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【三スレぶりの】森崎が幻想入り 9話目【サッカー】
[912]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:15:05 ID:Eq9M9kec 六花「文句を言っても仕方無いでございますよ。 ……さて、それでは私たちはパチュリー様の所へ行ってくるでございます」 そう言って、七花の襟首の後ろをぐいっと掴む六花。 美鈴「頑張ってね。料理、楽しみにしてるわ」 七花「そっちこそ、森崎様達の出迎えを……ぐえっ?! ちょっと六花ちゃん、お願いだからそこ引っ張らないでー?!」 美鈴「(……そうか、森崎さん達が来るんだっけ。何だか、森崎さんをこの門の前で迎えるのも随分久しぶりな気がするなぁ)」 ドップラー効果を残しながら再び館へと消えていく二人を見守りながら、美鈴はゆっくりと体操を再開した。 〜紅魔館・大図書館前〜 小悪魔「よぉ。珍しいな、どうしたんだ?」 館内にある大図書館の前まで来た二人を迎えたのは、 図書館へと続く扉に凭れかかりながら煙草……ではなく、シガレットチョコを銜えた短髪の小悪魔。 元々体のラインがあまり出ない服を来ている上にスレンダーな体型をしているため、 彼女を知らない人が見ると、非行に走った赤毛の美少年に見えなくもない。 七花「実は、妹様がまた脱走を……」 小悪魔「げ、マジか……?!」 七花の突然の言葉に、思わず及び腰になる小悪魔。だが……
[913]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:16:07 ID:Eq9M9kec 六花「……七花の嘘でございますよ。少々調べ物に来たのでございます」 小悪魔「嘘かよ……。全く、ビビらせやがって」 ほっ、と無い胸を撫で下ろす小悪魔。 この小悪魔、名前こそ悪魔だが非常に人が良く騙されやすいため、一部のいたずら好きの妖精メイドからは格好の標的にされている。 本人もそれについてはコンプレックスを感じており、 とりあえず口調と外見(シガレットチョコ)から悪人っぽくなろうとしているらしいのだが……今のところ、特に成果はないようだ。 小悪魔「……それで、調べ物だっけか?」 小悪魔が、思わず落としかけたチョコを銜えなおしながら聞く。 七花「うん。ちょっと本を探したいんだけど、良い?」 小悪魔「ちょっと待ってな。今パチュリー様に聞いてくるから」 小悪魔が快く頷いて図書館へと続く扉を開けた、その瞬間…… ドッッゴォォォォォォォォンッ!! 小悪魔「おおっ?!」 七花「きゃぁっ、何?!」 図書館の内部で突如爆発が起き、同時に内部に溜まっていた埃が一気に廊下へと吹き出てきた。
[914]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:17:22 ID:Eq9M9kec 六花「けほっ……こ、これは一体……」 埃がまるで煙幕のように舞い上がり、三人の視界が遮られる。 しばらくして視界がだんだん晴れてくると、そこにはなんと…… パチュリー「むきゅー……」 おそらくは埃と一緒に吹き飛ばされてきたであろう、図書館の主であるパチュリー・ノーレッジが目を回して気絶していた。 〜紅魔館・大図書館内〜 六花「何故に、こんな事になったのでございましょう……」 紅魔館の大図書館内部。 (出不精な部屋の主ががわざわざ設えた)部屋の隅にあるベッドにパチュリーを横たえてから、六花がそう呟いた。 派手に吹き飛ばされてきたものの特に外傷はなく、命に別状もなさそうだったので、とりあえずは寝かせておくことにしたのだ。 七花「魔法の実験じゃない? 派手な爆発だったし」 七花が首をかしげながらも答える。だが…… 小悪魔「あー、違うんじゃねぇかな。これはほら、アレだ……余興?」
