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【ツバサハ】キャプテン森崎32【タダシクナイヨ】
[539]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 09:45:02 ID:u5EQ8NDH ドトール「ここ数日ストラットの様子がおかしかったのと関係あるのか?」 翼「多分ね。だからキャプテンとしてメンタルを作り直せって言っておいたんだよ。 後はまあ…女の子をあまり待たせるのは良くないってね」 マウリシオ「おおっ、意味深な発言だ!」 翼「茶化すなよ。俺にだって再会を誓った女の子位居るさ。それで、ただ俺を 冷やかしたかっただけかい?生憎話のタネに出来る様な面白い話は無いよ」 またマウリシオやアマラウが騒いでいるだけかと思った翼はさっさと踵を返そうとする。 だがここで今まで黙っていたバビントンが慌てて彼を引き止めた。 バビントン「ま、待ってくれよ!僕達、ツバサに聞きたい事があったんだ」 翼「何を?」 バビントン「ええと…ええと。僕、ツバサに感謝してるんだ。僕はアルゼンチンから来たから 風当たりが強かったけど、ツバサはもっと色眼鏡で見られていたのに黙って努力し続け、 結果を出し続けて認められる様になった。そんなツバサを見る度に僕も頑張らないとって思えたから…」 翼「…有難うバビントン。でもそれは別に俺に感謝しなくても良いと思うよ。 俺は俺自身の為に努力したんだし、君の努力だって君自身の為だろう?」 バビントン「それでもだよ。それに、僕がアルゼンチン人だからってバカにする奴が居た時、 君は冷めた視線を向けただけで黙らせたじゃないか。君は自分の為にやったとか 国籍に関係なく実力が上のチームメイトを優先したとか言いそうだけど…」 翼「………」
[540]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 09:45:51 ID:u5EQ8NDH ストレートな情景と感謝の意をぶつけられた翼は彼にしては珍しく返答に困り頭をかいた。 明らかに照れている様子にアマラウがニヤリと笑う。 アマラウ「お前は自分がなりたい程悪人でも冷血でもねーよ、ツバサ」 翼「…結局からかっているだけかい?」 マウリシオ「まあ待って待って。俺達だってバビントンの様な事情は無いけど、 なんだかんだ言ってキャプテンを頼りにしてるんスよ。だから、俺達も頼って欲しいなーって」 ドトール「俺とアマラウはジュベニール(15〜17歳)時代からお前を知っている。 ある日突然入団テストで日本人とは思えない程の凄腕が入ってきた衝撃は今でも記憶に新しい。 だがあの時のお前は今に比べると…そうだな、心を閉ざしている…そんな様子がなかった」 翼「!」 アマラウ「お前にムカついた事も何度かあるけどさ、それでもここまでウチを引っ張ってくれたキャプテンなんだ。 だから、リオカップが近づく程に様子がおかしくなっていったお前を心配したって良いだろ?」 マウリシオ「それにキャプテンが不調かも知れないなんて不安を抱えたまま大一番に挑むのはマジ勘弁! チームメイトの不安を解消するのもプロ精神溢れるキャプテンの役割じゃないッスか?」 バビントン「だから…聞かせて欲しいんだ。パルメイラスのモリサキに対する反応の訳を。 それと…何故そんな、張り詰めた様子になっているのかを。僕たちの為に、そして願わくばツバサの為にも」 翼「………」 チームの主力メンバー数人に理屈と感情両方で詰め寄られた翼は困惑を露にした顔で ソファーに座り込み、顎に手を当てため息をもらした。 翼「…ちょっと待ってくれ。どう説明したら良いか…頭の中で言葉をまとめたいんだ」 バビントン「うん…」
[541]がんばりセービング!:がんばりセービング! がんばりセービング!
