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【どん底からの】キャプテンEDIT2【出発】
[957]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:47:37 ID:ok/448qo 教育委員長「まあまあ、落ち着いてください会長さん。……飯地くん、流石にそれくらいは分かっているみたいだね?」 校長「あえて付け加えるなら、ただ勝てばいいのではない。清栄に勝たなければいけないのだ。 伝統ある我が校が、あんな金満新設校を相手に、恥を晒すわけにはいかんのだよ」 教頭「まったくその通りです」 ムキになったように力説する校長と、教頭の追従。 飯地の忍耐力は、一秒ごとに砂時計の砂の様に消耗していく。 やす子(うわー……ルサンチマン全開ね、この校長。そんなに金持ちが嫌いなのかしらねー) PTA会長「ワタクシどもの子どもたちが、あんな下品な学校に負けたと思うと、悔しくてもう……!」 教育委員長「そうですとも。ええ、まったくです」 ハンカチを噛むPTA会長と、ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる教育委員長。 やす子(虚栄心が見え見えな中年女に、わざわざ嫌味を言いに来た暇なオッサンかー。 こんなのが学校関係者の重鎮と思うと、気が滅入るわね) 校長「そう言う訳だ。この大会で優勝できなかった場合、君には監督の座から退いてもらう」 やっと呼び出された用件が本人の口から出た。 やす子「(年食うと、話が長くなるから嫌ねぇ)分かりました。この大会、全力で勝ちに行きますわ」 校長「分かれば結構。では下がりたまえ」 教育委員長「本当に分かっているのかねえ……」 やす子「……では、失礼しました」
[958]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:48:42 ID:ok/448qo ねちっこい視線を送る教育委員長を無視し、飯地は退室する。 ドアを閉める直前、PTA会長の金切り声が聞こえた気がしたが、気のせいにすることにした。 やす子「やれやれだわ。ようやくチームの体制が整ってきたところだっていうのに、ここで結果が出なきゃ交代? もう少し長い目で見てほしいものよね、まったく」 さも面倒臭そうに独り言を言う。 やす子「けど、勝てば問題無いか。勝てばさ。夏の合宿と合わせて、あれだけ鍛えてきたんだからね。 これで勝てなきゃ、監督のいる意味がないってもんよ!」 小言を浴びて凝った肩を、腕を軽く回してほぐす。 そうして歩く闊達な姿からは、とてもではないがつい先ほどに去就を求められたことは察せられないだろう。 『気楽に行こう(Take it easy)』。それこそが飯地やす子の人生論だった。
[959]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:49:59 ID:ok/448qo 〜秋季地区大会・当日〜 実況「波乱の県大会から三ヶ月、早くも今日から秋季地区大会が開催されます。 来年度のシード権、そしてひと夏を超え成長した選手たちのプライドを賭けた戦いが、今始まります!」 観客「今回はどこが勝つと思う?」「金成がいるから清栄じゃね?」「鳴紋は小豆沢が抜けちまったしな……」 「へっへっへっ、氷潤は今回、相当調子が良いらしいぜ?」「お前、夏にも似たようなこと言ってなかった?」「なにィ!?」 常ならば鳴紋優勢のムードで染まるはずの観客席は、だが今回は混沌とした様相を呈していた。 三年間鳴紋中の常勝街道を支えてきた絶対的エース・小豆沢の引退。 その一事が、鳴紋サポーターの顔に暗い影を落としている。 逆に意気上がるのが清栄学園への応援である。 清栄応援団「勝ってー! 勝ってー! 清・栄っ!」「負けるな負けるな、清・栄っ!」「最強! 無敵! 清・栄っ!」 観客「だーっ! アイツらの応援、うるせー!!」「向こうさんは元気だなー」「あっちには不動のエースがいるからな」 「金成が、言うなれば清栄版小豆沢か」「今までの三年間とは逆のパターン、か……」「鳴紋にも金成みたいな1年生がいればなあ」 入場する選手団に万雷の喝采を送る清栄応援団。その歓呼を浴びる選手たちは、一様に満足そうな笑みを浮かべる。 