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【勝利の風は】幻想のポイズン22【誰が為に】
[595]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:24:26 ID:??? ベンチの片隅では紅魔ルナダイヤルズのキャプテン、咲夜がメイド部隊を集め。 前半のプレイの良かった点悪かった点をメイド達に言い含め改善点などを注意していた。 何とも勤勉な事であると、三杉ですら思わず感心をしてしまう程の咲夜の熱の入れようだ。 或いは今日の試合相手が永琳率いるルナティックスだからこそなのかもしれないが……。 まだ幻想郷の事情についてそこまで詳しくない三杉はそんな事など当然知らず。 真剣な表情で咲夜の言葉を聞くメイド達を心の底で応援しつつ、更に視線を移動させる。 栄養補給だ!とバナナに特大おじや、炭酸抜きコーラを取っている美鈴の横にいたのは……。 小悪魔「パチュリー様、お体の方は大丈夫ですか?」 パチュリー「……そこまで酷くは無いわ。 まあ、余裕とも言えないけれど」 パチュリーに膝掛けをあて、体の心配をする小悪魔にベンチに戻るなり読書を始めるパチュリーであった。 前半戦、喘息の影響も無く思う存分プレイが出来たパチュリー。 しかし、生来のスタミナ不足は喘息が無くなったところで克服できた訳でもなく。 多少飛ばしていた前半で、大半の体力は使ってしまったと言っていいだろう。 残りの後半戦、全力でプレイが出来るとは言い難い。 パチュリー「まあ……後半戦はあなたが出るから問題は無いわよね、三杉?」 三杉「……随分と買い被られているようだね」 突然話を振られ、しかし動揺する事は無く返答をする三杉。 反町の予想通り、やはり後半戦は体力の少なくなったパチュリーの分三杉がどれだけ活躍出来るかが勝敗の分かれ目となるだろう。 パチュリー「そこまで期待をしている訳でもないわよ。 ただ……助っ人として呼んだからには、相応の活躍をしてもらいたいだけ」 三杉「ああ、わかっているさ。 ……少なくとも、無様な真似だけはしないように気をつけよう。 それに、この試合は僕にとっても非常に重要な一戦だからね」 三杉(永遠亭の八意永琳……天才薬師といわれる彼女を唸らせる程のプレイが出来れば……。 彼女と交渉するにあたって、大きなアドバンテージとなるに違いない)
[596]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:25:50 ID:??? 三杉が幻想郷に残った理由は、幻想郷のサッカーを知りより自身の実力を向上させようというのも一つにある。 しかし、大きな理由としては……やはりその心臓病を幻想郷の技術・魔法で治療するというものだった。 そして、それが出来うる一番の頼みである人物は――今日の試合の相手チームのエース、八意永琳。 何としても彼女に認めてもらうだけのプレイをしてみせようと、三杉は珍しくも静かに闘志を燃やし始めるのだった。 三杉(僕は必ず心臓病を治す……高校生になってからでは遅いかもしれないけれど……。 中学生の内に治し、リハビリを完了させれば……皆に遅れる事は無い! それに、幻想郷の技術ならば……もしかしたら、リハビリも短期間で終わるかもしれないんだ) パチュリー(頼むわよ三杉……この試合、あなたが活躍出来るかが勝敗の鍵よ) 一方その頃、永遠亭ルナティックスはというとやはりどことなく雰囲気は悪い。 前半戦、攻めに攻め抜いたというのに1点も取れなかった。 駒の数はあれど結局は八意永琳頼みになる永遠亭ルナティックスにとっては。 その永琳がパチュリー、咲夜の前に完封されてしまったという点もあまり喜ばしくない事実である。 永琳「でも、前半で相手の手の内……そして、弱点も読み取れたわよ」 輝夜「ほっ、本当えーりん!?」 腕を組み、驚いた様子の輝夜の言葉にゆっくりと頷きながら口を開く永琳。 その様子には、前半あれだけ完全に封じられたというのに焦りという表情がまるで浮かんでいない。 勝利を確信しているからか、それともメンタル面が異常なまでに強いのか。 どちらにせよ、どっしりと落ち着いた永琳の物腰は永遠亭ルナティックスにとって心の拠り所となる。 永琳「まず、美鈴のDFの起用はやはりセンタリング封じの為ね。 あれではベジータではどうしようもないわ」 ベジータ「ぐっ……く、くそったれぇぇぇぇ!!」 永琳「ただ、私達は浮き球のシュートしか持っていないという訳ではない。 ……後半戦は、多少遠くてもいいからミドルをガンガン打っていくわよ。 そうすれば、相手は即席DFと名無しキーパー、点はすぐに取れる。 うどんげ、あなたもボールを持ったら自分でゴールを狙いなさい」 うどんげ「は、はい!」