[542]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 09:51:55 ID:u5EQ8NDH いったんここまで。
[543]創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 12:18:35 ID:KutpZpN6 ( ;∀;)イイハナシダナー
[544]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 13:31:06 ID:u5EQ8NDH 一方会議室に入ったストラットは、二人きりになった事で更に動転していた。 彼はミアータと目を合わせる事すら出来ず、視線を宙に漂わせながら必死に言葉を探している。 ストラット「その…ええと…ミ、ミアータ!久しぶりだな!(なんか言え!なんか言うんだよ!)」 ミアータ「うん。久しぶりね、ストラット。会いたかったわ」 ストラット「何故ここに…?(わっバカ俺のバカなんでそんな事言うんだよ!?)」 ミアータ「…ゲルティスさんに教えてもらったの」 ストラット「そうか…あいつとはイタリアリーグで戦った事があるからな…(もっと気の利いたこと言えよ俺! あああもう泣きそうになってるどうしようどうしよう逃げたい誰か助けてくれ逃げたい!)」 なんとか紡ぎだした白々しい言葉はミアータを涙目にさせただけだった。 更に慌てだすストラットに対し彼女はゆっくりと近づき… ストラット「(うっ引っ叩かれるよなやっぱりその後グチグチと恨み辛みを言われてから絶交だきっとそう…)」 ぽふっ。 ストラット「…えっ?」 彼の胸に抱きついた。 ミアータ「ストラット…!イタリアに戻ってきて…!」
[545]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 13:31:30 ID:u5EQ8NDH ストラット「ミアータ…」 ミアータ「探したのよ…この三年間、ヨーロッパ中を…それでも全然みつからなくて、会いたくて…!」 涙。恨み。怒り。蔑み。ありとあらゆる負の感情に備えていたつもりだった。 彼女がまだ自分を求めてくれるなど、絶対に有り得ない筈だった。 ミアータ「ずっとずっとこうしたかった。もう一度貴方の腕に抱かれたいと泣かなかった夜は無かったわ… ただそれだけを考えて、他の何も目に入らなくて…やっと、ここで貴方をみつけたの。捜し求めた貴方を」 ストラット「………」 これは夢なのだろうか?都合の良い妄想に逃げてしまったのだろうか? まさか現実なのならば、一体どうすべきなのか? バラバラに千切れた思考が踊り狂い、ストラットは何も言えなくなる。 だが次のミアータの言葉が彼の心に光を差した。 ミアータ「もうこれ以上待てないわ!抱きしめて、ストラット!」 ストラット「………」 ギュッ。 何をすべきなのかではなく何をしたいか。ストラットは己の心に導かれるまま ミアータの小さな細い体を強く、だが優しく、抱きしめる。 ミアータ「ああ…!」 ストラット「ミアータ…俺は国を捨てた男…いや、違う。捨てたんじゃなくて逃げたんだ。 国だけじゃない。家族からも、友からも…君からも逃げた…」 ミアータ「ストラット…」
[546]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 13:31:52 ID:u5EQ8NDH ストラット「そんな俺に戻ってこいと…ミアータ!そんな事を言ってはダメなんだ!」 ミアータ「どうして…?」 ストラット「もう俺の事なんか忘れてくれ!それが俺が君に出来る精一杯なんだ! 自分でも酷い男だと思う。だけどもう俺はイタリアに戻る事も君と一緒に居る事も出来ないんだ! 怖いんだ!もう俺は誰に憎まれても構わない、憎まれるのは怖くない! 大切な仲間達を、愛する君を!これ以上傷つけるのが怖くて堪らないんだ!」 ミアータ「…ウソよ」 ストラット「ウソじゃない!」 ミアータ「だったらどうして貴方の腕はこんなに強く私を抱きしめているの?」 ストラット「なっ…!?くっ!」 ストラットの腕は本人の意思を裏切り、ミアータの腰を手放そうとしなかった。 ミアータに指摘され自覚しても尚彼の腕は言う事を聞かない。 せめても抵抗に首と肩を反らし彼女から離れると、何かがちりんと音を立てた。 それは彼女が首から下げているネックレスに加工されたメダルだった。 ストラット「…これは…!」 ミアータ「ええ、貴方が14歳の時初めて全国リーグで得点王になった時のメダルよ」 ストラット「今でも…持っていてくれたのか…」 ミアータ「お風呂の時も寝る時も肌身離さずよ」
[547]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 13:32:34 ID:u5EQ8NDH ストラット「何故そこまで…」 ミアータ「だって…約束してくれたじゃない。今は無理だけど、後5年以内にプロになって ガンガン稼ぐから前払いだって。最初の契約金でスイス旅行に行こうって…言ってくれたじゃない…」 ストラット「俺は…俺、は…」 時の流れを水に例えるのならば、その水にどれだけ晒されても錆びず色褪せない思い出もある。 ふとストラットは底なし沼の中からミアータの姿をした天使に手を引かれ、何処か高い所へ連れて行かれる感覚に陥った。 ミアータ「あの時の約束から、3年と9ヶ月…ワールドユースまで後1年と3ヶ月だよ…」 ストラット「!!」 暗闇しか見えなかった彼の目の前に細く小さい、だが強く輝く光が一筋差し込んだ。 彼は今、自分が何をすべきかを考えなくなった。代わりに、自分が何をしたいかを考える様になった。 ストラット「………まだ、約束は守れるんだな(もう、逃げなくて良いんだ。逃げちゃダメなんだ)」 ミアータ「ええ…!」 ストラット「分かったよミアータ。俺はイタリアに戻る。イタリアユースに参加し、ワールドユースで得点王になってみせる! そうすれば複数のビッグクラブが小切手を片手に俺の下に駆けつけてくる…間に合わせてみせるよ、絶対! (何を迷っていたんだ俺は。簡単な事じゃないか…俺は逃げない。逃げたくないんだ!)」 ミアータ「………お願いね。ブラジルに来るだけでも凄くお金がかかったから…」 ストラット「ハハハ、借りは多いな…」 二人は笑った。泣きながら笑った。やっとみつけた救いを得て。
[548]2 ◆vD5srW.8hU :2009/07/13(月) 13:34:07 ID:u5EQ8NDH いったんここまで。 我ながらキャプ森を書いたとは思えない…
[549]創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 13:51:33 ID:KutpZpN6 ミアータの考えが読めんな・・・ これは1/3の純情な感情なのか・・・
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0ch BBS 2007-01-24