清栄新キャプテン「へへへ……優勝が決まってると思うと、応援も心地よく聞こえるもんだな」 清栄選手A「ホントホント。これまでは『また小豆沢とやるのか』って、暗い気持ちになったもんだけどよ」 清栄選手B「あの野郎はもう引退だからな。これからは俺たちの時代だぜ!」 口々に盛り上がる選手たち。だが、その活気の原動力であるはずの1年生エース・金成は、苛立たしそうに眉間にしわを寄せている。 金成(ちっ、たかが県内の大会でデレデレしやがって……。8月に全国でどれだけ無様を晒したか、忘れたのか? ……やはり、今の2年生主力のチームでは駄目だ。幸い、1年の中には俺と同じく本気で全国を目指すヤツが何人かいる。 来年までにそいつらを引き立てて、チームの主力に押し上げねえと――)
[960]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:51:17 ID:ok/448qo 清栄選手A「おいおいどうした、金成? こんなに応援されて、逆にブルっちまったか?」 金成「――なんでもねえですよ、先輩。俺が今更、地区大会なんかで震えるように見えます?」 清栄選手B「へっ、一端に吠えてくれるねえ。頼りにしてるぜ、エースさんよ」 金成「(クソが。勝ちが決まったようなもんだからって、腑抜けやがって)……ふんっ」 内心毒づきながら、チームメイトたちに背を向ける金成。 彼の関心はこの大会ではなく、来年夏の全国へ向け飛んでいた。 六波羅「……今年はいつもにまして、清栄の応援がうるさいな」 二岡「アイツら、夏に鳴紋に勝ってるからな。色んな意味で調子に乗ってるんだろうよ」 三井寺「ま、耳障りなら決勝の大舞台で黙らせてやろうぜ。今年勝つのは、鳴紋でも清栄でもねえ。俺たちだ!」 氷潤の11番(あーあ、無闇に盛り上がってやんの。馬っ鹿みてえ……。俺はテキトーにやらせてもらうぜ) 氷潤勢は例年に無い清栄一色のムードの中を、ジャイアントキリングを狙い静かに燃えていた。 そして、夏に県大会決勝で敗北を喫した、かつての王者・鳴紋は、
[961]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:52:31 ID:ok/448qo 早瀬(……この大会で、答えが出る。小豆沢さんのいない今のチームが、全国の大舞台で戦えるかどうかが。 俺たちに、途方も無い夢を追う資格があるか否かが) 本条(この大会のキャプテン登録は早瀬、か。……けっ、大会が終わるまでは預けておいてやろうか) 雪村(特訓は積んだ。腕も上げた。僕はもう、金成には負けない。今度こそ勝つ!) 瀬川「何だよ何だよー。いつもより俺に向けた歓声が少ないじゃないか。ベイビーたち、もっと俺を見ろよー!」 長池「瀬川ァ……お前、まァだそんなこと言ってるのか?」 篠田(本条と組んだはいいが、ヤツの発言力はまだ小さい。この大会で起用されるかどうかは微妙だな) 落田「3年の先輩方がいなくなったのは心細いな。けど、スタメンが減った分、俺の出番が――」 本多「落田じゃ無理だろ」 渡会「ま、俺も今回は出番無さそうだけどね」 落田「――こ、この扱いはなんなんだよー!?」 国岡「けっ、相変わらず馬鹿やってやんの……」 末松「俺も、今度こそFWで起用されると良いんだけどな〜」 輝林(……新しいチームでの最初の試合、か) 比良山(下馬評では清栄有利か。……ふふっ、却って挑み甲斐がある) 大前(四ヶ月ぶりの試合。中学初めての公式戦――今度こそ、無様な失敗はしない。雑念は捨てて、本当の全力で行く!) 夢。野心。雪辱。復権。様々な思いを胸に、彼らはピッチに立とうとしていた。
[962]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:53:58 ID:ok/448qo 〜ミーティング〜 やす子「よし、みんなきけ。私たちは前年度地区大会優勝校と言うこともあって、オープニングゲームを戦うことになっているわ。 相手は浪野中学。氷潤と同じく、県内では中堅どころといったチームよ。総合力ではウチが圧倒してるから、気楽に行きましょ。 それじゃ、フォーメーションとスターティングメンバーを発表するわよー」 飯地が一同の視線を集めながら、ホワイトボードにポジションと選手名を記していく。 −−H−− H大前 −F−J− F比良山 J早瀬 −−−−− E−−−G E瀬川 G長池 − I D − I雪村 D本多 −B−C− B篠田 C豊原 −−A−− A輝林 −−@−− @本条 大前「す、スタメン!? お、俺が!?」 篠田「なにィ!? 俺がDF起用だって!?」 雪村「トップ下を置かないダブルボランチなんですか?(ぼ、僕を新しいトップ下として育てきたんじゃないんですか!?)」 国岡「な、なんでだよ! なんで俺がスタメンから落ちて、大前がセンターフォワードなんだよ!?」 どよどよ…… やす子「静粛に! みんなが疑問に思っていることは順番に回答するわ。 まず篠田くん、君はメンバーの中でも守備能力が平均して高いからね。今回はストッパーで起用するわ。 次に雪村くん。余計な希望を持たせる前にはっきり言っておくけど、今の君じゃ清栄の金成くんには対抗できないわ」
[963]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:55:40 ID:ok/448qo 雪村「!?」 やす子「清栄の金成くんと当たる時には1対1になる状況は避けたい。あの子を止めるには人数を掛けなきゃ無理よ。 このフォーメーションは、対清栄戦用に考案したものよ と、いうわけで、今大会は決勝で清栄と当たる時の練習用に、中盤の守備を重視した布陣でいきます」 雪村「僕では……金成には、勝てない?」 やす子「胸に手を当ててよく考えてごらんなさい。今の君に金成くんに勝っているところはある? 守備能力では辛うじて拮抗しているかもしれない。けど、攻撃能力は向こうが一枚上手よ。 金成くんがドリブル突破を図ってきたら、あなたじゃ分が悪いわ」 雪村「…………」 飯地の指摘に、いきり立ちかけた雪村が黙り込む。 やす子「で、国岡くんなんだけどね。言っちゃあ悪いけど、君はちょっと器用貧乏過ぎ。 総合的には悪くないんだけど、他のMFや各ポジションのスペシャリストたちの間に割っていけるほどじゃないわ」 国岡「じゃ、じゃあ大前のセンターフォワード起用はなんなんだって言うんですか!? 監督だって6月の時のことは忘れたわけじゃないでしょう!?」 がなり立てる国岡。だが、それを受け止める飯地は努めて冷静だった。 やす子「じゃあ、国岡くん。君はその何週間か前のことは憶えてる? あなた、その大前くんに勝手に突っかかっていって完敗してたけど」 国岡「あ、あれはあくまで練習の時だぜ! 大前はいざ試合になったらヘマばっかりだったじゃないか! けど、俺はあの練習試合で、任されたポジションを務め上げたって自負がある!」
[964]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:57:47 ID:ok/448qo やす子「じゃ、その後のことは? 輝林くんに勝手に勝負をしに行って、大負けしたりしてるけど? 氷潤との練習試合では悪くない動きだったけど、君の場合はそれ以後が駄目過ぎ。 更に言うなら、練習試合で大前くんを下げた後の、いじめるような態度も問題ね。 ……どれだけ仕事が出来ても、チームに揉め事を持ちこんだり、暴走の危険のある子は使う訳にはいきません。 君の起用に戦術的な意義も無いしね」 本条「……国岡、ここは退き下がれ(ったく、手間のかかる後輩だな……)」 国岡「ぐっ……本条さんまで――」 篠田「俺だって本職ではないポジションに甘んじているんだ。お前だけ無闇に吼えたてても虚しいだけだ。 それに、俺から見てもお前の実力が足りているとは思えん。 (元々、大前たちが伸びてきているのも、本条と組んだ一因だしな。俺は試合で成果を出して蹴落とす道を選ぶぜ)」 本条に続いて篠田。自分と同じ派閥の人間にまで窘められては、国岡といえど引き下がらざるを得なかった。 国岡「けっ……なら、監督の采配ってヤツをベンチからとくと拝見させてもらいますよ。大前のヤツに何ができるのかもね!」 それでも皮肉を言い添えるのを忘れないあたりが、国岡の国岡たる所以だった。 比良山「まあ、ともかく。大前、スタメン起用と公式戦デビュー、おめでとう。試合では頼りにさせてもらうぞ?」 輝林「新参の僕には、前に何があったか知りませんが、今の大前さんは信用できると思います。頑張ってください」 比良山が手荒く背中を叩き、輝林が軽く肩に手を寄せる。 大前「あ、ああ! ありがとう比良山、輝林……」