[597]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:27:30 ID:??? 永琳「次に懸念すべきはパチュリー=ノーレッジだけど……彼女は私が封じるわ」 輝夜「え、えーりんが!?」 慧音「ならば攻撃はどうするのだ……サイドアタックは恐らく無意味だぞ」 うどんげ(き、傷つくなぁ……) さらりとうどんげの心に傷を作りつつ、攻撃手段はどうするのかと問いかける慧音。 しかし、永琳は首を振ってすぐに回答を用意する。 永琳「問題ないわ。 恐らく、彼女のスタミナからしてあと1回、2回攻撃すれば終わるという程度。 つまり、後半半ばになる前には彼女はベンチに下がる事となる。 その攻撃を完全にシャットアウトすれば、後は怯える事は無い……咲夜のロングシュートも、慧音なら止められるでしょう」 ラディッツ「スタミナ切れ狙いって訳か……」 永琳「そこが私と彼女の唯一にして絶対的な違いね……。 彼女が体力切れに陥れば、必然的に咲夜が攻撃の指揮を執る。 けど、そうすると守備はスカスカ。 パチュリーがいなくなればパスを多用して攻めあがりましょう、それで私達の勝ちよ」 輝夜「よ、よーし! なんだかよくわからないけど、えーりんの言う事だから間違いは無いわ! みんな、それでいくのよ!」 永琳の説得力のある戦術を聞き、一同は何とか勝てそうだと安堵。 輝夜の意気のいい声に後押しされ、後半もガンガン攻めていこうとそれぞれ頷きあう。 一転してムードのよくなった永遠亭ルナティックスの面々を楽しげに永琳は見つつ……。 だが、その笑みの裏で唯一の懸念というべき事象について思いを馳せていた。 永琳(問題は……これをパチュリー=ノーレッジが予想していない筈は無いという事。 対抗策が打てるはずは無いけれど……さて、どうなるかしらね)
[598]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:28:59 ID:??? 永遠亭ルナティックス、紅魔ルナダイヤルズがお互いに作戦会議を終えた後。 丁度ハーフタイムが終わり、それぞれの陣営の選手達が再びフィールドに戻り始める。 そして、その中に混じり、前半は出場をしていなかった紅魔ルナダイヤルズの助っ人。 背番号14番のスーパーサブが、満を辞してフィールドへと姿を現すのだった。 ジョン「さぁ、ハーフタイムが終わり両陣営の選手がフィールドに戻ってきます! そして、ここで紅魔ルナダイヤルズは選手を交代。 メイド選手に代わり、三杉淳選手を投入! この三杉選手、オータムスカイズの反町選手、ネオ妬ましパルパルズのシェスター選手。 守矢フルーツズの西尾?選手と同様、外界からやってきた助っ人選手! 果たしてどのようなプレイをするのか、後半戦はその点も注目です!」 三杉「ふぅ…………」 美鈴「頑張りましょう、三杉さん!」 咲夜「頼むわよ、優秀な助っ人さん」 小悪魔「パ、パチュリー様のフォロー、よろしくお願いします!」 パチュリー「……行くわよ、三杉」 三杉「……ああ。 任せてくれ」 緊張しているのか、小さく溜息を吐いてフィールドを見回す三杉に声をかける紅魔ルナダイヤルズの面々。 それに対し、至極愛想のいい笑みを返しながら三杉も再度気合を入れなおす。 三杉(反町は見ているのかな……。 ……見ているとすれば、無様なプレイは出来ない。 今の僕の実力は彼には及ばないだろうが……それでも、恥ずかしいプレイは出来ない)
[599]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:30:46 ID:??? 反町「三杉……!」 穣子「やーっぱ反町よりイケメンねぇ……」 反町「…………」 そして、観客席にいた反町はフィールドに立った三杉を見て感慨深げに彼の名前を呼び。 茶々を入れる穣子を少しだけ睨み返した後……再び三杉へと視線を送る。 以前の試合では、雑魚にすらボールを奪われていた三杉。 しかし、今度こそはきっとやってくれるだろうと……信頼にも似た感情を反町は三杉に対し持っていた。 やはり外の世界で見てきた三杉淳のイメージは、フィールドに立つだけで戦局を一変するスーパーサブなのである。 そのイメージは、安易には壊れない。 反町(それでも三杉なら……三杉なら、何とかしてくれる……!) にとり「ん? ……ルナダイヤルズ、ちょっとフォーメーション変えてきたね」 永琳(以前の試合ではあまり大した活躍をしていない子をパチュリーのフォロー役に? ……さて、どう見たらいいかしらね) −−H−− Hメイド −J−I− J三杉 Iパチュリー F−−−E Fメイド E小悪魔 −−G−− I咲夜 C−B−D Cメイド B美鈴 Dメイド −−A−− A美鈴 −−@−− @メイド ※紅魔ルナダイヤルズがメンバーチェンジ、フォーメーションチェンジをしました。
[600]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:32:01 ID:??? ジョン「おっと、紅魔ルナダイヤルズはここで4−5−1の中盤重視の形を取ってきました。 攻撃的MFはパチュリー選手、そして投入されたばかりの三杉選手の2名ですが……」 南沢「後半、勝負に出てきたという所でしょうか。 吉と出るか凶と出るか、注目をしたいところですね」 ジョン「さぁ、いよいよ後半開始です! 決勝戦に進むのは紅魔ルナダイヤルズか、はたまた永遠亭ルナティックスか!?」 ピピィーッ!! ダダダッ パチュリー(まずは1点……私の体力が残っている内に、出来るだけ点を稼ぐ!) 永琳(来たわね……! いいわ、後半戦は私があなたを封じる!) 審判の笛が鳴り響き、後半開始が告げられると同時に湧き上がる歓声。 それを受けながら、ボールを持ったパチュリーはそのまま正面突破で永琳に挑みかかり。 永琳もそれを真っ向から受け、ボールを奪いに向かう。 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「あ、ああああ〜っとぉ! パチュリー選手、後半開始早々いきなり勝負に出ましたァァァ! パチュリー選手、永琳選手の一騎打ち再び! 果たして今度の勝負の結果はどうなるか!?」 パチュリー・永琳((私が勝つわ……!))
