは良いが、また人を殺すのかよ」

ベアト「なあに! 妾としても、これは自らの存在の為のゲームでは無い。
    純粋に、そなたと妾との知恵比べ。魔女と人間との勝負が楽しみたいだけよ!
    故に、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】事を、
    この【赤き真実】にて誓約しようではないか!」

森崎「現実では無い。これはゲームだ。賞品もある。……だから、勝負に応じろと言う訳だな。
    ケッ、相変わらずズルい奴だぜ。俺が断る理由を丁寧に潰して来てやがる」

ベアト「ほう。それは勝負を受ける……と言う意思表示で良いか?」

森崎「別に良いさ。どうせ帰っても家で基礎トレーニングをやって、漫画でも読んで寝るだけだ。
   だったら、基礎トレーニングの前に漫画みたいな奴とゲームしたって一緒だからな。それに――」

ベアト「それに?」

……ベアトリーチェは高貴なる魔女らしいが面倒なヤツだ。それは間違いない。
しかし、森崎は内心ではこうも思っていた。この魔女は面倒だが、この魔女との勝負は悪くない。
それは、かつて翼を殺しかけた相手に向かって思うには、あまりに不謹慎な感想なのかもしれない。
だからこそ、森崎はこれまでもずっと魔女を軽くあしらい続けていたが――一方で、
ソリマチ卿との戦いを入れれば3度目となるこのゲームに対しては、興味を抱いている事には間違いなかった。

森崎「――俺は勝つのが大好きなんだ。それはサッカーだろうが、魔女のゲームだろうが一緒だ。
    だったら勝ってやるよ。……もうお前が二度と俺に勝負なんて挑みたくなくなる位完璧になァ!!」


242 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:07:10 ID:???
なぜなら、森崎は結局のところ、純粋なまでの勝利主義者。
翼がどうとか、ソリマチ卿の野望がどうとかは勝負に挑む為の外形的な理由作りにしか過ぎない。
森崎は本心では――あの『魔女のゲーム』に挑み、そして勝利する事を心待ちにしていたのだ。

ベアト「……くーーーひゃっひゃっひゃひゃっひゃァァアッ!! よくぞ受け入れたな森崎ィ!!
    それでこそ妾が倒すに相応しい相手よ!」

そしてベアトは、そんな森崎の闘争本能を知っていて、今ここにそれを引きずりだせた事に対し喜ぶ。
同時に、彼が自分の見込み通りの好敵手である事を再認識する。
魔女幻想を認めさせ、人間を屈服させたいベアトリーチェ。相手が誰であろうとも、決して屈服しない森崎。
人命や世界の命運は関係せず、賭け合うのは互いのプライドのみ。
それにも関わらず、これまでで最も熾烈を極める魔女と人間の争いが、今ここに始まろうとしていた――。


243 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:08:57 ID:???
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【地獄の悪魔の復讐】

航海を生業とする北欧の一民族の言葉に、「フラーノ」という言葉がある。
これは彼らの言葉で「地獄」を意味し、東の果てにある大きな島の、その中央に位置すると言われていた。

彼らの中には、本当に「地獄」が存在するのかと疑い、実際にこの眼で確かめたがる者も多く居た。
その者達は好奇心から、伝承の地への航海を試み――そして、実際に辿り着いた者すらも居た。

だが、その地から戻って来た者の全ては人格が変わり果て。そして、口を揃えてこう言ったのだ。

「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」

――部族における協議の結果、彼らは地獄(フラーノ)にて悪魔に憑依されたとし、全員が処刑された。
そして、誰もがフラーノへと近づく事を固く禁じられた。


かの部族が滅んでから数百年の時が流れ、かつて地獄とされたフラーノの地にも開拓民の手が入り、
今では「ふらの」と呼ばれる美しき土地として、多くの人間が住み着くようになった。

しかし、地獄の悪魔はまだこの地に潜んでおり、闇より現れ人間を蹴り殺していると、一部の民俗学者は主張する。
その悪魔は、かつて滅んだ民族が使った言葉に準じて、今でも住民の間でこう呼ばれている。


「ヤグ=ルマ」


――と。

244 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:10:19 ID:???

***


――暗い暗い空間の中で、松山はひたすらに泣き叫んでいた。

「あにきぃ……あにきぃ……助けてよぉ……」

とある事件をきっかけに、ふらの中のサッカー部員はこぞって自分を虐めるようになった。
陰湿な嫌がらせが始まった時は、彼らを全く疑っていなかった。
しかし、それは少しずつエスカレートしていって、やがては決定的な事件が起き。
それでも、まだ仲間を信じたいという想いが残っていて……。
――そう考えている内に、自分はここに閉じ込められたのだった。

「あにきぃ……痛いよぉ……」

……結局は自分が悪いのかもしれない。だけどそれ以上に、仲間に裏切られたという想いが、
仲間を信じていただけに強く、重く、自分の心を蝕んでいた。
暗闇に支配された体育用具室の中で、松山は無力に泣き続ける事しかできなかった。

「光を掴もうと思っても、……結局はこうなんだ。痛いしっぺ返しを食らうだけなんだ……」

内心は絶望に覆われていた。光を目指して前に進んでいた筈の自分の人生は、もう無い。
あるのはただただ辛い現実と、真っ暗闇の無間地獄だけだった。


245 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:11:47 ID:???
それでも、松山は一度だけ泣くのを止めて、口元を歪めてみせた。
……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。
だが――結果として、この行為は彼にとって致命的だった。
何故なら、伝承において悪魔は、人間の笑い声を聞いて現れるとされていたからだ。

「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」

松山は無意識的な笑顔を止めて、顔を強張らせる。
……他には誰もいない筈の体育用具室。その暗闇が人間の形を取っていた。
背の高い、やさぐれた様子の『悪魔』は、落ちくぼんだ瞳で松山の事を見つめている。

「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」

――松山の笑いがきっかけとなり、悪魔はその怒りを剥きだしにした。
人間の形をとったシルエットが更に膨れ上がり、飛蝗と人間を掛け合わせた怪物となって、
松山の背丈の倍近くの跳躍を見せて襲い掛かる。

ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。

飛蝗を象った悪魔は、跳ね回って何度も松山の頭を叩き付けた。
まるで特撮映画のワンシーンのように悪魔は飛び回り、その頭蓋を叩き割る。
その跳躍が何回か続いたところで――彼はもう、動かなくなっていた。

「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」


246 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:13:30 ID:???

「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」

血塗れとなった松山の死体を見下ろす形で、
悪魔は伝承通りの言葉を呟きながら、暗闇の中、佇んでいる。
この暗闇を破ったのは松山の絶命から数分後の事だった。

「おい、さっきの音は一体どうした――って」

「えっ……!? あ、あれは……」

体育用具室に松山を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、
先程の騒ぎを聞いてその扉を開け放った。
そして、彼らはその目で見てしまったのだ。――かつての伝承にあった、地獄の悪魔を。

「マブシインダヨ……オマエハ……!!」

悪魔は怨嗟の声と共に、次の標的に向かって襲い掛かる。
小田はその時漸く自分達の行為の愚かさを知ったが、時は既に遅かった。
彼は死の間際、薄れいく意識の中で自分を殺した伝承上の悪魔の名前を呼んだ。


「ヤグ=ルマ……!」



――ふらの中サッカー部は全員死亡。
新聞各社はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として大体的に報じた。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

247 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:15:44 ID:???
今回の敵は地獄の悪魔ヤグ=ルマ!……と、言ったところで今日はここまでにします。
もし参加者が1人でもいれば、明日の夜22時半〜24時半までくらいで、ゲームを始められればと思います。

248 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 00:31:49 ID:???
ゲーム参加させていただきます

「『ヤグ=ルマ』逆から読むと『マル=グヤ』。意味の分からない『マル』はノイズとして考えられるから消すと残る文字は『グヤ』……
つまりこの事件の真犯人は某姫様だったんだよ!」

249 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:29:09 ID:4z784tCM
こんばんは、予定通りゲームを初めていきます。
>>248
ゲーム参加表明ありがとうございます!某姫様「な、なんだってー!?」

250 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:30:32 ID:4z784tCM
〜???・魔女のサロン〜

森崎「……なあ、ベアトリーチェ」

ベアト「うむ。これが妾がそなたに出題するゲーム盤。題して『地獄の悪魔の逆襲』であるぞ。
    内容からしてまさしく、妾によるそなたへの雪辱戦として相応しかろう!」

森崎「いや、そうじゃなくて。……復唱要求。
    「このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない」」

ベアト「くっくっく! 早速ゲーム開始とは気が早いなぁ森崎!
    まぁ復唱しよう、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
    だが、【この事件はネットゲームの出来事だとか、そんな話ではない】ぞ!
    後述するつもりだったが、謎の本質はそこでは――」

森崎「――そういう事を聞きたいんじゃねーよ。……なんか、今の話に知ってるヤツが出てたから、気になっただけだ」

ベアト「なァんだ、そういう事か。さっきもこないだも言ったであろう、妾は無駄な快楽殺人はせぬと。
    そして、これはあくまでゲーム盤内での出来事。実際の松山とかふらの中とかには、一切危害を加えておらぬ」

森崎「そ、そうかよ……相変わらず悪趣味な事しやがって。てか、ここどこだ」

ベアト「細かい事を気にするでない。妾程の魔女となると、ゲームを楽しむ為の亜空間を作るなど造作もないからな。
     ここは、人目に触れず妾とそなたがゲームを楽しめる遊技場――その程度に思ってくれれば良い」

森崎達は気が付くと、上品な家具が並ぶ洋風屋敷のサロンで机を囲んでいた。
机上には紅茶とチェス盤が置かれており、チェス盤の局面は既に中盤を迎えている。

ベアト「……それでは始めるか。まずは、そなたへの出題の前提として、幾つかの赤を。
     そして、この問題の趣旨である謎について、この盤面を元に示しておこうぞ」

その状況を指しながら、ベアトリーチェは前提となる絶対の事実――【赤き真実】を紡いでいく。

251 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:31:33 ID:4z784tCM

ベアト「【松山は一人で体育用具室にやって来た】。
     【松山は体育用具室に閉じ込められていた】。
     【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】。
     【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
     
     ベアトリーチェの密室定義とは、内外の出入りが一切隔絶された室内を指す。
     当然、内外からの一切の侵入・脱出は愚か、干渉もできない。
     それは包括的に、隠し扉の否定、外部干渉の余地一切の否定を含む。
     ――いきなりの単語で悪いが、頭の良いそなたにはすぐに意図が飲み込めるであろう?

     ……さらに、補足として。【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
     ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】」

ベアトリーチェが真実の赤を切る内に、チェスの盤面は更に進む。
ポーンは前に、ルークは王を守るべく動き。ナイトやビショップは中央の支配権を求め前進する。

ベアト「……キングはキャスリングを終え、守りは盤石。
     敵はナイトやビショップで切り崩そうとしておるが、ポーン・チェーンも堅く、中々に切り込めない状況よ。
     それにも関わらず、【ゲーム終了時、松山は死亡している】のだ。
     だが、それすらも今回の謎の本質を掴んでおらぬ。何故ならば――」

スッ……。

ここまで言うと、彼女はおもむろに自陣の最奥に鎮座する黒のクイーンを手に取ると。
……それを森崎側のキングの真横に堂々と置く。
そして彼女は、このゲーム最大の謎となる【赤き真実】を解き放った。


ベアト「……バックランクメイトだ。【松山はヤグ=ルマによって殺された】」



252 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:33:19 ID:4z784tCM
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第一の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

253 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:34:34 ID:4z784tCM

−これまでの赤字−※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える場合があります。

【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【松山はヤグ=ルマによって殺された】
【ゲーム終了時、松山は死亡している】
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】

254 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:35:48 ID:4z784tCM

森崎「は……はぁ!? ヤグ=ルマは悪魔じゃなくて、実在するって。そう言いたいのかよ……!?」

ベアト「うむ。妾が今回そなたに応えて欲しい謎というのはズバリ、
     『ヤグ=ルマとは一体何者であり、如何にして密室に入って松山を殺害したか?』……と、いう事よ。

    ……もう一度赤を見れば分かるように、ニンゲンには誰も松山を殺せるようには思えぬだろう?
    一人で体育用具室に入り、鍵が閉められ、そこで鍵が開いた時にはもう、松山は死んでいるのだからな。
    この密室を掻い潜って松山を殺せたとしたら、それはもう『悪魔』の所業と言っても良いのではないか?

    ――妾はこれを根拠に、『悪魔ヤグ=ルマの実在』を主張する」

森崎「で、悔しかったら人間とトリックで説明してみやがれって奴か……。
    ――まあ良いさ。どうせ突ける穴なんて幾らでもある。面による推理でお前を倒してみせるぜ!」

☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

255 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:38:43 ID:???
『ヤグ=ルマは松山の別人格であり、ヤグ=ルマが身体を支配した状態で松山は自殺した』
まずはジャブ程度に

256 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:45:43 ID:4z784tCM
>>255
『ヤグ=ルマは松山の別人格であり、ヤグ=ルマが身体を支配した状態で松山は自殺した』

ベアト「定番のトリックであるな。だが勿論これが真相では無い。
     【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】!
     この場合、「ヤグ=ルマ」と「松山」で、一人が二つの名前を持つ事となる故、赤に抵触すると考えられるな」

森崎「要するに、二重人格とかはありませんよ、って事か。回りくどい表現しやがって……」

ベアト「さあ、勿論これでリザインと言う訳ではなかろう? どんどん来るが良い!
     くっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃはぁッ!!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

257 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:47:28 ID:???
「ヤグ=ルマは生物である」
「ヤグ=ルマの目的は松山を殺すことである」
「カゲ=ヤマが実は存在する」

258 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:52:22 ID:4z784tCM
>>257
森崎「復唱要求!「ヤグ=ルマは生物である」、「ヤグ=ルマの目的は松山を殺すことである」
    「カゲ=ヤマが実は存在する」」

ベアト「あっはっはっは! なんだその復唱はァ! まず一つ目、これは復唱拒否する。
     何故なら、悪魔は生物という学者のチンケな枠組みに収まるモノじゃねぇからなァ〜!
     二つ目、これも復唱拒否! 「目的」という漠然とした表現では分からぬ!
     ……まぁ【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】、この程度は出してやっても良いか!
     そして三つ目は復唱拒否、何故なら【カゲ=ヤマなど存在しない】からだひゃっひゃひゃッ!」

森崎「(コイツ、ゲームになると途端にテンション上がって更にウザくなるな……)
    ――まあ良いさ、次行くぞ、次だ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


259 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:55:08 ID:???
「松山は体育用具室のカギを持って体育用具室の中にいた」

260 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:55:12 ID:???
「松山は体育用具室で死亡した」

261 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:59:28 ID:4z784tCM
>>259-260
「松山は体育用具室のカギを持って体育用具室の中にいた」
「松山は体育用具室で死亡した」

ベアト「二つ目については復唱しようぞ、【松山は体育用具室で死亡した】。
    そして一つ目については復唱できぬ、何故ならば、
    【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】からなァ」

森崎「殺害場所の誤認トリックでは無さそう、って事か……?」

ベアト「さ〜てなァ? どうだと思う?」

森崎「……ハナからお前が気の利いた事を言ってくれるとか、期待してねえけどな」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

262 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:00:48 ID:???
「松山は毒物によってヤグ=ルマによって殺された」

263 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:02:09 ID:???
「松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた」

264 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:04:28 ID:???
「ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間があった」

265 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:04:54 ID:???
「ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない」

266 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:06:22 ID:4z784tCM
>>262

森崎「復唱要求だ。「松山は毒物によってヤグ=ルマによって殺された」」

ベアト「拒否だ。【松山はヤグ=ルマに蹴り殺された】からな。
    ――が。この辺りの死因は今回そこまで重要ではない。
    先程述べた通り、今回の謎のキモは、『ヤグ=ルマとは一体何者か?』
    『ヤグ=ルマはいかにして密室を抜けて松山を殺害したのか?』だからな」

森崎「いや、でも『ヤグ=ルマが事前に毒薬を松山に飲ませて殺した』とかなら、
    密室破りにも関係――」

ベアト「ええい、だからそこは謎の本質ではないのだ! 故にこれまでの赤を強化し切る!
     【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって殺害された】!」

シャキーンッ! バシュッ!

森崎「へぇ、中々強い赤じゃねーか。だが、その程度で俺がビビると思ってたら、大違いだぜ!」

267 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:06:28 ID:???
「体育用具室内にはヤグ=ルマだけが知っている隠し扉がある」

268 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:10:33 ID:4z784tCM
>>263-265
森崎「復唱要求ッ!「松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた」
    「ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間があった」
    「ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない」」

ベアト「一番目、……大サービスだ、復唱しよう!【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
    二番目は復唱できぬ、【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】からだ!
    三番目は復唱する、【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】!」

森崎の復唱要求に合わせ、ベアトの周囲には赤い短刀が無数に現れる。

森崎「……中々良い赤が出てきたじゃないか。さーて、ここからはどうすっかな……」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

269 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:11:11 ID:???
「ヤグ=ルマは固体である」

270 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:13:09 ID:???
「ヤグ=ルマは初めから体育用具室に置かれていたものである」

271 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:14:33 ID:???
『ヤグ=ルマの正体はロボットである』

272 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:15:46 ID:4z784tCM
>>267
森崎「ま、まだだ……! 復唱要求、「体育用具室内にはヤグ=ルマだけが知っている隠し扉がある」」

ベアト「くっくくく……出たなァ隠し扉! だが残念だったな、
     【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】。
     故に、【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】!」

森崎「チッ……。強固な密室を意味するベアトリーチェの密室定義を前に、
    隠し扉だの鍵開けトリックだのの介入可能性を混ぜ込むのは難しそうか……」

ベアト「当然よ。この密室定義こそ妾の持つ強力な結界魔法。
     並みのウィッチハンター程度には、この中の真相に触れさせなどはさせぬぞ!」

森崎「なーにが結界魔法だ! ……とはいえ、もう一遍考え直しか」

273 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:17:59 ID:???
『松山は体育用具室内の物体Xが崩れ落ちて頭に当たり死亡した』

274 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:20:40 ID:4z784tCM
>>269-271

森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマは固体である」、
    「ヤグ=ルマは初めから体育用具室に置かれていたものである」!」

ベアト「こっちが生物と素直に認めぬからとは言え、またそのような屁理屈を……!
    ――分かった、ここで推理が詰まっても面白くないからな、認めてやるよォ。
    【ヤグ=ルマは人間である】! ……ま、ホントは悪魔なんだけどさ。
    ツマラナイ学者サマの分類学的には、人間って言えるかな〜? ……ってヤツさ。
    だが、二つ目の復唱要求については……そうだな。復唱を拒否する。理由は特にない」

森崎「言うならさっさと言えってんだ、全く……。
    (とはいえ、こっちの考えていた『ヤグ=ルマの正体はロボットである』の青が潰れちまったな。
     あの魔女、全然応えて無いみたいだから、ここはもっと攻撃を重ねるしかないか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆






275 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:23:29 ID:???
「ヤグ=ルマは松山のもう一つの人格である」

276 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:24:12 ID:4z784tCM
>>273

森崎「『松山は体育用具室内の物体Xが崩れ落ちて頭に当たり死亡した』!」

ドーーーンッ!

ベアト「ふん、その程度の青。既存の赤で切れるわ!
     【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】! 【ヤグ=ルマは人間である】!
     故に、物体Xによる事故死はこれを否定できるッ!」

シャキーンッ、バギイイッ!

森崎「……その位想定済みだ! こっちの青はまだまだ十分だぜェ! 行くぞベアトォ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

277 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:25:12 ID:???
「ヤグ=ルマは道具を使った」
「異常気象は松山の死亡前後に発生していない」
『松山の死因は打撲である』

278 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:29:26 ID:???
やっちまった、275は取り消しで

279 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:31:52 ID:???
「松山を閉じ込めたのはふらの中メンバーである」
「松山を閉じ込めたのはヤグ=ルマである」

280 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:33:56 ID:???
「ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入った」

281 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:34:06 ID:4z784tCM
>>278了解しました。
>>277
森崎「そんな簡単にあきらめるかってんだ! 復唱要求!
    「ヤグ=ルマは道具を使った」
    「異常気象は松山の死亡前後に発生していない」
    「松山の死因は打撲である」」

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ、無駄な事ォ!
     一つ目は復唱拒否だ、【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】からな!
     二つ目は復唱しようぞ、【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】。
     まぁもっとも、密室がベアトリーチェの密室定義を満たす以上、
     異常気象による外部干渉Xの存在は一切無いんだがなァ!!
     そして三つ目、【松山の死因は打撲である】。くっくっく……妾のヒントを忘れたかァ森崎。

     ――このゲーム、松山が如何にして死んだかは重要ではない。
     何故なら、犯人は既に分かっており、自らの意志で殺した事も明白なのだからなァ。
     犯人が如何にして密室に入ったのか! それを可能とした犯人とは何者か!
     そこを見抜かねば、真相は見えてこねぇぞぉぉぉおぉぉぉ〜?????」


282 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:36:39 ID:???
「ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない」 

283 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:39:58 ID:4z784tCM
>>282
森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない」!」

ベアト「二重人格が否定された次は共有人格説かァ?
     だが、これは復唱しようぞ。【ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない】」

>>279-280
森崎「……まだだ。俺のターンはまだ終わってないぜ! 復唱要求!
    「松山を閉じ込めたのはふらの中メンバーである」
    「松山を閉じ込めたのはヤグ=ルマである」
    「ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入った」」

ベアト「……一つ目、二つ目は復唱を拒否する。特に理由は無い。
    そして三つ目。これはどういう意図の復唱要求だ?
    【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】という赤がある以上、
    ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入る事は不可能。
    もし、そなたがそれ以上の何かを知るならば……青で掛かって来るが良い」

森崎「……!(――これは……俺は、真相に手を掴んだ、のか?
    その割には、ベアトの表情にはまだ余裕が残ってる気がするんだが……。
    ――とにかくまずは、挑発に乗って青を打ってみるべきか? それとも……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

284 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:40:09 ID:???
幻想描写だとふらの中メンバーも死んでるのに、赤では一切それらについて触れられていないのがなんか気になるな

285 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:43:57 ID:???
>>284
あ、すみません。そこは悪魔のホラー感を出す為に死者を増やしただけで、謎の本質とは一切関係ありません(汗)
あくまで今回は、ヤグ=ルマとは何者で、松山をどう殺したのかについて考えて頂ければ幸いです。

286 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:45:25 ID:???
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
誰が松山を閉じ込めたんだろう?

287 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:48:02 ID:???
「松山は一人で体育用具室にやって来た時、すでにヤグ=ルマによって傷を負わされていた」

288 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:49:23 ID:???
「体育倉庫に傷、何かがぶつかった跡はない」

289 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:54:21 ID:???
「松山が体育用具室に入室後、
ゲーム開始(ふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時)まで
松山以外に体育用具室に入室した者はいない」

290 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:59:22 ID:4z784tCM
>>287-289
森崎「まだ情報が足りない。復唱要求!
    「松山は一人で体育用具室にやって来た時、すでにヤグ=ルマによって傷を負わされていた」
    「体育倉庫に傷、何かがぶつかった跡はない」
    「松山が体育用具室に入室後、ゲーム開始(ふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時)まで
     松山以外に体育用具室に入室した者はいない」」

ベアト「……一つ目は復唱拒否。理由は特にない。
    そして二つ目も復唱拒否。理由は、【松山はヤグ=ルマに蹴り殺された】以上、
    何らかの傷や跡は出来るが、それは今回の謎とは大きく関係しないからだ。
    ――もしも傷や跡を必要とするならば、青き真実を打つのだな。くくくっ……
    そして三つ目も復唱を拒否する。そのような復唱を要求する以上、
    何等かの仮説は出来ているのだろう? ならばそれを打てば良い。
    ……もっとも、それが真相に直結するとは限らぬが」

森崎「魔女側は青き真実に対しては、必ず赤き真実で否定しなければ負け、だからな……。
    (どうする? そろそろ青を出して行くか? それともまだ情報を集めるべきか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



291 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:02:50 ID:???
『松山が体育用具室に入室したとき、
体育用具室の外で待ち構えていた人物Xが松山のすぐ後に入室し、入り口を施錠。
その後、松山を蹴り殺した』

292 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:16:58 ID:fbZZMR3M
森崎「――だったら、お望み通りの青だ!
    『松山が体育用具室に入室したとき、体育用具室の外で待ち構えていた犯人Xが
    松山のすぐ後に入室し、入り口を施錠。その後、松山を蹴り殺した』!」

ドーーンッ!

ベアト「ふむ。中々しっかりと構築された青であるな。だが――無意味!」

カッ!

森崎が放った青き槍にも動じず、ベアトはその眼前で――

ベアト「――犯人Xは不要、【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】からな。
     その上で、【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】【入口を施錠したのはふらの中メンバー】。
     【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】!」

カッ! カッ! カッ!

バギイイイイイイイイイイイイインッ……!!

森崎「……なにィ!?」

ベアト「くっくっく。そこそこの青き真実だったが、真相からは程遠い。
    妾に五つの赤を切らせた事は褒めて遣わすが、これで終わりとすれば片腹痛いわ!」

森崎「畜生……全然効いてねぇ……ッ!」

293 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:18:03 ID:fbZZMR3M

森崎はこのゲームで初めて狼狽した。しかし、それも無理はない。
松山の入室直後にヤグ=ルマと言う名の人間が入り、鍵を閉めてから殺す説は、それなりに筋が通っていた。
しかし、【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】。
つまり、松山の殺害とは直接無関係なふらの中メンバーの目を掻い潜ってヤグ=ルマは用具室に入り、
そして松山を殺害しなくてはならないのだ。……そんな事が、本当にできるのだろうか?


森崎「(ヒント役が不在、ってのも相当辛いぜ……。ま、それに頼るってのもシャクだけどな……)」

森崎は気を取り直して、この事件の真相をもう一度考えてみる事にした。


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

294 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:23:37 ID:???
『ヤグ=ルマは松山と全く同じ外見をしていたため、ふらの中メンバーの目を掻い潜ることができた』

295 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:30:45 ID:???
これか?『ヤグ=ルマは藤沢である』

296 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:39:01 ID:fbZZMR3M
>>294-295
森崎「なら、こうだ……!
    『ヤグ=ルマは松山と全く同じ外見をしていたため、ふらの中メンバーの目を掻い潜ることができた』。
    それから先はさっきと同じ、松山が入った直後に体育用具室に入り、
    ふらの中メンバーが入口を施錠した直後に松山を殺害した!」

ドーーーーンッ!

ベアト「……ふん。中々しつこい男よ。では、少し大きいが――やはりここは温存せず、切ってしまうか」

シャキーンッ!

ベアト「【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     ――もっとも、これには悪魔は含めぬぞ。松山が体育用具室に入って来てから、暗闇から悪魔が生まれ。
     そして、松山を蹴り殺したのだ! くひゃひゃひゃひゃァッ!」

ズバァァァッ…! ――ガシャーンッ、ガラガラガラ……。

先程の青を発展させ、森崎が練りだした青き真実の槍は
――ベアトが放った巨大な赤き太刀の一撃により、粉々に砕かれてしまった。

297 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:41:19 ID:???
「ヤグ=ルマは松山から生まれた」

298 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:41:31 ID:fbZZMR3M
森崎「は……はァ!? 【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】ァ?
    ふざけんなよ! だったら、いつヤグ=ルマが体育用具室に入って来たって言うんだ!?」

ベアト「だーかーらー。悪魔だから暗闇から生まれたんだってばァ〜。くひゃひゃひゃっひゃ!
     体育用具室はゲーム中ず〜っと密室。でも、松山は体育用具室にやって来て、そこで殺された!
     これをどう人間とトリックで説明するんだァ森崎ィ? そろそろ土下座の時間じゃねぇのかくひゃへおらァ!?」

森崎「ぐ、ぐぐぐ……!! じゃあこうだ、『ヤグ=ルマは藤沢である』!
    藤沢だったら、壁をすり抜けたり、密室を破ったり楽勝……!?」

ベアト「ざんね〜〜ん☆ 【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】、っていうかァ、
    仮にヤグ=ルマが藤沢だったとして、どうやって密室に忍び込めるかの説明にはなってないよなァ〜?
    そこを説明しない限りは、どうあってもお前は勝てないんだよモロサキィィイイィィィィイイィ!」

森崎「く、くそっ……!」

くひゃひゃひゃひゃ……と、魔女の高笑いが鳴り響く。
第一の晩、森崎はいよいよ本気を出した魔女の手番に翻弄されるまま、
屈辱の時を過ごしたのだった……。

299 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:45:30 ID:fbZZMR3M
……と、言ったところで今日のゲームはここまでにします。
今回のゲームは難易度が高いのと、少し定義にイジワルな箇所があるので、
恐らく解けるまで最短で2〜3日かかるのではないかと思っています。

明日も夜10時頃から始めたいと思いますが、
それまでに復唱要求や仮説がありましたら、返してから開始としますので、
コメントして頂ければ幸いです。
本日は、ゲームに参加して頂き、誠にありがとうございました。

>>297
すみません、今日は終わりにしますが、それについて魔女は復唱を拒否するそうです。
もしも確信がおありでしたら、青で攻めてみるのも良いかもしれませんね。

300 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:54:57 ID:???
乙でしたー
「松山と書いてヤグ=ルマと読む」

301 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 08:24:17 ID:???
『松山は女であり、ヤグ=ルマは松山のお腹にいた胎児。松山の死因は破水』

302 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 10:26:42 ID:???
乗り遅れた…そして打ちたい復唱要求も青も思いつかない…

303 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 11:56:47 ID:???
「松山に外傷はある」
「ヤグ=ルマは成人している」

304 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 20:56:53 ID:fbZZMR3M
今日は予定通り、夜22時〜ゲームを始めようと思います。
現在残った復唱要求・青字にはその時答えますが、事前にこれまでの赤字を並べてみたので、
推理に使って頂ければ幸いです。
>>300
乙と復唱要求ありがとうございます!
>>302
今日からの参加でもOKです! これまでの赤字を見て、これはと思う推理をコメントして頂ければ幸いです。

305 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:04:38 ID:fbZZMR3M

〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「……ふむ。ベアトが森崎くんに新しいゲームを出題しているようですね」

ここは森崎達がゲームを行っている世界から見て上位に位置する世界。
神と同じ俯瞰の視点にて、有限の魔女ワルギリアは二人のゲームを人知れず観戦していた。

ワルギリア「――って、これ。私が昔ベアトに教えてあげたゲーム盤じゃないですか。
        設定や真相はあの子らしく充分嫌らしく捻ってあるけれど、もう……。
        どれだけ森崎くんに負けたくないのですか、あの子は」

ワルギリアの視点からは、森崎の手札だけでなく、ベアトの手の内すらも完全に読み取る事が出来る。
そこで彼女はこの事件の真相を一足早く知り、そして――その内容の悪辣さに呆れかえるのだった。

ワルギリア「外部から閉ざされた密室における不可能犯罪。居る筈のない人間による殺人。
        この手のトリックは魔女のゲーム盤では頻出ですが……。
        あの子は、そのトリックにもう一つ、嫌らしい仕掛けを施している。
        下手を打てばロジックエラーの謗りすら免れないでしょうに……」

ワルギリアはかつての弟子の意地汚さを思い出して溜息を吐く。
相手する森崎も負けじと悪辣だろうが――千年を生きたあの子に勝てるかしら。
……とはいえ、と。彼女は同時に少し安心した様子も見せた。


306 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:06:16 ID:fbZZMR3M

ワルギリア「――ですが、その中でもウィッチハンターの加護はどうやら大きいようです。
        苦しみながらも森崎くんは、このゲームの謎に少しずつ迫って来ている。
        これならば、私が出しゃばる必要もないでしょう。
        ……もっとも、二人とも、真剣勝負の最中に水を差されたくはないでしょうけど」

ワルギリアはベアトリーチェと同じ異世界から森崎達の世界へとやって来た。
しかし、老魔女のスタンスは、この世界においても魔女幻想を広めたいベアトとは少し異なる。
故に――彼女は魔女でありながら、中立の視点で今回のゲームを見守り続ける。

ワルギリア「さて。この世界をも『観劇』されている皆さんには、少しばかりの御駄賃をあげましょうかね」

彼女が言う『御駄賃』とは、その宣言通り彼女が中立であるからこそ出来る、ちょっとした魔法。

ワルギリア「これまでの戦いで出た赤き真実。これを纏めてみました。
        これを良くみれば、彼女が放った意地の悪い罠の正体が分かる……かも、しれませんよ?」

その魔法を唱えた後――有限の魔女は再び、穏やかな黄金の安らぎに身を委ねるのだった。

307 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:07:31 ID:fbZZMR3M
〜これまでの赤字〜※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。


−松山について−
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】
【松山はゲーム終了時、死亡している】
【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】
【松山の死因は打撲である】


−体育用具室について−
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】
【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】



308 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:09:30 ID:fbZZMR3M
−ヤグ=ルマについて−
【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】
【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】
【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】
【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】
【ヤグ=ルマは一人の人間であり、人間の集団ではない】
【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】


(ふらの中メンバーについて)
【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】
【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】
【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】


−この世界全体について・その他−
【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【この事件は、ネットゲーム上の出来事ではない】
【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】
【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】
【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】
【カゲ=ヤマなど存在しない】
【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】

309 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 21:27:48 ID:???
「ゲーム開始時、松山は生存していた」
『ヤグ=ルマは体育用具室で待ち伏せしており松山を蹴り殺した。その後立ち去る前に道具Xを設置し、
用具室にやって来たふらの中メンバーに体育用具室内で松山が生きていると偽造しメンバーに鍵をかけさせた』

310 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 21:55:54 ID:???
「体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものはゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、壊れるなどの変化は起こっていない」

311 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:03:11 ID:fbZZMR3M
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第二の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

312 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:09:56 ID:fbZZMR3M
>>300,>>303.>>309(復唱要求のみ),>>310
森崎「まだだ……まだ諦めん! 復唱要求ッ!
    「松山と書いてヤグ=ルマと読む」
    「松山に外傷はある」
    「ヤグ=ルマは成人している」
    「ゲーム開始時、松山は生存していた」」

ベアト「くくくっ……そうこなくては面白くない。
     一つ目は復唱拒否だ。何故なら、【松山と書いてまつやまと読む】からだ。当たり前だよなァ?
     二つ目は復唱しようぞ、【松山に外傷はある】!
     三つ目は復唱拒否だ。これは中学生同士の話だぞ? 成人が居る訳あるまい
     四つ目は……復唱拒否。理由は特にない。
     五つ目は復唱する、【体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものは、
     ゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、壊れるなどの変化は起こっていない】。
     厳密に言えばミリ単位で動いている、破損が進んでいる事はあるかもしれぬが、
     そうした事は考慮に入れる必要が無いため、赤で切らせて貰った」

森崎「へぇ……?」

第一の晩において、森崎はベアトが放った悪魔ヤグ=ルマの謎に翻弄されていた。
しかし、少しずつ赤を重ねた事により――その形勢は、少しずつではあるが、逆転しつつあった。

313 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:12:40 ID:fbZZMR3M
>>301

森崎「成程な。大体推理が出来て来たぜ。松山が一人で誰もいない密室にやって来て、
    その中で、誰か別の人間に殺される方法がよ……!」

ベアト「ほう……? ならば撃ってみるが良い。妾に情けは要らぬぞ」

森崎「青き真実!」

カ ッ !

