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【全国が】キャプテンEDIT・10【待っている】
[479]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:04:04 ID:??? 森崎「いいやっ! 甘いのはやっぱりお前だァ!!」 ダンッ! 山岸「な、なにィ!?」 森崎の挙動に、山岸が目を剥く。 実況「――あああああああっ!? 森崎くん、片足だけでもう一度飛んでかわしたァ!! 時間差タックルに対し、二段ジャンプ! 着地直後の崩れたバランス、片足だけの跳躍、それにもかかわらず力強いジャンプです! 勿論ボールも失っていません!」 森崎が自ら『がんばりセービング・改』と呼びならわす超人的な瞬発力によるセーブ。 その源泉である足腰のバネは、オーバーラップのドリブル時においても力を発揮する。 バランスを崩し片足のみの状態でも、相手がスライディングでくるなら、なんとかかわせるのだ。 そして、恐るべきはそんな曲芸じみた動きを見せながら、ボールを離すことのない上手いタッチである。 山岸(い、一流だ……キーパーとしてだけでなく、ドリブラーとしても……! 信じられん。 どうして中学二年生という年齢でありながら、まったく異なる二つの技術をここまで極められるというんだ……っ!?) 滝(秋以降、翼が一層練習に熱を入れるようになってから、森崎も一段と熱心になったからなあ。 お陰で俺も随分ドリブル練習に付き合わされたし) 驚嘆の余りに、声を失う山岸。 それを見て肝を潰しながらも、川根中ボランチ・浜井がボールを取りに行く。 浜井「そ、そんな常識はずれな動きが何度も続くか!」
[480]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:05:53 ID:??? 森崎「何度も曲芸を続ける必要は無いぜっ!」 浜井「うっ!? しまった!」 鋭い切り返しで浜井の横を抜く森崎。 実況「森崎くん、ボールをキープしたまま切り込むぅ! 南葛中得点のチャンスです! だが、キーパーがここまで切り込んでいると、ボールを失えば即失点! まるで諸刃の剣のような攻勢です!」 滝「森崎、持ち過ぎだって!」 来生「早くパスだ! 俺に! 決めるから! 俺が!」 森崎(そうだな……このままゴール・トゥ・ゴールってのも悪くないが、向こうのキーパーも俺ほどじゃないが腕が良い。 連中にエサをやる意味でも、ここいらでパスを出すか!) 素早く打算を巡らせ、ボールをエリア内に蹴り込む体勢を取る。 それを見るや、川根中GK桑田も誰にパスを送るか読みに掛かった。 桑田(センターフォワードの来生か? それとも意表を突いて滝? いや――) 森崎「そらっ! 先輩方に推薦してやった甲斐を見せろ!」 長野「任せろ!」 ボールが上がった先にいたのは、ここ最近台頭してきた二年生FW長野だった。 銚子「確かコイツはヘディングが上手いんだっけか!? 撃たせん!」 桑田「! 違う銚子! そいつの狙いは――っ!」 長野「それっ!」
[481]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:06:54 ID:??? ゴールへのシュートコースを塞いだ銚子の眼前で、炸裂する長野のヘッド。 だが、それは自らの得点を目的としたものではなく、 来生「ハッハァ! どんぴしゃだぜ!」 銚子「ぽ、ポストプレイだと!?」 裏を取って走り込む来生への絶妙なアシストだった。 実況「南葛中新戦力の長野くん、相手の意表を突いてポストプレイ! これは上手い! ゴール前で点取り屋来生くんがフリーに!」 来生「よっしゃあ! これで俺が先取点ゲットだーっ!」 バコーン! 勢いよく足元のボールを蹴り込む来生。 桑田「させんっ!」 だが、そのシュートは桑田のパンチングで弾かれる。 来生「俺が南葛の点取り屋、来生哲兵だァーっ……ってアレ?」 滝「決まってないって! 何、ゴールパフォーマンスしているんだよ!?」 来生「なにィ!?」 観客「来生って、相変わらずここぞという勝負に弱いな」「でも、何か決まらなくて逆に安心したぜ」「来生だしな」