[601]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 20:33:23 ID:??? 先着1名様で、【一緒に引いてください】 パチュリー→ !cardエレメンタルハーベスター 63 +(カードの数値)= 永琳→ !card天文密葬法 57+(カードの数値)= !とcardの間のスペースを消してコピペして下さい。数値で勝負します。 MAX【攻撃側】−MAX【守備側】 ≧2→ドリブル成功! パチュリー、永琳を抜き去りそのまま三杉とワンツーで中盤を突破。 =1〜−1→ボールはこぼれ球に。左から(三杉がフォロー、三杉とうどんげで競り合い、うどんげがフォロー) ≦−2→永遠亭ルナティックス、ドリブルを阻止。 ※パチュリーの「エレメンタルハーベスター」には吹っ飛び係数4がついています。 ※永琳の数字がAで「月の頭脳」が発動し15扱い。
[602]森崎名無しさん:2009/12/24(木) 20:33:44 ID:??? パチュリー→ スペードK エレメンタルハーベスター 63 +(カードの数値)= 永琳→ ハート5 天文密葬法 57+(カードの数値)=
[603]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 21:03:06 ID:??? >パチュリー→ スペードK エレメンタルハーベスター 63 +(カードの数値)=76 >永琳→ ハート5 天文密葬法 57+(カードの数値)=62 >≧2→ドリブル成功! パチュリー、永琳を抜き去りそのまま三杉とワンツーで中盤を突破。 >※パチュリーがKを出して勝利したのでドリブル+1、更に必殺フラグ(ドリブル2)入手! ======================================================================================= パチュリー(永琳はこちらが遅攻を仕掛けると思っている筈、ここは裏をかいてスピードで……) 永琳「そう来ると思ったわ!」 パチュリー「!?」 テクニックを生かしたドリブルで永琳をかわすのではなく、そう読んだ永琳の不意をつきスピードで抜き去ろうとするパチュリー。 しかし、永琳はそのパチュリーの考えまで読み取っており。 慌てる事なくパチュリーのドリブルに追いつき、そのままカットに向かうが……ボールはお互いの足と足に挟まれ。 そのまま衝撃を受けて真上へと飛び上がる。 パチュリー「まだよっ!」 永琳「このままカット……!」 ガシィィィッ!! 息つく間も無く、ボールを追って飛び空中で交錯をする二人の天才。 お互いオーバーヘッドの体勢でボール確保に向かうが、タイミングもパワーもほぼ互角。 更にボールは零れ球となるが……それに合わせ、二人は更に空中で体勢を整えヘディング勝負に向かう。 パチュリー「はァッ!!」 永琳「たァァァァッ!!」 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
[604]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/12/24(木) 21:04:07 ID:??? ジョン「な、なんと激しい攻防でしょうか!? パチュリー選手、永琳選手お互い一歩も引きません! 空中での激突は正に五分と五分! お互いの能力が拮抗しているからこその凄まじい熱戦です!!」 反町「す、凄い……!」 サンタナ「っていうか、空中にいる時間長すぎるよ!?」 幽香(お互い浮き球に絶対の自信を持っている選手同士……だからこその滞空時間ね……。 ふわふわふわふわまどろっこしい……喧嘩は地に足つけてしっかり踏み込んでからの殴り合いが一番でしょうが) 何だか勘違いしている幽香さんはともかく、激しい攻防を繰り広げる永琳とパチュリー。 勝敗がつかないまま地上に降りて再び混戦になるかと思われたが……。 しかし、その瞬間、咄嗟にパチュリーはボールを真横へと思い切り蹴りぬき真横へと蹴り返す。 パチュリーから見て左側、その位置に走りこんできていたのは……。 三杉「ナイスパス、パチュリー!」 永琳「!? な、なにィ!?」 パチュリー「よし……いくわよ、三杉!」 強引に振りぬいた足の影響を受け、吹き飛ばされる永琳を見送りつつパチュリーは着地。 そのまま三杉を伴いつつ、一気に二人がかりで永遠亭ルナティックス陣地へと切り込んでいく。 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「これは凄い! 三杉選手、パチュリー選手のフォローに入り見事に永琳選手を突破! そのまま二人で一気に中央を突破にかかるぞ!!」 アリス「……まだ実力がどの程度かはわからないけど」 藍「うむ……少なくとも、役に立たぬ程能力が低い訳ではなさそうだな」
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0ch BBS 2007-01-24