森崎の宣言と共に、これまでよりも更に練度と鋭さを増した杭が現出する。
そして、――指を思いっきり魔女の心臓に突き出すと同時に、それは放たれた。


森崎「『松山は女であり、ヤグ=ルマは松山のお腹にいた胎児。松山の死因は破水』」


ドオオオオオオオオオオオオオオッ……ンッ!!


ベアト「なにィ……!?」


314 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:15:07 ID:fbZZMR3M
その青はまさしくベアトリーチェの心臓を貫き得る、究極の青。
被害者しか居らぬ密室での他殺を可能にする、奇蹟の一手。
そう。松山が一人でやって来たとしても、その後二人になる可能性は途絶えていなかったのだ。

森崎「……松山は俺の知る松山光(ひかる)君じゃなくて、女の松山光(ひかり)ちゃんだったんだな。
    そして、そいつは体育用具室で子どもを産んだ。しかし、その時赤ん坊が暴れて難産になった。
    ギリギリになって赤ん坊は出生し、松山ちゃんはどういう発想か『ヤグ=ルマ』と赤ん坊に名付けた。
    が、その時。……松山は事切れたんだ。出産時による破水によってな」

ベアト「む、むぅううううぅぅぅ……! だ、だが! 【松山の死因は打撲】であるぞ!
     死因は破水では無いのでは――ぐううっ!」

ズウウ……ッ!

ベアトは敗北を回避する為に必死に赤を紡ごうとするが、森崎の青の方が早かった。
それはベアトの心臓を一直線に貫き、彼女は激しく吐血する。


315 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:18:58 ID:fbZZMR3M

ベアト「おのれ……おのれぇぇええぇぇぇっ! 一度ならず、二度までもこの妾がァぁぁぁ……!」

森崎「――それが痛いって事は、テメエの反論は意味がないって事を、自分自身が認めてるだけだぜ?
    この謎の肝は、ヤグ=ルマの正体探し。それにおいて、死因はさしたる意味を為さない。
    自分で言った発言が仇になったな」

ベアト「ぐうううぅううぅぅっ……!」

ポタ、ポタ……。

サロンに魔女の赤い血が流れる。森崎は、ゲームの勝利を確信していた。

森崎「……見苦しく負ける前に、リザインしたらどうだ? 黄金の魔女さんよ」

ベアト「――うむ。そうだな……。今のそなたの青で、漸く決心がついた」

ベアトリーチェは、自分の胸に刺さった杭を引き抜き、噴き出す血にも気にせずよろよろと歩いて行き――。






ベアト「――【松山の性別は男であり、出産は不可能】」




316 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:20:21 ID:fbZZMR3M
カッ!

その宣言の刹那、ベアトの周囲に黄金の魔力が溢れた。
すると、彼女のこれまでの傷はたち所に癒え、むしろ美しく輝いてすら見える。


ベアト「くくく……くわーーーーーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっはやぁひぃふゥッ!!
    妾がそのような単純かつ古典的なトリックを、バカ正直に出して来ると思うかァ、バーカ!
    そなたが思案の末、そのような結論に辿り着く事位、御見通しよ!」

森崎「あ、あんだと……!?」

やられたフリをして相手をぬか喜びさせ、後でそれをひっくり返すような嫌味な性格の持ち主である事は、
森崎はとうに熟知していた。しかし今は、それよりも自分の仮説が否定された事に対し混乱を隠せなかった。

森崎「ヤグ=ルマは松山が生んだ子供じゃないのかァ……?
    でも、そうでもしないと密室の体育用具室には入って来れないって言うのに……!」

ベアト「くくく……悩むが良い、悩むが良い。そなたが苦しそうな顔をしているのを見ると、
    妾は心底、安らいで幸せな気持ちになれるのだ……くひゃひゃひゃひゃ!」

森崎「知ってたが、マジでゴミクズだな、お前……!(良い線言ってる推理だと思ったんだがな。
    畜生……! ヤグ=ルマはマジで何者なんだよ……!?)」

森崎は歯ぎしりしながらも、一度構築した推理の再検討を強いられ、苦しげな表情を隠せなかった。


317 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:23:24 ID:fbZZMR3M

>>309
森崎「なら、この青はどうだ……!『ヤグ=ルマは体育用具室で待ち伏せしており松山を蹴り殺した。
    その後立ち去る前に道具Xを設置し、用具室にやって来たふらの中メンバーに、
    体育用具室内で松山が生きていると偽造しメンバーに鍵をかけさせた』……ッ!」

ドーーーン!

ベアト「おやおや森崎、さっきと比べて青字にキレが無いぞ?
     この程度の青これで切ってやろう、【ふらの中メンバーは、松山の死を必ず間違えない】
     ……即ち、【死者の生存を誤認させるトリックXは、この事件において使われていない】とも言える!
     ホラホラホラぁ? どうした森崎ィ? 妾が応援してやろうかァ?」

森崎「テメエの応援なんて、耳が腐るだけだぜ……!」

ベアト「くっくっく……それは勿体ないのぅ。妾のソロモン七十二色の悪魔的ヴォイスで、
    そなたを魅了して止まなかったと言うものを!」

森崎「(ポロっとデカい赤を出したのに、ご機嫌って感じだな、ベアトの奴め……!
    畜生、俺はまだ何かを見落としている……『見落とすように仕向けられている』のか……!?)


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


318 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:36:59 ID:???
「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」
『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』

319 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:43:02 ID:fbZZMR3M
>>318
森崎「……復唱要求! 「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」」

ベアト「おお! まだ諦めてなかったか森崎。妾は嬉しいぞォ?
    諦めの悪いヤツ程屈服した後のサバトは楽しくなるからなァ!
    復唱しようぞ、【ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった】」

森崎「ちいっ……ならば、この青もダメか……!?
    『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、
    ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』!」

ベアト「うむ。これは先程の赤でも切れると考えるが……しかし、死体がずっと放置されている可能性もあるからな。
    故にこれを切ってやろう、【松山はゲーム開始時からゲーム終了時までの間に殺された】!
    どうだァ? 信じた可能性がどんどん切られていくこの絶望は?
    そなたが魔女や悪魔を信じれば、もう苦しまなくても済むのだぞぉぉおッ?」

森崎「ぐぐぐ……(ゲーム開始時からゲーム終了時に限定された以上、
    時間軸を使ったトリックを考えるのは大分難しくなったな……。――クソッ、もう一度考え直しだ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

320 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:51:22 ID:???
『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』

321 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:56:24 ID:???
『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』

322 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:58:32 ID:fbZZMR3M
>>320
森崎「――『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。
    松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
    『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』……ッ!」

ドーーンッ、ドーーーンッ!

ベアト「うむ。積極的に青を出すその姿勢ぞや良し! しかし既出の赤で切らせて貰おう!
    一つ目!【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】!
    別人格が別の名を持つ事は、一人で二つ以上の名を持つことと定義するッ!
    二つ目!【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
    壁に身体をぶつけた事と、直接攻撃によって蹴り殺された事とは相違するッ!」

キィィィインッ、バギイイッ!

森崎「畜生……! せめて少しでも赤を引き出したかったのに……!」

ベアト「無駄無駄ァ、妾をソリマチ卿のような雑魚と一緒にしないで貰おう。
    妾を殺したくば、相応の質と物量を用意せねば不可能ぞ! あーっはっはっは!」

森崎「ほんっと、ムカツク奴だぜ……! 絶対に泣かせてやるからな……!!」

323 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:06:21 ID:fbZZMR3M
>>321
森崎「お望み通り、物量で攻めてやるぜ!
    『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
    『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』」

ドーンッ、ドーーーーーンッ!

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ、クローン生成装置と来たか! お次に出るのは謎の青き狸型ロボットXえもんかァ!?
     面白い青には敬意を表するが、切らせて貰う!
     【出入り口の施錠を除く、用具室にある道具・器具の全てはこのゲームに関係しない】!
     便宜上舞台が体育用具室なだけで、あるのはドアが一つのみの監獄であっても、条件は一緒という事だ!
     もう一つの青は、これまでの赤を強化して切る。【ヤグ=ルマは一人の実体のある人間であり、人間の集団ではない】
     『実体のある』を付け加えた事により、この仮説は否定されるッ!」

シャキーンッ、シャキーン! ズバァァァァッ! ……ガシャァァァァァンッ!

森崎「くっ……いってぇ……!」

ベアト「痛いものよ。理論上、青は無限に放てるが、それを放つ際には人間の精神が削られる。
     精神を削って削って……それでも尚魔女に抗うか。それとも、痛みに耐えきれず屈服するか。
     森崎、そなたはどうするつもりだァ?」

森崎「……ふ、ざっけんな。勿論、前者に決まってるぜ……!
    テメエみたいなやつに指図される位なら、死んだほうがマシだ!!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


324 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:14:56 ID:???
「松山という名前の人間は一人しか存在しない」

325 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:20:24 ID:fbZZMR3M
>>324
森崎「復唱要求ッ、「松山という名前の人間は一人しか存在しない」」

ベアト「要求を認める。【松山という名前の人間は一人しか存在しない】。
     加えて、【このゲームにおいて、同性同名の人間・生物・物体は存在しない】。
     ……妾は、ソリマチ卿と同じような真相は用意しておらぬぞ?」

森崎「頼んでも無いのに、ヒントありがとよ……(名称トリックも駄目そうか……?
    でもこうなったら厳しいな。一体どうやって、ヤグ=ルマは松山の居る体育用具室に入り込んだんだ?
    ……何か、根本的な見落としがあるのか? う〜む。もう一度赤とにらめっこするしか無いか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

326 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:25:35 ID:???
「ふらの中メンバーには松山も含まれる」

327 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:26:36 ID:???
『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』

328 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:32:39 ID:???
>>327 凄いなこれ、確かにこれなら赤には一切抵触しないな

329 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:33:31 ID:fbZZMR3M
>>326
森崎「復唱要求、「ふらの中メンバーには松山も含まれる」!」

ベアト「……復唱を拒否する。理由は特にない」

森崎「ん……? さっきまで気前よく赤を出してくれてたのに、どうしたんだと突然」

ベアト「ふん。サービス期間は終わったのよ! それよりも、そなたの手番はそれだけかァ?
     復唱要求の成果が無いと嘆くならば、青を打ってくるが良い、青を!」

330 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:36:58 ID:fbZZMR3M

>>327
森崎「言わずもがなだ、青き真実!」

カッ!

森崎「『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
     そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、
     体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
     ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
     その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、
     ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』」

ドーーーンッ!

ベアト「なるほど、なるほど……。【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】の赤を活用して来たか。
    他の点においても、赤に抵触しないよう丁寧な工夫を施してある事は認められるし、
    先ほどの復唱要求にも頷ける……! だが、妾はこれでそなたを否定する!」

シャキーンッ!

ベアト「――【松山は入口を施錠していない】!」

バシュンッ! ズバァァッ!

森崎の練り上げた綿密な杭を、ベアトは真っ直ぐに鋭い赤のレイピアで切り伏せる。
それはまさしく、人間の努力を一笑に付す、魔女のみが扱いうる『真実の魔法』。

331 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:43:42 ID:fbZZMR3M
森崎「マジかよ……! 今のは完璧に決まったと思ったのによぉ……!」

ベアト「褒めてやりたいのは妾の方だ森崎。そなたは確実に、妾との最初の戦いの時と比べて、
    大きく成長している。魔女のゲームに慣れて来て、上達している。――しかし!」

カッ!

魔力が迸ると、ベアトの身を守るように、赤き結界が張り巡らされる。

ベアト「理詰めの『推理』はあくまでも、魔女を倒す為の両輪の一つにしか過ぎぬ!
     もう一つの車輪を使いこなせねば、妾の心臓には至れぬぞ!」

森崎「もう一つの車輪……?」

ベアト「それが何であるかは、これまでの妾や、ソリマチ卿とのゲームを振り返って考えてみるが良い。
     そなたは確かに真実には至りつつある。しかし今は至れておらぬ。
     その隙間を乗り越える為の力を、この妾に見せてみよ!
     さもなくば全裸首輪椅子となれ、森崎ィィィィィイイィィィィイイイィィィィィッ!!」

森崎「……!(もう一つの車輪……。それはきっと――真実をこじつける為の『屁理屈』だ。
    これまで当たり前だと思っていた事。当たり前だと思わされていた事。
    違うに決まっていると思っていた事。違うに決まっていると思わされていた事。
    その中に、きっと魔女を倒すための『何か』がある筈なんだ……!)」

ベアトの挑発に、一度折れかかった森崎の思考は再回転を始める。そして――。


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

332 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:03:21 ID:???
「ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、死亡した松山を除き、ふらの中メンバーの
人数に変動はない」

333 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:11:25 ID:qkMSAZPY
森崎「……第二の晩はこれで終わる。復唱要求!
    「ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、死亡した松山を除き、ふらの中メンバーの
    人数に変動はない」」

ベアト「……復唱しよう。【ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、ふらの中メンバーの人数に変動はない】」

森崎「今回は素直だな。……って、ん? 若干俺が言ったのと内容が違うんじゃねーか?」

ベアト「んっ? そうだったかなァ……? でも、意味としては全く問題が無かろう。
    ふらの中メンバーの人数に変動は無い。それは間違いなく絶対の事実なのだから」

森崎「ま、まあ。そうだけどよ……(絶対何かある気がする。が……、これも気のせいなような気もする。
    畜生、沢山の青を叩き割られて、俺の精神も弱っちまってるのか? らしくないぜ。
    何にせよ、次こそはお前の心臓を叩き潰してやるからな、ベアトリーチェ……!!)」

334 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:14:59 ID:???
「松山は双子である」


335 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:26:35 ID:qkMSAZPY
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「……成程。あの子はこの窮地をそう凌ぎましたか」

上位世界に作りあげた庭園において、ワルギリアは引き続きこのゲームの趨勢を見守っていた。

ワルギリア「魔女のゲームにおける両輪。即ち、『推理』と『屁理屈』。
        『推理』だけでは、魔女が赤に潜めた悪意に気付けず、
        『屁理屈』だけでは、魔女を殺し得る的確な青が構築できない。
        ……その点において、あの子のゲームは両方の力が無くては解けぬ、良問と言えるかもしれません」

彼女は手元のチェス盤を動かして、今現在の局面を反映させる。
最初ベアトのクイーンがチェックを掛けていたが、森崎はそれを辛うじてではあるが掻い潜り、
今では戦況は五分と五分という所にまで達している。しかし、それだけである。
森崎は良い手も打ってはいるのだが、それから先が続かない。魔女を殺し得るチェックメイトが近いようで、遠い。
しかも、そうして攻めあぐねている内に、ベアトは着実に森崎の陣地を侵食している。

ワルギリア「この勝負には、私は不干渉の方針です。……少なくとも、あの子、ベアトリーチェと森崎くんとの間には。
       ――ですが。もしもあなた達がヒントを望むのであれば、私は応じる事ができるでしょう。
       もし良ければ、核心そのものとも言えるヒントすらも」

この盤面をも俯瞰する魔女は、凛とした声でそう断言する。しかし一方で語気を弱めて。

ワルギリア「……ですが、それを今この場で話すのは興が削がれてしまう。
        故に、私は今は、ごく当たり前の事のみを話しましょう――
        【現状出ている赤き真実。この中に、このゲームの真相に至る為の重要な赤が潜んでいる】と」

……その中で、彼女は赤を使ってまで明確にそう断言した。

ワルギリア「――さて。本日も私の独断ですが、赤を纏めさせてもらいました。
        これを見れば、このゲームの真相に至る事が出来る。かも、しれませんよ。ほっほっほ……」

336 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:28:49 ID:qkMSAZPY
〜これまでの赤字〜※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。


−松山について−
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】
【松山はゲーム開始時からゲーム終了時までの間に殺された】
【松山はゲーム終了時、死亡している】
【ゲーム終了時、松山の死体は体育用具室にあった】
【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】
【松山は入口を施錠していない】
【松山の死因は打撲であり、外傷はある】
【松山という名前の人間は一人しか存在せず、双子でも無い】
【松山の性別は男であり、出産は不可能】
【松山と書いてまつやまと読む】


−体育用具室について−
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】
【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】
【出入り口の施錠を除く、体育用具室にある道具・器具の全てはこのゲームに関係しない】
【体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものは、ゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、
 壊れるなどの変化は起こっていない】

337 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:30:54 ID:qkMSAZPY

−ヤグ=ルマについて−
【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】
【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】
【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】
【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】
【ヤグ=ルマは一人の実体のある人間であり、人間の集団ではない】
【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】


−ふらの中メンバーについて−
【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】
【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】
【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】
【ふらの中メンバーは、松山の死を必ず間違えない】

−この世界全体について・その他−
【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【この事件は、ネットゲーム上の出来事ではない】
【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】
【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】
【このゲームにおいて、同性同名の人間・生物・物体は存在しない】
【このゲームにおいて、死者の生存を誤認させるトリックXは使われていない】
【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】
【カゲ=ヤマなど存在しない】
【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

338 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:32:28 ID:???
『ヤグ=ルマは死体の状態で松山に用具室に運ばれ、何らかの方法Xにより密室内で蘇生し松山を蹴り殺した』
久々にゴーストトリックやりたくなってきた

339 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:37:40 ID:qkMSAZPY
…と、言ったところで第二の晩はここまでにします。
明日も同じ時間帯(夜22時〜24時頃)で、第三の晩を行いたいと思っています。
赤の拘束が増え、難易度も高いかもしれませんが、また参加して頂ければ嬉しいです。
(難しすぎる! …などのコメントが多ければ、ゲーム開始前にヒントを出すかもしれません(汗))

>>328
素晴らしい推理だったと思います。
難度の高いゲームだと、発想勝負では勝てず、このような綿密な青を構築しないといけない場合も多々あります。
今回のゲームは……発想の比重がやや大きめで、ただ赤から推理もしないと解けないよ、って感じの塩梅だと思っています。

>>332
先ほど投下した赤字一覧にこれを載せるのを忘れていました。申し訳ございません。

>>334
今回は締め切らせて頂きましたが、ここについては、【松山は双子ではない】ため、
>>336の赤字一覧に盛り込む形で、復唱させて頂きました。

本日もゲームに参加して頂き誠にありがとうございました。
また明日もよろしくお願いいたします。

340 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:42:39 ID:???
>>338
すみません、この青については明日に返したいと思います。
ゴーストトリック知らなかったんですが、逆転裁判のシナリオの人が作ってるんですね…。
推理系のゲームは逆転裁判とダンガンロンパ(あとうみねこ?)位しかやらないんですが、これも面白そうです。

341 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 01:41:27 ID:???
「松山はふらの中のメンバーである」
「松山が傷を負った場所は頭だけである」
「ヤグ=ルマの姿、あるいは正体をゲーム開始以前にふらの中のメンバーは知っている」
「(↑を知らない場合)メンバーがヤグ=ルマの姿を見たのは松山の死亡を確認してからである」
「(知っていた場合)ヤグ=ルマと富良野中のメンバーは知り合いである」
「ヤグ=ルマはちゃんとした地球の人間、宇宙から飛来した宇宙人、あるいはワーム、ネイティブなどではない」
「ヤグ=ルマはNINJAであり忍術を持っていた」
『実は男同士でも子供はできないこともない時代でありさらに松山はホモであり出産した』


342 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 21:02:47 ID:???
すみません、今日はゲーム開始時刻が遅れそうです…
22時半位には始められると思います

343 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:31:54 ID:qkMSAZPY
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第三の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

344 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:40:26 ID:qkMSAZPY

ベアト「グッモーニィィイン、ハワイユゥウウウゥッモロサキィ!
    今宵もお待ちかね、魔女のゲームを始めようでは無いか!」

森崎「……お前しか待ってねぇよ、それ。つか何だよそのテンション」

ベアト「くくくくくっ! 妾は幼少の時から川で溺れるケルピーに石を投げつけるのが大好きだったのだ。
    今のお前のように、赤き真実の海で溺れもがいてる惨めな姿を見るのがもうたまんなくてよォ!
    嬉しくなるとついやっちまうんだァァァ〜〜ッ!!」

森崎「お前の性格のクズっぷりをすっかり忘れていたぜ。
    これ以上の茶番は時間の無駄だ、ゲームを再開するぞ」

ベアト「うむ。かかって来るが良い森崎ィ!」


345 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:42:45 ID:qkMSAZPY

>>341

森崎「まずは復唱要求だ、
    @「松山はふらの中のメンバーである」
    A「松山が傷を負った場所は頭だけである」
    B「ヤグ=ルマの姿、あるいは正体をゲーム開始以前にふらの中のメンバーは知っている」
    C「(↑を知らない場合)メンバーがヤグ=ルマの姿を見たのは松山の死亡を確認してからである」
    D「(知っていた場合)ヤグ=ルマと富良野中のメンバーは知り合いである」
    E「ヤグ=ルマはちゃんとした地球の人間、宇宙から飛来した宇宙人、あるいはワーム、ネイティブなどではない」
    F「ヤグ=ルマはNINJAであり忍術を持っていた」」

ベアト「これはまた、物量で攻めてきおって……良い!
     @一つ目、復唱を拒否する。理由は特にない。
     A二つ目、復唱を拒否する。松山の負傷部位については詳細を定めておらぬからだ。
      その理由は、今回の事件の真相においては、松山が直接攻撃によって殺された事さえ分かれば充分だからだ!
     B三つ目、復唱を拒否する。理由は特にない。
     C四つ目、復唱を拒否する。理由はBの復唱を拒否する以上、これに応える義務はないからだ。
     D五つ目、復唱を拒否する。理由は同上だ。
     E六つ目、【宇宙から飛来した宇宙人、ワーム、ネイティブの類は、このゲームにおいて『悪魔』とみなす】!
      くっくっく、当然だよなァ? 人の姿に擬態できる怪物を認めるなど、悪魔を認めると同義だからな!
     F七つ目、【ヤグ=ルマは忍者では無い】し、【忍術、超能力などの類は、このゲームにおいて『魔法』とみなす】!」
      ヤグ=ルマは悪魔でも忍者でも無く、実は魔女だったのかもしれないしなァ! そういう仮説なら妾も大歓迎よ!


346 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:46:50 ID:qkMSAZPY
    
森崎「収穫は殆どなし、ってか……ならこれはどうだ、
    『実は男同士でも子供はできないこともない時代でありさらに松山はホモであり出産した』!」

ドーーーンッ!

ベアト「そのような青、恐れるに足らぬわ! 既出の赤で切る!
     【松山の性別は男であり、出産は不可能】! 性別とか時代とか性癖とかは関係ないわ!」

ズバッ、ガキィイインッ……!

森崎「くそっ……!」

第三の晩。森崎の初撃は相も変わらず余裕を隠さぬ魔女によりあしらわれる。
しかし当然、ここで諦める森崎ではない。

森崎「(……これまで考えた仮説の中にだって、真相に至れる発想はあった筈なんだ!
    後は、この発想を有力とする為の推理……どこか。ヤツの赤字には、どこか穴がある筈なんだ!
    前回は失敗したが、今回こそは……!)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

347 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:49:59 ID:???
>>338の回答お願いしていいですか?

348 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:53:22 ID:???
松山はふらの中のメンバーではないのか?
でも成人がいるわけないって言ってたけどどうなんだ?
松山が教諭か顧問の可能性を今考えてる

349 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:56:31 ID:qkMSAZPY
>>347
申し訳ありません、忘れてました!

森崎「……すまん、もう一つ青だ!
    『ヤグ=ルマは死体の状態で松山に用具室に運ばれ、何らかの方法Xにより密室内で蘇生し松山を蹴り殺した』」

ドーーーンッ!

ベアト「――うむ。ならばそれはこう切ろう! 【このゲームにおいて、死者が蘇生する事はない】!
     故に、死者蘇生装置Xの存在は認めぬ!」

シャキーンッ、ガシャァァッンッ!

森崎「死者が蘇生する事は無い……か。ヤグ=ルマはマジでどうやって用具室に入って来たんだ?」

ベアト「だーかーらァ。悪魔だから暗闇から這い出る位楽勝なんだって!
     いい加減認めちまえよ! くけけけけけっ!」

森崎「……(畜生。言い返す気力も奪われて来やがるぜ。でも、ここで諦めたらもっと悔しい!
    だったら、やれるだけやるしかないな……!)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

350 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:59:47 ID:???
「松山とヤグ=ルマはゲーム開始以前からお互いを知っていた」
「ヤグ=ルマは体育倉庫に向かう必要があった、松山を殺すには体育倉庫でなければならなかった」

351 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:01:07 ID:???
>>348ふらの中メンバーではないっぽい気がするけど教諭とか顧問だったとしても密室はどうにもならないんじゃないかな?
やっぱりゲーム開始と終了、それと施錠ってのが鍵な気がする。全く分からないけど

352 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:05:59 ID:???
>>351 >>350での返答次第でちょっとできるんじゃないかって青き真実がある
それでも確実とは言えないけど

353 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:07:02 ID:???
「松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った」

354 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:07:03 ID:qkMSAZPY
>>350
森崎「……復唱要求だ。
    「松山とヤグ=ルマはゲーム開始以前からお互いを知っていた」
    「ヤグ=ルマは体育倉庫に向かう必要があった、松山を殺すには体育倉庫でなければならなかった」!」

ベアト「――いずれも復唱拒否だ。
     理由は……そうだな。前者は復唱する事も出来るであろうが……いや、これは復唱できぬ。
     後者を拒否する理由については、【松山を殺すには体育用具室である必要性は無い】からだ」

森崎「なんか歯切れの悪い答えだな……」

ベアト「もしかしたら、妾が真相を隠しているとでも思うか? ならば青を打ってみるが良い。ひゃっひゃっひゃっ」

森崎「(前者の復唱拒否理由が気になるな。互いを知っているような、知らないような。
     松山とヤグ=ルマは、一体どんな関係なんだ……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

355 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:08:43 ID:???
これなら試せるかな
『ヤグ=ルマはやとわれた暗殺者であり攻撃を逃げた松山を追い詰めるために体育倉庫に追い込んでそこで蹴り殺した
 ふらの中のメンバーはグル』

356 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:10:38 ID:qkMSAZPY
>>353
森崎「更に復唱要求、「松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った」!」

ベアト「……復唱を、拒否する。理由は……特に無い」

森崎「(松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った……訳では無いのか。
     聞いといて難だが、ますますワケが分からなくなるぜ……これも作戦なのか?
     密室が堅い以上、この辺りの事実関係は重要になりそうなんだが……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

357 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:11:40 ID:???
>>355 体育倉庫はたまたまあった逃げ場のない密室だっただけって感じで

358 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:23:09 ID:qkMSAZPY
>>355
森崎「青き真実! 『ヤグ=ルマはやとわれた暗殺者であり、
   攻撃を逃げた松山を追い詰めるために体育倉庫に追い込んでそこで蹴り殺した。
   ふらの中のメンバーはグル』!」

ドーーーーンッ!

ベアト「甘いッ、既存の赤字!【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、
     体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     ついでにもう一つ既存の赤字!【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】!」

シャキーンッ、ズバァッ、ズバァァァッ!

森崎「ぐっ……! い、いっこも新しい赤を出せねえなんて……!」

ベアト「くっくくく! 追い詰められたようだな、森崎ィ?」

森崎「まだだ、まだやれるはずなんだ……!(今の青や、これまでも青だって。
    少し内容を弄れば魔女と戦えたりもする筈なんだ! 後は、どこをどうすれば良いか、だけなんだが……!?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



359 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:25:34 ID:???
『松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入り松山を蹴り殺した』

360 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:27:49 ID:???
「今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである」
「ゲーム上の体育用具室はただひとつである」

361 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:29:39 ID:???
「松山は忍術でヤグ=ルマを召喚した」

362 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:31:16 ID:qkMSAZPY
>>359
森崎「青き真実! 『松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入り松山を蹴り殺した』」

ドーーーーーーンッ!

ベアト「ぐっ……! 既存の赤!【松山は一人で体育用具室にやって来た】!」

カッ! バギイイイッ!

森崎「……一番最初に提示された赤だったな」

ベアト「く、くくくくっ……! そう! 【松山は一人で体育用具室にやって来た】のだ!
    故に、同時に体育用具室に入って来て殺害というのは不可能であるぞ!」

森崎「(だったら……なんでアイツはさっき、あの復唱を拒否したんだ……?
    もしかして、ここに何かアイツのミス――このゲームのハラワタが隠されているのか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

363 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:32:32 ID:???
「松山は人間である」
「ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない」

364 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:34:04 ID:???
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山の死因は打撲である】
一つ目だけでも死因としては足りてるように見えるのに、二つ目があることでなんとなく転落死のイメージが浮かんできた。
密室を破るのには何の役にも立たなさそうだけど

365 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:34:49 ID:qkMSAZPY
>>360
森崎「復唱要求、「今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである」
    「ゲーム上の体育用具室はただひとつである」!」

ベアト「うむ。それは大事な事だ、復唱してやろうぞ。
     【今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである】
     【ゲーム上の体育用具室はただひとつである】
     同一名称の別物を指した赤による錯誤……魔女のゲーム盤では常套手段よ!」

森崎「(そんな性格の悪い手が常套手段とか、つくづくロクなゲームじゃねえな、コレ。
     でもこうなると、このゲーム盤にも、性格の悪い定義付けがあったって不思議じゃないな……)」

366 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:36:58 ID:???
『松山とヤグ=ルマはそれぞれ、別々の入口から同時に用具室に入りヤグ=ルマは松山を蹴り殺した』
これなら【一人で来た】を掻い潜れるかな?

367 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:37:27 ID:???
「体育用具室は複数存在する」

368 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:39:01 ID:qkMSAZPY
>>361
森崎「復唱要求、「松山は忍術でヤグ=ルマをしょうか――」」

ベアト「ほほう、それはつまり、リザインという事で良いな?
     【忍術、超能力などの類は、このゲームにおいて『魔法』とみなす】としたが……?」

森崎「し、しねえよ。何でもねぇ!」

>>363
森崎「復唱要求、「松山は人間である」
    「ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない」」

ベアト「ふむ……そこも確認しておく必要があるか。よかろう、復唱!
     【松山は人間である」
     【ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない】!」

森崎「(『小田あたりが用具室に入って、松山に改名』とかは無さそうか……)」

>>367
森崎「(体育用具室は複数存在……は、しないんだな。【ゲーム上の体育用具室はただひとつである】から。
     悔しいが、ここはもう一遍考え直しか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

369 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:39:22 ID:???
あ、更新忘れてた。367はなしでお願いします

370 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:46:30 ID:???
>>366の回答をお願いできますか?

371 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:49:12 ID:???
「ヤグ=ルマと松山に血縁関係はない」

372 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:55:11 ID:qkMSAZPY
>>370
すみません、見落としてました。

森崎「『松山とヤグ=ルマはそれぞれ、別々の入口から同時に用具室に入りヤグ=ルマは松山を蹴り殺した』!」

ベアト「【体育用具室の出入口は一つしか無い】!」

森崎「……(体育用具室の出入口は一つ、か。
    これで松山は一人で体育用具室に入って来たをクリアするのは難しそうだな……)」

ベアト「そうそう! 分かるぞ森崎!【松山は一人で体育用具室にやって来た】に悩んでいるのだろう?
     くーひゃっひゃっひゃッ! そうだよ、松山は一人で体育用具室に入って来たし、
     体育用具室の出入口も一つだから、同時に入って殺すのもムリ。
     そして、【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     見ただろ? こりゃもうヤグ=ルマは暗闇から這い出るしかないんだってェ!」

森崎「(……くそっ。まさに八方ふさがりだ。一体どうやって、『どのタイミング』でヤグ=ルマは体育用具室に入ったんだ……?)」


>>371

森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマと松山に血縁関係はない」」

ベアト「ああん? 血縁関係ィ? ……復唱を拒否する。理由は特に無い!」

森崎「(血縁関係か……でも、妊娠説はさっきベアトに否定されたしなぁ。
     いやでも、もう一度考えてみる必要はあるか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

373 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:58:45 ID:???
「ゲーム開始と終了はそれぞれ1度ずつしか無かった」

374 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:03:06 ID:???
『ヤグ=ルマは松山を体育用具室で出産し、出産後に松山を蹴り殺した』

375 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:04:20 ID:???
>>374 言われたァ!