[482]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:07:58 ID:??? 井沢「くそっ! なにしているんだよ!? こうなったら、これを押し込んで――」 荒井「やらせるかーっ!」 得意のダイビングヘッドでこぼれ球をねじこみに行った井沢だが、いち早く相手DFがクリアー。 実況「南葛中、波状攻撃も身を結ばず! ボールはクリアーされ中盤に――あっ!?」 森崎「げっ!?」 井沢「ああっ!?」 クリアーされたボールの行方に、森崎と井沢が色を失くす。だが、それはゴールを空けた状態で相手に拾われたからではない。 敵より拾われたくない味方がフォローしたのだ。 翼「ヒャッホー! やっぱり、ここぞっていう時にボールは俺のところに来る! やっぱり、君は俺のトモダチだーっ!」 実況「翼くん、いち早くボールをフォロー! 勝利の女神は、やはりこの天性のサッカー小僧に微笑むのかーっ!?」 森崎「く、くっそー……よりによって、『アレ』を打つのに絶好の位置かよ。またあの野郎が見せ場を浚うのか?」 不倶戴天の相手の好機に、思わず天を仰ぐ。 桑田「翼か……だが、その距離からは決めさせん!」 翼「決める! 見ていろ川根中! これが俺の――」 実況「翼くん、シュートフォームに行く! そこから撃って決まるのか!? 相手は川根中GK桑田くん、県内屈指の名手だぞ!?」 翼(それがどうした! そっちが県内屈指なら、俺は日本一の――そして羽ばたく選手だ! ここから撃って決めてやる!)
[483]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:09:03 ID:??? そして、勝負を決する一撃が、大空へ飛び立った。 翼「――ドライブシュート! TAKE OFFだァーっ!!」 桑田「!?」 打ち上げられたボールに反応し、桑田が手を空へ伸ばす。 実況「桑田くん、素早く反応して手を伸ばします! しかし、ボールはキーパーの手を越えました! これは天才・大空翼くんらしくないミスです。ボールは枠を外、し……?」 森崎「外してくれれば助かるんだけど、そうはならねぇんだよな……」 観客「な、なんだアレは!?」「嘘だろ! あんなのが決まるのか!?」「何が何だか分からんが良しっ!」 記者A「こ、これは――っ!? おいカメラっ、撮れたか今の!?」 記者B「……何が起こったの?」 桑田「な、なにィ!?」 大きく打ち上げられ、枠を外すかバーを叩くかと思われたボールは、ゴール手前で急激に落下。 打ち下ろすようにゴールネットに突き刺さる。 ピィイイイイイイイイイイイイイイ! 実況「し、信じられません! 南葛中学・大空翼くん、奇跡的な先制点! 誰もが枠外を確信したシュートが一転しゴールを急襲! おそらく、ボールには強烈な縦回転が掛かっていたのでしょう! これは噂に聞くドライブシュートというものなのか!? 南米のプロ選手が得意とする変化シュートを日本の、しかも中学生の少年が完璧にマスターしているとは! やはり彼こそ中学ナンバーワン選手……いえ、その枠に留まらないスーパープレイヤーです!」
[484]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:10:09 ID:??? 翼「やったぞ!」 ドライブシュートを公式戦初使用でゴールを奪った喜びに、翼は拳を突き上げてガッツポーズ。 翼(はははっ。やっぱり俺が日本一の選手なんだ! 去年に片桐さんから、大前とかいう選手の映像を見せられた時は驚かされたよ。 けど、俺の方が強い! ポストプレイだっていつもは地味だから長野にやらせているけど、俺の方が上手いんだ。 それに、俺ならダイレクトシュートじゃなくてもミドルからこうやって得点できる! 何よりも、俺は攻撃だけじゃなく全てのプレイにおいて一流なんだ! ロベルトに育てられたこの俺が、ナンバーワンなんだよ!) 森崎「ギギギギギ……あの野郎、また派手に目立ちやがって……あんなシュート、万全な俺だったら完璧に止めて見せるのに……」 悔しそうに歯噛みしながら、そんな言葉を漏らす森崎。 しかし、初めて披露された時に、枠を捉えるとは思わなかった油断からゴールを割った身としては、大声は出せなかった。 高杉「プクーっ! 