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【不遇キャラの】キャプテン三杉4【復讐劇】
[651]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 13:48:54 ID:??? 手術は成功し、ミハエルの左脚は動くようになった。 灰色に変色した生気ない外観はその儘に、かつての利き足の機能を取り戻させたのだ。 この結果にミハエル少年は狂喜したと言っていい。 かつて諦めた命を、サッカーを、また思い切り楽しめるようになったのだ。 しかもそのサッカー技術(足技)は、奇病を患う以前と比べ物にならないキレを持っていた。 利き脚を超える至高の右脚と、少し感覚が鈍った左脚・・・このアンバランスさは ミハエルのドリブルに独特のリズムを形成させた。 もしも熟年のサッカーファンが当時のミハエルのドリブルを見たらこう形容したであろう。 「まるでガリンシャのドリブルだ。」と・・・。 他にも利き脚が不自由な間にこらした数々の工夫は、その全てが彼だけの武器となった。 相手ではなくその先のスペースを見る癖は、相手に仕掛けるタイミングを取り辛くさせた。 またそのリズムと視野が組み合わさり、フリーになる技術が卓越していた。 あとは長い時間をかけてリハビリし、試合に耐えうる持久力を取り戻すだけだった。 BJはリハビリについて一人のコーチを紹介した。かつてサッカー界で世界的に名を馳せた 名コーチであり、今はスポーツ医療についても精通していると言う・・・ 裏社会ではその存在が知られていたジョアンという名の男である。
[652]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 13:50:38 ID:??? こうしてミハエルの人生は加速度的に動き出した。 その未来は光りを取り戻し、成功への歩みを進みだしたと言えた。 そして別れの日、最後にBJはミハエルに言葉を投げていった。 BJ「いつかその左脚の外観も完璧に治したくなったら、その時は1000万ドル持ってきたまえ。」 BJが何を言っているのか、その時のミハエルには理解出来なかった。 ハンデの証であるこの左脚はミハエルの誇りであった。 不完全さが人を前に進ませるという事を世界中のハンデある人間に伝えるつもりだった。 しかし人はそうそう聖人になどなれるものではなかった・・・ 彼が唯一持って生まれた完全無欠の物、それは美しい外観である。 左脚に残った生気無き醜さは、その美しき造形の外観において異様なほどに目立った。 時が経つにつれ、ミハエルは左脚の醜さが気に障るようになっていった。
[653]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 13:54:30 ID:??? 不完全さは人を進歩させる、完全無欠には先がない・・・ それはハンデとなった左脚がミハエルに学ばせた真理であった。 だが、彼は自分の外観は美しく完璧であって欲しいという本能も抱えていた。 持たざる者だった頃の幼きミハエル少年が、唯一誇れたその完璧なる造形、 その美しさを褒め称えられてきたという環境・・・ それがミハエルに自己の造形に関する過剰なナルシシズムを形成させていたのだ。 BJが求めた覚悟と、その最後の言葉の意味をミハエルはこうして理解した。 ミハエルの理性はこの左脚を愛し、本能はこれを嫌悪している自己矛盾・・・ この自己矛盾を生涯抱えて生きていく覚悟があるのか。更には、それを他人の希望として 世に曝して見せる事が出来るのか・・・BJが欲っした覚悟というのはそういう事だったのだ。
[654]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 13:55:34 ID:??? 『いつかその左脚の外観も完璧に治したくなったら、その時は1000万ドル持ってきたまえ。』 ミハエルの頭にはBJが最後に放った言葉が巡るようになっていった。 人が欲を持たずに我慢できるのは、持たざる物である時である。 一度持つ者の立場に馴れてしまえば、無欲には戻れない。 それでも尚、無欲になれる者こそが聖人なのだ。 悲しきかな・・・ミハエルの高潔さは幼きゆえ、その環境ゆえの幻と思われた。 先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で ★それでいいのかミハエル少年→!card と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 ダイヤ、ハート→だがミハエルの心は両親の愛によりある程度救われていた。 スペード、クラブ→現実は甘くない、ミハエルの心には天使と悪魔が未だに同居している。 JOKER→ミハエルの心は神の愛により救われていた。
[655]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 14:00:52 ID:??? ★それでいいのかミハエル少年→ ハートA
[656]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 14:17:14 ID:??? >セルビアが予選落ちしちゃったんで、あとは日本とアメリカのドノバン選手を全力で応援しますw GMにとってガーナは天敵じゃのう
[657]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 15:48:43 ID:??? シュートの伊東宏みたいだね
[658]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 17:08:35 ID:??? へ‥‥!? “三杉”さんが“逆神(ヒガシハラ)”なんて噂、“ウソ”だよね‥‥?
[659]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 18:28:27 ID:??? JOKERだとホーリークロスまで覚えていたんだろうか?
[660]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 18:29:25 ID:??? >>655 ガーナが天敵だったのか、自分が天敵だったのか、今となっては少し考えてしまいますw >>657 私自身がイメージしてたのはガリンシャという選手です。 確かシュートのヒロもガリンシャのエピソードがモデルだった気がしますので、 そういう風にイメージして貰えるのは正しいし、嬉しい事実だと思います。ホッ・・・ >>658 ギクゥッ・・・!!! こ、今後は無心で見ようと思います!
[661]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 18:30:58 ID:??? >>659 まあ普通にそういう事ですよねw >ハート→だがミハエルの心は両親の愛によりある程度救われていた。 自己矛盾という肥料はミハエルという大地にいつしか闇を芽吹かせていた。 だがミハエルの精神的な異変を、彼の師であるジョアンは察知する事が出来た。 心の内に巣食う闇は、ミハエルから天使のようであった微笑を奪ったからである。 ジョアンはすぐさまミハエルの両親に連絡し、彼を一時的に両親の元へ戻した。 リハビリやサッカーの技術指導よりも優先すべき事があると理解している故の対応であった。 ミハエルは両親と、そしてスラムの旧友達と再び時間を過ごした。 両親は何を説いた訳ではない。日々、共に神へ感謝を捧げ、そして愛をいっぱいに注いだだけだ。 スラムの仲間達も以前と変わらぬ笑顔をミハエルに向けてくれた。 理由は分からなかったが、ミハエルは日々自分の心が軽くなるのを感じていた。 相変わらず左脚は醜く嫌悪感はあったが、それはそれで認められるようになった。 かつてミハエルの魂は、自分の美しい造形が完璧でなければならないと刻まれていた。 自分が愛され、褒められるのはその造形ゆえ・・・と、深層意識が認めていたのだ。 だがそういう呪縛のような概念も、周囲の愛情によって少しずつほだされていった。
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0ch BBS 2007-01-24