376 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:06:38 ID:PmhmxqWM
>>374
リザイン! 只今森崎の推理描写を書くので少々お待ちください。

377 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:06:48 ID:???
>>374 なるほど、と思ったけどこれどうなんだろう……
【松山は一人で体育用具室にやって来た】

378 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:09:17 ID:???
>>377
こじつけだけど、双子じゃないから「一人で来た」とも言えるかなって

379 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:51:52 ID:PmhmxqWM
>>374

森崎「(……そうか。あの時の青は……まだ死んでいなかったんだ!)」

ふと。混迷する森崎の心に、一筋の発想――『屁理屈』が生まれた。
しかし、その『屁理屈』はそれ単体では脆弱であり、現に一度魔女に踏みつぶされた弱い青。
真相を掴みはしても、心臓を貫くまでには至らなかった。

森崎「(だが――これだけでは勝てない。組み立てるんだ。
    この俺の屁理屈を、あのクソ魔女の心臓にぶち当てるだけの道筋を……!)」

故に、森崎は思考を深め、『推理』を開始した。
これまでの赤字に抵触せず、森崎の発想を通すためには、どのような理論が必要か。
そして、暫くの思案の後――森崎は果たしてそれに辿り着いた。

森崎「……なあ、ベアト」

ベアト「……どうした、森崎よ」

ベアトリーチェは落ち着き払った声で森崎に応じる。
そこに先程までの下品さは感じられず、むしろ千年の時を経て磨かれた気品すらあった。

森崎「てめえの問題は本当に嫌な問題だった。ミスリードに次ぐミスリード。
    それでも何とか真相を掴んだと思ったら、更にミスリードを呼んで真相を包み隠す」

ベアト「くくくっ……それは褒め言葉と捉えても良いのか?」

森崎「罵倒だよ。こんな性格の悪い問題、よっぽどの捻くれ者じゃねえと出せねえ。
    ――まず、問題の前提からしてミスリードだしな」

森崎は自身の推理について順を追って説明するべく、
ゲーム盤の導入となる幻想描写シーンから解説を挟めていく。

380 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:53:24 ID:PmhmxqWM
森崎「まぁ。幻想描写で嘘をつくのは今更の事ではあるが。お前はただ単に魔法で誤魔化すだけじゃなく。
    この時点で効果的なミスリードを入れて来た。
    ……ヤグ=ルマ、いや矢車と松山の兄弟関係を押し出す事による性別誤認トリック。
    松山の描写の後にヤグ=ルマを登場させる事による登場順序誤認トリック。
    松山が俺達の知る少年では無い事を隠す年齢誤認トリック。
    お前の問題の心臓であるこれらの点を、あの幻想描写は補強していたんだ」

ベアト「ふむ。続けよ」

森崎「――そして、ベアトは俺に対し、問題の趣旨は『ヤグ=ルマの正体を当てる事である』と言った。
    これはまあ、確かに間違っていない。しかしお前は同時にヤグ=ルマの不可解性にスポットを当て、
    この謎を解くにあたって真に重要なピース――『松山の正体当て』から焦点を外させたんだ」

ベアト「……成程、成程。そう考えたか。しかし、この赤はどう説明する?」

ベアトはこれまで自身の周囲に展開されていた赤き真実の一つを抜き取り、提出する。

【松山は一人で体育用具室にやって来た】

ベアト「……松山がヤグ=ルマから生まれた赤子とすると、この『やって来た』という表現は不自然。
     外部から体育用具室に入って来たと誤認されても仕方ない。
     ――この妾が、そのようなロジックエラーを起こすとでも思ったか?」

森崎「いや。だからお前はちゃんと、フェアプレーに即して手掛かりは残していた。
    ……卑怯な手であるのは変わりねえが。お前は、そこは守ったんだ」


381 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:55:08 ID:PmhmxqWM
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】

ベアト「ふむ。この赤字がフェアプレーの手掛かり、と。そなたは何を思ってそう言ったのだ?」

森崎「『やって来た』と、『入って来た』の違いさ。お前は赤き真実において、
    松山が体育用具室に入って来たとは書かなかった。
    そして、『やって来た』――とは、『赤ちゃんがやって来た』と、
    どこか漠然とした場所から特定の場所にやって来る場合にも使われている。
    だから思ったんだ。『松山は一体、どこからやって来たんだ?』……ってな。
    その結果が、一度お前に潰された妊娠出産説だった訳さ」

ベアト「くくく……! 見事な屁理屈よ。そうか、そこに気付くとはなァ……」

森崎「――俺も出産説だけはここで分かった。松山が男である事は証明されたが、
    ヤグ=ルマが女である事は証明されていないからな。
    後は、ヤグ=ルマが先に用具室に入れる可能性を検討したんだが……入れるんだな、これが」

森崎はそう言って、二つの赤き真実を取り出した。

【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】

森崎「これの解釈がもう少し早ければ、この謎も解けていたかもしれないな……。
    ――コホン。つまり、『松山は体育用具室にやって来た』のは、上の赤よりゲーム開始時以降ではあるが、
    ゲーム開始時〜松山がやって来るまでには、タイムラグが起きる事が分かるな。つまりこうだ」

ゲーム開始時前→ゲーム開始→松山がやって来る→松山が殺害→ゲーム終了

森崎「俺は最初、先入観でヤグ=ルマが後に入って来たと思ってしまった。
    しかし、実際は違った。ヤグ=ルマの方が、松山よりも先に入室していたんだ。つまり、こうだ」

ゲーム開始時前→ゲーム開始・ヤグ=ルマ入室→松山がやって来る→松山が殺害→ゲーム終了 

382 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:56:37 ID:PmhmxqWM
森崎『そして、それさえ分かれば、後は俺の発想を通すだけさ。
    つまり――密室下での不可能殺人は、密室下で人間が増える事によって行われた!
    増やしたのは男の松山じゃない、ヤグ=ルマだ!
    故に、俺はこの青を放つ!」


森崎「――『ヤグ=ルマは松山を体育用具室で出産し、出産後に松山を蹴り殺した』」


カッ! ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


ベアト「ぐ、ぐぐぐぐ……!」


森崎が窮地になって放った青は、これまでにない輝きと勢いを持って、ベアトの心臓を貫こうとする。
ベアトはその青き光に苦しそうに顔を歪ませ、そして無様にも地面に這い蹲る。
今にも舌を噛み千切って死にそうな状況の中、彼女は……。

ベアト「良かろう。妾の負けを認める。……リザインだ」


――勝負師らしく、潔く自身の敗北を認めてみせた。

383 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 01:06:12 ID:PmhmxqWM
無限と黄金の魔術師ベアトリーチェ卿は、
>>374さまの提出した青き真実に対し、リザイン(投了)を表明しました。
よって、このゲームは人間側の勝利となります。お疲れ様でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――


……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
次回以降は幻想描写抜きの真相等を描写の上、第三話完、としたいと思います。

今回の謎の心臓は、「(性別誤認トリックを前提とした)出産による人数トリック」と、
「体育用具室に入った順序の誤認トリック」の二つでした。
単に思いつきで、「松山がヤグ=ルマを出産したんだろ?」……だけでは解けないよう、
幻想描写や赤字を使って、松山とヤグ=ルマが用具室に来た順序をミスリードさせる事を目指しました。
(『やって来た』の表現は少々意地悪だったかもしれませんが、一応判断可能となるよう気を配りました)

今回は謎を二重に重ねており、順序誤認トリックを看破するには赤を読んで推理する必要があったため、
(直観で、『松山が出産してないなら、ヤグ=ルマが出産したんだ』と読む事も出来ましたが)
第一回、第二回と比べて難易度は大きく上がったと思います。
第四回のゲームはもう少し後になると思いますが、今回の難易度が難しかったようでしたら、
次回は少し箸休め的に簡単なゲームにしようかな? とも思っています。
なので、また感想を頂ければ幸いです。

参加して頂いた皆さまにおかれては、長時間にわたってゲームに参加頂き本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。

384 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 01:20:29 ID:???
乙なのです
難しかった、けど楽しかったです
もう選択肢ないじゃんってなって行き着いたのが、最初に否定された出産説の逆転とは……
最初否定されたときには、頭に思い浮かびすらしませんでした(汗)


385 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 01:32:19 ID:???
お疲れ様でした、いやーやられたやられた見事に欺かれた。でも非常に楽しかったです。
幻想描写見返すと赤ちゃんだから泣いてるのは当たり前か、とか色々考えさせられますね……
真相描写は見たいような見たくないような……ホラー映画を観てるような気分ですw

386 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 20:51:55 ID:???
出産説をはっと思い出して閃いたのにぎりぎりで出し負けました・・・ちょいとくやしい!

387 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/27(金) 00:28:26 ID:???
今日は描写をお休みします(汗)
>>384
乙ありがとうございます。楽しんで頂ければ幸いです。
松山出産説は比較的導きやすいかな?と思いつつ、
そこから逆転で矢車出産説に行かれないよう工夫しました。
(もしすぐに矢車出産説が出ていたら即リザインせずに、
 どうして矢車が松山より先に体育用具室に入れたのか、…という方向で粘ろうと思っていました。)
>>385
ありがとうございます。適度に悩みつつも答えが出てスッキリした、位が丁度良い塩梅かと思っています。
幻想描写は若干叙述トリック風味にしました。
(文中の「自分」及び台詞を言ってるのは、松山では無く全部ヤグ=ルマだったというオチです)
真相描写はちょっとエグい表現が入るかもしれません…
>>386
魔女のゲームは協力制です。誰かが正解の青に至るまでの道筋も、
他の誰かが築いてくれたものですから、答えが出た時点で本来は皆さんが褒められるべきだと思います。

388 :森崎名無しさん:2017/01/27(金) 12:30:42 ID:???
ちょっと見てない間に面白いスレがたってますな
しかしベアトに出産トリックを提示した時の全く効いてないと見せかける演技力には騙されたな

389 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:48:36 ID:???
大分間が空いてしまいましたが、真相描写を書いていきます。
>>388
ありがとうございます。新しい試みとして何かできないかと思い始めました。
ベアトの出産トリック外しは少し不親切でしたね…
生まれた順番が鍵だったのでリザインは出来なかったですが、もう少し上手い方法があったと思います。

※今回の真相描写ですが、暴行・惨殺描写が含まれております。
  露骨な表現は(多少は)避けていますが、苦手な方は無理して読まない方が良いかもしれません。

390 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:49:41 ID:???
**************************************
【とある少女の復讐】

オギャァ、オギャアァ……と、喉を枯らして泣く赤子の声。

暗い暗い空間に立ち尽くす私を苛立たせるのが、その泣き声だった。
私は堪らず、殺していた筈の情けない声を漏らしてしまう。

「あにきぃ……あにきぃ……助けてよぉ……」

上京した兄が助けてくれる筈もない。しかし、今の私には他に頼れる人はいないのだ。
性別を偽っていた事がバレたのをきっかけに、ふらの中のサッカー部員はこぞって自分を虐めるようになった。
陰湿な嫌がらせが始まった時は、彼らを全く疑っていなかった。
しかし、嫌がらせは少しずつエスカレートしていって、最初はかけがえの無い仲間だった筈の彼らは、
私を人気の少ない場所に誘い込んで、――とても口では言えない事を、私にやった。
それでも、まだ仲間を信じたいという想いが残っていて……。

「ねぇ、私。……誰かの、母親になるかもしれない」
「……はァ? ふざけんじゃねーぞ! そうしたら俺達、どうなるか……!」
「俺の父ちゃんは議員なんだ。父ちゃんに迷惑はかけたくねえ……だから降ろしてくれよ。な?」
「つーか、お前だって満更じゃなかったクセに……」
「そうだ……閉じ込めようぜ。俺達には関係ないからな。お前が勝手に産んで、お前が勝手に死なせるんだ……」
「いいなそれ! 普通ならバレるけど、あいつ孤児で、唯一の身寄りの兄貴は東京だからさ……!」
「……えっ?」

――そう考えている内に、私は閉じ込められた。
サッカーではそんじょそこらの男に負けない自信はあったけど、
単純な力勝負では、私は男に勝てなかった。


391 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:50:45 ID:???
「あにきぃ……痛いよぉ……」

彼らに殴られた時、押し倒された時、そしてここに追いやられた時。
色んな時に出来た傷が今も痛む。しかし一番痛いのは、「あれ」をこの世に放り出した時だった。

どうしてこんな痛いのだろうか?
……結局は自分が悪いのかもしれない。だけどそれ以上に、仲間に裏切られたという想いが、
仲間を信じていただけに強く、重く、私の心を蝕んでいたからだろう。

オギャァ、オギャアァ……。

暗闇に支配された体育用具室の中で、「あれ」は無力に泣き続ける事しかできなかった。
……いや、正確には「あれ」には名前があった。
と言っても、それは名前というより呪いに近かったのかもしれない。
なんせその名前は、とあるの部族の言葉で「不幸」を意味しているのだから。

「光を掴もうと思っても、……結局はこうなんだ。痛いしっぺ返しを食らうだけなんだ……」

私の内心は絶望に覆われていた。光を目指して前に進んでいた筈の自分の人生は、もう無い。
あるのはただただ辛い現実と、真っ暗闇の無間地獄だけだった。
だから――そこにもう、普通の人間と同じような良心だとか感情だとかは、残っていなかった。

……キャッキャッ。

「……笑って、いるの」


392 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:51:59 ID:???
気付けば、その子は笑っていた。口元を歪めて、泣き声以外の音を出そうとしていた。
……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。
そう。その子は――彼は、何も知らない。無垢な赤子に罪は無いのだ。
そして彼は決して、彼の父親と同じようにはなるとは限らない。彼には、無限の可能性が残されている。

「――何、笑ってんのよ……!」

……にも関わらず、私は、その無垢さが泣き声以上に腹立たしかった。
全てを失い、暗闇の狂気に囚われた私は、光を掴もうと笑うそいつが憎らしかった。

「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」

サッカーは楽しいが、男のスポーツだ。女はマネージャーとして男を支えるべきだ。
少なくともふらのの町では、その認識が絶対だった。
だからこそ、私は小さいときからずっとサッカーに夢中であるとともに――自分の性別を偽り続けて生きて来た。
「俺」の一人称は使い慣れているし、好きだ。使っていると、自分も強い男になれる気分になれるから。

…………。

私の表情に本能的な恐怖を覚えたのか、赤ん坊はもはや笑っていなかった。
しかし、私の怒りは、私の狂気は、私の憎しみは――もう止まらない。

「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」

女の癖に男のスポーツをして、男に勝って、でも結局は力に負けてしまう道化な私を笑うな。
お前もあいつらと同じ男だ。結局は私の事を笑うんだろ?そうに決まっている。
ふざけるな。何がママだ。何が母親の務めだ。何が母性だ。
世間一般で語られる赤子に対する印象など、今の私には無い。あるのはただ殺意だけだ。

393 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:53:56 ID:???
ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。

「あはっ! あはははははははははっ! 何よ! 弱すぎィ!
 あいつらも生まれて来た時にこんな風に潰したかった! 潰してやりたかったァ!!
 アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

そんな中、あの愚かな赤子――「不幸」を意味するマツ=ヤマと名付けられた忌み子の頭蓋を潰した時、
私は麻薬的な快感に包まれた。こんなに気持ちいいのなら、あいつを産んだ時すぐに首を捻っておくべきだった!
そんな後悔すら抱きながら、私は何度も、何度も、まだ柔らかい骨が千切れるまで踏みつぶし続けた。
暗闇に閉じ込められてからマツ=ヤマを一人で産んで以来、私は最高に満たされた時間を過ごした。

「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」

――にも関わらず、私は何故泣いているのだろうか。
それは残った理性か、我が子への愛情か。それとも命を奪った事への純粋な謝罪か。
どっちにしろ、私の感情の残滓こそがこの涙であり。
それから先の私は、単純に光を憎むだけの悪魔に過ぎないのだから。

「良いよなァ……お前は、どぉせ俺なんか……!」

どうせ私なんか、絶対に幸せになれない。
暗闇に閉ざされて、禁忌を犯して、そして罰せられるのがお似合いだ。
でも、どうせ罰せられるんだったら――俺だって、罰してやる。

394 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:54:59 ID:???
「おい、さっきの音は一体どうした――って」

「えっ……!? あ、あれは……」

バンという音と共に、まぶしい光が私の目を刺す。
体育用具室に私を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、
先程の騒ぎを聞いて、扉を開け放ったようだった。
――我が子すらも喜んで殺したような私が、最も悪逆な方法で私を穢した男達を許す筈がない。

「マブシインダヨ……オマエハ……!!」

ドンッ! ……ブウンッ、ガシイッ!

私は、二人を思いっきり弾き飛ばすと、近くにあった角材で彼らの頭を吹き飛ばした。
この細い身体のどこにこんな力があるのか分からなかった。
これこそまさに、悪魔が取り憑いたからなのだろうか。
しかしもはやどうでも良い。どうせ、私はこれから残りの奴らも殺すのだから。
我が子の父親かもしれず、私の夫かもしれない名もなき男達を。

「――夜具、瑠真(やぐ るま)……!」

……その決意を後押ししてくれたのは、皮肉にもあの時真っ先に私にのし掛かって来た小田だった。
彼は私の名前を呼んだだけなのだが――それが、私の過去を再認識させる。
――そう。そうだった。私もまた、望まれない子なんだった。
この辺りの部族で「悪魔」を意味する言葉。それが、……捨てられた私に付けられた名前だった。

395 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:58:29 ID:???

***

――ふらの中サッカー部は全員死亡。
警察はただちに容疑者とされる15歳の少女を逮捕したが、すぐに心神喪失と判定されて病院に送られた。
犯行前の彼女を知る者達は口を揃えて、「明るく、快活な性格だった」と語るのに対し、
病院での彼女は、常に自分自身を罰する為に鎖を巻き、「闇の底にはどんな声も聞こえない」と、心を閉ざし続けるのだった。

後日。面白がった新聞各社はこれを悪魔憑き――「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として、大体的に報じた。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

396 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:59:52 ID:???
…と、言ったところで一旦ここまでです。

397 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 23:44:36 ID:???
今日は更新をお休みします。

398 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/03(金) 00:04:24 ID:???
すみません、今日も更新をお休みします…

399 :森崎名無しさん:2017/03/05(日) 21:36:42 ID:???
おおっと、更新が来ていた
お疲れ様です、「からだ だいじに」でいきましょう

400 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:52:07 ID:???
〜???・魔女のサロン〜

ベアト「『ヤグ=ルマの正体とはふらの中の女子生徒。彼女はふらの中メンバーに体育用具室に閉じ込められ、
     そこで松山という名の男児を出産。しかしその直後殺害した』。
     ……これが、この出題における残酷なる真実よ」

森崎「フィクションとはいえ、胸糞の悪い話しやがって……やっぱり魔女は悪趣味だぜ」

ベアト「魔女に悪趣味は褒め言葉よ。……しかし、妾もちと意地が悪かったかもしれぬな。
    これは本来、そなたとの親睦の為のゲーム盤であったが、つい妙な方向に気合を入れ過ぎてしまったかもなぁ……」

勝負が終わった後、森崎はベアトが振る舞う最上級の紅茶と共に感想戦に興じていた。

森崎「『やって来た』の赤字は良いとしてもだな。やっぱ出産説を否定しといて、オチは出産説でしたーってのもズルいぜ。
    思いつきで解かせたくないってのは分かるけど、オーバーリアクションし過ぎだっての」

ベアト「や、やかましい! そなたはいつも悪いトコばかりをぐちぐちぐちぐちと……!
    そこについては妾だって反省しておるッ! 次のゲームでは改善する事を約束する」

森崎「次のゲーム、って言われてもなぁ。お前をぶっ倒すのは確かに超楽しいけどさ、
    そもそも俺、別に推理ゲームはそこまで好きってワケじゃねーし……。
    それよりサッカーしようぜ。お前と、ワルギリアって魔女と、他にも魔女の眷属とか居るだろ。
    そいつらをかき集めりゃ、11人位にはなるだろうしさ」

ベアト「妾は汗水を垂れ流す運動は好まぬ。サッカーをするよりも、サッカー中に起きた事件を、魔女幻想に満たして惑わす方が好きだ。
    ……まぁ、そなたが教えてくれるのなら、別に、やってもいいかなーなんて思わないでもないけど……」

401 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:54:05 ID:???
森崎「最後の方、聞こえなかったんだが」

ベアト「べ、べっつにー? 妾別に魔女だしサッカーになんて興味無いし」

森崎「ま、そうだろうな。じゃいいや」

ベアト「うぬぬ……! そなたはわざとやっておるのか?」

こうしてみると、ベアトリーチェは最初と比べると随分と柔和な、そして子供っぽい印象を抱かせる。
――もしかしたら、これが彼女の本来の姿なのかもしれない。
森崎は何故か苛立つ彼女の想いをどこまで汲んだのかは分からないが、
ミルクと砂糖をたっぷり入れた紅茶をぐいっと品なく飲み干すと。

森崎「……ま。人に迷惑をかけないってなら、たまに遊んでやるのもやぶさかじゃないけどな」

ベアト「…………」

……と、少しだけ照れた横顔を見せてそう言った。
ベアトはその表情を見て、少しだけ安心したような様子を見せると、

ベアト「――くひゃひゃひゃひゃ! 何はともあれ、森崎よ。
     一度ならず二度までも、よくぞこの妾を打ち破ったな!
     先の約束通り報酬はくれてやる。だがこれで増長するではないぞ。
     何故なら、魔女は執念深いとどの御伽噺でも決まっておる。
     今にそなたを屈服させうる、極上のゲーム盤を用意するからなァ!
     それまで首を洗って待ってろよ、森崎、いやモロサキァ!」

パァァァァァッ! シュウゥゥゥゥッ!

――最後に、これは初めて会った時と寸分たがわぬ最高に下品な笑い声を立てながら
これまで森崎がくつろいでいたサロンごと、黄金の霧に形を変え、どこかへと消えてしまうのだった。

402 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:55:16 ID:???

〜南葛市・商店街〜

森崎「……はっ!? ゆ、夢か!?」

気づくと森崎は再び、南葛市内のスポーツ用品店を目指す道中に戻っていた。
そこには黄金の蝶も、ゲーム盤も、あの小憎らしい魔女もどこにもいない。
幻想が入り込む余地など、この町のどこにはありはしなかった。

森崎「……いや、夢じゃねーか。残念ながら」

しかし、森崎の体験して来た幻想は真実だった。
彼の手には、小さく黄金の蝶の刺繍がなされた上質なキーパーグローブが握られている。
これは確かにベアトリーチェが、ゲームの前に報酬として提示した『魔女のマジックアイテム』だった。

森崎「だが、落ちてる物は都合良く利用するのが俺様だ。
    こいつはかなりの代物だからな。少々シャクだが、ありがたく使わせて貰うとしよう」

森崎はそう言いながら、入手したグローブを嵌めてみる。自分の手のサイズにピッタリだった。
勿論魔法の力でボールをセーブできるとは到底思えない、ただの高級なキーバーグローブではあったが。
しかし、それでも何だか温かみがあって、確かに自信が湧いて来るような気もした。

ベアト「……森崎ィ。大事にしろよ、そのグローブ。なんせそれは妾が手ずから選び、
     そして刺繍を施したものであるからな。妾の『魔法』、しっかりと受けるがいいぞォ……くっくくく!」

森崎「……あん? 今、アイツのクソ忌々しい声が聞こえたような……気のせいか」

ともあれ、森崎は先を行く。彼の覇道は魔女の介入程度で決して妨げられるものではないからだ。
……後に『キャプテン森崎』がその頭角を初めて世界に示した大舞台。
フランス国際ジュニアユース大会は、すぐそこまで迫っていた。

403 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:56:54 ID:???



    屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
         Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜


                         完

404 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 02:02:38 ID:???
気力があったので、こちらの方も更新しました。
エピソード4については構想はありますが、リアル事情も相まって安定更新が難しいので、
暫くはお休みorTIPSの更新のみになると思います。

前にも言いましたが、このスレは私だけでなく皆さんで共用したいので(その割にはep3更新せずすみません…)、
もし良ければ皆さんも魔女として、このスレにてゲームを出題して頂ければ嬉しいです。私も参加します。

>>399
ありがとうございます。身体を一番に、できる範囲で楽しんでいきたいと思いますので、
もし良ければ次のゲーム盤にも参加して頂ければ幸いです。

405 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:08:35 ID:???
こんばんは、自分が簡単なゲームを思いついたのと、
魔女さんのゲーム作成・出題促進を目的として、一つゲーム盤と連動したTIPSを作りました。
簡単に出題するので、読んで頂ければ幸いです。



406 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:10:43 ID:???
【TIPSB・魔女のゲームの作り方考察】
<実践編・魔女の絵本を読んでみよう>
〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「突然ですが、今日は森崎くんにあるゲームを解いてもらいます」

森崎「いや、突然すぎるだろ。せめて意図を説明しろよ」

ワルギリア「前置きは短く終えたかったのですが……。まあいいです、簡単に言うとですね。
        この魔女のゲームを、ここに居る皆さんに広めるため、
        一度「魔女ゲームの作り方」というのを考察してみようと思ったのですよ。
        そうしたら、出題者が出て>>1も嬉しい…もとい、
        魔女とウイッチハンターの戦いもよりレベルの高いものになり、有意義ですからね。
        ……で、折角作り方考察をするんでしたら、一度簡単なゲーム盤を解いて貰って。
        そのゲーム盤を通して、色々なポイントを解説できれば面白いかと思いまして」

森崎「そこまでして、出題者が出るかねぇ。余程の物好きじゃねえとやんねえだろ」

ワルギリア「……まあ、屁理屈推理合戦自体が今そこまで熱いとは言えないのは認めますが。
        それでも、各種SNSを見ていると様々な魔女がゲーム盤を作り遊ばせている姿も見えます。
        決して、作り方考察に需要が無い訳ではない、……と、信じていますよ。ええ、信じていますとも」

森崎「まあ、趣旨は分かったが。簡単なゲーム盤を通して……ねえ。ちゃんと準備はしてるんだろうな?」

ワルギリア「ええ。ええ。勿論ですとも。……これをご覧ください」

スッ……。

それだけ言うと、ワルギリアは魔法で亜空間から一冊の古びた絵本を取り出した。
豪奢な革張りの本には、金色の装丁でこう題字がなされている。

407 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:12:17 ID:???

<よいまじょのえほん ざんにょうロベルト と みずのまじょ>


森崎「……すまん。俺、帰っていいか」

題字の時点でこれまで数少なかったやる気がゼロとなった森崎だったが、

ベアト「うっひゃーー! 超懐かしいぜお師匠様ァ!」

クルリと後ろを向いた森崎を押し出すように、小うるさいベアトが絵本に食いついた。

ワルギリア「そういえば。ベアトが幼い頃は、寝る前によくこれを読み聞かせていましたね。
        ああ、あのころは素直で可愛かったのに、どうして今はこんな風になったのやら……」

森崎「いや、そんなタイトルの絵本を読み聞かせてる時点で、どう見てもお前の教育の成果だろ」

ベアト「まあまあ、そんな辛辣なツッコミに回るなよォ森崎ィ。今から妾とこの本読んでみようぜぇ。
    まだ20歳の赤ちゃんだった頃の妾がドハマリした傑作絵本だからさァ〜〜〜!!」

ワルギリア「今も1000歳の赤ちゃんみたいなものですけどね。……まあ、とにかくです。
        折角なので、この絵本を読んでみてくれませんか?
        ごくごく基礎ながら、魔女のゲームにおいて大事な要素が詰まってると思いますので。
        中身はともかく。教材としては、決して悪くない筈ですよ?」

森崎「中身についてはノーコメントかよ……まあわかったよ。そこまで言うなら一度解いてやろうじゃないか」

ワルギリア「そのフットワークの軽さ。流石は森崎くんです。では、読み聞かせてあげましょう。
      良い魔女の絵本、『残尿ロベルトと水の魔女』、はじまりはじまり……」


408 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:13:33 ID:???

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【よいまじょのえほん  ざんにょうロベルト と みずのまじょ】


むかしむかし、あるところに、ロベルトというひげづらのおっさんがいました。

ロベルトはサッカーがじょうずでしたが、ざんにょうのせいでいつもおしっこくさく、みんなからきらわれていました。



あるひ、ロベルトがひとりでたちションをしているときのことです。

ロベルトはざんにょうなので、ひつよういじょうにオチンチンをぷるぷるしていると、おしっこが、

とおりすがりのみずのまじょにひっかかってしまいました。



409 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:14:54 ID:???


「よくもこのわらわに おっさんとくゆうのあまいにおいがする きたないおしっこをひっかけおって!」

だいじなローブにおっさんのおしっこがついた、みずのまじょはおおいかり。

「そなたは わらわのみずのまほうでころす!」

そういうと、まじょはロベルトにたいして、みずのまほうをはなちました。


「うわーん まだどうていなのにしにたくないよー」

まじょのすご〜いまほうに、もちろんロベルトはおおあわて。

とくいのこうそくドリブルでまじょをふりきって、ロベルトはじぶんのおうちににげこみました。

だけどまじょはしゅうねんぶかい。このままではきっと、まじょはロベルトのおうちをつきとめ、ころしにやってきます。




410 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:16:03 ID:???


「そうだ! みずのまじょがはいってこないように おうちをがんじょうにふうさしよう!」

そんなとき、ロベルトはいいことをおもいつきました。

そうです。まじょがおいかけてきても、ロベルトのおうちにいれなければいいのです。

ぜんはいそげと、ロベルトはさっそくまじょがはいってこないよう、おうちのふうさをはじめました。



「まずは、おうちのドアとマドを とてもがんじょうにしよう。カギもかければあんしんだ!」

【ロベルトのおうちのドアとマドは、ないがいからのいっさいのでいりがふかのう】になりました。

「まじょは てっぽうみずのまほうで、おうちをこわすかもしれない。カベとかもじょうぶにしたら もっとあんしんだ!」

【ロベルトのおうちは、はかいふかのう】になりました。

「まじょは おうちにあるみずをあやつって ころすかもしれない。すいどうをこわしてしまえば もっともっとあんしんだ!」

【ロベルトのおうちでは、じゃぐちやいどみずなど、いっさいのすいどうせつびがしようふかのう】になりました。

あ、もちろん、【ロベルトがおうちにはいったとき、おうちにはいっさいのみずはありませんでした】。




411 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:17:36 ID:???

「ふー これであんしんだぜい! んじゃ TSU○AYAでかりてきたAVでもみながらねーようっと」

がんばって、がんばって。すべてのこうじをおえたロベルト。これでまじょがはいってくるよちはありませんね。

ほっとしたロベルトは、まじょからにげているときにかりてきた、えっちなビデオをみながらひとしごと。

しかし、です。



「くっくっく そのていどでわらわからにげたとおもっていたのか?」

まよなかのことでした。ひとしごとをおえ、いつのまにかねむっていたロベルトがめをさますと、

みずのまじょはふしぎなことに、ロベルトのおうちにしんにゅうしているではありませんか。



「ど どうしてまじょがオレのおうちのなかにいるのー!?」

「わらわのまほうがあれば このくらいよゆうだ! というわけでしね!!」

そして、みずのまじょは、まほうをつかってみずをよびだして、そのままロベルトにぶちまけました。

「うわーん! まだしにたくないよー がぼがぼがぼ・・・」



――こうして、【ロベルトは、じぶんのおうちで、おぼれしんでしまいました】。



412 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:19:00 ID:???


でも、ふしぎですよね。ロベルトはニンゲンとして、できるかぎりのたいさくをねったはずです。

だって、【ロベルトのおうちのドアとマドは、ないがいからのいっさいのでいりがふかのう】ですから、

まじょはロベルトのおうちにはいることはできません。

それに、【ロベルトのおうちは、はかいふかのう】ですから、

カベをこわしておうちにはいることもできません。


もちろん、がいぶからのえんかくそうさトラップXをりようして、ロベルトをできしさせたかもしれませんが、

【ロベルトがおうちにはいったとき、おうちにはいっさいのみずはありませんでした】けれども、

【ロベルトのおうちでは、じゃぐちやいどみずなど、いっさいのすいどうせつびがしようふかのう】なので、

みずをつかって、ロベルトをころすことはふかのうです。

 ※ちなみに、【ここでの「みず」は、ロベルトのたいえきをのぞくすいぶんいっさいをさす】ので、
  ふつうのみずいがいにも、おゆ、おちゃ、ジュース、ウイスキーるいも「みず」にふくむとします。




413 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:21:13 ID:???


でも、【ロベルトは、じぶんのおうちで、おぼれしんでしまいました】。

ふしぎですよね? まじょはぜったいにロベルトのおうちにはいれないし、そもそもおぼれしなせるための「みず」もなかったのに。

なのに、【ロベルトは、おぼれしんでいる】のです。


え? ロベルトがおうちにはいるまえに、もうまじょがひそんでいた?

いいえ、それはありません。【ロベルトのおうちには、ロベルトいがいのせいぶつXがはいってきたことはない】

のですから。もちろん、まじょはれいがいですけどね。


どうですか?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? まほうがじつざいしないと、ロベルトはころせませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ロベルトはみずのまほうでしんだにきまってますよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? みずのまじょはじつざいするとしか、いいようがありませんよね?




414 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:23:28 ID:???


ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?
ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?


415 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:25:39 ID:???



つーわけで、ニンゲンとトリックじゃ、説明不可能なんだっつーーーーの!!!!!!
何回も言わせてんじゃねーぞこのクソガキ共ぐわぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!
という訳でさっさとテメエラ無能どもはさっさと屈服して妾に跪けやゴラァァアアアァァァァアアアアッ!
屁理屈ゴネてる暇があるんだったら舐めたい靴の種類でも選んどけィェェェイィェェェェェッ!!!!!



―――くーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっっひゃ!!
あーーーーーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃふひゃぁッ!!!!!!!!!





++++++++++++++++++++++++++++++++++++


416 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:28:17 ID:???