見ろよ、森崎の悔しそうな顔! 折角のオーバーラップが翼のお膳立てだもんな! 良い気味だぜ!」 石崎「流石、翼だぜ!」 森崎(高杉、石崎……後でシメる……) 浜井「馬鹿な……いくら意表を突かれたとはいえ、桑田があの距離からゴールを奪われるだと?」 大和「へ、変化だけじゃねェ……シュートそのものの威力も凄まじいぜ……完全にホークショットの上を行っていやがる。 ……認めたかねェけどよ」 山岸(いかん。ここまで拮抗していた試合をスーパープレイで持って行かれ、士気が萎えかけている……なんとかせねば) 翼のプレイで意気阻喪とするチームメイトを、必死でモチベートしようとする山岸。 その姿を、観客席から見つめる影がいた。
[485]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:12:18 ID:??? 浦辺「あーあ……山岸はまだ諦めてないみたいだが、他の連中は立ち直れそうにないぜ。 俺たちを破って決勝進出した川根中も、ここまでみたいだな」 岸田「お前が後半で燃え尽きなけりゃ、今頃は俺たちが南葛と――」 西尾「岸田、そういうのは言いっこ無しだろ?」 浦辺「……いや、岸田の言う通りさ(デコー……お前、もうちょっと気張ってくれよな)」 デコー(そうは言うがな、結局私が使っているのは君のエネルギーなのだよ? 君の身体がミイラになるまで動いていいならもっと活動できるだろうが、それは君も私も望むところではないはずさ) この年は準決勝で川根中に敗れた大友中。 元は南葛中の主力たちと同じ南葛SC出身で、森崎、翼らとは浅からぬ縁のある男たちである。 新田「それよりも俺を温存したりするのが問題ですよ。あの翼先輩だって一年からレギュラーなんです。 世代が違うとはいえ、同じ南葛SCを優勝させたメンバーがベンチ入りも出来ないってのは、おかしくないですか?」 浦辺「……まだだ。お前はまだ身体が出来あがっていない。 得意のスピードを全開にして、中学サッカーの30分ハーフ前後半をフル出場出来るスタミナを養うまでは、お前は不出場だ。 ……秋の新人戦でもな」 新田「ええーっ……(正直、浦辺さんにスタミナのことを言われてもなー)」 不服げな表情をする一年生・新田。
[486]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:13:18 ID:??? ??「そう不満顔をするなよ、新田。浦辺たちは出来るだけギリギリまでお前の存在を伏せておきたいのさ。 目先の勝利のために自分を安売りするのも、お前の本意ではないだろう?」 新田「あ、貴方は!?」 浦辺「お、おい!? こんなところを出歩いていていいのかよ? 身体に障るぞ!?」 背後から現れ新田を窘めた男。その出現に、大友中メンバーは色めき立つ。 ??「ははっ。今頃も寝たきりでいるようじゃ、到底来年の復帰は叶わないさ。こうして少しは出歩いた方が、身体のためにもなる」 浦辺「まあ、そうだけどよ……」 ??「と、いうわけだ新田。俺たちが勝負に出るのは来年。それまで焦らずに自分を磨くことが、今のお前の仕事さ」 新田「は、はい……(先輩方は四人とも凄い選手だと思うけど、やっぱその中でも風格が違うよな、この人は……)」 浦辺「ちぇっ……聞かん坊の新田も、お前の言うことは素直に聞きやがる。いっそのこと、次期キャプテンはお前がやるか?」 ??「よせよせ。二年間もリハビリに費やした男が、ある日突然キャプテンになって、チームがまとまる訳は無い。 仮にそれが出来るとしたら、武蔵の三杉くらい卓越した選手でないと駄目だろうな。 俺たちを率いるのは、やっぱりお前が適任だよ、浦辺」 岸田(よく言うぜ。万全の状態だったら、その三杉にも引けを取る気は無い、って顔してるのに。何にせよ、頼れるヤツだぜ) 西尾(本当に、コイツが味方で良かった……) 穏やかな物腰の中にも覗く不敵な自信に、息を飲む大友中メンバー。 それをよそに、男は眼下のピッチを眩しそうに見つめる。 ??(俺は必ず、あのフィールドに帰ってみせる。それまで、負けてくれるなよ? 森崎……)