[915]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:18:25 ID:Eq9M9kec 六花「……余興とは?」 小悪魔「ほら、人形遣いがクリスマスん時に人形使って芸やってだろ? アレ見てから何か知らんが妙に張り切っちまってな。 アイツにだけは負けられないとか言って、今日は朝からずっと、こそこそと何かの準備をしてたみたいなんだが……」 七花「……それで爆発?」 六花「花火でも上げようとしていたのでございましょうか?」 何が何だか判らん、といった顔の二人。 小悪魔「そこまでは知らん。まぁとにかく、こうなっちまったら俺はパチュリー様に付いてなきゃならん訳だが……。 お前らの調べ物って急ぎの用事なのか?」 七花「うん、一応お嬢様の命令で……」 小悪魔「お嬢様のか……仕方無い。俺はここから動けないから、二人で自由に探してくれ。 本当はパチュリー様の許可が要るんだが……まぁ、この様じゃあな」 小悪魔が、ベッドで静かに寝息を立てているパチュリーを見やりながら言った。 七花「ごめんね、後で私たちからも謝っておくから」 小悪魔「気にすんなって。 ……ほら、さっさと探してこいよ。何の用事かは知らんが、あんまり遅くなっちゃマズイんじゃないのか?」
[916]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:20:09 ID:Eq9M9kec 七花「……げ、そうだった。それじゃあ行こっか、六花ちゃん」 六花「そうでございますね。……それでは、また」 六花達が小悪魔に別れを告げ、乱雑に並んでいる本棚の方へと駆けてゆく。 紅魔館の大図書館はその名に恥じず、普通の人間が迷い込もうものなら遭難しかねない程の蔵書量を誇るのだが、 普段から図書館の整理の手伝い等をしている二人は、案内無しにさくさくと目的の本を探してゆく。 七花「料理の本って言ったら……だいたいこの辺りだよね」 やがて、それまで走っていた七花が一つの本棚の前で止まる。 六花「……また随分な量でございますね。地道に探すしか無いのでございましょうが」 本棚を見上げながら六花が言った。 この図書館の本棚は、ただ数が多いだけではなく、その一つ一つが天を突かんばかりに高いのだ。 妖精である二人はスピードこそ出ないものの空を飛べるので、 高いところにある本が取れない、といったような問題はないのだが……。 七花「(とはいえ、これだけ並んでると……ねぇ)」 七花がうんざりした表情を浮かべながら、それでも本棚の一番上の列から物色を開始する。 七花「『かき氷三代記』……関係ない。『世にも奇妙な魚肉ソーセージ』……気になるけど後回し。 『泳げ! たこ焼きくん』……シュール。 『日本ハムファ○ターズ』……って、料理の本ですら無いよね、これ」 規則性無く並べられた本を一々見分しながら見て回る七花。すると……
[917]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:21:10 ID:Eq9M9kec 六花「……七花! 見つけたでございますよー!」 七花「わかった、ちょっとまってー!」 下の方の段を探していた六花の声に反応し、下へと降りる。 六花が少し誇らしげに差し出した本の表紙には、『伝統料理に見る歴史の闇 民○書房刊』と書かれていた。 七花「り、六花ちゃん……これ? 何だか怪しげなんだけど……」 六花「確かに、表紙からは何やら不穏な雰囲気が漂っていますが……ほら」 そう言って六花が本を捲り、ページの一つを指差す。と、そこには…… 七花「確かに書いてある……。材料も、レシピも。……でも、これ……」 最初こそ目を輝かせた七花だが、次第にその表情が曇ってくる。 六花「……どうしたのでございますか?」 七花「材料がちょっと……。厨房に無さそうな、特殊な物が必要みたいなの。 海老やお魚はともかく、黒豆やニシンの卵なんて……」 六花「……というと」 七花「……作れないって事だね。今から人里に買いに行っても間に合わないし。 はぁ、結局無駄足かぁ。怒られるかもしれないけど、ありのままをお嬢様に報告するしか無いわね」 レミリアから食らう大目玉を想像し、頭を抱える七花。 かくして御節料理を巡る騒動は幕を閉じた……と、思われたのだが。
[918]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:22:12 ID:Eq9M9kec 〜紅魔館・レミリアの部屋の前〜 朔夜「……そういう理由なら仕方が無いわね。 お疲れ様、お嬢様には私から報告しておくから休んでいても良いわよ」 レミリアの部屋の前で偶然出会った朔夜に事情を話すと、 朔夜は労いの言葉をかけてから快く報告役を請け負い、そのままレミリアの部屋へと消えてしまった。 七花「(とはいえ……ねぇ)」 六花「(ええ、流石に)」 二人からすれば怒られ役を朔夜に押し付けてしまった形になる。 そのまま言われた通り部屋に帰って休むのも良心が咎めるので、こうして扉の外で様子を伺っているのだが……。 六花「(……音が止んで大分経つでございますね)」 七花「(うん。さっきまで不機嫌そうな声とか物音とか聞こえてたのに……)」 まさか、お嬢様が怒りに任せて朔夜を? などと不穏なことを二人が想像し始めた、その時…… ガチャッ…… 七花「……ひぃっ?! お嬢様どうか命だけはご勘弁を……を?」 朔夜「……七花? 何故まだそんな所に……まぁ、丁度良かったんだけれど」 扉を開けて出てきたのは、返り血を浴びたレミリア……ではなく、身の丈程の大きな箱を抱えた朔夜であった。