ワルギリア「……と、いうところで出題編はおしまいです。森崎くん、準備は良いですか?」

森崎「準備は良いが……その前に、突っ込みどころが満載過ぎるんだが、この絵本」

ベアト「ぎゃーーーはっはっはは! マジうっけるーーー☆ ロベルトってあのツラで童貞なのかよ!!
    そうだそうだ、怖い夢を見てても、ここのくだりが傑作で笑ってるうちにグッスリ寝れてたんだよなァ!
    あー小さい頃の妾は純粋でピュアだったぬうぁぶひゃっひゃっひゃひゃひゃ!!」

ワルギリア「……もう。本当にその下品な笑いに高慢ちきな語り口は、一体どこから学んだんだか………」

森崎「どっからどーみてもこの絵本の影響だろ! 教育委員会はコイツをまず有害図書に指定すべきだろ、マジで!!」

ワルギリア「……と、前置きはこの程度にしておいて。
       この絵本――いえ、ゲーム盤においては、以下のような不可能状況が提示されています。
       【ロベルトが自宅に入った時、自宅には一切の水が存在しなかった】にも拘わらず、【ロベルトは自宅にて溺死した】。
       しかも、
       【ロベルトの自宅の扉と窓からは、内外への一切の出入りが不可能】であり、
       【ロベルトの自宅は破壊不可能】であり、
       【ロベルトの自宅では、一切の水道設備が使用不可】という状況にあったのです。
       加えて、
       【ロベルトの自宅には、ロベルト以外の生物Xの侵入は無い】、
       【本ゲーム盤における「水」とは、ロベルトの体液を除く水分一切を指す】など、
       細かい条件付けにおいても、あらゆる溺死の可能性を封じ込められています。

       これをもって、この絵本の魔女は、
       「ロベルトは魔女の水の魔法により溺死した。人間とトリックでロベルトの死を説明するのは不可能」
       と主張していますが。……果たして、本当にそうでしょうか。これを解き明かすのが、このゲーム盤の趣旨になります」

417 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:31:54 ID:???
ベアト「くひゃひゃひゃひゃ! 外からの守りは完璧! 自宅内にも死因となる水は存在しない!
    にも関わらず魔女に溺死させられたとなると、こりゃあいよいよ魔法を認めざるを得ないよなァ〜?
    どうするどうするモ・ロ・サ・キィ〜?
    絵本に書いてあるとおり、さっさと屈服して舐めたい靴の種類でも選んでろよォ〜????」

森崎「だーれが屈服するか! こんな子供だましのゲーム盤、簡単に解いてみせるぜ!」

ワルギリア「ほっほっほ。実に頼もしい。では、こんな感じでゲームを始めましょうか。
        あ……【ひらがなの赤字はあくまでフレーバー】ですから、ゲーム自体は普通の文章でいきますよ。
        その方が分かりやすいですからね」

ベアト「まあ、このゲーム盤自体超初歩的なレベルだがな!
    妾まで来ると、馬小屋で生まれた直後に七歩歩いた時点で、この謎のハラワタが分かってたしなァ〜!」

ワルギリア「堂々と宗教を絡めるのだけはやめなさい、ベアト。
       ……ですが、この謎のハラワタは、これまでのベアトのゲーム盤と比べてもとりわけ単純なのは事実。
       軽い気持ちで、推理をして頂ければ幸いです」

418 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:35:28 ID:3aLhvowY
Extra Game 1   魔女の絵本〜残尿ロベルトと水の魔女〜 第一の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>408-415)−
【ロベルトが自宅に入った時、自宅には一切の水が存在しなかった】にも拘わらず、【ロベルトは自宅にて溺死した】。しかも、
 ・【ロベルトの自宅の扉と窓からは、内外への一切の出入りが不可能】であり、
 ・【ロベルトの自宅は破壊不可能】であり、
 ・【ロベルトの自宅では、一切の水道設備が使用不可】であり、
 ・【ロベルトの自宅には、ロベルト以外の生物Xの侵入は無い】という状況であった。
  ※【本ゲーム盤における「水」とは、ロベルトの体液を除く水分一切を指す】

魔女側はこれを、「水の魔女が魔法で自宅に侵入し、水の魔法でロベルトを殺害した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。

419 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:38:16 ID:3aLhvowY
このゲームについてですが、突発的に始めたものですので、
時間を定めず、随時ゆっくりペースで復唱要求等に応じていきたいと思います。
(それでも、早い時間でリザイン手が出てくると思っています)

とりあえず今日は、およそ25時くらいまで対応できるかと思います。
突然のゲーム盤ですみませんが、気付いた人は参加して頂ければ幸いです。

420 :森崎名無しさん:2017/04/22(土) 23:45:08 ID:???
「ロベルトの家の屋根から水が入ってくることはない」
『大雨でロベルトの家が地盤沈下し、地面から水が湧き出し、ロベルトは溺死した』

421 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:56:32 ID:3aLhvowY
>>420
森崎「それじゃあ早速いくぜ!
   復唱要求、「ロベルトの家の屋根から水が入ってくることはない」!
   それと一緒に青き真実!『大雨でロベルトの家が地盤沈下し、地面から水が湧き出し、ロベルトは溺死した』!」

ワルギリア「それらに対しては、二つの赤で応じましょう。
        【ロベルトの自宅において、雨漏りは発生しなかった】、
        【ロベルトの自宅において、地面からの水の噴出は発生しなかった】」

ワルギリアは一切動揺する事なく、事務的に淡々と赤き真実を切り出していく。
そしてそれは、森崎の放った青き弾丸を日本刀の如く美しく両断した。

ベアト「くくくくっ……! 簡単なゲーム盤で勝負を挑んでいるとはいえ、流石はお師匠様よ。
    使い古されたなまくらであっても、まるで名刀の如く無駄なく優雅に振るいおる!」

森崎「ゲーム盤は簡単とは言っても、出題者の魔女が雑魚とは一言も言ってねえ、ってか。
    まあ、流石に一撃リザインがあったらこっちも興ざめだからな。丁度良いぜ」


☆ワルギリアに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

422 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 00:07:04 ID:???
「ロベルトの自宅は一つである」
「ロベルトの自宅に扉や窓以外の隠し通路は存在しない」

423 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 00:08:21 ID:???
「ロベルトが死亡するまでに月単位の時間は経過していない」
「ロベルトの家には扉と窓以外に出入りできる場所があった」
あ、自分はローファーでお願いします

424 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 00:36:08 ID:NzSFMfew
>>422-423
森崎「復唱要求!「ロベルトの自宅は一つである」、
    「ロベルトの自宅に扉や窓以外の隠し通路は存在しない」!
    それと、「ロベルトが死亡するまでに月単位の時間は経過していない」、
    「ロベルトの家には扉と窓以外に出入りできる場所があった」!」

ワルギリア「上3つ、復唱に応じます。
       【ロベルトの自宅は一つである】、
       【ロベルトの自宅には、扉や窓以外の隠し通路は存在しない】、
       【ロベルトが死亡するまでに、月単位の時間は経過していない】。
       最後の復唱要求には応じません。
       【ロベルトの自宅には、扉や窓以外の隠し通路は存在しない】、
       という、類似の赤が切られていますので」

森崎「ふん、涼し気な顔で応じやがって……!」

ベアト「だが、お師匠様もあれで、妾に負けず劣らず中々に意地の悪いお人よ。
    あの態度に騙されず、ひたすらに赤をすり抜ける、シンプルな青き真実を撃ち抜くが良い」

ワルギリア「そして、ふむ……>>423くんはローファーが好み、と」

ベアト「くくく! そなたも大方>>1のように、その辺を練り歩く女子校生やOLのローファーに欲情する類の輩なのであろう!
    あい分かった! そなたが屈服した暁にはローファーを舐めさせてやろうぞ!
    ……ロベルト(全裸)が着用中のローファーをなぁあぁああぁぁあァァぐひゃひゃはふぐひゃふひィ!!」


☆ワルギリアに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

425 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 00:43:53 ID:???
『ロベルトの自宅には巨大な冷凍庫があり、冷凍庫内部の氷が溶けてロベルトを溺死させた』
『ロベルトは魔女から逃げるときに大量の酒を持っており、その酒で溺死した』

426 :423:2017/04/23(日) 00:44:50 ID:???
ゆ゛る゛さ゛ん゛!!(血涙)
『ロベルトは自身の血液によって溺死した』

427 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 00:47:13 ID:???
「ロベルトは自身の尿によって溺死した」

428 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 00:52:37 ID:???
『ロベルトは自身の尿によって溺死した』

こっちでお願いします

429 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 00:57:49 ID:NzSFMfew
>>425
森崎「『ロベルトの自宅には巨大な冷凍庫があり、冷凍庫内部の氷が溶けてロベルトを溺死させた』
    『ロベルトは魔女から逃げるときに大量の酒を持っており、その酒で溺死した』!」

ワルギリア「これは既出の赤を活用して切りましょうか。
        【ロベルトが自宅に入った時、自宅には一切の水が存在しなかった】。
        そして、【本ゲーム盤における「水」とは、ロベルトの体液を除く水分一切を指す】。
        そのため、【氷や酒も包括して「水」とみなす】こととします。
        ……つまり、ロベルトが自宅に入った時には、冷凍庫の氷も酒も存在しなかった、と言えるため、
        その青き真実は両方とも、否定されることとなります」

森崎「くそっ……! 本当に簡単なのか、このゲーム盤!?」

ベアト「ああ、まあ……そうであるが。お師匠様も手を抜いてはおらぬからな。
    妾はこのゲーム盤の解法を知っておるが、上手く煙に巻いている印象だ。注意して臨むんだぞ?」


>>426-428
森崎「このヘンもハッキリさせておこうか。『ロベルトは自身の血液によって溺死した』!」

ワルギリア「――ええ、そこはこちらも同感です。【ロベルトは自身の体液によって溺死していない】!
        やや不自然にかける「水」の定義でしたが、これは単純にロベルトの自宅に持ち込まれる水分として、
        体液だけは否定できなかった為、こう書かせて頂いたものです。
        そして、>>428についても同時に否定できます。
        理由はもちろん、【ロベルトは自身の体液によって溺死していない】からです」

森崎「まあ、そんな単純な話じゃないってのは分かってたぜ。気にせず次、行くからな!」


☆ワルギリアに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

430 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 01:03:37 ID:???
「ロベルトが自宅に入ってから家の中に水が入ってくることはなかった」

431 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 01:06:45 ID:???
『ロベルトは結露により発生した水により溺死した』

432 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 01:10:36 ID:NzSFMfew
>>430-431

森崎「復唱要求!「ロベルトが自宅に入ってから家の中に水が入ってくることはなかった」。
    次に青き真実!『ロベルトは結露により発生した水により溺死した』!」

ワルギリア「復唱要求については拒否します。理由は特にありません。
       そして青き真実には当然ながら、対応します。【ロベルトの自宅において、結露は発生しなかった】。
       ……と、言ったところで。本日のゲームはここで一旦お開きとさせていただきます」

ベアト「次回の開催は恐らく、明日の夕方ごろになろうか。
    ニンゲンどもはそれまでに精々、魔女を黙らせる青き真実を練っているが良いぞ!」

森崎「チッ。一晩で仕留め損なったか。……まあ良いさ、次は絶対に勝ってやるからな」


☆ワルギリアに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※コメントへの回答は、明日の夕方以降となります

433 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 01:13:49 ID:???
『ロベルトの家には外付けの巨大な給水タンクがあり、魔女はそこからロベルトの家に大量の水を流し込んだ』

434 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 01:21:13 ID:???
『ロベルトが帰宅し扉を開けた瞬間なんらかの要因で大量の水が押し寄せロベルトは溺死した』

435 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 01:24:58 ID:???
−これまでの赤字−
〜ロベルトについて〜
【ロベルトは自宅にて溺死した】 
【ロベルトは自身の体液によって溺死していない】
【ロベルトが死亡するまでに、月単位の時間は経過していない】

〜ロベルトの自宅について〜
【ロベルトの自宅は一つである】
【ロベルトの自宅は破壊不可能】
【ロベルトが自宅に入った時、自宅には一切の水が存在しなかった】
【ロベルトの自宅の扉と窓からは、内外への一切の出入りが不可能】
【ロベルトの自宅では、一切の水道設備が使用不可能】
【ロベルトの自宅には、ロベルト以外の生物Xの侵入は無い】
【ロベルトの自宅において、雨漏りは発生しなかった】
【ロベルトの自宅において、地面からの水の噴出は発生しなかった】
【ロベルトの自宅において、結露は発生しなかった】
【ロベルトの自宅には、扉や窓以外の隠し通路は存在しない】

〜「水」の定義について〜
【本ゲーム盤における「水」とは、ロベルトの体液を除く水分一切を指す】
【氷や酒も包括して「水」とみなす】

436 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 02:51:10 ID:???
『ロベルトの自宅にはそもそも屋根がなく、上から大量の水がロベルトの自宅に流れ込み、ロベルトは溺死した』

437 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 09:27:31 ID:???
「ロベルトは健康体である」
「風呂に水は貼ってあった」
「トイレに水はあった」
『ロベルトは溺死と言っても理想を抱いて溺死した』


438 :437:2017/04/23(日) 09:31:51 ID:???
あ、一切の水はなかったのか
2つ目と3つ目はキャンセルでお願いします

一応溺死の定義でも確認しておくか
「溺死ということは肺に水が溜まって死んだことを表す」
「ロベルトが自宅に入る前に水分をとっていたかどうかは関係ない」

439 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 16:26:25 ID:???
ああ、ドアと窓がないならこれもあるか
『煙突、あるいは換気扇から大量の水が入れられてロベルトは溺死した』

440 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 17:22:06 ID:???
出先から戻ったので、書き始めようと思ったのですが…魔女は>>436の青でリザインを表明します!
描写についてはもう暫くお待ちください。

441 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 18:19:36 ID:???
うーむ、確かに屋根の無い家って妙にロベルトにしっくりくるな

442 :森崎名無しさん:2017/04/23(日) 18:29:18 ID:???
そんな家、やーねー

443 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 19:42:18 ID:???

森崎「第二の晩を始める前に、昨晩から今までに溜めて来た青をぶつけさせて貰おうか」

ワルギリア「ええ、ええ。当然構いませんとも。……さあ、来るのです」

>>433-434
森崎「青き真実! 『ロベルトの家には外付けの巨大な給水タンクがあり、魔女はそこからロベルトの家に大量の水を流し込んだ』
    『ロベルトが帰宅し扉を開けた瞬間なんらかの要因で大量の水が押し寄せロベルトは溺死した』」

ワルギリア「――【ロベルトの自宅には、外付けの給水タンクは存在しない】!
       そして後者は、【ロベルトが自宅に入った時、自宅には一切の水が存在しなかった】以上。
       その「なんらかの要因」は概ね何であるかを説明できなければ、それを仮説として認める事はできません。
       ……ああ。『ロベルトが帰宅し扉を開けた瞬間、魔女の水の魔法により大量の水が押し寄せロベルトは溺死した』
       と、言うのであれば、私は一向に構いませんが。
       これに敢えて赤を付するならば――【ロベルトの自宅には、大量の水を発生させる装置Xは存在しない】と、なるでしょうか」

森崎「謎の核心部分については、説明不要の装置Xでの逃げは許さねえ……ってか」

ワルギリア「そうですね。この場合、魔女の正体は ザガロ だろうと 琴音 だろうと誰でも構わないのですが。
       やはり、『水も水道設備も無い密室において、どうして被害者は溺死したのか?』と、言う問いかけをしている以上、
       『密室から”なんらかの要因”で水が発生し溺死した』と、いう答えは不完全であると私は考えます」



444 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 19:44:22 ID:???
>>437-438
森崎「復唱要求! 「ロベルトは健康体である」! 「溺死ということは肺に水が溜まって死んだことを表す」!
    「ロベルトが自宅に入る前に水分をとっていたかどうかは関係ない」!
    更に、青き真実! 『ロベルトは溺死と言っても理想を抱いて溺死した』。
    そう、つまりロベルトの溺死とは比喩的表現で、実際の死因は別だったんだ!」

ワルギリア「ほっほっほ……これはまた、何とも詩的な青を持ってきましたね。
        ですが、これは復唱要求に応ずる事で否定しましょう。
        【ロベルトは健康体である】、
        【溺死ということは肺に水が溜まって死んだことを表す】、
        【ロベルトが自宅に入る前に水分をとっていたかどうかは関係ない】。
        ……理想を抱いて溺死するのは、どこぞの日焼けした○ロウくんだけで充分です」

森崎「くそっ……定義の確認自体は悪手ではないにせよ。今回は違ったみたいだな」

>>439
森崎「これはどうだ……?『煙突、あるいは換気扇から大量の水が入れられてロベルトは溺死した』!」

ワルギリア「【ロベルトの自宅には、煙突および換気扇は存在しない】」

ドーーンッ!
  ――シャキーンッ、ズバァァッ!

幾度目かの森崎の青き真実は、ワルギリアの細く鋭い一閃にて飛散する。
彼女はベアトリーチェのように派手で豪奢な赤を操らないが、その代わりに、一つひとつが鋭く、洗練されている。
千年以上を生きた有限の魔女に相応しい老獪な赤に、森崎は苦戦していた。

445 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 19:45:22 ID:???
>>436
森崎「いや……こういう時こそ、これまでの赤字を見直すんだ。
    そして、その隙間を掻い潜る青も、きっとあるはずなんだ……!!」

森崎は諦めず、これまでに出された赤き真実を確認し。
果たして……ゲーム開始当初の赤で、不自然な物を発見した。

森崎「……【ロベルトの自宅において、雨漏りは発生しなかった】。
    これって確か、「ロベルトの家の屋根から水が入ってくることはない」っていう復唱要求の代わりに出されたんだっけか。
    当時は気にも留めなかったが。なんで、こんな風に言い直したんだ?」

正確には赤そのものというよりも、この赤が出された経緯が不自然だった。
単純に屋根から水が入って来る事は無い、と。そう復唱すれば良いだけだったのに、
ワルギリアはもう一つの青への回答と合わせた形で、「雨漏りは発生しなかった」、と状況を限定してきた。
本来ならば理由を突き詰めるべき所であったが、彼女のポーカーフェイスを前に有耶無耶となってしまったのである。

ワルギリア「ほっほっほ……どうやら、気付かれてしまいましたか。私の、些細な抵抗の正体に」

森崎「……ああ。あれは、魔女の駆け引きだったってワケだな。
    理由なき復唱拒否で、疑いを屋根に向けさせるのではなく。
    敢えて雨漏りの赤を犠牲にする事で、結果として人間側の目を眩ませた。
    ――自軍の駒を犠牲に、敵側の布陣を崩して大局的な利を得る。チェスで言う所のサクリファイス。
    それをお前はやってみせたんだ」

ワルギリア「良きゲームとは、良きゲーム盤のみによっては齎されない。
        悪辣なる魔女の指し手と、それを覆す人間の執念と。……そして、両者を繋ぐ「愛」こそが重要。
        そういう事です。――さあ、森崎くん。
        そこまで解っているのなら、ひと思いに、このゲームのハラワタを引きずり出してはくれませんか?」

446 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 19:47:43 ID:???
森崎「分かってるぜ。……つまり、真実はこうだ。
    ロベルトはどうやら無い知恵を働かせて、必死にドアに窓の閉鎖や、水道設備の遮断。
    そして自宅外壁の強化をやって、魔女から逃げおおせようとした。
    ……しかし、ロベルトは。……あのクソヒゲ凡庸残尿頻尿全裸サンバグラサンおじさんは、
    ある大事な一点について、全く何の対策も――いや。対策どころかむしろオープンにしてしまっていた。
    あいつの作戦には、文字通りの巨大な穴があったってワケさ」

森崎の周囲に青き力が満ちる。それは赤く燃え上がる魔法に満ちた絵本を包み込まんとする程に膨張し――。

森崎「青き真実。『ロベルトの自宅にはそもそも屋根がなく、上から大量の水がロベルトの自宅に流れ込み、ロベルトは溺死した』」

カッ! ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!

ワルギリア「……お見事です、森崎くん」

青き真実は一点の光に収束すると、そのまま絵本を貫いて、大きな穴を作り出した。
それは、人間とトリックでは説明できないと断言した、悪趣味な絵本の魔女の敗北を意味していた。

447 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 19:51:10 ID:???


有限の魔女ワルギリア卿は、
>>436さまの提出した青き真実に対し、リザイン(投了)を表明しました。
よって、このゲームは人間側の勝利となります。お疲れ様でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――

……と、言ったところで一旦ここまでにします。
>>441
普通ならあり得ないんですが「ロベルトならやりかねん」と、皆も納得してくれるかなぁ…と期待してましたw
>>442
これは山羊の皆さんの食料確定ですね…(うみねこ並感)

448 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/25(火) 00:11:43 ID:???
**************************************
【よいまじょのえほん ざんにょうロベルト と みずのまじょ 〜さいごのページ〜】


なぜロベルトはおぼれてしんでしまったのか、ですって?

うふふ、それはとってもかんたんです。なぜなら、ロベルトはぼんようなので、きづかなかったのですが。

「おまえのいえはなぜかやねがなかったからな こんなん まじょじゃなくてもはいれるぞ」

「あーーーっ! そうかあ! わすれてたあ!!」

そうです。ロベルトのおうちには、やねといいますか、てんじょうがなかったのです。

ぜんらがだいすきなロベルトは、じぶんのおうちもぜんらっぽいのがすきだからと、

ぎょうせいとゆちゃくしている、ゼネコンぎょうしゃにたのんで、やねとてんじょうをはずしてもらっていたのです。




449 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/25(火) 00:14:14 ID:???
「とほほのほ。あーあ、しんでしまってかなしいなあ」

しかし、ふくすいぼんにかえらず。ロベルトはじごくで、おんなのくさったふうなやつみたく、まいにちめめしくないていました。

ですがあるひのことです。まいにちないてるロベルトをキモイとおもったえんまさまが、

ロベルトを、じごくからこのよにいきかえらせてしまったのです。


「もとはといえばざんにょうのせいで オレはまじょにころされたんだったなあ」

いきかえったロベルトは、ここでようやくじぶんのざんにょうが、すべてのげんきょうだときづきました。

そこで、ひにょうきかにいって、おいしゃさんにざんにょうをなおしてもらいました。


するとどうでしょう。もともとサッカーがうまかったロベルトは、ざんにょうとくゆうのおしっこくささがなくなって、だいにんき。

つまとあいじんとセフレをてにいれ、ねんぽういちおくえんプレーヤーとして、ブラジルサッカーかいにかがやくのでしたとさ。

めでたし、めでたし。




よいまじょのみんなも、おしっこがでにくくなったら、すぐにひにょうきかにかかろうね。

でないと、ロベルトみたく、わるいまじょにころされてしまうかもしれませんよ。





450 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/25(火) 00:16:09 ID:???




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


         よいまじょのえほん ざんにょうロベルト と みずのまじょ

                  
                      お し ま い


                さく・え プブリウス・ワルギリア・マロ



**************************************

451 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/25(火) 00:17:20 ID:???
…書き溜めておいた文を投下して、今日はここまでにします。
次回以降はいよいよ理論編に入っていこうと思います。

452 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/26(水) 00:36:25 ID:???
<理論編・魔女の絵本から学ぶゲーム盤の作り方>
(0)はじめに

ワルギリア「……さて。そんなわけで」

森崎「いや、どんなわけだよ。よくもあんなクソみたいな絵本作りやがって……。
   大体、下ネタナンセンスはお前の原作的にもおかしいだろ、お前、そんな奴じゃなかったって」

ワルギリア「そうですね。ですが考えてもみてください。あの絵本を作ったのは、本当は私ではないのかもしれない。
        『たまたま私の本名をペンネームにしていた、 大空奈津子 くんの書いた絵本だった』可能性だって、
       赤で否定されない限りはあり得るのですよ?」

森崎「ああそうだな。ずけずけとそんな大ホラ吹けるあたりは、充分とあんたらしいや。
    ……で、やるんだろ。魔女のゲームの作り方講義」

ワルギリア「ええ、もちろんですとも。とはいえ、>>1が物語を記述する時間の兼ね合いもありますから。
        本日はほんの序文のみを紹介します。

        ……あ。これからの講義の内容ですが、勿論原作及び二次創作においても定義されたものではない、
        完全に>>1の我流オリジナル理論を紹介するものです。また、この理論を満たさないゲーム盤は駄作、
        という烙印を押す為に考えたものではありません。講義という体ではありますが、実際は見習い魔女の>>1が、
        ゲーム盤に関して、徒然と思う事を書きなぐっているだけだと思って頂ければ幸いです。

        そんなんじゃダメだ!……という方はごめんなさい。次から、講義を初めていきます」


453 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/26(水) 00:50:48 ID:???
(1)ゲーム盤を作り彩る3大元素、「謎」「戦術」そして「愛」

森崎「まあ、話の都合上、さっきの絵本とゲーム盤を作ったのはお前と断定した上で話を進めるんだが。
    ――あのゲーム盤を作るにあたって重要な事って何だったんだ? 作る立場の意見を聞かせてくれないか」

ワルギリア「ええ、いいでしょう。これは私……というか>>1の場合はなんですがメタ的な発言はこれまでにしておいて。
       ゲーム盤を作り、運営し、結実させるためには大きく分けて三つの要素が大事だと考えています。
       すなわち、「謎」「戦術」そして……「愛」です」

森崎「えらく抽象的な表現だな。勿論、一つ一つ紹介してくれるんだろうな?」

ワルギリア「勿論です。では……さっきから絵本のストーリーに感動して泣いてるベアト。
        それぞれのおおよその意味を、私に代わって説明してみなさい」

ベアト「うええええええん! ロベルトが地獄から蘇っちゃたよおおおッ!
    折角皆が頑張って封印したのに、ひどすぎるよぉぉぉぉおおおおおおぉぉんっ!」

森崎「お前いたのか。……ていうか、そんなストーリーじゃなかっただろ、あの絵本」

ベアト「ふん。妾が童心に帰り無邪気で素直な気持ちになれていたところを邪魔しおって!
    そしてお師匠様ァ。そんな簡単な事を妾に聞かれても困るぜぇオイ。
    ――うむ。たまには妾が自ら答えてみせよう。

    ひとつ。「謎」とはすなわちミステリー。ゲーム盤に与えられた「不可能状況」の構築の巧拙を指し。
    ふたつ。「戦術」とはストラテジー。相手の指し手に応じ、如何に巧妙なる赤を振りまくかの巧拙を指し。
    みっつめは。……えーっと、どんなだったかなァ。妾、忘れちまったよォ」

ワルギリア「はあ。予想通りの答えでしたね。ですが……一つ目と二つ目はまさしくその通りです」

森崎「不可能状況の構築、そして、赤の出し方が大事ってか。……まあ、感覚的に分からんでもないな」

454 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/26(水) 00:52:04 ID:???
ワルギリア「ええ。……けだし、屁理屈推理合戦とは、単なる一方通行のミステリークイズではありません。
        魔女は魅力的な幻想を生み出し、人間はその裏に隠れた驚くべき真実を見抜く。
        魔女と人間の双方間の駆け引きと作戦。アクロバティックな暴論が成り立つ、スポーツ的な躍動感。
        それを楽しむことこそが、このゲームの真理と考えます」

森崎「だから、「謎」と「戦術」って訳か。……「愛」が何故必要なのかは俺もイマイチわからんが、そこまでは分かった」

ワルギリア「それは何よりですね。……まあ確かに、「愛」が無くとも、洗練された「謎」と卓越した「戦術」さえあれば、
        その魔女は瞬く間に喝采を浴び、やがてはそのゲーム盤一つ一つが魔女の殿堂に保管されることになるでしょう。
        それだけ、「謎」と「戦術」はゲームの基礎として大事である事は間違いありません」

ベアト「今回の絵本のゲーム盤で言うと、「謎」とは、ロベルトの溺死の謎。
     そして「戦術」とは、お師匠様の赤の出し方やポーカーフェイスにあったな」

森崎「さっきのゲーム。「謎」は今にして思うと単純だが、「戦術」の方に引っ張られてミスリードしちまった所は……。
    悔しいが、認めざるを得んな」

ワルギリア「ほっほっほ。褒めても鯖しか出ませんよ。……ですが、折角そうした流れになりましたし。
        次は「謎」と「戦術」そして「愛」についても、各論的に考えや具体論を述べてみるとしましょうか」


455 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/26(水) 00:53:26 ID:???
…と、いったところで今日はここまでです。

456 :森崎名無しさん:2017/04/26(水) 01:23:33 ID:???
愛に関しては原作作者のせいで叩かれる要素にしか聞こえなくなってしまったの悲しいなぁ

457 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:31:50 ID:???
(2)「謎」・・・魔女のゲームで「叙述トリック」は欠かせない

ワルギリア「さて。それでは魔女のゲームを構成するにあたり重要な第一の元素。
        「謎」に関する各論的な講座に入っていきましょう」

ベアト「さっき妾が言ったとおり、この「謎」とはすなわち、魔女から人間への不可能状況の提示!
     もっと言おうか、「謎」とはすなわち、如何にして上手く不可能殺人のトリックを生み出し、
     それを如何にも不可能そうに提示するかであるッ!」

森崎「不可能殺人のトリックと、その提示か。魔女のゲーム盤で言う所の、
    『ニンゲンとトリックでは説明できませんよね?』ってヤツだな」

ワルギリア「その通りです。魔女のゲーム盤における魔女側の目標は、迷宮入りの事件を作る事ではない。
       そうではなく、如何にして、「こんな不思議な事態は、人間とトリックでは説明できない! 魔法しかありえない!」
       ……と、思わせるかになります」

ベアト「ならば妾がとっておきの赤を出そうぞ! 【ロベルトは魔法で殺された】【魔法は実在する】!
     ――こうすれば誰がどうあがこうと、人間とトリックでは説明できんぞ!
     しかも魔法は実在すると絶対の真実で書かれた以上、もはやニンゲンは屈服不可避だ!!」

ワルギリア「――ですが、だからと言って今のベアトのような発言を、魔女は行う事はできません。
       何故なら……少なくとも、普通の屁理屈推理合戦においては。結局のところ、魔法は実在しないからです。
       あ、ステイルメイト云々の話は後々しますので、お詳しい人もご心配なく」

森崎「まあ、ぶっちゃけるとそうだろうな。色々考えさせといて結局「魔法は実在します」オチは、普通ならあり得んだろ」

ワルギリア「そう。悲しい事に、真実の世界では魔法は実在しない。ですが、現実に不可能状況が存在している。
        ……では、魔法が実在しない中で、如何にしてこの不可能状況が発生したのか?
        その隙間を魔法の代わりに埋めるのが、「謎」という概念になります」


458 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:32:56 ID:???
ベアト「『ロベルトは水の無い、閉鎖された空間で溺死した』。……これは、さっきの絵本で提示された不可能状況であるな。
    これを単純に、『水の魔女が魔法で殺した』……と、言えれば言いのだが。
    一なる真実は、『空間は、実は閉鎖されていなかった』……である。
    ――で、この真実を如何にも魔法っぽく見せる為に、魔女側は『閉鎖された空間”らしさ”』を演出する必要があったという事よ」

森崎「で、その”らしさ”を演出する為の手段ってのが、家は破壊不可能だとか、屋内には水は一切なかっただとかの赤き真実。
    それと、その赤き真実を強調して、いかにも人間じゃ再現不可能だって煽り立てる幻想描写。この二つだったって訳か」

ワルギリア「ええ。そしてそれこそが、魔女のゲーム盤に挑むニンゲン達の前に横たわる「謎」ということになります」

ベアト「……んで、お師匠様ァ」

ワルギリア「……貴女がそのような甘えた声を出すのは、大抵が碌な場面ではありませんでしたね」

ベアト「うぐっ。ま、まあよいではないか。……それよりだな。妾、そういう理論的な話はもう飽きちゃったからさァ。
    具体的にどうしたら面白い「謎」が出来るのか、そろそろ教えてくれないかなーって……」

ワルギリア「…………」

ベアト「そ、そんな風に細めた目を更に細めなくってもいいじゃんかよぉ!
     なんだよお師匠様、そんなに面白い謎を安売りするのが勿体無いってかァ〜?」

森崎「へっ、怒られてやんの。大体魔女のゲームだってサッカーと同じだろ。
    きちんとしたセオリーってのは存在しない。毎日毎日、血のにじむような努力を重ねれば、
    やがて進むべき道も開けてくるって……」


ワルギリア「――いえ。面白い、と断言できるかはともかく。
        全ての魔女のゲームに通底して守るべき、「謎」の作り方のセオリーならば考えられます」


459 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:34:47 ID:???

森崎「ま、マジかよ……」

ベアト「うっひょ〜〜! さっすがお師匠様ァ! で、さっさと教えてくれよォ」

ワルギリア「森崎くんはともかく、ベアトは何度も教えたでしょうに……。
       まあいいでしょう。ズバリ、魔女のゲームにおいて魔女側が作るべき謎とは一つ。『叙述トリック』です」

森崎「じょ……じょじゅちゅトリック……?」

ベアト「ダサッ! 噛んでやがるぜふひゃっひゃひゃひゃァ!」

森崎「う、うるせーやい!」

ワルギリア「……コホン。定義を軽く説明しますと、『叙述トリック』とは、端的に言って物語の登場人物ではなく、
        物語を俯瞰する「読者」を騙す為のトリックです。
        具体的には、物語の登場人物にとっては周知の事実である事(年齢、名前、場所等)を敢えて隠蔽し、
        物語のクライマックスでその事実を明かす事で、読者を驚かせるという手法ですね。
        古典小説ではアガサ・クリスティが超有名な長編を書いていますし、日本の本格ミステリーでは、綾辻行人や、
        我孫子武丸などが、それぞれ有名な小説を書いています。
        タイトルまで挙げてしまうと、その時点でネタバレですから言いませんが」

ベアト「詳しくは、『叙述ミステリー 作品』で検索検索ゥ、であるな!」

森崎「ふーん。そういや考えてみれば俺もサッカーばかりで、本なんて全然読まねえからな……。
    今度、中山にでもお勧めを教えてもらうか」

ワルギリア「……で、本題ですが。叙述トリックの特徴として言いました、
        『物語の登場人物にとっては周知の事実である事象(年齢、名前、場所等)を敢えて隠蔽し、
         クライマックスでその事実を明かす』。
        ……これって、魔女のゲーム盤における「謎」の出し方と似てませんか?」


460 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:35:49 ID:???
森崎「……確かに。魔女の絵本とかはまさにコレじゃねーか。作中のロベルトにとって、
    ロベルトの家の天井が無い事は丸わかりだ。だが、俺達読者には、それは明かされていない。
    いやむしろ、幻想描写や赤き真実を使って巧妙にミスリードしてやがる。
    ……そうか。これが「謎」のキモだって訳だな」

ベアト「魔女の絵本にしても、【ロベルトの天井はオープンだった】という赤を早々に出して、
     『では、魔女はどのようなトリックで遠隔地のロベルトを溺死させた?』という「謎」を、
    中心に持って行く事だってできた。しかし、普通はそんな事はしない。何故だかわかるか?
    ――答えは超簡単。それだと単純に、「面白くない」からよ!!」

ワルギリア「……ベアトの言い方には語弊がありますが。まあ、大枠は間違っていません。
        そうです。所謂、通常のミステリーの文脈で使われるトリック
        ――装置類を組み合わせて作る物理トリックや、電車の接続や乗り継ぎを利用する時刻表トリック等を指します――は。
        正直に言って、魔女のゲーム盤における、主たる「謎」とするには向いていません。
        そしてそれは私の好みではなく、明確な理由があります。

        ひとつ。騙す主体が物語の登場人物となる以上、どうしても派手なトリックを構築しづらい。
        物語の舞台そもそもをひっくり返す事に主眼を置いた叙述トリックに対し、
        通常のトリックは、舞台に立つ役者の目を欺く為のもの。
        舞台の大枠をひっくり返せない以上、どうしても真相が地味なものになりがちです。

        ふたつ。通常のトリックを配置するには、多くの描写が必要となります。
        たとえば、氷が溶けると紐が切れて仕掛けが作動するトラップを考えたとします。
        普通の推理小説であれば、氷の溶けた跡とか紐が切れた跡とか、
        仕掛けの基盤となり得る構造物とかの可能性が事前に文中に提示されるので問題ありませんが、
        事実の多くが、【赤き真実】の中でのみしか記述されない魔女のゲームにおいて、
        この類の謎を主題とされると……夥しい数の赤が出されるか。あるいは、乏しすぎる赤の中で、
        不毛な言い当て合戦になってしまうかのいずれでしょう。
        一方、叙述トリックならば、こうした描写を示す必要はありません。
        なぜなら、解くべき真実については、「敢えて描写しなければ良い」だけなのですから。
        事実を一から十まで書く必要のある通常のトリックと、事実を敢えて書かない事で成立する叙述トリック。
        書くべき事実が、赤き真実によって縛られる魔女のゲームにおいて、どっちの相性が良いかは一目瞭然です」

461 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:38:02 ID:???

森崎「確かに。物理トリックや薬物トリックを使おうとすると、色んな前提条件やら予備知識やらが必要になりそうだが、
    叙述トリックだったら、毒の知識やら物理法則やらを知らなくても作れそうな気がするな……。
    騙す為のアイデアが見つかったら、後はそれを言わないだけでトリック成立だからな」

ベアト「と、言ったところで。ここで誤解の無いよう、今のうちに補足しておくが。
     ――妾達は決して、通常のトリックを地味だとか叙述トリックに劣るとかは言っておらぬし、
     叙述トリックを誰でも作れる稚拙なものであるとも言っておらぬぞ!

     ここでは単純に、そもそも悪魔の証明による説明不要のXがまかり通る魔女のゲーム盤と、
     緻密な説明を要する通常のトリックとの相性は悪く。
     そして、推理小説以上に読み手側の情報が制限される魔女のゲーム盤と、
     情報を敢えて伝えない事で成り立つ叙述トリックとの相性が良いであろう、としか言っておらぬ!