[487]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:14:37 ID:??? ……試合はその後、勢いに乗った南葛ペースに終始し、翼はハットトリックを達成。 森崎も最後までゴールを割ることなく守り抜く。 そして試合終了間際、闘志の潰えた相手守備陣に対し、来生が駄目押しを入れて4−0。 南葛は貫禄の圧勝で県大会を制する。 大量得点で全国を勝ち上がったチームには、5−0で勝った花輪や10−0という常軌を逸したスコアのふらの中がいた。 だが、県自体のサッカーレベルの高さからすると、静岡県大会を無失点かつ全試合複数得点で勝利した南葛こそ尋常ではない。 今大会も、彼らが最有力の優勝候補であることは、衆目の一致するところであった。 各地から人材を補強したチーム力を武器にする東邦学園、圧倒的なパフォーマンスを見せたふらの中がそれに次ぐというところか。 そして東北随一の強豪・花輪中と開催地・埼玉を代表する明和東が下馬評での四、五番手争いを演じる。 長野県大会を制し、全国へ名乗りを上げた鳴紋中学。だが、その存在に着目する者は、現在はまだ一握りしかいなかった。 ※ 秋季地区大会後のイベントで立ったフラグにより、翼がドライブシュートを習得しました ※ ※ 翼に触発された森崎がやや華麗なドリブルを発動率1/2で習得しました ※ ※ 更に南葛の二年生メンバーが強化されました ※ ※ 4月に長池が立てたフラグにより、松山が北国シュートを習得しました ※ ※ 更にふらの中のメンバーが強化されました ※
[488]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:16:14 ID:??? 〜二年目・8月〜 大前「うわあああっ!?」 布団を蹴立てて、慌てながら目を覚ます大前。 大前「な、何だか凄く嫌な夢を見たぞ……自分が苦労して身に付けた技が全然役に立たなかったのに、 全国にはそれをあっさりと身に付けた上に使いこなしているヤツがいて、その上そいつにとんでもなく苦しめられる夢だった……。 は、はははっ! そんなことないよな? 先月の大会の疲れが残ってるから、そんな夢を見るんだよ。 全国大会まで、残りわずかだ。夢のことなんか気にするより、しっかりと準備を整えないと!」 気持ちを切り替えようと、両頬をパンパンと張る。 だが、セリフの四行全てに夢という文字がしっかり入っている辺り、気にせずにいられているとは言い難い状態だった。 ※ 定期的な練習により、鳴紋中全選手の全能力が+1、最大ガッツが+10されました ※ ※ しかし、能力の自動成長限界に達している選手はガッツのみ上昇します ※ ※ 能力とガッツが共に限界値まで成長している早瀬は成長しませんでした ※ 大前「……ふぅ、落ち着いた。大会まで十日以上あるのに、ナーバスになり過ぎだぞ、俺。 さて、そろそろ今月も早瀬さんから指示が来る頃――」 ピンポーン。 大前「あれ? 客? 誰だろう……」 訝しみつつ玄関に向かう。 早瀬「ようっ! お前ん家に来るのも久しぶりだな?」 大前「は、早瀬さん!? どうしたんですか急に?」
[489]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/30(水) 23:17:16 ID:??? 来客は早瀬だった。夏の日差しに汗を光らせながらも、不敵な笑みを浮かべて上り口に立っている。 早瀬「今月の指示ばかりは電話で口頭、って訳にも行かなくてな。……ついて来な」 … … … 早瀬が連れてきた先は、グラウンドだった。 そこには、 比良山「おお、来たか!」 長池「これで全員揃ったか」 瀬川「こうして見ると、俺たちって結構大所帯だな」 豊原「まあ、レギュラーの大半は早瀬についてきているからな」 輝林「……」 早瀬派閥の面々が、勢揃いしていた。 大前「み、みんな!? 一体、どうしたっていうんです?」 早瀬「どうもこうもねーだろ。練習だ練習。……全国大会前だからな。俺たちがこうして集まって練習するのも最後だ。 なのに、お前が一度も参加できないってのは寂しいだろ?」 確かに、大前は派閥にいない選手との練習などで、面子が集まっての特訓に参加出来ずにいた。
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0ch BBS 2007-01-24