[919]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:23:25 ID:Eq9M9kec 六花「いえ、これには少し事情が……。ところでメイド長、その箱は何でございますか?」 朔夜が抱えた箱を指す六花。当たり前の事だが、部屋に入るときはこんな大きな荷物は持っていなかったはずである。 朔夜「これ? 材料よ」 六花「材料? 材料とは……まさか」 朔夜「御節料理の材料に決まってるでしょう。 ……さぁ、さっさと厨房に行くわよ。パーティーの時間までに、なんとか料理を完成させないと」 ついてこい、と視線で示してから、どんどんと厨房の方へと歩いていく朔夜 六花「(……一体、お嬢様の部屋で何が起こったのでございましょう)」 七花「(お嬢様の部屋から食材が? 何で? 何でなの?!)」 慌てて朔夜の後ろに付いて行く二人であったが、その表情は最後まで疑問符を浮かべたままであった。 そして、時間は廻り……
[920]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:25:56 ID:Eq9M9kec 〜紅魔館・大広間〜 レミリア「よく来たわね、皆」 森崎「ああ。おめでとう……はまだ早いのか」 蓮子「相変わらず広いお屋敷。やっぱりある所にはあるのねぇ(……でも、一体どうやって稼いでるのかしら)」 メリー「お招きありがとう、レミリア。一週間ぶりかしらね」 紅魔館の一室、小学校の体育館ほどはあろうかという大広間。 そこに森崎達が到着したのは午後11時30分頃。新年だけでなく、その瞬間を皆で祝おうという趣向である。 咲夜「お嬢様! 私が不在の間、何か不自由なことはございませんでしたか?!」 アリス「……招待状が来てたから、来てやったわよ」 霊夢「タダ飯が出ると聞いて」 ミスティア「わ、料理がいっぱいあるわよ!」 メルラン「あ、私アレが良い!」 リグル「じゃあ私はこっち!」 レティ「……もう少し待ちなさいってば」 中山「初めて来るけど……凄いな、これは」 中里「むぅ、やはり洋館は圧迫感を感じて苦手でゴザル……」
[921]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:27:22 ID:Eq9M9kec 続いてぞろぞろと部屋に入るフォーレスツのメンバー達+α。 立食形式のパーティーのため、特定の座席はない。 なので、参加者たちはパーティー開始までの間、それぞれ歩きまわって自由に歓談していた。 レミリア「せっかくのパーティーよ。普段のしがらみは捨てて、楽しみましょう?」 森崎「……そ、そうだな」 どうやら、始まる前だというのに少し飲んでいたようだ。僅かに赤く上気した顔で語りかけてくるレミリアに、思わず後ずさる森崎。 パチュリー「……楽しみにしてなさい」 森崎「あ、ああ(……何をだ?)」 パチュリーはパチュリーで、訳の判らない言葉を残してさっさと去っていく。
[922]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2010/01/03(日) 23:28:22 ID:Eq9M9kec そのあまりに意味の判らない言動に森崎が呆然としていると、今度は蓮子が近寄ってきた。 蓮子「……ねぇ、アレ。気づいてる?」 蓮子が袖を引きながら指さすのは、数あるテーブルの内の一つ。 森崎「ん? 何があるんだ?」 蓮子に促されて森崎がそちらへ視線を向けると、そこには…… 森崎「なんだありゃ。……ツッコミ待ちか?」 蓮子「違うでしょ。……まぁ、それだけ歓迎してくれてるって事じゃないかしら? 素直に受け取っておきましょうよ」 蓮子が指さした先のテーブルの上。 そこにはワインボトルとグラス、料理用の取り皿にスプーンとフォーク、 そして……重箱の中にそれは綺麗に収められた、お節料理の姿があった。
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0ch BBS 2007-01-24