     饗宴の場によって取るべき振る舞いが変わると同じく。
     一つの「謎」についても、披露する場によって、好まれるか否かが大きく異なるという事だ!」

ワルギリア「勿論その通りです。それに、魔女のゲームにおいても、通常のミステリー小説めいたトリックが役立つ時もあります。
        例えば本丸となる謎を前に、クイズじみた謎解きがあっても小洒落ていますし、本丸の謎の格も高まる。
        それと、大規模なゲーム盤の合間を縫った余興としても、物理トリックや時刻表トリックは好まれるでしょう」

森崎「長くなっちまったが。「謎」の主題は、事実を敢えて説明せずに隠蔽する叙述トリックがお勧め……って事だな。
    ああ、それは分かった。分かったが……でも、叙述トリックまみれってバレたら、このゲーム、一気につまらなくならないか?
    だって、叙述トリックは大きく舞台をひっくり返せるって言ってたけどよ。
    それって逆に、大きなものしかひっくり返さないとも言えそうっつーか。……ぶっちゃけ、ネタ切れるの早いんじゃねえか?」

ワルギリア「……そこについては、図星かもしれません。しかし同時に、ともすれば被りネタでマンネリ化しつつある
        魔女のゲーム盤において、ただ魅力的な「謎」を置いただけでは不十分。
        そのゲーム盤を支配する魔女がニンゲンと対峙する際に振るう、「戦術」もまた重要となる事が、
        なんとなく分かるのではないですか?」

ベアト「というワケで、次からは「戦術」について考察していくぞぉ」

462 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/28(金) 00:46:28 ID:???
屁理屈推理合戦の謎の核心は物理トリックじゃなくて叙述トリックにした方が面白いと思います。
……と、言ったところで一旦ここまでです。
>>456
私的にはうみねこは神ゲーなので、「愛」にまつわるテーマも重要だと思っています。
原作者の発言もそう言いたくなる気持ちは分かるんですが、それでも擁護できない部分はあるかもですね。
ただ、もしも原作者嫌い(やネットの批判)だけが理由でうみねこを食わず嫌いしてる人は、是非一度プレーしてみてほしいです。
原作者が何を言おうとも、その作品に込められたテーマは決して色褪せないと思います。

463 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/25(金) 00:49:07 ID:???
ワルギリア「……と、思いましたがやっぱりやめました」

ベアト「……って、なにィ!?」

森崎「なんだよ。引っ張るだけ引っ張っておいて、ネタ切れかァ?
    千年を生きた魔女サマとやらも、案外大したことないんだな」

ワルギリア「やめろォ?! ……なんて情けない叫び声はあげませんよ。
        勿論、お叱りの言葉は謙虚にお聞きしたいとは思っていますが。
        ……ともかく、やはり魔女のトリック講座は一旦打ち切って、また次回以降にしたいと思います」

ベアト「えー。でも気になるんだけどよォー。せめて何で打ち切るか位は説明してくれよなァー?」

ワルギリア「理由と言いましても、本当につまらないものですよ?
        >>1が別スレのイタリア編を書きあぐねている間に、イタリア繋がりでゲーム盤を一つ、
        思い浮かんだとかそんなような……げふんげふん。……とにかく、そんなような理由です」

森崎「ったく、思った以上にいい加減な理由だったぜ。……で、それだけ色々投げうってやるからには、
    さぞかし面白いゲーム盤なんだろうな?」

ベアト「くっくっく。ゲーム盤と言ったら妾も放ってはおけぬなァ!」

ワルギリア「そうですね。参加者さんがどれだけ居るかも把握する必要がありますし。
        タイトルだけは先に提示しておきましょうか。
        ――タイトルは、『Catenaccio of the golden witch〜黄金の魔女の閂〜』。
        カティナチオと評されるイタリアサッカーの如く、堅牢な密室を用意しましたよ。
        ……と、>>1は言っているようです」

森崎「そうかい。……ま、俺としては堅牢()にならない事を祈ってるぜ」

ベアト「くっひひひひひ! その言葉はマシな推理を構築してからのたまう事たな!
    てなわけで、シーユーアゲイン。ハバナイスデイ、ってな!」        〜TIPSB 了〜

464 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/25(金) 00:57:02 ID:wkpgoQ/+
突然ですが、別スレのネタを考えてる内に紆余曲折あって、ゲーム盤のネタを思いつきました(汗)
そのため、もし現時点〜明日の夜までに参加希望者が1名でも居た場合、
久しぶりに屁理屈推理合戦をやりたいと思っています。
(実際にゲームをするのは、土日になる予定です。リアル事情等で遅れる場合は、早めに連絡します)

なので、もしも参加希望者が居りましたらこのスレに書き込みをしてください。(agesageは問いません)
本筋の方を更新しないままですみませんが、参加して頂ければ大変嬉しいです。

ゲーム盤のタイトルは『Catenaccio of the golden witch〜黄金の魔女の閂〜』。
本スレイタリア編を下敷きに(?)、魔女によるカティナチオな密室をお送りする予定です。

465 :森崎名無しさん:2017/08/25(金) 08:05:26 ID:???
参加させていただきます

466 :森崎名無しさん:2017/08/25(金) 19:58:50 ID:???
私も参加させて頂きます

467 :森崎名無しさん:2017/08/25(金) 21:53:08 ID:???
拙者も参加させていただこう

468 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:17:20 ID:nPx5i6AA
>>465さん、>>466さん、>>467さん、参加表明ありがとうございます。
沢山の参加希望があり大変嬉しいです。
今回のゲーム盤は複雑かつ描写が多いので、明日の開始に先立って文章の投下だけ、
先に初めてしまおうと思います。





469 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:18:33 ID:nPx5i6AA
   屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
     Episode 4  Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜


おはようございます。

黄金の魔女は久々のゲームを楽しみにしておられます。
一人でも多くの客人を丁重にもてなしたいと仰っております。

もてなしの内容は勿論、極上の意地悪と極上の屁理屈。
魔女は何時でも、ニンゲンを陥れる為には知恵を惜しみません。

難易度は姑息にして陰湿。
皆様、魔女の善意には何卒ご注意下さいますよう、僭越ながら私からも忠言申し上げます。


470 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:20:32 ID:nPx5i6AA
〜イタリア・市場〜

「……………」

女が独り、佇んでいた。

「……どうして、ストラット」

彼女の手には、つい先ほど雑貨屋で購入したアイスピック状の杭が握られていた。
捩れた海蛇を象った装飾をしたそれは、さしずめ中世の呪術に用いられた魔道具にも見えるが、
柄には「MADE IN USA」の文字が小さく彫られている。
彼女は、呪いをするために態々これを買った訳ではないのだ。
しかし、オン・ザ・ロックでブランデーを呑むために購入した訳でも無かった。
それを示すかのように、美しいロングの金髪に隠れたその表情は――暗く歪んでいる。

「どうして、他の女なんかと一緒に会話なんてしてたの……?
 どうして、他の女なんかが吐きだした空気を吸っているの……?
 どうして、他の女なんかが存在した場所に存在しているの……? もう許せない……」

彼女の心は強い深い嫉妬に苛まれていた。きっかけはふとした事であったとしても、
その闇はもう、どうしようも無いまでに彼女を蝕んでいたのだ。

「……くすくすくす」

――そして、『魔女』と言えば、人間の心が生んだ闇につけ入る事が世の常だった。
普段来る事の無い雑貨屋に入り、普段使う筈の無い道具を買い、
そして往来にて悩んだように佇む彼女を、黒き魔女は決して見逃さない。

「やるって決めといて、それで立ちすくんで、ウジウジしちゃうなんて。
 ……ばっかみたい。ヘソでも噛んで、死んじゃえばぁ……?」

471 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:22:37 ID:nPx5i6AA
夜の帳のような紫のドレスを身に纏い、腰には子供っぽく可愛らしいリボン。
レースに大きな薔薇の花飾りのついた帽子を被る、まるで御伽噺に出て来るお姫様のような姿をした
愛らしい魔女は、醜く唇を歪めながら、今宵の贄を見定めていた。

「――まぁ。お試しは、あの子で良いかしらね」

果たして、――黒き魔女は黄金の蝶を一羽、天へと放った。
それは濃密な魔力の籠った鱗粉を振りまきながら、項垂れる少女が手に持つ道具を照らすと。

フワァァッ、パァァァァァッ。ギュイーーーン……。

「この力は……!?」

嫉妬に駆られた少女は、魔女の薫陶を受け、新たなる魔女へと変貌する。
……反魔法の毒素に満ち満ちた、雑踏を通り過ぎるニンゲン共には、
この大いなる変身の意味など決して解りはしない。

「フ……ウフフ……! これなら、殺せる。殺して、愛せる。私は今日、真実の愛を知ったのよ……!!
 待っててねストラット。今から貴方を愛しに行くから……。
 ウフフフフッ、ウフフフフフフフフフフフブブブフヒィィィィイイヤァァァァヤアァァッ!!」

――だが、周囲の理解など得られずとも、今の彼女には関係が無かった。
そもそも、いずれ老いさばらえ朽ち果てる肉の檻から解放された彼女にとって。
原始的かつ野蛮な肉欲を捨て去り、真実の愛を知るに至った彼女にとって。
もはや、下等なニンゲンが勝手に創り出した倫理や世界等はどうでも良い。今の彼女にあるのは、果てぬ愛と憎悪のみ。

「くすくすくす……さ。後はお手並み拝見ってトコかしらぁ。
 新しい魔女と、先代様の古くさぁい『家具』と。……二つが合わされば、そこそこの退屈凌ぎにはなるでしょうし。
 ったく、あのクソババアめ。こんなに楽しい世界、あんたなんかに独り占めなんて、させないんだから……ッ」

その様子を見届けて、黒き魔女は黄金の蝶に姿を変えて消え果てる。
後に遺されたのは愛憎の魔女と、その魔力に呼応して緑色に輝く、悪魔の杭のみだった……。

472 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:23:43 ID:nPx5i6AA
***


〜イタリア北部・山奥〜

ブロロロロ……

バスが軽快な音を立てて、先が見えない山道を走る中、
やがて背の高い尖塔が全日本ジュニアユース代表一同の視界に入った。

森崎「へぇ。あれがイタリアの合宿施設か」

早田「けったいな形してるなァ。あれがボンジョルノの趣味か?」

次藤「物の本によると、古代エトルリア人が作ったオーパーツ的施設らしいタイ。
    なんでも、宇宙人との邂逅を目指したとか、バベルの塔に対抗して作ってみたとか。
    ……むむむっ! これはヤバいタイ。来年、イタリアに恐怖の大王が……」

佐野「次藤さん、多分それ観光ガイドじゃなくてムーとか、それ系の雑誌です」

森崎は仲の良い早田や、国内合宿中に日向との一件で絆を深めた次藤達と、バス内での談笑を楽しんでいる。
修学旅行のようにも見える彼らの穏やかな会話を、代表選手らしからぬ気の緩みと謗る者はいない。
というのも、今回の遠征先への旅程は、明らかに長い旅路だったからだ。


473 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:25:06 ID:nPx5i6AA
松山「Jr.ユース大会を前に、ハンブルグとの練習試合で5−4の勝利を挙げた俺達だったけど、
    それでヨーロッパ中のサッカー協会が警戒しちゃって、どことも練習試合を組ませて貰えなかった。
    その中で漸く、イタリアJr.ユースとだけは『合同合宿』という形で遠征が出来たのは喜ぶべき、なんだろうけど……」

石崎「くーっ、それにしても合宿会場が遠すぎだぜ!? 俺達今、何時間くらい山登りしてんだ?」

説明口調の松山が言う通り、彼らの目的地はイタリアJr.ユース代表との合同合宿会場だった。
イタリアとスイス国境を隔てるアルプス山脈、その中でも最高峰とされるモンテ・ローザの中腹に位置する
その施設への所要時間は、空港から車でおよそ38時間。その間ずっと、彼らはバス生活を強いられていたのだ。

反町「(日本サッカー協会が金欠で、国際サッカー界での発言力が乏しいからって、幾ら何でも舐められ過ぎだろ……)」

日向「喉が渇いたな。オイタケシ、コーラ持って来い」

沢田「はい! 今本社に頼んでコンコルドを手配しました!」

若島津「(モンテ・ローザの奥地にはイエティが棲むという。手合わせしたい物だ)」

とはいえ、彼らの表情は決して暗くはない。それは現状を愚痴っても仕方ないという、
彼らの前向きな気質が現れたとも言え。……あるいは、日本代表という重圧を離れて、
普通の中学生のように友人との旅を楽しむ事が出来る喜びもあったのかもしれない。


474 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:26:12 ID:nPx5i6AA
ブロロロロ……キキッ。

見上「……着いたぞ。ご苦労であった」

……やがて、彼らが到着したのは森崎が尖塔を目撃してから6時間後の事だった。
バスは古びた城塞のような施設の前で止まり、代表選手達を降ろしていく。

滝「ホテル・プルガトリオか。……ダンテもこんな場所で『神曲』を書いたのかな」

井沢「山の中にある煉獄(プルガトリオ)だからな。となると、次に出て来るのはベアトリーチェか?」

森崎「!? ベ、ベアトリーチェだと!?」

来生「……? 森崎、何ベアトリーチェに過剰反応してるんだ?」

森崎「う、うるせぇ。黙ってろ!」

……中世のイタリア人作家のダンテは、『神曲』という有名な叙事詩の中で、
『ベアトリーチェ』という名の女性を登場させている。
永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを迎える彼女は、
やがて彼女の導きによって天界へと昇天する、……という話だったろうか。

森崎「ったく。昔の奴はベアトリーチェを理想化し過ぎだぜ。
    あんなの、エログロナンセンス好きの、ロクでもねえ魔女なだけじゃねぇか……」

勿論、森崎の知人であるベアトリーチェは、ダンテの作品の登場人物とは何の関わりもないが、
森崎はそうこっそり悪態を突きたくなる。……しかし一方で、彼は鞄の中のキーパーグローブを撫でつけてもいた。
黄金の蝶の刺繍がなされた、魔女・ベアトリーチェからの贈り物は確かに上質だったし、
森崎は奇跡的にもシュナイダー相手に1失点に留め、チームを勝利に導く事が出来たのだ。
もっとも、「魔女のお蔭じゃねえ。俺の実力だ」と、森崎はそう言って憚らなかったが。

森崎「(流石にJr.ユース合宿までは付き纏ってこなくて助かったぜ。ま、お土産位は買ってやってもいいかな)」

475 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:28:50 ID:nPx5i6AA
すみません、日本語的に気になった部分を修正します。
誤:永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを迎える彼女は、
  やがて彼女の導きによって天界へと昇天する、……という話だったろうか。
      ↓
正:永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを天界へと導いた
  ……という話だったろうか。

476 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:30:09 ID:nPx5i6AA

森崎が古めかしいホテルの看板と、滝達の何気ない会話に想いを馳せていると――。

和夫「ウキャッ、キャッキャッ!(うわっ、すげー!)」

政夫「キャキッ、キキウキッ!(なんだこれ!?)」

……立花兄弟が興奮のあまりの猿語で騒ぎ始めた。
一体何事かと思って、森崎や周囲の仲間が双子の方へと向かうと、そこには巨大な像が鎮座していた。

山森「これは……大きな、鳥の像ですか?」

新田「こいつだけ、ボロホテルの外装と比べて綺麗だな……」

山森と新田は物珍しげに、双子が驚いた像に触れている。森崎が興味本位で覗き込むと、
それは大きな鷲の彫像だった。斧の付いた木の束を掴み、翼を大きく広げたそれは、この山奥のホテルにおいて、
誰とも知れずその雄々しさを示していた。

三杉「ファスケス……翼を広げた鷲の像、か」

翼「何か意味があるのかい?」

三杉「多分、サロ共和国との繋がりかな。木の束と、それを掴んで翼を広げた鷲は、彼らの国旗だったし」

若林「……となると、この施設は戦中に建てられたのか?」

山奥の果てにある、中世古城のようなホテル。そこに佇む鷲の像。
何もかもが御伽噺のような断絶された世界に戸惑う、日本代表の少年達に声を掛けたのは。


477 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:36:22 ID:???

ストラット「……いや、違う。建物自体はずっと昔のものだ。
      それを、サロ共和国――イタリア王国を追われたムッソリーニの建てた臨時政権が、
      ここを軍事施設や実験施設として転用していたらしい」

森崎「お前は……?」

ストラット「名乗るならば、まずはそっちの方だろう、ジャッポネーゼ。
       ……とでも言ってやりたいが。まあ良いか、俺の名はチェザーレ・ストラット。
       今日からの合同合宿には、イタリア代表として参加させて貰うぜ」

声を掛けたのは、ストラットと名乗る。
……強がりながらも、どこか暗い表情をした、イタリア人の少年だった。

森崎「……………」

そして、この少年に対して森崎が覚えた印象は、敵意とか好意とか。
そうした尋常かつ分かりやすい感情では決してなかった。
……魔女との戦いを通して、魔法への適性を知れずの内に深めていた森崎だけは、
彼を単なるアンニュイな印象の少年という風には評価しなかった。

森崎「(こいつ。……生きているのに、死んでいるような。いや違う。
     ……こいつは、きっと殺される。それもただ殺されるだけじゃない。
     陰残かつ、むごたらしく、惨めに殺されるような。そんな気がする……!)」

――森崎は察知した。ストラットという少年は、近い内に必ず、死ぬ。
否、殺される。……きっと恐らくは、魔女の手によって。

478 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:40:51 ID:???
今回の敵は愛憎の魔女ミアータ、被害者はストラット!
……と、言ったところで一旦ここまでです。
前置きが長くなりましたが、事件自体はシンプルで登場人物も少ないです。

また、今更ですが当ゲーム盤では「うみねこ」原作の明示または暗示の要素・ネタバレを含みます。
「うみねこ」原作を知らずとも楽しめるようにしたいと思っていますが、もしネタバレが嫌ですとか、
原作要素が多すぎてついていけない等ご意見ありましたら、極力は反映させたいです。

今の所、予定通り明日の夜にはゲーム盤に入れるかと思っています。
それでは、また明日宜しくお願いいたします。



479 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:36:16 ID:???
〜ホテル・プルガトリオ ロビー〜

支配人「遥々と日本からよくお越しくださいました。
     私は支配人のカスティリオーニでございます」

漆黒のタキシードを身に纏った老人は、見上を先頭にした全日本Jr.ユースメンバーを恭しく出迎えた。
見上はその老人の恭順さには目もくれず、要件だけを伝える。

見上「……イタリアJr.ユースメンバーはもう着いていますか?
    玄関口に一人散歩しているのを見かけた。出来れば、挨拶をしておきたいのですが」

支配人「かしこまりました。今、会議室を借りてミーティングをしているとの事ですので、
     只今私の方からお呼びつけいたします」

見上「分かりました。……お前達、少しの間自由行動だ。ただし、ここを離れるんじゃないぞ」

そう言うと、老練の支配人は音もたてずにロビーを離れ、薄暗がりの廊下へと消えていった。

来生「えー!? 俺達、こんな所に泊まるのかよ。シャワーってあるの? カラオケは? wi-fiは!?」

滝「おい、失礼だぞ来生! あとwi-fiってなんだよ。今は1980年代だぞ……」

支配人の姿が見えなくなると、空気の読めない来生は早速不平不満を言い始める。
癒し系常識人タイプな滝は慌ててそれを押し留めるが、皆も語らないだけで、概ね来生と同意見だった。


480 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:37:25 ID:???
……ホテル・プルガトリオは本当にダンテの時代からあったかと見紛う程に古い。
観光地などで良くある古民家や古寺を利用した民宿等は、その実現代的な電気設備等が整っている事が多いが、
少なくとも森崎達が視る限り、灯りは全て蝋燭だし、テレビも、ラジオも何も見当たらない。

三杉「僕達が考古学者だったら、今頃狂喜乱舞していただろうけどね。
    ……サッカー選手の合宿先としては、およそ最悪の部類かもしれないな」

松山「もうちょっと言葉を選べよ! ……って言葉がすぐに出て来ない自分自身が情けないよ」

古城を改装して作られたらしいが、前の改装は果たしていつの事なのだろうか。
それこそ、古代ローマ帝国期の城をルネサンス期に改装されて以来、そのままなのかもしれない。

森崎「『城は現代的に改装されている。ただし、その現代とは14世紀時点の事を指す!』
    ……って暴論がまかり通っちゃ、ゲームならともかく現実なら投石ものだぜ」

森崎もまた、どこかの悪趣味好きの魔女が好きそうな空間に放り込まれた事に辟易していた。
現実逃避紛いの屁理屈を一つ捏ね上げながら、しかし、と考えを巡らせる。
……いくらハンブルグに勝ったとはいえ、俺達全日本Jr.ユースが国際社会から舐められ、
あるいは不自然に警戒されているのは事実だ。
だが、だからと言って、そんな俺達をこんな辺鄙な場所に閉じ込めたりするだろうか?
いや、更に言うと、さっき挨拶だけしたストラットが居る通り、今回はあくまで、イタリアJr.ユースとの合同合宿という体なのだ。
即ち、こんな辺鄙な場所に閉じ込められたのは、俺達だけじゃない。
……国内中から期待を背負った、イタリアJr.ユースのメンバーもまた、俺達と同じ憂き目に遭っているのだ。


481 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:38:32 ID:???

森崎「一体何故だ? そもそも、他の海外が断る中で俺達との合同合宿を呑んだイタリアJr.ユースにも、
   何らかの事情があるのか? ……っと。これは何だ? 扉に……デカイ閂……?」

そんな中、森崎は自分達が入って来た入口とは真向かいに、大きな扉があるのを見つける。
城門のように大きな木製の扉には、来る者を必ず拒まんとする意思を表す、巨大な閂がかかっていた。

支配人「これは、中庭への通路口でございます。中庭には離れの祠がございまして、
     そこに通じる唯一の道となっております。
     ロビーと中庭を隔てるこの扉は、聞くところによると14世紀に造られたとか」

森崎「って、うわっ!?」

その疑問に答えたのは、先ほど闇に消えた筈の支配人だった。彼はいつの間にか仕事を済ませて戻り、
一人思念に入る森崎に声を掛けたのだった。

支配人「今からイタリアJr.ユースメンバーとの顔合わせ会を行うようです。他の皆さんはもう行かれましたよ?」

森崎「……げ。マジか」

森崎が少しロビーを見回り思案に暮れているうちに、一同は薄情にも森崎より先に居なくなっていた。
森崎は支配人の案内を受けて、慌ててホテルのうす暗い廊下を走りだす。
……その刹那、少しだけ、見る。不気味なまでな堅牢さを演出する、あの巨大な閂を。

森崎「まるで、冥府の門みたいだぜ……」

あらゆる生者を寄せ付けぬ、その門が開かれる時。その時こそ、誰かが死ぬ。
森崎はそんな幻想的な錯覚を抱いていた。


482 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:40:13 ID:???
〜ホテル・プルガトリオ 会議室〜

森崎「キャプテンでゴールキーパーの森崎有三です。今回の合宿では、イタリアのカティナチオが本物なのか、
    それとも守る事しか能の無い馬鹿の勘違いなのかを見極められればと思っています」

見上「(こいつは……! まあ、イタリアサッカーを凌辱するだの言い出すような、最悪の想定は免れたか)」

見上が胃を抑えるのを尻目に、無難から最もかけ離れた自己紹介をやってのけた森崎は、
不敵にイタリアJr.ユースの面々を一瞥した。

ランピオン「……なんだ、こいつ」

ジェンティーレ「…………チッ」

ヘルナンデス「……へぇ」

森崎「(デキそうな奴らは多分……今、明らかにイラっとした態度を見せたこの3人だな。
     それにしても、さっきのストラットってのはいないのか。アイツも中々の腕前だと思ったんだが。
     ……もしかして、手に余る問題児でチームから孤立しているのか?
     とりあえず、この辺りは後で中里の巻物で能力値を確認しておくか)」

挑発の合間にも、森崎は戦力分析を怠らない。
……本気で、イタリアサッカーが攻撃の出来ない雑魚集団であると、森崎が思っている訳がなかった。
森崎は周囲には尊大な態度を見せつつも、内心では周囲の溢れる才能と実力に絶望し、
それでも諦めず努力を重ね、絶対の奇跡を手にし続けて来た、そんな人間なのだ。
故に彼はどこまでも傲慢で、どこまでも謙虚。
二つの矛盾する姿勢を両立こそが、森崎有三という人間の本質だった。

483 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:41:47 ID:???
ジェンティーレ「だったら、早速後で試してみようぜ。お前達の蹴鞠と、俺達のカルチョ。
          どっちが本物で、どっちが馬鹿の勘違いなのかをな?」

森崎「(このジェンティーレって奴は直情型で、大分プライドも高いみたいだな。
    ……こういうヤツ向けの挑発セリフ、また考えとこうっと)」

ランピオン「よせよジェンティーレ。……やるなら、お前達だけじゃない。全員でだ」

森崎「(ランピオンも優等生ぶってるが、本性の短気な性格が隠せてねぇ。
     こういう中途半端な奴が、後々大事な大試合で一発レッドでも食らって退場するんだよな)」

ヘルナンデス「面白いスピーチを有難う。後でまた聞かせてくれ。……できれば、こうした公的な場以外でな」

森崎「(で、こいつがキャプテンのジノ・ヘルナンデスか……。実力はジェンティーレに劣りそうだが、
     その分キャプテンシーとメンタルに優れているタイプだな。ちょっとだけ厄介そうだ)」

見上「(挨拶の時点で情報戦は始まっている、か。
    やりたい事は分かるが、どうしてお前はそう、我々を安心させてくれないんだ……)」

冷や汗を隠しきれない見上が見守る中、森崎は早速に新たな難敵への対処法を考察している。
しかし状況判断力としては見上の方が正確で、プライドを傷つけられたアズーリの戦士達は、
早速極東からの来客の実力を判断し、……そして必要無ければ嘲り笑い切り捨てようと考え始めていた。

ジェンティーレ「さあ、早速実戦練習とでも行こうじゃないか? ホテルの横には広い平地があるから、
          ここで試合をする事も出来なくはない。あれだけのビッグマウスに相応しい実力を見せてくれよ?」

早速ジェンティーレが、穏健派のヘルナンデスの指示も聞かずに森崎に喧嘩を買いに行った、その時だった。

――カッ! ドオオオオオオオオオオオオオオンッ!
 ……ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ…………!

辺りが光り、そして風が吹き始めた。

484 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:42:54 ID:???
支配人「失礼いたします。……どうやら、突然の吹雪に見舞われたようです。
     恐らくはこれより明日の朝まで、下界の街へ戻る事は出来なくなりそうです」

神出鬼没の支配人がノックして報告せずとも、辛うじてガラス張りだった窓を見れば、一目瞭然だった。
このホテルはロの字型に造られており、客室や会議室はロの字の内側に面している。
よって、森崎達は既に会議室の窓からロの字の内側――即ち、ホテルの中庭を見ていたのだが。

ビュオオオオオオオ……ッ! ゴオオオオオオ……ッ!

翼「……雪、だね。それも、猛烈な猛吹雪だ」

若林「確かここは、モンテ・ローザの標高3800メートル地点に立っているんだったか。
    富士山の頂上よりも高い場所にあれば、夏場でも吹雪があってもおかしくない……」

早田「って、いやいや! なんでやねん!? 俺達一応、サッカーの合宿に来てたんだろ!?
    一体どの世界に、こんな山奥の山荘でサッカー合宿をするバカが居るんだよ……!?」

松山「なんだと!? 早田お前、俺が2年の時に企画したふらの中サッカー部冬合宿をバカにする気か!?
    網走の強烈な地吹雪にも負けずに走り続けた、俺だけじゃない、小田や加藤も……皆の想いまで、
    お前は否定するって言うのかよ!?」

――謎な激昂をする松山を邪険に扱いながら、森崎もひょいと窓から中庭を見ると、
その一面はすでに銀色に覆われていた。これを見て、森崎はますます疑念を募らせる。

485 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:46:11 ID:???
森崎「おかしいぜ……」

次藤「まっこと、おかし過ぎるタイ。イタリア人は皆、松山みたいな奴らばっかりなのタイ?
    そんな訳あるまい。ワシらが巻き込まれた理由はさて置いて、ヤツらはなぜ不平も言わんタイ?」

そして、森崎の疑念に真っ先について来たのは、その体躯に見合わず理知的な次藤だった。

森崎「ああ。見上さんに聞いたが、イタリアJr.ユースの連中が来たのは今日の午前。
    ――つまり、俺達の到着とさして時間的な差はない。にも拘わらず、あいつらは不平も言わず、
    むしろ雪が降っても好都合と言わんばかりに無反応だ。
    さっきまで、俺達との練習試合まで申し出て来たような奴らが、だぜ?
    要するに、あいつ等は、自らこんなクソみたいな場所で合宿する事を望んでいるんだ。……どういう訳か、な」

次藤「他にもずっと不思議に思っちょる事がある。玄関口で遭ったストラットタイ。
    ワシは最初てっきり、ヤツは問題児で勝手に行動していると思っとったが、
    ……誰しもヤツについて、何も語りたがろうとせん。まるで、最初からここに居ないかのように……タイ」

お前はタイを語尾に付けないと死んでしまうのか、というツッコミは避けつつ、
森崎は再び思索に暮れていた。古めかしい雪の山荘。不自然なイタリアJr.ユース。
そして、玄関口で顔を合わせたきり、吹雪が吹いても戻らぬイタリア人の少年・ストラット。
謎を孕んだサッカー合宿は、やがて……『魔女』の手に完全に堕ちる。


愛憎の魔女ミアータ・ベアトリーチェ「ウフフ……みぃつけた、ストラット」


雪の降りしきるホテルの中庭。小学校の校庭程の広さを持つその中に、ポツリと佇む『離れの祠』。
その祠の小さな丸屋根の辺りで、金色の蝶が一匹、フワリと舞った。

486 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:48:01 ID:???
……と、言ったところで一旦ここまでです。
ゲームの開始時刻ですが、もう少し更新して、本日の午後22時00分頃を予定しています。
(可能であれば、前倒しで開催したいです。)

487 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:52:47 ID:???
すみません、ちょっと遅くなりそうですが、ゲームを初めていきます。
まずは前提となる幻想描写と、その前置きの展開を投下していきます。
(文章を読みたくない人は、幻想描写だけ見て頂ければ結構です)

488 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:54:26 ID:???
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
【愛が無ければ死ねない】

ストラット「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!!」

ストラットはひたすらに逃げ出していた。
雪の積もった山奥を、遭難の危険すら厭わずに。

パァァァァッ……!

彼が逃げているのは、黄金の蝶の大群からだった。
それらの群体は一つの意思を持っているかのように彼を追いかけ続け、
そしてたった今、追い詰めようとしていた。

ストラット「くそっ。やはりホテルに戻るしか……」

一方で、これ以上の逃走には限界があった。逃げ場も無ければ体力もない。
想像以上の追尾性能を誇る蝶達を前に、彼は逃走場所を再検討する必要があった。

タタタタタッ……ガチャッ、バターンッ!

支配人「ど、どうされましたか!?」

ストラット「『閂の扉』を開けてくれ。そして――『離れの祠』の鍵をくれ!」

支配人「状況は察せませぬが、分かりました。今すぐお開けしましょう」

蝶を振り切り、滑り込むようにホテルのロビーへとたどり着いたストラット。
その只ならぬ様子に気圧された支配人は、彼の要求を呑んで、
急いでロビーの向こう側にある大きな閂の扉へと向かう。
支配人が呪文を唱えると、数百年は使われていないであろう閂はギイ、と重厚な大きな音を立て。
――そして、中庭に向かう扉は開け放たれる。

489 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:55:56 ID:???
支配人「さあ、急いでください!」

ストラット「ああ、感謝する!」

ダッ!

暫く前に、雪はもう止んでいた。ストラットは新雪の積もった中庭を一直線に走り、
中庭の中央に佇む『離れの祠』へと向かう。
黄金の蝶のうち、幾つかは閂の扉の抗魔力に阻まれているようだったが、
その一部は屋根を越えて空からストラットを追い続ける。

ストラット「……くそっ、間に合え。うおおおおおおおぉぉぉぉぉぁあぉぉぉぉぉっ!」

バァァァァァッ!

それから得意なオーバーヘッドキックの要領で、祠のドアに向かって飛び込んで。
蝶々がストラットに死の魔法をかけるよりも早く、ドアを開き、部屋に入り、
そして、……ドアを閉めて鍵を掛ける!

ガチャァァァァァァアッ!!

ストラット「はぁ、はぁ……よし。逃げられたァァァアアッ!」

――『離れの祠』は、中世時代の修道士の瞑想場所として用いられていたらしい。
狭い場所で精神を集中し、神への交信を深めるには、この場所は打ってつけだったとか。
だがしかし今となっては、使用する者も殆ど居らず、雪かき用の梯子やシャベル位しか置かれていない。
そしてストラットは視認する。密室には、誰もいないと。

490 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:57:27 ID:???
ストラット「……とにかく、これでもう安心な筈だ」

内側の施錠がしっかりとなされている事を確認しながら、改めてこの密室の強固さを振り返る。

自分の居る『離れの祠』に至るには、ロビーにある『閂の扉』を潜り抜け、
足跡の残る中庭を進み、祠そのものに施された施錠を破る必要がある。

しかし、『閂の扉』にかかっている閂は非常に強固であり、破壊する事は不可能。
奇跡的に扉を破壊出来たとしても、人間は足跡を残さずには中庭を通れぬし、
もし足跡が残れば、それは重大な証拠となる。
それらの困難を潜り抜けて、祠の前まで辿り着く事が出来ても……ダメなのだ。

ストラット「この祠の鍵は、今俺が持っている一つだけ。そして、事前に忍び込むにしても、
      この部屋には、隠れられるようなクローゼットやベッドの類は存在しない。
      そして何より、今、この部屋には『アイツ』はいない。……俺は、助かったんだ!」

本人による内側からの施錠。そして鍵はその内側にある。
事前に密室内の家具類に隠れている可能性もない。
シンプルながらも最強の密室構築を、ストラットは完成させる事ができた。
これならば、魔女の魔法が入り込める余地などどこにも―――



ミアータ「無いと思ったぁ? ウフフ……ストラットったらお馬鹿さん」

ストラット「!?!?!?!?!?!?!?!?」




491 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:58:46 ID:???
――いや、いた。魔女は既に忍び込んでいた。
金色の鱗粉に姿を変え、扉の隙間から、壁の外側から、地下から、天井から、平行空間から!
魔女の魔法に、ニンゲン風情が考えた密室如きが通用するはずもない。
緑色の体表で体よく草葉に擬態したと思い込んでいる芋虫を、人間が見つける事の如何に容易い事か。
ストラットの必死の努力は、魔女にとっては芋虫の体表程度の欺きにしかならないのだ。

ストラット「ま、待てミアータ! 俺が、俺が悪かった。許してくれ!」

ミアータ「うん、許してるわ。私、貴方の事だったら全てを許そうと思っているもの♪
      クビになっても、犯罪をしても、浮気をしても、私を裏切っても。
      どんな事をしたって許してあげるわ。だって、私は貴方を愛しているもの」

ストラット「じゃ、じゃあ……頼む。殺さないで……殺さないでくれ!」

同世代のエースストライカーとして、夥しい数のゴールを挙げた彼は今や、
魔女の前では哀れなる乞食も同然だった。しかし、彼に落ち度がある訳ではない。むしろその逆。
彼はあまりに、魔女に愛されていた。それが故に、彼は今こうして、全てを失いつつあるのだから。

ミアータ「あのね、ストラット。私は、貴方を殺す為にここまで来たわけじゃないの。
      私は――貴方を黄金郷に招待しに来たのよ?」

ストラット「またそれか! それは聞き飽きた! 何が黄金郷だ。君の言う黄金郷は、ただの無理心中じゃないか!」

ミアータ「……はぁ。本当に可愛そう。反魔法の毒に染まってしまって、黄金の真実が見えなくなっちゃったのね。
      でも大丈夫よ。私がそうだったみたいに、すぐに良くなるからね?」

シャキーンッ! カランッ、カランカランカランカランカランッ!

ミアータが――愛憎の魔女が指示を出すと、虚空から一本の杭が現れた。
邪悪なる海蛇を象ったそれは、カランカランと部屋中を音速で飛び跳ねまわり、
ストラットの命のカウントダウンを告げる。5、4321……………そして、ゼロ。

492 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:02:38 ID:???
ミアータ「人間の大罪を象りし、煉獄の七姉妹が一。嫉妬のレヴィアタン! あの人を黄金郷に招待しなさい!」

バッ! ズバァァァァァァァンッ!