[965]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 07:58:49 ID:ok/448qo 本多(大前がスタメンか。まあ、人格的には国岡よりマシだが) 渡会(……俺、いつになったら起用されるのかなー) 末松(ちぇ〜、また大前か〜。何で俺を出してくれないんだよ〜?) ※ 国岡の好感度が下がり、底辺に達しました ※ ※ 末松の好感度が下がりました ※ やす子「じゃ、軽く作戦を説明するわね。敵は県大会の清栄戦の結果を見て、こちらの攻撃を人数で止めに来ると予測されるわ。 強力なミドルシュートの撃ち手である、小豆沢くんが引退したからには特に、ね。 ウチのストライカーはダイレクトシュートが得意な子が多いから、これから当たる敵はほとんどこの作戦で来ると思う」 大前(確かに、早瀬さんも比良山もボレーシュートが武器だし、俺の特技もヘディングだしな) やす子「そこで、大前くんを起用したわけ。相手がPAを固めたら、得意のポストプレイで切り崩してちょうだい。 相手のディフェンスを引きつけた上で、早瀬くんや比良山くんにボールを渡すのよ。 くれぐれも、前の試合みたいに焦って無駄撃ちしないように!」 大前「は、はいっ!」 早瀬「ま、今回は俺も一緒にプレイするんだ。固くならねえでガツーンと行け」 比良山(……理に適った作戦ではある。だが、大前のクリアボムなら並大抵のディフェンスは粉砕できると思うのだが。 もしかして、監督はアレを温存する方向で行くのか?) やす子「瀬川くんと長池くんは、積極的にサイドを上がっていって相手を揺さぶってね。 敵のDFがPAから出て突っかかってきたら、それを抜いて切り込んじゃいなさい。 向かってこないようだったら、大前くんの頭目掛けてボールを上げること。いいわね?」
[966]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 08:00:16 ID:ok/448qo 瀬川「ふふんっ。要するにいつも通りでいいわけだ。センタリングを上げる相手が違うくらいだな」 長池「瀬川、上げる高さも違うぞ。大前に上げる時は高めで行け」 やす子「本多くんと雪村くんは、攻撃参加はパスを主体にしていってね。 ボールを取ったらサイドに散らすか、向こうに隙があれば縦にクサビのパスを入れる。これが鉄則よ」 本多「はい(つまりポストプレイをする大前が攻撃の主軸か。あれからどれだけ立て直せたか、お手並み拝見と行くか) 雪村「……はい(サイドに散らすか、大前君にパス、か……)」 やす子「ディフェンスは中盤のプレスを基本戦術に考えているけど、もしそれが抜かれたらDF陣はエリア内を固めてね。 ミドルシュートを撃たせて、本条くんがセービング。ダイレクトシュートを誘って輝林くんがクリアー。 これがバイタルエリアからペナルティエリアにかけてを守る際の基本方針よ」 豊原「分かりました」 篠田「了解です(ブロックは苦手だからな……ディフェンスでは輝林のサポートに徹するのが正解か)」 輝林「……はい」 本条「任せて下さい。一本も通しませんよ」 やす子「――よし! それじゃあ、これでミーティングは終わりっ! 後は各員の奮起に期待するわ」 一同「「はいっ!」」
[967]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/29(月) 08:10:12 ID:??? 試合前部分の、選択・判定の無い箇所を投下させていただきました 以後は次スレを立ててから投下の予定です 以下、埋めついでにアンケートを 主人公・チームメイトの自動成長についてですが、今後はどのように扱うのが良いとお考えでしょうか? A.主人公やその周囲に全国に通用しそうな選手もいるし、もう無しにした方が良い B.ある程度弱体化して続けた方が良い(制限のかかる領域の下方修正など) C.主人公に関しては従来通り(40未満は二ヶ月に一度上昇、40以上の能力値は四ヵ月に一度上昇)でチームメイトだけ廃止 D.主人公に関しては従来通り、チームメイトに関しては主人公より制限が掛る数値を低いものにする(35程度) E.このまま F.その他(自由意見です。お考えを併記してください) ※ あくまでご意見を聞くための設問ですので、IDは出さずにsage進行で結構です ※
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0ch BBS 2007-01-24