ストラット「あ、が……。な、んで……み、あ……………」

バタリ。

――彼女が黒き魔女から譲り受けた高級の家具は、あまりにも慈悲深く、男の心臓を貫いた。
そして、倒れ伏せたストラットの亡骸の至る箇所に口づけをしながら、
……魔女ミアータは、悲し気にこう呟いた。

ミアータ「ごめんね、ストラット。誰よりも愛してるわ。……こんなの、他の男にはしないのよ?
      貴方の事が好きで好きで。愛して堪らないからなのよ? 愛が無ければ、殺す事なんてできないんだから」

ある魔女は言った。愛が無ければ、視えないものも存在すると。
ならば、その愛が有り余る場合、一体その風景はどうなるのだろうか?
愛が無ければ、少女は魔女にならなかった。少年は命を落とさなかった。

……愛が無ければ、視えない。

愛憎の魔女の双眸には、凡百のニンゲンは勿論のこと。
千年以上を生きた大魔女にすらも、視えない風景が広がっているのかもしれない。
彼女を観測する者達は、その風景が、せめて美しいものである事を祈るしかなかった。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++

493 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:04:18 ID:???
************************************
〜上位世界・魔女のサロン〜

ベアト「な、なんだこれは……! 妾以外の魔女が、ニンゲンの少女に力を分け与えたと言うのか!?」

ワルギリア「どうやら、そのようです。……航海者権限を与えられたのは、私達だけじゃなかったようですね」

ミアータによる魔法殺人の様子は、森崎達がサッカー合宿を過ごす世界よりも上位に位置する視点にて、
ベアトリーチェとワルギリアによって観測されていた。
碑文を媒体にこの世界へと渡り歩いてきたベアトリーチェとワルギリアだったが、
今回の事件は彼女達にとって想定だったようである。

ベアト「あれだけの力を容易く分け与えられる存在かつ、妾専属の家具であった煉獄の七姉妹を
    貸し与えられる者と言えば、おおよそ検討は付くが……今は、犯人探しをしている場合ではない」

ワルギリア「その通りです。彼女を放置しておけば、今殺されたストラットくんだけじゃない。
        イタリアJr.ユースのメンバー全体……引いては、この世界のサッカー情勢に致命的な影響が生じます。
        そうなると、この世界はロジックエラーを起こし破綻してしまうかもしれない」

ベアトとワルギリアが観測し、今森崎が居る世界は、基本的には『キャプテン森崎』という、
ニネー卿のゲーム盤を下敷きにしたものである。寛大なる彼女の方針もあり、このゲーム盤は
大体の改変や変更は許可されているのだが……その前提となる世界観に破綻が生じた場合、
その波紋はどこまで広がるかは底知れない。別のカケラ世界、別のゲーム盤からやって来たベアト達にとって、
世界の破綻は望む事ではなかった。

ベアト「……魔女の魔法には、ニンゲンのトリックでしか対抗できぬ。
    今の妾とお師匠様で魔法対決に持ち込んでも、口惜しいが返り討ちに遭うのがオチか。
    ……となると、やはりアイツに。森崎に動いて貰うしかないかァ」

ワルギリア「それが賢明でしょうね。後は、森崎くんが私達の意思に気付くかどうかですが……」

???「それについては心配ないわ」

494 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:09:12 ID:???

パァァァァッ……。

不意に、靄が生じて人の形をとった魔女が現れる。
ベアトとワルギリアが腰かける椅子の間に立った彼女は、はあ、と溜息を吐きながらもそう応じた。

ベアト「に、ニネー卿ではないかァ! どうもどうも、今日はこのような僻地まで遠路遥々と……」

ニネー「なーにが僻地よ。人の領域で好き勝手に暴れちゃってさ。確かに私、逆転若林とか、
     ときめきメモリサキとかはやったけど、屁理屈推理合戦を持ち込まれるとは思わなかったわ。
     ……ま、面白いから良いのだけれど」

彼女こそが、話題にも出ていた運命の魔女にしてこの領域の主・大ニネー卿。
あらゆる無限の可能性から絶対の1を抽出し、選び取る魔法に長けた彼女は、
自在に変動する1を無限に並べる魔女のベアト達にも決して引けを取らぬ――いやむしろ、
彼女達を圧倒する佇まいと風格を持って、この場に君臨していた。

ニネー「……で、今回の事件なんだけど、これは一応私の想定の範囲内です。
     ストラット君にはナイスなボートが似合うしね。だから、私の方で、もう既に策は打ってあるわ。
     いや。策を打たずとも問題無かった、と言うのが正しいかしら」

ワルギリア「ニネー卿。貴方はこの事態を予期していた……と。
       私達以外にも、新たな魔女が乱入し、世界を侵食しようと企むであろうと。
       そう、仰られるのですね」

ニネー「……ええ。貴女達を前にしては、本音はまだ話せないけれど。大筋はそうね」

おぞましいまでに長く美しい金髪をはためかせ、運命の魔女はそう答える。
決して雄弁ではなく多くを語ろうとはしない彼女であるが、
その言葉の全てには他の者には無い重みがあった。


495 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:21:11 ID:???

ニネー「下。見てみなさい。……さっそくはっちゃけてるからさ。色々と」

ベアト「……む。こ、これは……!?」

故に、ベアトはニネーの指示通りに再び下位世界――森崎達が生活し、今殺人が起きた世界を覗き込む。
すると、そこには――想定外に手早く、事が進んでいるようだった。


************************************


ミアータ「な、何なのよぉアンタは……私とストラットの愛をジャマしないで!」

森崎「……何なの、って言いたいのはこっちだぜ!
    クソみたいな合宿場に連れていって、結局やらせるのは殺人事件の屁理屈ゲームかよ!
    あんのクソ魔女のせいかは知らんが、後で絶対泣かせてやる!」

――森崎は既に、愛憎の魔女ミアータの存在を認知し、そして早々に勝負を始めようとしていた。
魔女とのゲームもこれで4度目ともなると、森崎も既に手馴れているようだった。

*********

ニネー「(領域の住民たちに、ウイッチハンターの権限を与えておいて正解だったわ。
      お蔭で視点である森崎君の志向が強まっている。これなら、少なくとも勝負はすぐに始まりそうね)」


*********

もっとも、それにはニネーの後方での力添えがあってこそ、ではあったが。
ただし少なくとも、彼女の先見の明は、事件の複雑化を防ぐという効果はあった。
早速、森崎とミアータとの間にチェス盤――今回のゲーム盤の情景が再構築されていく。

496 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:25:29 ID:???

森崎「いいか。ホテルの構図は、こうだ」

森崎はまず、支配人からもらったホテルの平面図を見せながら、状況確認を進めていく。

〜ホテル・プルガトリオ 平面図〜


  □□□□□□□□□□□□□□□
  □                    □
  □                    □
 会□      □□□□□       □
 議□      □     □       □
 室□      □ 離れ □      □  
 ・□      □□■□□       □
 客□          ・          □
 室□          ・          □
 等□          ・          □
  □       (閂の扉)        □
  □□□□□□□■□□□□□□□□              
          (ロビー)
        
□=壁
■=扉・ドア
・=ストラットの足跡(ロビー→離れ行きの片道のみ)

※壁と壁・扉との間には隙間は無いものとする。
※その他、魔女側の補足をここに記すものとする。

497 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:35:18 ID:???
森崎「問題の焦点は3つ――■で記された扉・ドアの密室と、・で記された足跡のトリックの関係だ。
     ひとつ、ロビーと中庭を繋ぐ、『閂の扉』。ここにはストラットが入るまでずっと、閂が掛かっていた筈だ。
          そして、ストラットの入室後、閂は降ろされた。にも関わらず、犯人は如何にしてこの扉を抜けたのか?

     ひとつ、中庭にある足跡。中庭にはストラットの足跡、それもロビーから中庭に向かう足跡しかない。
          もしもミアータなり外部犯が殺したのなら、そいつの足跡が無くてはおかしい筈だ。
          ではなぜ、中庭にはストラットの足跡しか無いのか?

     ひとつ、死体発見現場である『離れの祠』の施錠。これはストラットが内側から施錠し、
          警察が死体を発見するまで、一度も開かれていない。また、内部に潜んでいた可能性を示すにも、
          部屋の内部には、隠れられるような家具類・秘密の部屋類は存在しない。
          ではどうやって、犯人は密室に入り、ストラットを殺したのか?
          またどうやって、犯人はストラットを殺した後、姿を消したのか?

     ……まずは、俺が定義した今回の問題の焦点に間違いが無いならば、関連する赤き真実を貰おうか」

ミアータ「ええ、分かったわ。……分かったけれど、ちょっと提案があるのよ。
      私は今からその3つの問題全てに関連する赤を出す事が出来る。でも、そうすると赤の量が膨大になり、
      推理に不要な手間がかかる。……これじゃあ、どっちも楽しくないわ。
      そこで提案なんだけど――」

そう言いながらも、ミアータは前提となる赤き真実を組み上げていく。
しかしそれは……完璧では無い。彼女が出した赤き真実は、ごく一部のみだった。

498 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:44:03 ID:???
ミアータ「【ロビーから『離れの祠』に通じる扉には、閂がかかっている】!
      【ストラットが中庭に入った瞬間のみ、閂はかかっていなかった】!
      【ストラットと同時に中庭に入った人物Xは存在しない】!
      【『閂の扉』を通らずして、中庭に行ける手段Xは存在しない】!」

バシュッ、バシュッ、バシュンッ!

ミアータが出して来たのは、たった四つの赤き真実。
……すべてが、第一の論点。『閂の扉』に関する謎についてのみだった。

森崎「……ご丁寧に、どうも。魔女が密室を破った順番通りに、俺も順番に密室を破っていけってか」

ミアータ「そうよぉ? そうした方が楽しいし、楽だし、どっちにとっても得でしょお?
      あ、ちなみに今回の謎。私は勿論、『愛の魔法で扉をすり抜けた』!と主張するけれど。
      もしもニンゲンとトリックで説明できるってんなら、やってみればぁ? くすくすくす……!」

森崎「言われなくとも、そうしてやるさ。……さあ来い愛憎の魔女! テメエが作ったカティナチオ、
    この俺がオーバーラップからのリバーシブルボレーで、メチャクチャに凌辱してやるぜ!!」 

499 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:46:27 ID:???
Episode 4   Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜 第一の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>488-492)−
【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】。
しかし、
 @【ロビーから離れの祠に通じる扉には、閂がかかっている】
 A【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
 B【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
すなわち、ストラットの死体は、@閂、A足跡、B内側からの施錠という、巨大な三重密室の中にあった。

魔女側はこれを、『愛憎の魔女ミアータが魔法で扉をすり抜け、魔法で空を飛んで中庭を超え、
魔法で壁をすり抜け祠へと入り、魔法の家具の力でストラットを殺害した』と、主張する。

人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔女の主張を否定する必要がある。
なお、【今回限りの特別ルールとして、人間側は@の魔法から順番に謎を解く必要がある】。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

500 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:53:50 ID:nPx5i6AA
ミアータ「さあ、ゲームの始まりよッ! ……だけどその前に、もう少しだけ赤で補足をしておこうかしら。
      【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】……今回はフーダニットは不要よ。ハウダニットを考えて頂戴。
      【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】……ガタガタに見えるのは、>>1の不手際という事で許してね。
      本当のホテルは、ロの字型で正方形の本館があって、その中に狭い離れがあって、間は雪の積もった中庭。
      ……ってイメージよ」

森崎「問題の区分けにせよ、平面図にせよ。嫌に親切な魔女サマだな。
    だがしかしその余裕、刈らせて貰うぜっ、さあ行くぞ!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

501 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 22:56:16 ID:???
「ミアータは閂を外していない」
「『閂の扉』は一つだけ」
「閂を外さずに『閂の扉』を開けることはできない」

502 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 22:58:54 ID:???
>>501で『閂の扉』としてしまっていますが、全て復唱要求「」ということでお願いします
紛らわしくしてしまい、すみません

503 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:01:52 ID:nPx5i6AA
>>501
森崎「早速行くぜ復唱要求ッ!
    「ミアータは閂を外していない」
    「『閂の扉』は一つだけ」
    「閂を外さずに『閂の扉』を開けることはできない」!」

ミアータ「さぁて、どうしようかな。……じゃあ、上二つについてはサービスしちゃおうかしら。
      【ミアータは閂を外していない】
      【閂の扉は一つだけ】
      最後のは復唱拒否よ。理由はぁ……ウフフ。ストラットを愛しているから、よ……♪」

森崎「キチガイスイーツ野郎が……何が愛しているから、だ」

ミアータ「恋もした事も無い貴方には分からないでしょうねぇ? この私の謎も、魔法も、全部ぜぇんぶ。
      ウフフフ……ぶひゃひゃひゃひゃひゃふひぃっ!!」

森崎「(男が居ても逃げてきそうな下品な笑い方しやがって。さて、次の手は……)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

504 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:10:04 ID:???
「閂をかけ直したのはストラットである」
「閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない」

505 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:11:51 ID:???
「ロビーから『離れの祠』に通じる扉は複数存在する」

506 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:18:08 ID:nPx5i6AA
森崎「復唱要求ッ!「閂をかけ直したのはストラットである」
    「閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない」!」

ミアータ「ウフフ……さて、どう返そうかしらね。
      上は、こんなのはどうかしら、【閂をかけ直したのはホテルの支配人である】けれど、
      【ホテルの支配人は、閂をかけ直した以外に、事件に関与する事はない】。
      下は、復唱できるわね。
      【閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない】
      更に言うと、【閂も閂の門も、決して壊れる事はない】わぁ。ウフフ……頼んでも無いのに
      赤を切ってあげるなんて。私ったらなんて慈悲深い魔女なのかしら……」

森崎「(コイツ、幾ら何でも気安く赤を切りすぎじゃねぇか?
    不気味だ……まるで、俺に謎を解かせたがってるみたいに思える。魔女の余裕か?それとも……)」

507 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:23:24 ID:nPx5i6AA
>>505
森崎「じゃあこれはどうだ。「ロビーから『離れの祠』に通じる扉は複数存在する」
    ロビーから中庭に通じる扉が一つしかない、とは言っても、
    ロビーから離れの祠に通じる扉は複数あってもおかしくねぇもんなァ?」

ミアータ「あらあら……でも、それは復唱できないわね。
      だって、【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】って赤があるでしょ?
      アレを見たら、ロビーにしろ、他の部屋にしろ、直接離れの祠に通じる扉は無いって言えるじゃない」

森崎「だが、隠し扉の類は考えられるぞ。『ロビーや会議室の地下に、離れの祠直通の扉がある』
    って推理なら、平面図の赤には抵触しねぇしな」

ミアータ「はいはい、ほんっとにストラットと違って陰湿な男ね。分かったわよ。
      【ロビーを始めとするホテル本館から、『離れの祠』に通じる扉は『閂の扉』を除き存在しない】
      ……これで良いでしょ?」

森崎「はいはい、どーも。(……今はダメだったが、仮説も切り出していく必要があるか。
    いや、それともまだ早いか……?)」




☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

508 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:26:34 ID:nPx5i6AA
>>507補足
 ミアータ「……ああ。『離れの祠』に通じる扉の定義だけど。
       これについては、中庭を挟んで祠に通じる、という意味を採用したわ。
       『閂の扉』が直接『離れの祠に』繋がってる訳じゃあないわよ」

 森崎「『閂の扉の先が祠直通のワームホールだった』っていう可能性は無い、って事だな。了解だ」

509 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:30:31 ID:???
「閂の扉は閂を開けなければ通ることができない」

510 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:33:44 ID:nPx5i6AA
>>509
森崎「復唱要求ッ!「閂の扉は閂を開けなければ通ることができない」!」

ミアータ「ウフフ……くすくすくす……フヒ、ふひひひひひ……あ、復唱拒否よ?」

森崎「だったら、さっさとそう言えよ……」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

511 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:36:53 ID:???
『閂の扉には隙間があり、ミアータは閂を開けずに閂の扉を通過した』


512 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:46:07 ID:nPx5i6AA
>>511
森崎「さあ、そろそろ攻撃開始だぜミアータ!
    青き真実!『閂の扉には隙間があり、ミアータは閂を開けずに閂の扉を通過した』!」

ドオオオオンッ!

このゲーム盤にて初めて放たれた森崎の青き真実は、
強烈にミアータの喉元へと肉薄する。しかし、

ミアータ「【閂の扉には一切の隙間は存在しない】ッ!」

シュンッ、バキイッ!

――ミアータは鮮やかな赤き短剣を振るい、その弾丸を切って見せる。
もっとも、この程度は森崎も想定済みである。

森崎「フン。その程度でリザインしてくれる程甘い敵だとは思っちゃいねえよ。
    面による推理で、お前を圧倒してやる。見てろよ」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)


513 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:53:42 ID:???
「『閂の扉』の閂は元々飾りであり扉を密閉できるものではなかった」

514 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:54:13 ID:???
『閂は飾りであり、閂を外さなくても扉は開く』

515 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:56:22 ID:nPx5i6AA
>>513-514
@閂の扉の謎、魔女側リザインです。描写は少しだけお待ちください。

516 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:01:02 ID:???
初撃のジャブが軽ければ軽いほどこの後の謎への不安が大きくなるなぁ……

517 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:17:14 ID:???
>>513-514
森崎「……とは言ったが、前言撤回。この問題は楽勝だったな」

ミアータ「ウフフ……ブフフフ……グヒヒヒィフヒィ……だったら、さっさと青でも何でも出しちゃいなさいよ。
     ストラットみたいに、もっと早く出しちゃって」

森崎「汚ねぇ下ネタほざくんじゃねえ。……簡単な言葉遊びを仰々しく引っ張りやがってよ。
    閂の扉の謎はこうだ。『閂は飾りであり、閂を外さなくても扉は開く』……だろ?」

ミアータ「ふふふ……リザインね。【閂の扉には、巨大な閂がドアノブに”かかっていた”】だけなんだもの。
      【ドアノブ自体に鍵は無いから、閂がかかっていようがいまいが、誰でも何時でも中庭に出入りできる】。
      これが、第一の謎。『閂の扉』の真実よォ……?」

ドーーンッ、バギイイイッ!

ミアータが赤く宣言したのと、森崎が青き弾丸を振り下ろしたのは同時だった。
鋭く鋭利な一撃は、『閂の扉』という仰々しい名前で彩られた幻想を粉々に粉砕し。

ガチャッ。ギイッ……

単なるドアノブ式の古扉は、何の障害も無く容易に開く。
そして次に見えたのは、真っ白な雪に覆われた中庭に、『離れの祠』へと続く一筋の足跡。
ミアータの謎の第二段階、一筋だけの足跡の謎が、森崎の前に立ちふさがっていた。

518 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:24:58 ID:Lxl+GgP6

ミアータ「【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
      【足跡を付けずに、雪の積もった中庭を歩く事は不可能】
      【ゲーム開始時からゲーム終了時まで、雪は常に積もっており、天気は晴れていた】

      ……ほぉら、とってもシンプルな謎でしょう?
      足跡を付けずに、雪の積もった中庭を歩く事は不可能。
      だけど、ゲーム開始時からゲーム終了時まで、雪は常に積もっており、天気は晴れていた。
      だから、足のついたニンゲンが、ストラットの部屋がある離れの祠に入るのは不可能。
      『私は魔女だから、蝶々の姿になって、ストラットの部屋まで飛んで行った』んだけどね?
      ……あんたは、これもニンゲンとトリックで説明できるって言うのおぉ?」

森崎「ああ。……さっきとは趣向が違いそうだが、でも簡単だ。何故なら、俺はかつまで諦めないからな。
    いわゆる勝率100パーセントってヤツだ」

ミアータ「あっははははははははは何ソレクッソつまんなぁぁぁああああいいっ!
      ストラットみたいにもっと面白いジョーク言いなさいよぉぉおおおおおくおらぁぁぁああっ!
      こっちは愛する恋人喪って鬱状態なんだぞおぉぉぉぉぉおおおらァァッ!?
      お前に分かるか!?!?!?!!? 大好きな人を失った悲しさをよォォォオォオ〜〜〜ッ!?」

森崎「自分で殺したくせに、よく言うぜ! さっさとくたばりやがれ!!
    (……とは言っても、今のままじゃ無限に仮説が思い浮かぶな。まずは可能性を絞っていくか)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、A足跡の謎についての出題をしております。
   B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)


519 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:27:52 ID:???
『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』

520 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:33:00 ID:???
「離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない」
「ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない」

521 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:38:16 ID:Lxl+GgP6
>>519
『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』

森崎「まずは軽いジャブだ。『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』」

ドオオオオンッ!

ミアータ「うふふ……【ストラットの足跡は、すぐに彼の足跡だと視認できた】!
      そして、【他人の足跡の上を歩いた場合、下にあった足跡は誰のものか不明とみなす】!
      発想は悪くないけれど、言い当てのレベルで貴方の負けね?」

>>520
森崎「だったら復唱要求だ!
     「離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない」
     「ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない」!」

ミアータ「ええ、良いわよ。
      【離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない】
      【ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない】!
      ほらほら、もっと来てよぉ。ストラットみたく激しくさぁ……うふ、うふ、うふふふひひひひひィッ!」

森崎「誰が来るか、魔女め! 俺の攻撃を食らえ!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、A足跡の謎についての出題をしております。
   B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)






522 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:44:31 ID:???
『ミアータは周りの雪で全ての足跡を隠した後、ストラットの靴を使いストラットの足跡を雪につけた』

523 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:52:58 ID:Lxl+GgP6
>>522
A足跡の謎、魔女側リザインです。描写は少しだけお待ちください。

524 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:53:11 ID:???
「閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある」
「中庭に空からヘリなどが入ることはできない」
「ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である」

525 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:28:14 ID:Lxl+GgP6
>>524
森崎「復唱要求、「閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある」
    「中庭に空からヘリなどが入ることはできない」
    「ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である」」

ミアータ「ええ、良いわよ。復唱してあげる。
      【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】……と言ってもまあ、10メートルくらいかしら。
      離れの祠はそんなに広くて大きな建物じゃないし。

      【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】……ちなみにサービスすると、
      【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】で、
      【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】よ。

      【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】。
      中庭も、離れの祠も、そんなに広々とした場所じゃないからね」

526 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:32:20 ID:Lxl+GgP6
>>522
森崎「『ミアータは周りの雪で全ての足跡を隠した後、ストラットの靴を使いストラットの足跡を雪につけた』
   ――これでどうだ!」

ミアータ「そうねぇ……ちょっと正確じゃないけどリザイン、しちゃおうかしら。
      あ、ちなみに正解は私、【ミアータはストラットがいつも履いてる靴と寸分違わぬ靴を着用していた。
      足跡が一筋とは赤で記載が無い以上、ペアルックの靴で普通に祠へと向かった】……よ?
      フフフ……恋人同士なら、ペアルック位同然だものね。
      脳味噌脊椎心臓生殖器全てがペアルックにするのが、私の目標だったもの……ふききききっ!!」

森崎の気迫あふれる青に対し、ミアータは……存外にあっさりと敗北を認めてしまう。
第一の論点の時はまだ分かった。一つを落としても、相手にはまだ二つも駒があるのだから。
しかし、今の論点でも落とすのは流石に不味いのではないか。

森崎「……そんなに自信があるのかよ。第三の謎に」

ミアータ「うふふ……さあ、どうかしら」

そのため、畢竟、森崎は警戒する。第三の謎――内側からの施錠の謎の難易度に。
そうだ。これまでの謎が簡単だったのはきっと、ここで森崎を罠にハメる為である。
だからこそ、森崎は警戒して彼女から赤を切り出そうとするのだが……。


527 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:37:35 ID:Lxl+GgP6

ミアータ「じゃあ、第三の謎についての赤、出すわね。
      【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
      【離れの祠の扉を施錠したのは、ストラットである】
      ……この辺りは良いわね? そして……
      【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、
      ベアトリーチェの密室定義を満たす】わ。
      
      なお、【ベアトリーチェの密室定義とは、 内外の出入りが一切隔絶された室内を指す。
      当然、内外からの一切の侵入・脱出は愚か、干渉もできない。
      それは包括的に、隠し扉の否定、外部干渉の余地一切の否定を含む、という定義を指す】わよ」

森崎「……?(ん? 案外平凡だな。まあ確かに、【ベアトリーチェの密室定義】が出て来たのは、
    いよいよもって強固な密室だって事なんだろうが……)」

想像していたよりは、当初に提示された赤き真実が平凡だ。
勿論それは、様々な仮説を想定して戦わなくてはならないという困難も意味してはいるが、
決して解けぬ事の無いような問題にも見える。


528 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:38:52 ID:Lxl+GgP6
************************************

ベアト「……! こ、この謎は……!? あいつめ、何たる業を使いおる……!」あ

ワルギリア「これまでの単純なトリック問題も、これまでの幻想描写も。
        全ては、この問題の為の布石だったのですね……」

ニネー「ちょ、ちょっとどういう事よ。私、このゲーム初心者なんだから、教えてよ!」

ベアト「ああ失礼、ニネー卿。……妾達は、ただただ関心しておったのだ。
    このゲームを作りし魔女にな」

しかし、実際にゲームに取り組む森崎を後方から支援(応援だけだが)していた、
上位世界の魔女たちは、真相を知るが故に舌を巻く。

ワルギリア「ニネー卿。この謎自体は、決して難しいものではありません。
        むしろ、かなりシンプルかつ単純な問題です。
        恐らくは、これ単品での出題であれば、すぐに正答が飛んで来るでしょう」

ニネー「単品での出題であれば……つまり、これまでの問題が、
     この問題を複雑にしている、っていう訳?」

ベアト「正確には、この問題だけでない。このゲーム盤全てだ。
     ……少々大袈裟に言えば、これまでのゲーム盤での描写・謎解き。
     これら全てが、今、森崎に出された謎の為の壮大なる前フリであったと言えるだろう」

狭苦しい、6畳一間位の大きさの祠で、驚愕のあまり目を見開いた死体
――心臓には蛇竜・レヴィアタンを模した装飾の杭が刺さっている――を観測しながら、
ベアトは深く溜息をついた。

529 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:40:14 ID:Lxl+GgP6

ニネー「勝てるの? 森崎君は……?」

ベアト「分からぬ。ヤツの諦めの悪さ故、ほぼ負ける事は無いと思うし、
     案外一発で解けてしまう可能性も無きにしもあらずではあるが……。
     それでも、絶対の保証はできぬ」

ニネー「そ、そんなァ……」

魔女の中ではゲーム盤への理解が低いニネーは、森崎の安否が気が気でならない。
そんな彼女を優しく包み込むように、最年長のワルギリアが言う。

ワルギリア「大丈夫です。今の森崎くんならば、決して勝てない相手じゃありませんから。
       ですから、貴女も信じてあげてください。ほっほっほ……」

ニネー「そうよね……。森崎君は、ハンブルグ戦もそうだけど、西ドイツ戦も、
     サンパウロ戦も、紅白戦も、そしてブラジル戦も。全部の試合に諦めず、
     最後まで戦い続けたんだものね。諦めんと言ったら、諦めん!」

森崎の名言を口にしながら、ニネーは、上位世界の魔女たちは森崎を応援し続ける。
彼が黒き魔女の眷属に打ち勝ち、この世界に安定を取り戻してくれるように……。


************************************

530 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:49:02 ID:???
森崎「(何はともあれ、まずは整理だ。今回の赤は……)」

森崎は復唱要求や仮説の提示に先立って、今回の謎に役立てそうな赤を見つくろう。
それは、たった今ミアータによって提示された赤だけではない。
これまでのゲームで出て来た赤にも、有益な事実は記載されている筈だ。
森崎はそう思って、関係しそうな赤字を纏めたところ、以下の通りとなった。

【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉を施錠したのは、ストラットである】
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】

森崎「(とりあえずは、この程度か……? 本当に有益なものと、単なるノイズとは分ける必要があるだろうが。
    まずはこの辺りの事実を鑑みた上で、いくつか当たってみようか……)」

――勿論、今の時点で革新的な事実は思い浮かばない。
しかし、これらを繋いでいけば、絶対の真実にだって辿り着ける筈なのだ。
そう思いつつ、森崎は――嫉妬の力を帯びた、第三形態のミアータと対決することとなった。

531 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:57:08 ID:???
……と、言ったところで今日のゲームはここまでにします。
明日は早めの時間(目標20時〜)にゲームを再開したいと思います。

復唱要求や青き真実があれば、次の再会時にまとめて回答等したいと思っていますので、
今の時間帯でも書き込み等頂ければ幸いです。

>>516
@とAは簡単め、Bは難しめになる事を想定していました。
Bについては、適度に苦戦しつつギリギリ勝てる程度の難易度を目指していますね。
……と、言いつつ一発リザインの可能性も捨てきれませんがw

それでは、本日はご参加いただき誠にありがとうございました。

532 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 01:58:04 ID:???
「ミアータは離れの祠の中でストラットを殺害した、もしくは致命傷を負わせた」
「離れの祠の扉が施錠されたとき、中にいたのはストラットだけである」
「ゲーム上で登場する離れの祠は一つだけである」

乙です

533 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 03:22:57 ID:???
いやまさかとは思うけど・・・
「死んだストラットは間違いなくイタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である」


534 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 12:33:54 ID:???
「ストラットの死因は毒殺である」

535 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:04:48 ID:Lxl+GgP6
こんばんは。ゲーム盤を再開します。
まずは復唱要求を出していただいている、>>532→>534さんへの回答から始めます。
>>532
乙ありがとうございます!

あと、遅い補足ですが、>>502さんが配慮して頂いた『閂の扉』『離れの祠』につきまして、
GMはこれを固有名詞を表すものとして書いていました。
ですが、復唱要求等するとややこしいので、ゲーム上においては、『』の有無は問わない事とします。
(そのため、普通に閂の扉、離れの祠、で『』は付けずに復唱要求等して頂ければ構いません)

536 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:11:31 ID:Lxl+GgP6
>>532-534
森崎「まずは第一の晩の打ち残しだ。復唱要求!
     @「ミアータは離れの祠の中でストラットを殺害した、もしくは致命傷を負わせた」
     A「離れの祠の扉が施錠されたとき、中にいたのはストラットだけである」
     B「ゲーム上で登場する離れの祠は一つだけである」
     C「死んだストラットは間違いなくイタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である」
     D「ストラットの死因は毒殺である」!」

ミアータ「五つもあるのね? いいわぁ、答えてあげる。
       @については、既存の赤を補強する形で応えるわね。
       【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された】!
       Aについて、そうね。こう答えようかしら。
       【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿は祠のどこにも見えなかった】。
       つまりは、中にはストラットしか居なかったという事よねぇ?
       Bは少しだけ表現を変えるわ。
       【離れの祠は、一つしか存在しない】。より強い表現にしてあげる。
       Cはそのまま復唱ね。
       【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】
       Dについては、ハッキリとこう言ってあげるわね。
       【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
       煉獄の七杭には、どんな密室だって通用しない。最高に素敵な家具だわぁ……くすくす」

森崎「メルヘン女め。……何が煉獄の七杭だ。単なるメイドインアメリカの、土産物じゃねーか。
    待ってろよ、俺が必ずテメエのハラワタをぶちまけてやって……お前の幻想を否定してやる!」


537 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:12:40 ID:Lxl+GgP6
Episode 4   Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜 第二の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>488-492)−
【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】。
しかし、
 @【ロビーから離れの祠に通じる扉には、閂がかかっている】
 A【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
 B【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
すなわち、ストラットの死体は、@閂、A足跡、B内側からの施錠という、巨大な三重密室の中にあった。

魔女側はこれを、『愛憎の魔女ミアータが魔法で扉をすり抜け、魔法で空を飛んで中庭を超え、
魔法で壁をすり抜け祠へと入り、魔法の家具の力でストラットを殺害した』と、主張する。

人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔女の主張を否定する必要がある。
なお、【今回限りの特別ルールとして、人間側は@の魔法から順番に謎を解く必要がある】。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

538 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:13:58 ID:Lxl+GgP6
〜これまでの赤字〜
 ※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。
 ※今回は問題が3問あるため、>>1の判断で今の問題(B内側からの施錠)に関する赤を抽出しています。
   (>>530のまとめから、>>532-534の復唱要求と、事件現場全体に関する赤を追加しています)

−ストラットについて−
【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された】
【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】
【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】
【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】

−離れの祠について−
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉を内側から施錠したのは、ストラットである】
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【離れの祠は、一つしか存在しない】

−事件現場全体について−
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】
【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】
【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】
【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】

539 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:16:12 ID:Lxl+GgP6
森崎「(設問自体はいたってシンプルなんだが……どうにも、全てにおいて不気味で不自然だ。
    まるで、魔女の手のひらの上で踊らされているような。
    ……くそっ、とにもかくにも、まずは攻めるだけだ!)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

540 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:27:53 ID:???
「ストラットは多重人格者ではない」

541 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:30:57 ID:???
「ストラットは離れの祠に入った際に視力を失っていた」

542 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:35:10 ID:Lxl+GgP6
>>540
森崎「復唱要求、「ストラットは多重人格者ではない」!」

ミアータ「応じるわぁ、【ストラットは多重人格者ではない】!
      『犯人は多重人格者』、なーんてどっかのクソザコ四流ミステリーみたいな
      クッソツマラナイ真相にするわけなぁいじゃないぃぃいいぃ!?」

森崎「ちっ、ダメか。……それだけ言っといてクソみたいな真相だったら、張っ倒してやるからな」

>>541
森崎「復唱要求、「ストラットは離れの祠に入った際に視力を失っていた」!」

ミアータ「復唱拒否ね。……でも、そうしたら『ストラットは盲目だったため、
     密室に潜むミアータに気付かず殺された』なーんて青を出して来そうだから、
     事前に答えてあげるわ。【ストラットの視力は正常】! あっはははははは!」

森崎「この辺りの質問も想定済み、ってか……! 成程確かに、1問目や2問目とはレベルが違いそうだな」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


543 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:37:24 ID:???
「ストラットは刺された後に離れの祠の扉を施錠した」

544 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:43:01 ID:Lxl+GgP6
>>543
森崎「復唱要求、「ストラットは刺された後に離れの祠の扉を施錠した」!」

ミアータ「復唱拒否。理由は……とくになーし。だって、青き真実じゃないと、赤を出してあげる義務なんてないし。
      どうしても気になるんだったら、青で推理を構築してみればぁ?
      それが正しいとは限らないけどね……ウフフ、フヒ、ぐふふぶひぐふうぇぉおおァァッ!?」

森崎「(魔女は下品かつ謎な笑い方をしないといけないってルールでもあるのか……?
     しかし、アイツの言う事も最もか。復唱要求に応じるのはあくまで魔女のサービス。
     真実を煙に巻く為か、それとも単なる気紛れか。その理由は分からんが、仕方ねぇか……)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


545 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:51:12 ID:???
『ミアータは変わり身の術の要領で祠の中に潜んでいた』

546 :545:2017/08/27(日) 20:53:02 ID:???
訂正
『ミアータは隠れ身の術の要領で祠の中に潜んでいた』
とりあえず書いてみた程度のやつで誤字るととても恥ずかしい……

547 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:53:19 ID:???
『ストラットはミアータに刺された後に離れの祠の扉を施錠した。
そのあと失血死で死んだ』

548 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:59:20 ID:???
>>545

森崎「復唱要求が飽きたってんなら、そろそろお望みの青を出してやるぜ。
    『ミアータは隠れ身の術の要領で祠の中に潜んでいた』!」

カッ! ドオオオオオオオンッ!

ミアータ「うふふ……面白い青ね。でも私はニンジャじゃないのよ。
      【ミアータの身体能力は一般的な成人女性と同じ】
      【隠れ身の術及びそれに準ずる隠密術は、一般的な成人女性には使用不可】!
      これで切れてると思うけど更に、サービスで赤を出してあげるわ。
      【祠の中には、人間が隠れられるような家具Xは存在しない】、
      家具Xとは、通常のホテルの客室にある、ベッド、クローゼット、机椅子類を指すわ!
      つまり、祠の中に隠れ潜む事は土台無理、って訳よねぇ……うふふふふ!!」

シャキーンッ、ズバァッ、バシュウッ、ズドンッ!

ミアータは森崎の青にひるまず、むしろ待っていたと言わんばかりの様子で叩ききる。
赤き短剣を自在に操り、踊るように森崎の青き弾丸を砕いていった。


549 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:00:00 ID:???
「離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない」

550 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:07:16 ID:Lxl+GgP6
>>546さん、了解です。とりあえずでもどんどん書いて頂ければ幸いです。
魔女にとって、青は必ず切らないと行けない分、
赤を出すのは魔女の裁量次第な復唱要求よりも赤が出やすいというメリットがあります。
>>547
森崎「もう一発だ、『ストラットはミアータに刺された後に離れの祠の扉を施錠した。そのあと失血死で死んだ』!
    密室殺人では良くあるパターンだが、有効な筈だ。どうだッ!?」

ミアータ「うっふふふふふ……! 良いわねモロサキ。ストラットの0.00000000000001倍素敵だわぁッ!
     でもざぁんねぇん。【離れの祠の扉を施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】!
     つまりッ、あんたの仮説は一掠りもしてないってわけぇぇぇええぇぇぇぇぇッ!!」

ドオオオオオオオオオンッ、キンッ!

森崎の二発目の青も同様だった。この内容は一度復唱要求を拒否されているため、
真実につながる為のヒントが隠されていると思われたが……実際は、魔女の気まぐれだったのだろう。

森崎「(……やっぱり、今までのベアトやソリマチ卿とは違う。このゲーム盤は、謎だけじゃねぇ。
     これを出題する魔女の実力も、これまでより数段上だ! 油断しては、こっちがやられちまう!)」

551 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:11:41 ID:Lxl+GgP6
>>549
森崎「基礎的な確認だ。復唱要求、「離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない」!」

ミアータ「ええ、応じるわ。【離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない】!
      このトラップXには、直接的な殺害装置だけでなく、眠りガスや催眠装置など、
      間接的にストラットを死に追いやるようなトラップも含まれるわ。
      だってそうでしょ? 愛するからこそ、この私が手ずから殺してあげなくちゃ、失礼だものね……あはははッ!」

森崎「(装置殺害の線も消されたか……マジで一体、アイツはどうやって殺したんだ。
    そしてそもそも、隠れ潜むような家具も技術も無いってのに、アイツはどうやって密室に入り、脱出したんだ?
    謎ばかりだが、一つひとつ、整理していくしかないな)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

552 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:14:50 ID:???
『ミアータは変装して自身を別人だと偽りストラットと共に祠に入り、ストラットを殺害した』


553 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:16:58 ID:???
「ゲーム上のミアータとは、今目の前にいるミアータ本人である」

554 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:21:27 ID:Lxl+GgP6
森崎「『ミアータは変装して自身を別人だと偽りストラットと共に祠に入り、ストラットを殺害した』!
    これはどうだ!」

ミアータ「あはははっ、面白い面白い面白い面白い面白くなぁぁあああああああああぁぁぁあいいいッ!
      【ストラットは変装していても、ミアータの事を間違えない】!
      当たり前だろうが糞チビハゲ童貞ぃぇえぇぇいぇごるるるるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁッ!!
      私とストラットは愛し合ってるんだぜぇえええッ、ストラットが私の事を間違えるわけ、
      ねぇだろぉぉぉおおがよおぉぉいおおおおおおおおおおおううらぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

ドオオオオオオオオンッ! バギイイッ!

ミアータ「はぁ、はぁ、はぁ……。ま、【ストラットは一人で離れの祠に入った】んだから、
      そもそも共に祠に入り、って時点で間違ってるんだけどね」

森崎「(こいつ……狂ってやがる! これが魔女の力の影響か……。
    まあ、根暗な常識人の反町ですら魔女化した時はイケイケだったんだから、
    想定内と言えんでもないが……)」

555 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:29:59 ID:Lxl+GgP6
>>553
森崎「復唱要求、「ゲーム上のミアータとは、今目の前にいるミアータ本人である」」

ミアータ「う〜ん、今目の前に居る私は魔女で、ゲーム上のミアータも魔女なんだから、
      当然復唱したいんだけど……これはダメね。だって、”ステイルメイト”になっちゃうもの」

――魔女のゲームにおける『ステイルメイト』。すなわち千日手による引き分けとは、
赤字で、【自分こそが魔女である】【魔法は実在する】と宣言する事を指す。
 ※GM註:上の行にある魔法肯定の赤字は、今回のゲーム盤に適用されません。念のため。
こうなると、人間側である森崎には何の反論の余地も無くなるのだが、
赤で一方的に魔法の実在を示された人間側は納得する訳がない。しかし抗弁できない。
その結果は――ゲーム盤の永久停滞。要するに、引き分けである。
よって、ミアータはこの赤に応じられない。

ミアータ「だから代わりに、こう宣言してあげる。
     【犯人のミアータは間違いなく、ストラットの恋人であるミアータ・コリーニ本人である】。
     あんたがどんな青を構築したいのか分からないけど、これが分かれば十分でしょ?」

森崎「……分かったよ。だったら、もう一度考え直してみるか」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

556 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:33:36 ID:???
『離れの祠の扉と言う名の扉が別にあり、離れの祠自体の入り口は施錠されていなかった』

557 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:34:14 ID:???
『離れの祠は二階建てであり、ミアータは二階に潜んでいた』

558 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:43:25 ID:Lxl+GgP6
>>556
森崎「こんな言葉遊びはどうだァ!?
    青き真実、『離れの祠の扉と言う名の扉が別にあり、離れの祠自体の入り口は施錠されていなかった』!」

カッ、ドオオオオオオオンッ!

ミアータ「無駄ァ、【離れの祠の入り口、即ち扉は、確かに施錠されていた】!
      つまり、【離れの祠の扉という名の扉は、別に存在しない】ッ!」

シャキーンッ、ズバァッ、バギイッ!

>>557
森崎「じゃあこれはどうだ!『離れの祠は二階建てであり、ミアータは二階に潜んでいた』」

カッ、ドオオオオオオオオオンッ! ――キイインッ!

ミアータ「【離れの祠は、1階しか存在しない】! これは、祠内には天井で区切られた上部スペースは無いという事であり。
     すなわち【離れの祠には、ストラットの死体が発見された部屋しか存在しない】と言う事ね。
     さあ、どう? そろそろ苦しくなって来たんじゃなぁい?」

森崎「ぐっ……!(いや、……まだ諦めるな。少しずつ、真相は見えて来てる筈なんだ!
    後は、そのゴールに向かって走り続けるだけ……!)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


559 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:46:21 ID:???
『ストラットはミアータ・コリーニと名付けた人形にアイスピックを持たせ、そのアイスピックで自らを刺した』

560 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:52:01 ID:???
『祠内は完全な暗闇であり、ストラットはミアータの存在を視認できなかった』

561 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:10:11 ID:Lxl+GgP6
>>559
森崎「分かったよ、密室にミアータが入り込める余地はないとしてだ。青き真実!
   『ストラットはミアータ・コリーニと名付けた人形にアイスピックを持たせ、そのアイスピックで自らを刺した』
   これなら、ミアータが入れなくてもストラットは死ねるよなァ!?」

ミアータ「ストラットが私をオカズに自殺してくれるなんて超嬉しいんだけどォ、残念ッ!
     【ストラットは他殺】!【名前を付けた人形に凶器を持たせ自害する方法は、自殺とみなす】!
     だから、この青は通じないわァァアアッ!」

>>560
森崎「じゃあこれだ、『祠内は完全な暗闇であり、ストラットはミアータの存在を視認できなかった』!」

ミアータ「【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】。
      だから、ミアータの存在を視認できないとは言えないわねぇッ!?」

ドオオオオオンッ、ドオオオオオオオオオオオオンッ!!

キイイインッ、バシュッ、ザシュウウッ!

――青と赤が激しく入り乱れても、愛憎の魔女――ミアータ・ベアトリーチェは全く怯む様子を見せない。
それは真の余裕なのか、それとも核心に至りかけた青の存在を隠すポーカーフェイスか。
……狂った笑顔を振りまく彼女の真意を、森崎は読み取れない。

森崎「(大丈夫だ。俺の方向性は間違っていない筈。後は、発想の勝負だ。
     これまで出された赤を掻い潜る、必殺の青がある筈なんだ……!!)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

562 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:16:25 ID:???
『ストラットはミアータと名付けたアイスピックを持った第三者により殺害された』

563 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:25:43 ID:Lxl+GgP6
森崎「……青き真実!『ストラットはミアータと名付けたアイスピックを持った第三者により殺害された』」

ドオオオンッ、バシュウウウウッ!

ミアータ「【B内側からの施錠の謎の部分について、ストラットとミアータ以外の第三者Xは存在しない】!
      Bに限定したのは、@の閂の扉で、支配人さんが外れていた閂をかけ直したからよ。
      【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】と言い換えても良いわね。
      そう。この世界は私とストラットの二人きり! 私とストラットこそが新世界のアダムとイブなのよッ!」

森崎「(ちょっと理屈が分からないが、赤は分かった。……チッ、可能性は順調に狭まっている筈なんだが、
    後一歩が思いつかねぇ……一体どうやって、ミアータは密室に潜んでいたんだ?
    隠れられる家具類は無い。隠密の技術は無い。二階とか別の部屋の可能性も潰された。
    ……他に、何か方法があるのか? どうやっても、ミアータは密室に存在できないんじゃないのか?)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

564 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:39:53 ID:???
『ストラットは記憶を失っており、ミアータをミアータと認識できなかった』

565 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:44:10 ID:???
>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである」
「ストラットは一人しか存在しない」

566 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:49:01 ID:Lxl+GgP6
>>564
森崎「青き真実。『ストラットは記憶を失っており、ミアータをミアータと認識できなかった』!」

ミアータ「既出の赤、【離れの祠の扉を施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】!
      そして、【記憶喪失状態は、健康体では無いとみなす】!
      ほらほらほらほらァ? 私がどんどん消えていく。魔女の魔法で消えていくのよォォッ!?」

ドーーーンッ、ガキインッ!

森崎「くそっ………またかよッ!」

567 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:53:31 ID:Lxl+GgP6

>>565
森崎「復唱要求。「>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである」
    「ストラットは一人しか存在しない」」

ミアータ「応じるわ。【>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである】
      【ストラットは一人しか存在しない】。……さあ、これでどうッ!」

森崎「ああ……満足したぜ(様々な可能性が赤で潰されてしまった。
    これこそが魔女の閂(カティナチオ)。あらゆる形でのミアータの存在可能性を否定する、
    ガチガチに塗り固められた赤き真実の集合体!
    謎はシンプルなのに、頑としてゴールを崩せねぇ……くそっ、どうすればいいんだ!?)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

568 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:02:50 ID:???
「離れの祠の扉は一つだけである」
「ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである」

569 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:06:24 ID:???
あ、「ベアトリーチェの密室定義を満たす」から>>568の一つ目はありえないのですね
すみませんでした

570 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 23:09:17 ID:Lxl+GgP6
>>569さん、そうですね。『離れの祠には隠し扉があった』
『扉が二つ以上あり、もう一つの扉は内外に自由に出入り可能』とかは、
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
で、切れると思います。赤字が増えては面倒なので、二つ目のみ復唱要求します。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
森崎「(ダメだ。まずは前提となる情報を集めなくては!)
    復唱要求!「ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである」ッ!」

ミアータ「認めるわァ!
      【ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである】
     まあどうやっても、この私の黄金の赤き真実には敵わないんだけどねッ!
     うふふ、くふふふふひひぃぎひゃぁぁぁあはっはっはっはァアッ!」

森崎「黄金の赤き真実って、何色だよ……! まあ良い。
    今は少しでも、これまでに出て来た赤字の中から、
    ミアータが密室に存在し得る可能性を推理しなくちゃな……!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


571 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 23:26:46 ID:???
今のうちにアナウンスですが、本日のゲームは24:00までにしたいと思います。
それまでに答えが出ない場合は、上位世界の魔女達(ベアトやワルギリア)によるヒントコーナーと、
これまでの赤字を纏めて、明日に持ち越しにしたいと思います。
ただ、明日が仕事の都合で更新できないかもしれないので、その時は夕方18時頃までに連絡します。

572 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:29:26 ID:???
『ストラットはもう一人のミアータに殺害された』

573 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 23:40:56 ID:???
>>572
森崎「畜生……だったらこれは!? 『ストラットはもう一人のミアータに殺害された』!」

ドオオオンッ!

ミアータ「ダメね! 【ミアータは一人しか存在しない】!
      これはつまり、【ミアータ本人以外の誰もが、どの存在もが、ミアータの名を名乗る事は許されない】
      と解釈して良いわよ。さっき出てた【ストラットは一人しか存在しない】も同様に考えて良いわァ!」

――キィィィン、ズバッ!

ミアータがもう何十本目になるか分からない短剣を出現させて、弾丸を縦に切り刻む。
……にも関わらず、彼女は一切の疲れや焦りを見せない。
その姿は、まさしく閂。カティナチオという機構の具現するがごとく、
彼女は森崎の攻撃の全てを受け止めきっていた。

森崎「畜生……アイツは、無敵なのか……!?」

ミアータ「だから言ってるじゃなァアアァァァッい! 私が魔法で密室に入り!!
      それからストラットを殺して、魔法で密室を抜け出したんだってばァァァアァァァァァァァァッ!
      魔法魔法魔法まほうッ! さっさと屈服すれば言いのにさァ!? くすくすくす……!」

森崎「(……いや。そんな事は無い。ある筈が、無いんだ……!)」

――この窮地に来て、森崎は宿敵の口癖を思い出す。
『ゴールを奪えないゴールキーパーなど、この世にいるわけがない』。
それと同じで、リザインを取れない魔女など、この世に居る訳が無いのだと。
森崎はそう奮い立たせて、次の青を紡ぎ出そうとする。

574 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:51:52 ID:???
『離れの祠の扉の鍵は外側からも開けることができた』

575 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 23:51:57 ID:Lxl+GgP6
森崎「(密室破りについては、単純だ。『ミアータはストラットよりも先に密室に入り、そこで潜んでいた』。
    と言えればそれで終わりだ。だがしかし、魔女はそれだけでは許してくれねぇ。
    この問題の真の論点は、核心はそこじゃないんだ。

     『ではミアータはストラットを殺してから死体が発見されるまで、どこに潜んでいたのか?
      どこにならば、あるいはどのような方法を取れば、ミアータは存在する事が出来るのか?』

    ……ここについて、これまでの赤で抵触しない方法を探し出して突く。
    これが、アイツに勝てる唯一の方法だ。だが……)」

……だが、それが難しいのだ。森崎がおよそ考え得る青き真実は、出し尽くした。
そしてその全てを、ミアータは確実に、赤き真実で潰し続けて来た。
ならば、一体何を手掛かりに、次の青を出せば良い?

森崎「(……そう。手掛かりは、きっとある筈なんだ)」

――魔女はきっと、単なる読み当て合戦を森崎に強いてはいない。
これまでの赤から、あるいは幻想描写やその前置きの一端から、ミアータがどこに存在し得て、
そしてストラットを殺し得るかが、示されている筈なのだ。

森崎「何がカティナチオだ。そんなものは……この俺が……凌辱する!」

ミアータ「ウフフ……出来るモノならやってみなさいよぉおおおぉぉぉッ!
      ストラットみたく! 解いてみなさいよ! この『メガロゾーン密室』を!
      『カティナチオマステリーウィッチ』の、私が作った謎をぉおおおぉぉッ!!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

576 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 23:53:59 ID:Lxl+GgP6
>>574
森崎「うおおおおおっ! 『離れの祠の扉の鍵は外側からも開けることができた』ッ」

ミアータ「無駄ァァァァァッ! 【離れの祠の扉の鍵は施錠時、外側からは開錠不可能】ッッ!」

森崎「そ……それがどうしたぁぁぁぁぁぁっ! まだまだ食らえぇぇぇぇぇえッ!」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

577 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:56:45 ID:???
「ミアータは人間である」


578 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 00:00:40 ID:St1n+F7s
>>577
森崎「復唱要求、「ミアータは人間である」ッ!」

ミアータ「復唱を拒否するわ! だって私は魔女なんだもの! だけど、代わりに宣言してあげる!
      【この事件には人間以外の一切の動物X及び自律機械Xは関与しない】と!
      勿論、魔女と魔法は例外だけどねぇぇぇえぇぇぇぇぇッ!!」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

579 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 00:07:16 ID:St1n+F7s
…と、言ったところで今日のゲームはここまでにします。
ミアータ消失の謎が大分煮詰まってしまいましたが、
今回の謎の核心及びトリックのコアはここにあるので、諦めず青を出して頂ければ幸いです。
(どうしても難しければ、その旨コメントしてください。ヒントの量を増やす等措置を取ります)

これからヒントコーナーや赤字まとめを投下するので、暫くお待ちください。

580 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:32:46 ID:St1n+F7s
************************************
〜上位世界・黄金郷の魔女のテラス〜

ニネー「ちょ、ちょっと……森崎君が押されてるんだけど、大丈夫なんでしょうね……?」

ベアト「自らが駒が苦境に立って不安な気持ちも分かるが、落ちつくのだニネー卿。
     ……とはいえ、こりゃあいよいよもって強敵だなァ、あのミアータって魔女」

ワルギリア「魔女として初めてゲーム盤を運営しているのだとは思えない程、
        彼女の腕は冴えわたっています。
        主要な論点を隠し、鋭い青字には絶妙な赤で返し、決して焦りを見せない。
        ……そして、それ以上に、今回の密室幻想は堅牢です」

ベアト「【ミアータは、ストラットよりも先に密室に入っていた】。
    ――『如何にして密室に入ったか?』の謎は、この赤で半分が解けるが、魔女は元よりこの部分は捨てている。
    そして、密室幻想の半分以上を打ち破っても尚、もう半分にして今回のゲーム盤の核心の謎。
    ……『如何にして密室に潜んでいたか?』については、ほぼ破られておらぬ。
    閂の扉と足跡の謎も含めて、多くの謎を犠牲して、最後の幻想を完璧に守護しておるのだ」

ワルギリア「サッカーにおけるカティナチオとは、単にハイレベルなDFを並べるだけでは成り立たない。
       選手間の緊密な連携と、それを指揮する選手が居て、初めて成り立つ物と聞いています。
       ……そうですよね、ニネー卿?」

ニネー「……魔女のゲームとは関係ない、私のゲーム盤的なノリで今回の謎を説明すると、
     ミアータの消失の謎というジェンティーレ君級の謎を、
     閂の扉とか足跡みたいなバサレロ君とかトリノ君……イタリアユースのモブDF級の小さい謎がサポートし。
     その全てを、カティナチオマステリーであるヘルナンデス君――魔女が、全体の実力を底上げしてるような。
     そんな風に取れるのかしらね。……うう、話しているとイタリア戦の悪夢が蘇って来た。
     松山くん、あんたはなんでそんな所でクラブAを引いてくるのよぉ……ぶるぶる」

581 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:34:14 ID:St1n+F7s
ベアト「ふうむ。妾はサッカーには疎いが、まさしく今回の謎はニネー卿のゲーム盤における、
    イタリア戦を再現している、とも言えるのかァ。……で、敵が強いのは分かったけどよォ。
    結局森崎は、どうやってこの壁を乗り越えるんだ? ジェンティーレをロジックエラー疑惑でレッドカードにするとか?」

ワルギリア「そうですね。……繰り返しますが、今回の謎の焦点は、『ストラットの殺害前後、ミアータはどこに隠れていたか?』です。
        隠れられるような秘密の扉、家具類、別の部屋類は全て赤で否定される中、
        彼女は果たして、どこに存在し得るのか? ……これを証明できない限りは、『魔女は魔法で霞となっていた』、と
        主張されても仕方がありません」

ベアト「手掛かりが見つかんないんだよなー。今回のゲーム。赤を掻い潜るって言っても、
     そもそもの赤が多すぎるし。お師匠様だったら、どうやって解く?」

ワルギリア「さて。私でしたら……『チェス盤思考』を用いるでしょうかね」

ニネー「あっ、それ聞いた事あるわ。自分と相手が対峙してるチェス盤で、自分と相手の立場を入れ替えたら、
     次に敵が打つべき手が見えてくる……ってヤツでしょ?」

ベアト「つまり、今回の場合、『自分が魔女ミアータの立場だったら、どのような真相を、どのような手がかりの下に配置する?』
    ……って感じかァ。となると……ほうほうふむふむ。妾は少し分かった気がするぞ」

ニネー「ちょっと待って……んー。私も分かったような、気がする。
     ――つまり、敵は森崎君を心理的ミスリードに嵌めたい訳だから……。
     敵としては、心理的ミスリードを招くような描写や赤を沢山振りまきたい筈だわ!」

582 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:37:21 ID:St1n+F7s
ワルギリア「良い考え方ですね、ニネー卿。そして、……それこそが、このゲーム盤の真髄であり、最も恐ろしいポイントです」

ベアト「うむ。普通の魔女なら、赤き真実や幻想描写でニンゲンを煙に巻く。しかし、彼女は違う。
     彼女は――このゲーム盤の、文字通り全てを使って森崎を欺きにかかっておるのだ。
     たった一つのミスリードを招く為だけに、この舞台を作ったのだと思うと……この妾とて、戦慄すら走る」

ニネー「この舞台ってのは、山奥の古めかしいホテルの、その更に古めかしい離れの小屋で殺人が起きたってヤツ?
     それで一体何を心理的にミスリードするって言うんだったら……成程、そういう事か」

ワルギリア「ええ。……ベアトの言う通り、今回の魔女は非常に周到で、非常に悪質です。
       ニンゲンへ善意を振りまいていると見せかけて、それすらもミスリードの材料に使っている。
       ……本当に、恐ろしい魔女です」

ベアト「森崎……そして、森崎を応援してくれるウイッチハンター達よ。
     妾達からは、推理の助けとなるよう一つの赤を贈ろう。
     【ミアータは、ストラットよりも先に密室に入っていた】。
     ……これは、今回の謎のハラワタであるが、これのみを青で示しても、魔女はビクともしないであろう。
     故に、魔女は一体どのようなミスリードを狙い、その結果どこに隠れ果せたのかについて。
     その部分の青を、そなた達で示してやるのだ。これまでの赤字と共に、今一度推理を練るが良い。
     ――妾が言えた立場ではないが。森崎を、この世界を、頼む……!」

ワルギリア「リザインには至りませんでしたが、今回の謎の核心を掠めた青は、既にいくつか出ています。
        一度赤で否定された推理についても、もう一度深く考えてみてください。
        そうすれば、きっと道が見えて来るでしょう」

ニネー「! cardや! diceで決められない勝負ってのも、大変なモンよね……。
     でも、……森崎君の悪知恵なら、魔女の悪知恵にも負けない筈だし。そこは大丈夫……かな?」

583 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:39:15 ID:St1n+F7s
〜これまでの赤字〜
※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。
※今回は問題が3問あるため、>>1の判断で今の問題(B内側からの施錠)に関する赤を抽出しています。
 (各【】の↓にある※については、それぞれの赤字の定義や備考です。)

−ストラットについて−
【ストラットは一人しか存在しない】
 ※本人以外の誰もが、どの存在もが、ストラットの名を名乗る事は許されない
【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された。他殺である】
【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】
【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】
【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】
【ストラットは多重人格者ではない】
【ストラットの視力は正常】
【ストラットは変装していても、ミアータの事を間違えない】
【ストラットは一人で離れの祠に入った】
【離れの祠の扉を内側から施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】
【記憶喪失状態は、健康体では無いとみなす】
【名前を付けた人形に凶器を持たせ自害する方法は、自殺とみなす】

−ミアータについて−
【ミアータは、ストラットよりも先に離れの祠に入っていた】
 ※すみません、『密室』だと厳密には誤りなので、『離れの祠』に修正します。
【ミアータは一人しか存在しない】
【ミアータ本人以外の誰もが、どの存在もが、ミアータの名を名乗る事は許されない】
【ミアータの身体能力は一般的な成人女性と同じ】
【隠れ身の術及びそれに準ずる隠密術は、一般的な成人女性には使用不可】


584 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:40:26 ID:St1n+F7s
−離れの祠について−
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉の鍵は施錠時、外側からは開錠不可能】
【離れの祠の扉を内側から施錠したのは、ストラットである】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【離れの祠は、一つしか存在しない】
【祠の中には、人間が隠れられるような家具Xは存在しない】
 ※家具Xとは、通常のホテルの客室にある、ベッド、クローゼット、机椅子類を指す
【ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである】
【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】
【離れの祠は、1階しか存在しない】
 ※祠内には、天井で区切られた上部スペースが別に無い事を意味する。
【離れの祠には、ストラットの死体が発見された部屋しか存在しない】
【離れの祠の扉という名の扉は、別に存在しない】
【離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない】
 ※トラップには、間接的にストラットを死に追いやるトラップも含まれる。

−事件現場全体について−
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する。平面図の離れとは、離れの祠のことである】
【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】
【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】
【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】

−ゲーム盤全体について−
【この事件には人間以外の一切の動物X及び自律機械Xは関与しない】
 ※魔女の存在を否定するものではない。
【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】


585 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 01:42:14 ID:???
……と、言ったところで今日はここまでです。
もしヒントを受けて何か閃いた事があれば、復唱要求等してくだされば、
次回の再開時にまた返していきます。
本日もゲームにご参加いただき、誠にありがとうございました。

586 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 19:04:01 ID:???
『ストラットはネットワークゲーム上の離れの祠の中で、ミアータに殺された』

587 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 19:08:25 ID:???
『ストラットはミアータと離れの祠の中で待ち合わせしていた』

588 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 20:10:14 ID:???
ならこっちか?
「ストラットの死体はアイスピックの致命傷となった刺し傷だけであり切り傷などはない」

589 :◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 21:06:21 ID:???
本日のゲームですが、22時に再開とします。

590 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:01:35 ID:???
Episode 4   Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜 第三の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>488-492)−
【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】。
しかし、
 @【ロビーから離れの祠に通じる扉には、閂がかかっている】
 A【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
 B【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
すなわち、ストラットの死体は、@閂、A足跡、B内側からの施錠という、巨大な三重密室の中にあった。

魔女側はこれを、『愛憎の魔女ミアータが魔法で扉をすり抜け、魔法で空を飛んで中庭を超え、
魔法で壁をすり抜け祠へと入り、魔法の家具の力でストラットを殺害した』と、主張する。

人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔女の主張を否定する必要がある。
なお、【今回限りの特別ルールとして、人間側は@の魔法から順番に謎を解く必要がある】。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

591 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:04:02 ID:???
〜これまでの赤字〜
※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。
※今回は問題が3問あるため、>>1の判断で今の問題(B内側からの施錠)に関する赤を抽出しています。
 (各【】の↓にある※については、それぞれの赤字の定義や備考です。)

−ストラットについて−
【ストラットは一人しか存在しない】
 ※本人以外の誰もが、どの存在もが、ストラットの名を名乗る事は許されない
【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された。他殺である】
【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】
【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】
【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】
【ストラットは多重人格者ではない】
【ストラットの視力は正常】
【ストラットは変装していても、ミアータの事を間違えない】
【ストラットは一人で離れの祠に入った】
【離れの祠の扉を内側から施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】
【記憶喪失状態は、健康体では無いとみなす】
【名前を付けた人形に凶器を持たせ自害する方法は、自殺とみなす】

−ミアータについて−
【ミアータは、ストラットよりも先に離れの祠に入っていた】
 ※すみません、『密室』だと厳密には誤りなので、『離れの祠』に修正します。
【ミアータは一人しか存在しない】
【ミアータ本人以外の誰もが、どの存在もが、ミアータの名を名乗る事は許されない】
【ミアータの身体能力は一般的な成人女性と同じ】
【隠れ身の術及びそれに準ずる隠密術は、一般的な成人女性には使用不可】

592 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:08:33 ID:???
−離れの祠について−
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉の鍵は施錠時、外側からは開錠不可能】
【離れの祠の扉を内側から施錠したのは、ストラットである】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【離れの祠は、一つしか存在しない】
【祠の中には、人間が隠れられるような家具Xは存在しない】
 ※家具Xとは、通常のホテルの客室にある、ベッド、クローゼット、机椅子類を指す
【ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである】
【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】
【離れの祠は、1階しか存在しない】
 ※祠内には、天井で区切られた上部スペースが別に無い事を意味する。
【離れの祠には、ストラットの死体が発見された部屋しか存在しない】
【離れの祠の扉という名の扉は、別に存在しない】
【離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない】
 ※トラップには、間接的にストラットを死に追いやるトラップも含まれる。

−事件現場全体について−
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する。平面図の離れとは、離れの祠のことである】
【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】
【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】
【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】

−ゲーム盤全体について−
【この事件には人間以外の一切の動物X及び自律機械Xは関与しない】
 ※魔女の存在を否定するものではない。
【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】

593 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:10:09 ID:???
>>586-588
森崎「再開早々行くぜ、青き真実、『ストラットはネットワークゲーム上の離れの祠の中で、ミアータに殺された』!
    ゲーム上でストラットを殺害し、その後ゲームからログアウトして、密室から消えたんだ!
    『ストラットはミアータと離れの祠の中で待ち合わせしていた』!」

ドオオオンッ、バァァンッ!

ミアータ「定番の青ねぇ! でも、【この事件は全て、現実世界で起こった事である】!
      それと下の青だけど、これだけじゃあ、魔女幻想を否定した事にはならないわ。
      『ストラットは先に待ち伏せしていたミアータに殺された。
       しかし、ストラットの殺害前後、密室内にミアータの姿はどこにも視えなかった』。
      ――この理由を、人間とトリックで説明できない限りは、魔女は赤も出さないわよォ!」

森崎「ちぇっ、ダメか!(……【ミアータは、ストラットよりも先に離れの祠に入っていた】。
    だから、密室事件の半分は説明できる。ストラットがいくら内側から鍵を掛けようが、
    もともと中にミアータが居るなら同じだもんな。
    でも、……そうなると不思議なのは、『なぜ、ストラットは祠に居るミアータに気付かなかったのか?』
    『ストラット殺害後、ミアータはどこに潜んでいたのか?』――に、なるワケだ)」

上位世界から零れ落ちたたった一つの赤き真実を武器に、森崎は懸命に考える。
そして、……まずは基本的な真実を探り出していく。

森崎「――復唱要求。「ストラットの死体が発見された時、目撃者はミアータの姿を視認していない」」

ミアータ「応じるわ。【ストラットの死体が発見された時、死体の目撃者Xはミアータの姿を視認していない】。
      何故なら、『魔女である私は、姿を霧にしてニンゲンから隠れていた』もの……ウフフッ」

森崎「成程な……(つまり、ストラットも、その死体の目撃者Xも欺くような場所に、
    ミアータは隠れていたって訳だ。……でも、どこにだ?
    隠れられる家具は無い。隠れられる技術も無い。隠し扉も、『ベアトリーチェの密室定義』に反する以上存在しない。
    どこだ……どこにある。この魔女の、ミアータの心臓は……?)」


594 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:11:19 ID:St1n+F7s
※GM註:【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】と、
       目撃者Xによる視認は矛盾しているかもしれませんが、
       これは、【目撃者Xはストラットの死体が発見された瞬間の状況を説明するため、便宜的に置かれたものであり、
       事件やトリックそのものについて、直接的な関与はしていない】と解釈する事で許してください。


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


595 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:13:41 ID:???
「ストラットが内側から施錠した時、扉の方を向いていたのでミアータの姿は見えなかった」

596 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:13:46 ID:???
「離れの祠には雪は積もってない」
「離れの祠には床下収納や押し入れなど人が隠れる空間は存在しない」
「離れの祠には彫像の類いは存在しない」

597 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:25:04 ID:???

『ミアータはストラットの皮をはいでそれを着ていた』

598 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:30:01 ID:St1n+F7s

森崎「復唱要求ッ、
    @「ストラットが内側から施錠した時、扉の方を向いていたのでミアータの姿は見えなかった」
    A「離れの祠には雪は積もってない」
    B「離れの祠には床下収納や押し入れなど人が隠れる空間は存在しない」
    C「離れの祠には彫像の類いは存在しない」」

ミアータ「@については復唱要求というよりは青に近いわね……だから、青として切ってあげるわ!
      【ストラットは内側から施錠後、祠の室内を見渡したが、ミアータの姿は視えなかった】!
      Aについては、復唱するわ。【離れの祠には雪は積もってない】
      Bについては、既出の赤に補足する形で赤を出してあげる!
      【祠の中には、人間が隠れられるような家具Xは存在しない】!
      【床下収納や押し入れについても、家具Xに含むとみなす】!
      Cについては、……そうね、復唱するわ。【離れの祠には彫像の類いは存在しない】」

森崎「(……ここまでやって分かったが、こいつ……復唱拒否が極端に少ないぞ。
     特にBの謎に入ってから、復唱を拒否しているのは、自らを人間とする復唱と、
     単なる気紛れで、その後すぐに赤を出したケースと、それくらいしかねぇ。
     真実を語らず隠すんじゃなく、真実で真実を隠す。これが、ミアータのタクティクスか……!)」

ミアータ「ほらほら、もう終わりぃ? ストラットの死をあんたは無駄にするつもりぃいぃぃぃぃぃぃッ!!?!?!」

森崎「そもそもテメエが殺さなければよかっただろうが! この恋愛サイコパスが!
    畜生、調子が狂うな……まあ良い、次だ、次!」




599 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:31:22 ID:???
「祠の床(地面?)。および壁はこの事件には関係ない」

600 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:38:59 ID:???
『祠の中には水が溜まっておりその中にミアータは潜っていた』

601 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:39:12 ID:???
『ストラットは誰にも追いかけられていなかった』

602 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:40:04 ID:St1n+F7s
森崎「待てよ……こいつなら、これが真相って事もありかねん!
    『ミアータはストラットの皮をはいでそれを着ていた』……!」

自ら発言するのも恐ろしい青だが、狂ったミアータならばやりかねない。
そう思って森崎が練った弾丸は――。

ミアータ「えっ!? ストラットの皮! キャーーーッ、ステキィ!?
      ……とでも言うと思ったがガキャァァァァァァァァァァァッ!?!?!
      テメエって本当に乙女心分かってねぇよなぁぁぁあぁぁぁッ!?
      ストラットは皮をはぐだけじゃなくて、臓器まで全移植するのがデフォでしょうがぁぁあぁぁッ!?
     つか勿体ねぇだろ!? 先にクローン1ダース作って、そのうちの一人だけだろ、皮要員は!?
     その程度でストラット語ってんじゃねぇぞゲロカスがぁあああああぁぁぁあぁぁぁぁッ!!!!
     ――【ストラットの死体には、杭による刺し傷以外存在しない】ッ!
     つまり、皮を剥ぐ際に出来た傷は存在しねぇえって事だよダボがぁぁぁぁぁッ!!」

ギンッ! バリバリバリッ! ガシャァァッ!

森崎「や、やばい。また変なスイッチを押しちまった……!
    まあ、一応赤は出してくれたし、良しとするかな……?」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

603 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:42:40 ID:???
『離れの祠の中につららが出来上がっていた』

604 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 22:44:00 ID:???
「祠の扉の中に隠れるスペースはない」

605 :604:2017/08/28(月) 22:46:59 ID:???
あ、扉の中っていうのは扉の中です
祠の中ではないです

606 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 22:53:11 ID:St1n+F7s
>>588さんの復唱要求について、答えられてなかったですが、
【ストラットの死体には、杭による刺し傷以外存在しない】で、答えたとしてください。すみませんでした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>>599-601
森崎「復唱要求ッ、「祠の床(地面も含む)。および壁はこの事件には関係ない」!」

ミアータ「そうねぇ……どう切ろうかしら。というのも、『事件に関係ない』の定義が難しいから。
      例えば、【祠の壁には照明が付いている】んだけど、それだけでも、
      間接的に事件に関係がある可能性だってあるし。……だから、これは復唱拒否ね」

森崎「じゃあ、この推理はどうだァ?青き真実!
   『祠の中には水が溜まっておりその中にミアータは潜っていた』!」

ドオオオオンッ!

ミアータ「ウフフ……ッ! 良いわね良いわね、室内に水は無いという固定概念を崩す青!
      だけど、それじゃあ私は倒せないわ、【祠の中には、一切の水は存在しない】!
      だったら、『祠の中にはお酒が溜まっておりその中にミアータは潜っていた』!
      とか言われそうだから言うけど、【祠の中には、人間が潜って隠れるだけの水分一切は存在しない】からねッ!」

森崎「『ストラットは、誰にも追いかけられていなかった』……?」

ミアータ「まあ、そうかもねぇ。【ミアータは、ストラットよりも先に離れの祠に入っていた】んだから。
      ……で? この青で、私が先に離れの祠に入っていながら、
      ストラットから姿を隠せていた事をどう説明するの? 今回の謎の趣旨はそこなんだけど」

森崎「ぐっ……!(この青じゃ、魔女に太刀打ちできねえのか。魔女は必ず青を切る必要があるとはいえ、
    魔女の謎に応えられてねえ青は、仮説とは言えない。もう少し、考えなくてはな……)」

607 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:01:07 ID:St1n+F7s
>>603-604
森崎「『離れの祠の中につららが出来上がっていた』!」

ミアータ「これも謎を説明し切れていないわね。つららが出来上がっていたとして、
      どのようにそのつららを利用して、私が姿を隠していたのかを説明して欲しいわ。
      まあ、どのみち【離れの祠内にはつららは存在しない】のだけどねぇッ!」

ドオーーーーンッ、ギンッ! ガキンッ!

森崎「だったら、この復唱要求はどうだぁ?「祠の扉の中に隠れるスペースはない」。
    言っとくが、この扉の中ってのは、祠の中の間違いじゃねぇぞォ?
    扉の中ってのは、扉の中だ。いっひっひ……どうだァ?」

ミアータ「復唱するわ、【祠の扉の中に隠れるスペースはない】!」

キイイイインッ!

森崎「こ、これも復唱しちゃうのか……!?」

ミアータ「『ミアータは、祠の扉の中に隠れていた』と言いたい訳ね。
      確かに扉は家具Xに含めるには微妙だし、脱出不可能な隠し扉なら、
      『ベアトリーチェの密室定義』にも反しない。発想は良かったけれど……!」

ズバァァァァァッ!

ミアータ「この程度じゃ、ストラットを失った私の悲しみは永遠に癒えないんだよ、
      ぶわぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあかぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!!!!」

森崎「な、なんて自分勝手かつ横柄な奴なんだ……!
    (くそっ、少しずつ心臓に近づいて来ている筈なのに、全然ダメージを与えられた気がせんぞ……!
     まだか。まだ、やるしかねえのか……!?)」

608 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:04:15 ID:???
『ミアータは祠の天井に張り付いていた』
「死体の目撃者Xはミアータではない」

609 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:13:10 ID:???
『ミアータは鎧、修道士の服装など全身が隠れる格好をして置物のように振る舞い、ストラットを離れの祠で待ち伏せした』

610 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:14:00 ID:???
「死体の目撃者Xは視力は正常ではない」

611 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:16:07 ID:St1n+F7s
>>608
森崎「復唱要求、「死体の目撃者Xはミアータではない」!」

ミアータ「これは復唱するわ、【死体の目撃者Xはミアータではない】!」

森崎「次、青き真実! 『ミアータは祠の天井に張り付いていた』」

ドオオオオオオオオオオオン! ……ガンッ!

ミアータ「…………へぇ」

――この時、ミアータの表情が一瞬だけ歪んだ。
一点だけに拘らない、面による推理で森崎が打ち出した青の一つが、
魔女ミアータを――初めて――捉えた。
……しかし。カティナチオの魔女は、それだけでは沈まない。

ミアータ「だったら、聞くわ。【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】、
      【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】、
      ここに定義するわ。【充分な照明とは、半径10メートルを完全に照らすものとする】
      そして、【離れの祠は、1階しか存在しない】。
      【ミアータの身体能力は一般的な成人女性と同じ】、
      【隠れ身の術及びそれに準ずる隠密術は、一般的な成人女性には使用不可】
      という青を無視するとしても、私が天井に貼りついた所で、ストラットは私を視認できる筈よね?
      だって、離れの祠の照明は、1フロアしか無い室内を、充分に照らしているんだもの。
      【ストラットは内側から施錠後、祠の室内を見渡したが、ミアータの姿は視えなかった】のよ?
      室内ってのは、普通当然天井も含むわよね? そこにも居なかったのよ?」

森崎「……完璧に解いて見せろ、ってか。俺が単なる言い当てで無く、
    完全に真実に至った事を示す為に……」

ミアータ「当たり前よ。本当なら、【天井に貼りつく技術は、隠密術とみなす】……って、切っても良い位だもの、その青。
      ……さ、これ以上の青が出せないなら次に行くわよ?」

612 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:22:58 ID:St1n+F7s
>>609
森崎「(さっきのアイツの様子も気になるが、他の推理だ!)
    青き真実。『ミアータは鎧、修道士の服装など全身が隠れる格好をして
    置物のように振る舞い、ストラットを離れの祠で待ち伏せした』」

ミアータ「既出の赤で切るわ。【ストラットは変装していても、ミアータの事を間違えない】!
      【変装とは、置物のように振る舞う事も含む】わよ?」

>>610
森崎「復唱要求、「死体の目撃者Xは視力は正常ではない」」

ミアータ「そんな訳じゃない。【死体の目撃者Xの視力は正常】よぉ? あっはははは……!」

森崎「くっ……!(どうする……? さっきの青は、これまで何一つ見えなかった謎の心臓を漸く捉えた。
    だが、捉えただけだ。掴んで握りつぶすにはまだ謎が多すぎる。
    ここはどうすべきだ? 謎について、正面から考えるべきか、それとも復唱要求や別の青き真実で、
    別方面から真実を切り崩していくべきか……)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

613 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:25:06 ID:???
『離れの祠はガラス張りであり、天井の照明に潜んでいたミアータの姿は太陽の光によりストラットの視界から消失していた』

614 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:28:29 ID:St1n+F7s
森崎「こうだッ!『離れの祠はガラス張りであり、天井の照明に潜んでいたミアータの姿は、
    太陽の光によりストラットの視界から消失していた』! どうだ!」

ドオオオオンッ!

ミアータ「あっは、素敵な青ね。でも残念、【離れの祠は全てレンガ造りで、窓は一つも存在しない】んだから!」

キンッ、バシュンッ!

森崎「(……コイツ、楽しんでやがる。今の状態は間違いなく、アイツにとっても危機的な状況の筈なのに!
     だが、謎を解く為の赤は大方出揃ってる。後もう一歩なのは確かなんだ……!!)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



615 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:43:01 ID:???
『祠の中にはエレベーターが取り付けてありそこにミアータは潜んでいた』

616 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:50:39 ID:???
『離れの祠のレンガ造りの壁は厚く、ミアータは壁に細工をして中に潜めるようにして、ストラットを待ち伏せした』

617 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:51:50 ID:St1n+F7s
>>615
森崎「青き真実!『祠の中にはエレベーターが取り付けてありそこにミアータは潜んでいた』。
    祠が中世風ってのはミスリードで、祠は普通に最先端の技術が取り入れられてたんだよ!」

ドオオオオオオオンッ! バギイイッ!

ミアータ「がハァッ、……【離れの祠には、ストラットの死体が発見された部屋しか存在しない】ッ!
      【エレベーターの室内は、ストラットの死体が発見された部屋とは別の部屋とみなす】ッ!
      ハァ、ハァ……まだよ。ストラットが受けた痛みは、こんなもんじゃないのよぉぉぉおおッ!」

森崎「(……大丈夫だ。効いてる。効いてるぞ……ッ!
     祠にエレベーターは無いにしても、方向性は間違ってはいないんだ……!)」

ミアータ「……愛す。愛す愛す愛す愛す愛す愛すアイスアイスアイスゥ!!!!!!
      アイスクリームのようにとろける恋もした事ねぇ童貞が、粋がるんじゃぬぇぇえぁあぁぁッ!」

森崎「……青が刺さっても、動きが鈍る様子もねぇってか。まるでゾンビみたいな野郎だぜ。
    ――だったら、ひと思いに頭をブチ抜いてやるしかねぇな……!」

618 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:55:19 ID:St1n+F7s

>>616
森崎「もう一撃だ!『離れの祠のレンガ造りの壁は厚く、ミアータは壁に細工をして中に潜めるようにして、ストラットを待ち伏せした』」

ミアータ「『離れの祠のレンガ造りの壁の中には、人が潜める空間は一切無い』ッ!
      この程度の攻撃で、私を殺れると思うなよ……!」

ドオオンッ、バシュッ! ――ギンッ!

腹を、そして右肩に青き杭が突き刺さっているにも関わらず、
魔女はその鋭利な動きを一切緩める事なく、左手に握ったナイフで森崎の青を薙ぎ払った。

森崎「ふんっ……! 俺のターンはまだ終わってないぜ!」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆




☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

619 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/28(月) 23:56:38 ID:St1n+F7s
すみません、☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
>>618二つありますが、特に演出でも何でもなく、GMのミスです(汗)視なかった事にしてください。

620 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:56:50 ID:???
『祠の中を地面を掘った後、土と一緒に埋まってミアータは潜んでいた』

621 :森崎名無しさん:2017/08/28(月) 23:59:13 ID:???
『ミアータはアイスケースの中に潜んでいた』
まさかミアータがあの炎上事件の先駆けだったとは……

622 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/29(火) 00:02:36 ID:bxkviGCI
>>621
森崎「『祠の中を地面を掘った後、土と一緒に埋まってミアータは潜んでいた』!」

ミアータ「【祠の床・壁・天井は、掘ったり破壊したりする事は不可能】!」

ドオオオオンッ、キンッ!

>>622
森崎「『祠にはアイスケースがあった。ミアータはアイスケースの中に潜んでいた』!」

ミアータ「【祠にはアイスケースは存在しない】ッ! アイスケースに入ってるのは、、
      ミアータじゃなくてスジャータがお似合いだワァッ!」

ドオオオンッ、キイインッ!


森崎が放った秒速の青を、ミアータは完璧に読み切り赤き短剣で弾き返した。
……彼女は鎧を失い傷つきこそすれ、まだ弱ってはいない。
その事実を噛み締めながら、森崎は次の青を紡ぐ。



☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



623 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/29(火) 00:05:41 ID:bxkviGCI
今日のゲーム終了は、24時30分までとします。
それまでにリザイン手が出ない場合は、次の晩に持ち越しとしますが、
もう謎の核心一歩手前まで来ているので、最後のヒントを投下したいと思います。
(そのため、自分で考えたい方は、今の内色々と考えて頂ければ幸いです(笑))

624 :森崎名無しさん:2017/08/29(火) 00:05:47 ID:???
『ミアータと名付けられた祠の、内部にある杭によってストラットは死んだ』

625 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/29(火) 00:13:31 ID:bxkviGCI
>>623
森崎「『ミアータと名付けられた祠の、内部にある杭によってストラットは死んだ』ッ!」

ミアータ「ウフフ……その程度の青なら、既出の赤!
      【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された。他殺である】
      施設内での死亡は、他殺であるという赤に反するわ!
      そして、【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】
      という既出の赤がある以上、ストラットをミアータという施設に誘導した人物Xは存在し得ない。
      つまり、この推理は成り立たないのよォ!」

キーーーンッ、ズバァァァッ!

……再びミアータが攻勢に出た。負傷を諸共ともせず、一歩踏み込んで森崎の鼻先まで迫りつつ、
練り上げた青き真実を粉々に打ち砕いてみせる。

森崎「(ダメだ。推理がまた少し、真実から離れて来ているのかもしれん!
     考えろ、そもそもアイツの弱点がどこだったかを。そしてどの点を改善すれば、
     アイツの弱点を完璧に突けるのかを、だ……!)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆




626 :森崎名無しさん:2017/08/29(火) 00:21:40 ID:???
『離れの祠の中は光を乱反射させるものがたくさんあった。
その光のまぶしさでストラットはミアータを見つけることが出来なかった』

627 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/29(火) 00:25:45 ID:bxkviGCI
>>626
森崎「青き真実。『離れの祠の中は光を乱反射させるものがたくさんあった。
    その光のまぶしさでストラットはミアータを見つけることが出来なかった』!」

ドオオオオンッ、ガギインッ!

ミアータ「【離れの祠の中には光を乱反射させる素材は、一切存在しない】!」

森崎「これまで弾き返すか! ……畜生、あと一撃なのに。あと一撃なのによォ……!!」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


628 :森崎名無しさん:2017/08/29(火) 00:26:52 ID:???
『離れの祠には今は塞がれた煙突があり、ミアータはそこに潜んでいた』

629 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/29(火) 00:39:55 ID:bxkviGCI
……と、言ったところで今日のゲームはここまでにしますが、
>>628さんがリザイン手にかなり近いです。一応、もう少しだけ粘ります。

【離れの祠に煙突は無い】

……ですが、これ以上は読み当てに近くなってしまうかもしれないです。
そのため、次回は真相解説編にしようと思います。
(完璧に当てたい方は、次回までに青を打って下されば幸いです。
 ちなみに、今回の謎最大のヒントは、>>496の平面図にあります。)

それでは本日もゲームに参加頂き、誠にありがとうございました。

630 :森崎名無しさん:2017/08/29(火) 00:50:01 ID:???
『離れの祠には暖炉があり、ミアータはそこに潜んでいた』

631 :森崎名無しさん:2017/08/29(火) 20:30:32 ID:???
『離れの祠には今は塞がれた通路があり、ミアータはそこに潜んでいた』

632 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/30(水) 00:15:26 ID:m5QiWAqM
今日は帰りが遅かったので、真相編は明日にしますが、描写なしで、赤だけ切っていきます。

>>630
【離れの祠には暖炉はない】です。煙突である必要はありません。
実感としては暖炉より、エレベーターの方が真実に近いです。
>>631
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する。平面図の離れとは、離れの祠のことである】
より、【離れの祠には通路が存在しない】です。
『平面図が正しい、の時制が曖昧だ。平面図が正しかったのは300年前の話だった。
 今は塞がれた通路が出来ているんだ!』
という屁理屈もありますが、【当スレ>>496にある平面図は常に正しい】です。

平面図がヒントではありますが、平面図自体に嘘はありません。
ただ、嘘は無くとも全ての真実を指し示しているとは限らない、という事です。
これでもし真相がわかった方が居りましたら、書いて頂ければ嬉しいです。

633 :森崎名無しさん:2017/08/30(水) 01:29:08 ID:???
『ミアータは離れの祠の天井付近に潜んでいた。離れの祠の天井はとても高く、ストラットの眼にはミアータが確認できなかった』

634 :森崎名無しさん:2017/08/30(水) 03:49:18 ID:???
『天井のレンガが取り外し可能で出入りが可能だった。
出入りには祠内の梯子を利用。』

635 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/30(水) 21:14:58 ID:m5QiWAqM
今日は真相編を書いていこうと思いますが、もう暫くお待ちください。
先に青字についてだけコメントします。
>>633
ほぼ完璧にリザインです!
>>634
天井のレンガについては、
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
より否定できますが、梯子については>>633さんで”ほぼ”とした部分を完璧に補完しています。

636 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:13:34 ID:v0O3wSA2
森崎「『離れの祠の正体は車だった! ミアータは殺害後、車の荷台に隠れていた!』」

ミアータ「【離れの祠は建造物】!【離れの祠に荷台は存在しない】!」

森崎「……ッ! なら『支配人が閂を掛けた事がきっかけでミアータにステルストラップが発動!
   ストラット殺害後、ミアータは消失した』!
   【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】という赤があるが、
   これは裏を返せば支配人は事件に関与し放題という事だ!」

ミアータ「――【閂の扉の閂は、離れの祠に一切関与しない】!」

森崎「じゃあ……これはどうだ! 
   【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】。
   しかしストラットの死体発見時がいつを指すのか分からない。よってこれが成り立つ。
   『”ストラットの死体発見時”とは、ミアータが自ら殺した死体を発見した時を指す。
    つまり、”死体を発見”したミアータは、早々に密室を内側から破り脱出した。
    その後、目撃者Xがストラットの死体を発見した』!
   これなら、
   【ストラットの死体が発見された時、死体の目撃者Xはミアータの姿を視認していない】にも、
   【死体の目撃者Xはミアータではない】にも、共に反しねぇよなァ!?」

ミアータ「面倒な青ねぇ……! だったら、【ストラットの死体発見時とは、ミアータ以外の目撃者Xが、
      死体を発見した時を指す】!!」

637 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:15:12 ID:v0O3wSA2
森崎「ぐっ……!」

キンッ、キンッ、キンッ、ガキイイイインッ!

ミアータ「……私の愛はなァ、チンケな三流ラノベみたいな軽いモンじゃねぁんだよ!
      テメエみたいな部外者が、ストラットを語ってんじゃねぇぇえええッ!!
      てか語られるストラットもストラットだろッ、簡単に語られる尻軽男めが!
      私の許可なくモリサキに浮気してんじゃねぇぞッッッッ!!!!!!!」

ミアータの継戦能力は恐るべき物だった。
腹を、腕を、肩を負傷しても尚、残った全身を駆使して、凡そ人間離れした動作で、
森崎が繰り出す青き真実を一つずつ砕いてくる。




************************************

ベアト「ば、馬鹿な……! 普通の魔女であれば、その青の重みに耐えられず、
     当の昔にリザインしている所であろうものを……!」

ニネー「……私のゲーム盤でも、イタリアはひたすらしぶとかったわね。
     ヘルナンデス君ったら、岬君の、山森君の、三杉君のシュートに、
     果てはドライブタイガーまで悉く防いじゃうんだもの……。
     その影響が、ゲーム盤を隔てた、ここのミアータにも表れている可能性があるわね」

638 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:16:12 ID:v0O3wSA2
今や、上位世界の魔女達も、眼下にある愛憎と嫉妬の魔女を明確なる脅威と見なさざるを得なかった。
多重に張られた強固かつ堅牢な密室。大量の赤き真実で真相を覆い隠すという、繊細かつ大胆な盤上戦術。
魔女のゲームにおいて必要とされる技能を、彼女は完璧にマスターしているどころか、
自分なりのアレンジを加え、最強クラスの守備力を誇示している。

ワルギリア「謎の難解さや発想の大胆さでは、彼女を上回る魔女や魔術師は多く居るでしょう。
        しかし、かくも単純な謎を覆い隠し守り抜く技術は、私もこれまで見た事がありません。
        ……森崎くんが、ここまで肉薄しているのが、むしろ奇跡と言える位です」

ベアト「ええい、森崎には任せられん。かくある上はこの妾が直接引導を……!」

――しかし。

ニネー「待って。……大丈夫よ、森崎君なら。ううん、……森崎君を応援している、皆の力があるなら」

この領域全体の支配権限を持つニネー卿だけは、認知出来ていた。
森崎の周囲に漂う、《無限》でも『奇跡』でも【絶対】でもない――”運命”という名の魔力を。
魔女のゲームは彼女の得意とする分野からは大きく外れてはいたが、
しかし、そこに通底する『想い』の力は同質。森崎は……決して一人ではなかった。


639 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:17:33 ID:v0O3wSA2

ベアト「それはどういう意味……! こ、これは……!」

ワルギリア「――見ておきなさい、ベアト。これが我らとは全く異なる領域にて千年を生きた魔女の奇跡。
        数ある魔女の中でも、ごく少ない者にしか扱えぬ秘儀中の秘儀を!」

ゴ オ オ オ オ オ  ッ………!!

下位世界に魔力の渦が生じている。しかしそれは、ニネーが自ら生み出した物ではない。
彼女はあくまで、きっかけを生んだに過ぎず、……様々な色を含んだ混沌とした渦は、
何の指示も無くに紡がれ、弾かれ。やがて、たった一筋の青き光となり。

ニネー「……森崎君。これだけの声援があるんだから、魔女なんかに負けちゃダメよ!」

カッ!

――下位世界で傷つきながらも戦う森崎を一際激しく照らした。
それは、今も尚戦い続ける森崎にとっての、反撃の狼煙となる。


************************************



640 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:21:10 ID:v0O3wSA2

森崎「あ、諦めんぞ! えっと……
    『離れの祠の正体は支配人、ハナレノ・ホーコラ氏だった!
     ハナレノ氏は閂をかける時の衝撃波でミアータを異次元へと誘ったのだ』!
    『ミアータとはミアちゃんとータちゃんの双子だった! ミアータは今回の事件と関係しない』!
    『そもそも、ベアトリーチェの密室定義の定義が俺達の知る密室定義と異なる!
     ”今回の”ベアトリーチェの密室定義では、外部に脱出可能な隠し扉を含んでいた』!
    あ、後は……」

ミアータ「――【異次元へと人を送る衝撃波は、魔法とみなす】、【ミアータは今回の事件と関係する】
      【ミアちゃんとータちゃんは存在しない】、【ベアトリーチェの密室定義に誤りや変更はない】ッ!」

キンッ、キンッ! ――カーンッ!

森崎「うぐっ……!」

――魔女と立会人が”魔法”を起こす直前、森崎は窮地に瀕していた。
苦し紛れの青では、ミアータの鋭い剣戟を乗り切る事はできず、少しずつ押され、
そして――喉元に、鋭い赤きナイフを突き立てられる。

ミアータ「死ねやモリサキィ! あの世でストラットを殺した罪を詫び続けろォォォォォォオオォォォッッ!」

森崎「……!!」

――しかし、死に至る直前でも、森崎は諦めなかった。
考えろ。考えろ。これまでの赤を掻い潜る青を。魔女の欺瞞を拭い去る青を。
絶対絶命のピンチから逃れ、逆転勝利を掴み取る為の奇跡の青を。
……そして、こうした彼の姿勢こそが、絶対の魔法。
例え争いの場がサッカーコートであらずとも、森崎有三は”魔法”を起こし続ける。

641 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:22:50 ID:v0O3wSA2

カ ッ !

森崎「……そう、か」

――キィィィィンッ……!

ミアータ「!? この、光は……!?」

森崎の全身が黄金に光り、ミアータのナイフは皮膚まで至らず跳ね返される。
傷ついた身体はみるみる内に癒えていき、瞳には覇気が戻って来た。

森崎「……ああ、駄目だ。全然駄目だッ! 俺はどうして、こんなミスリードに引っかかっていたんだ?
    ったく、それにしてもなんつー魔女だぜ! ああ、本当に!」

そしてそれと同時に、森崎は、至ってみせた。
……この事件の心臓。すなわち、魔女幻想の正体に。

森崎「――漸く分かったぜ。この事件を構成する、全ての真実がな……!」

642 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:25:07 ID:???
…と、言ったところで今日はここまでです(汗)

643 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/01(金) 00:58:07 ID:???
すみません、今日は仕事が忙しかったので、更新をお休みします。

644 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/02(土) 17:04:05 ID:???
すみません、仕事が忙しい&まだ書きあがらないので、今日もお休みします。
明日には回答編を投下したいです。

645 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:19:28 ID:???
全ての真実が分かった。
その宣言を裏付けるように、森崎の周囲には赤き真実の刃が煌めいた。
しかしこれは、森崎を屈服させる為に放たれたものではない。
……これらは、森崎が呼び出した赤き刃。ゲームの真相を知る者にしか使用できぬ、
赤き真実を自在に扱える権限を持つ事こそ、彼がこのゲームの核心に至った証だった。

森崎「『ストラット殺害後、ミアータはどこに隠れていたのか?』
    今回の謎の核心は、これだけだ。……そして、その核心を暴く為の武器は、
    ゲーム盤の初期には既に、示されていた」

そう言うと同時に、周囲に浮かぶ刃の内の二つを、ミアータの近くに突き立てた。

――【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】。

――【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】

森崎「しかも、この二つの武器は、抽出して見ればトリックの所在がバレバレだ。
    ……何が、『どこにも”見えなかった”』だ。何が、『”ストラットの周囲には”、充分な照明があった』だ。
    これ単体だけで見たら、三流の赤だぜ。
    この赤があれば、ストラットの視野に致命的な見落としがあったと、誰もが容易に推測できる。
    実際、『ストラットは盲目だった』……という青だって、初期の内に飛んでいたしな」

ミアータ「へぇ。……気付いていたのね? その割には随分苦戦させられてた風に見えたけど」

森崎「ああ。……認める。かくも明瞭かつ単純な謎を解くのに時間がかかったのは、
    間違いなく、お前のゲームマスター……このゲーム盤の魔女としての手腕だ。
    シンプルな真相を、閂の掛かったガチガチの金庫に閉じ込めたお前は、
    間違いなく、カティナチオの熟練者――『カティナチオマステリー』と呼ぶに相応しかったよ」

森崎の脳裏に、未だ経験せぬライバル達との熾烈な戦いが浮かんだ。
強力かつ統制の取れたDF陣と、底知れぬ体力・精神力でそれを支えるGK。
彼女の放つ謎は、まさしくワールドクラスの守備力を誇っていた。

646 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:20:46 ID:???
ミアータ「でも、……知っているかしら? イタリアサッカーは、決して守り一辺倒のサッカーじゃない。
      むしろ、堅守からの強力なカウンターこそがその持ち味なのよ。
      ……そう、守りが堅いからこそ、ストラットのような強力なストライカーが輝ける。
      なのにッ!! それをお前は奪ったんだッ!!!!! この醜悪な人殺しめッ!!!!」

ミアータは今も尚斃れず、森崎に一方的な憎悪を向けて咆哮する。
……真実の赤が深々と刺さっているにも関わらず、この魔女は死なない。
執念染みた愛憎の恐ろしさに森崎は辟易しつつも、……続ける。

森崎「黙ってな。……そうだよ。お前は謎を強固に隠蔽する一方、嫌に攻撃的だった。
    俺が謎を明かそうとすれば明かそうとする程、お前は積極的に赤を振りまいて俺を屈服させようとした。
    ……いや、むしろ逆だ。お前は大量の赤で俺を困惑させる為に、わざと謎の範囲を広げた!
    ヒントを与えて謎を解き易くするリスクを抱えてでもなお、お前は”三つも”設問を出したんだ。
    核心の謎に至るまでの前座で、少しでも多くのノイズを振りまいておくために、わざと!!」

バッ! ゴオオオオッ……!

森崎の周囲を雁字搦めに縛る、大量の赤き真実。
魔女にとっては伝家の宝刀とも言えるそれを、彼女は惜しげもなく使った。使わせた。
……すべては、単純な真相から森崎の視線を逸らす為だけに。

森崎「『閂の扉』の謎も、足跡の謎も、謎それ自体は大して重要じゃなかった。
    重要なのは、この謎を通す事で、少しでも多くのミスリード用の赤を出す事だったんだ。
    この二つの謎は、『離れの祠』が古く小さな建物であり、そして狭い建物であると、
    潜在的なイメージを与える事さえできれば十分。ついでに、
    【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】みたいな、
    核心に触れ、かつ錯誤を与える為の赤をひっそりと出せれば上出来……そんな所だろ?」

森崎がミアータに突きつけた赤は、ますますその鋭さを増しながら、彼女の喉元を食い破ろうと迫る。

647 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:23:02 ID:???
森崎「……思えば、この二つの謎だけじゃない。このゲーム盤。……幻想描写以前の全ての描写が、
    『離れの祠』に対するミスリードを強めていた。山奥の山荘。中世の伝統的な建築様式。
    クローズドサークルでの殺人。……正統派なミステリーめいた意匠を凝らして、
    とんでもないバカミステリーな回答を隠す為に、わざわざ長文をこさえたんだな。涙ぐましい努力だぜ」

ミアータ「ふ、うふふふふひひひひひひひびびびひぶぃッ! お前こそ、勿体ぶっちゃって!!
      さ、……さっさと言いなさいよ。さっさと私をストラットと同じ場所に連れてきなさいよォォオオォォッ!!」

森崎「そうしたいのは山々だが、ここまで手こずらせてくれたお返しだ。
    お前のハラワタを、存分にほじくり返していたぶってから連れてってやるよ。
    ――トドメはこの平面図だッ!」

――【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する。平面図の離れとは、離れの祠のことである】

そして、森崎はいよいよ核心のとなる最後の赤を取り出した。
それは最後にして最初の赤。……離れの祠に関する謎の序盤で取り出された、全ての前提となる赤き真実だった。

森崎「魔女のゲーム盤……『屁理屈推理合戦』は、基本的に、魔女が情報を恣意的に隠し、
    人間がその隠された情報を、赤き真実を頼りに推理し指摘するゲームだ。
    にも拘わらず、お前は厚意という建前で、人間に対し情報の多くを与えるという、
    通常考えればとんでも無い失策を犯していた。……それがあの平面図だ」

森崎の言う通り、幻想を信じさせたい魔女側は、多くの真実を語らない事が定石である。
多くの真実を語れば語る程、真相の幅は限定されていき、やがては人間に敗北してしまう。
ましてや、人間が要求してもいないのに、その情報の多くを――それも、半ば答えにも近いものを
――提供する事は、ゲーム序盤にてクイーンを奪われるにも等しい大損。
しかし彼女は、通常ならば考えられぬ暴挙を、最強の守備魔法にまで昇華してみせた。

648 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:26:21 ID:???
森崎「平面図の情報は多すぎだ。しかし、それ以前にもお前は多くの情報を渡していた。
    事件前の描写、幻想描写、前座の謎。……これら”真相を含まないより多くの情報”で、
    ”真相を含む多くの情報”に閂を掛けた。それにより、俺は、まんまと騙され続けたって寸法さ。
    ……目の前に、答えそのものがぶら下がっているのにも気づかずにさ。
    平面図が真実として正しいのなら、真相は平面図が示していない情報にある!
    そう、それは――」

森崎は、支配人から貰っていた『もう一枚』の紙片を魔女に見せる。
それは、このホテル・プルガトリオの立面図。即ちホテルを『横 か ら 見 た』時の図面であり。
……これこそが、赤い閂の最奥に隠された、ミアータのハラワタそのものだった。


〜ホテル・プルガトリオ 立面図(横から見た図)〜


800m            □□□□
               □   □
               □   □
               〜〜〜〜
               〜〜〜〜
               □   □
10m  .□□□      □   □       □□□
     □ □      □   □       □ □
     □□□     ..□   □      ...□□□
     □ ■      ■離れ□       □ □
――――――――――――――――――――――――
    地                    面

□=壁
■=扉・ドア
※壁と壁・扉との間には隙間は無いものとする。
※【離れ=離れの祠】

649 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:29:12 ID:8niLMtes
……答え合わせはもう終わりだ。後にあるのは、魔女の処刑のみ。
愛憎と憎悪に駆られ、決して犯してはならぬ罪をおかした魔女の周囲には、
彼女を苛む無数の赤き刃が、青き弾丸が並び、どこにも逃げ場は無い。
森崎は最後に小さく詠唱し、青き杭を打ち出して。

森崎「――『ミアータは離れの祠の天井付近に潜んでいた。離れの祠の天井はとても高く、
    ストラットの眼にはミアータが確認できなかった』。
    なお、『離れの祠には雪かき用の梯子があり、ミアータはその梯子を利用してストラットの
    視界に入らない場所まで登っていた。梯子は赤で存在を禁止していた家具Xの定義、
    ”通常のホテルの客室にある、ベッド、クローゼット、机椅子類”に含まれず、
    また、幻想描写中>>489にてその存在を示唆されている為存在可能』ッ!」

カ ッ !   ズドオオオオオオオオオオオオオンッ……!!

ミアータ「す、スト……ラッ……ト。……あい、……して……た」

――魔女の姿は散り散りに破れて暗闇の中へと消えていく。
『離れの祠』――高さ829メートルという、古代ローマ以前のハイテクノロジーにより建築された、
歴史的な超高層ビルの中に遺されたのは、ただ、森崎一人のみとなった。

650 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 23:19:00 ID:???
            キ  ャ  ス  ト


            森 崎 有 三

            ベアトリーチェ

            ワ ル ギ リ ア

            ニ   ネ  ー

            大  空  翼

            石  崎  了

            滝一

            ソ リ マ チ 卿

            日 向 小 次 郎

            若島津健

            吉良耕三

651 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 23:20:22 ID:???
            ヤ グ = ル マ

            松山光

            ふらの中の皆さん

            ロベルト(全裸)

            ミアータ・ベアトリーチェ

            チェザーレ・ストラット

            レヴィアタン

            エヴァ・ベアトリーチェ

            早田誠

            次藤洋

            佐野満

            沢田タケシ

            井沢守

            来生哲兵

            立花和夫

            立花政夫

652 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 23:21:24 ID:???
            山森正吾

            新田瞬

            三杉淳

            若林源三

            カスティリオーニ(支配人)

            見上辰夫

            ダヴィデ・ランピオン

            サルバトーレ・ジェンティーレ

            ジノ・ヘルナンデス






    屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
                          〜When he flies〜
         Episode 1  Apperance of the golden witch
         Episode 2  Resurrection of the golden witch
         Episode 3  Revenge of the golden witch
         Episode 4  Catenaccio of the golden witch




653 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 23:26:19 ID:???


■〜新スレの追加〜
 黄金の魔女は、この度の滞在の記念に新スレを用意しました。
 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1504448118/
 詳細は、森崎板のスレッド一覧からご確認ください。

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