※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【さらば】森崎in異世界完結編【遠き日】
[88]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:46:36 ID:??? 「まだ、抵抗するのなら…!」 そしてカミーユがブーストペダルを限界まで踏み抜くと、Zガンダムはまるで意思を持つかのようにデュアル・アイを光らせ ヴァルシオンに向かって真っ直ぐにバーニアと粉状の碧の光の軌跡を残しながら宇宙を駆ける。 「勝てると思うな…小僧ォォッ!」 全身には鳥肌が立ち、操縦桿を握る手は僅かに震えを見せ、脳髄の疼きはいよいよ我慢できるレベルの物では無くなって来ている。 それは相手を畏れていると言う事に他ならない。しかしそれでも未だ戦う意思を見せているのはカミーユが否定して見せた 自らが天才であると信じて疑わない傲慢さゆえである。無謀とも言えるZガンダムの突進を前にして、自らを奮い立たせるように叫び、 クロスマッシャーを放つ。自分の技量とクロスマッシャーの弾速とZガンダムの性能──瞬時に弾き出した答えは撃墜の確信。 よしんば回避したところで先程のようにバランスを崩したところを間合いを詰めて斬りかかるだけ。 だがそれに対し全く回避行動のそぶりすら見せずにZガンダムのリアクションはシールドを掲げるだけであり、 そのままクロスマッシャーの直撃を受けるZガンダム。余りに簡単に事が運んだことに少々拍子抜けする気持ちもあったが、 しかしシロッコは警戒を解けない。何故なら直後にまたしてもどこからか脳裏に声が響き渡ったからだ。 《守りなら任せろ!》 《チッ…全く世話の焼けるガキだ》 そしてシロッコの懸念どおり爆風から現れ出る、紅だけではなく更に碧のオーラも纏ったZガンダム。そしてシールドは シロッコの見間違いでなければ一瞬だけだが黄金色に輝いていた。 単発でダメならばと、更に苛烈な砲撃を連続で加えるシロッコだったが…またも脳裏に言葉が走る。 《相手を良く見るんだ。そしてフェイントを入れながら相手とのタイミングをずらせば…》 そして今度は先程と違って悉く回避される。それもこちらへ突進するスピードを全く緩めることなくである。 しかも信じがたい事に今の砲撃は全てZガンダムの動きに翻弄され、誘導されたもの。その動きは今までのZガンダムの 動きからはかけ離れており、蝶のように舞いながら、蜂のように刺す、モビルスーツの動きにしてはどこか人間臭く、 それでいて芸術的とも言える動き。
[89]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:48:19 ID:??? 「そんなまやかし事で!!」 これ以上好きにさせれば流石にマズイと本能で分かっているからこそシロッコも焦りを見せ、冷静になるべく 一旦距離を置こうと後退をかけようとした瞬間── 《今だ!!》 そのシロッコの考え、動きを読んでいたかのように、そこしかないという絶妙なタイミングでZガンダムの左腕から グレネードランチャーが発射される。本来であれば何でもない一撃だが、心理的死角を付かれたシロッコにこれを 回避する術は無く、ヴァルシオンは被弾する。無論この程度の攻撃ではヴァルシオンを撃破するにはまだ程遠い。 しかしダメージは無くとも機体は衝撃で揺すられ一瞬だが動きが止まる──そしてその一瞬の隙を付いてZガンダムが 一気にヴァルシオンの間合いに迫り来るのを止める事が出来ない。 ヴァルシオンの懐に飛び込んだZガンダムが右マニピュレーターでビームサーベルを引き抜き、居合い抜きのように 逆袈裟斬りを放つと、ヴァルシオンもディバインアームで応戦。交差する光の刃と銀の刃。激しいスパークが飛散し、 奇しくも初撃と同じような展開。が、今回の激突でパワー負けしてバランスを崩したのは馬力が勝るはずである ヴァルシオンの方だった。そんな有り得ぬ事態に驚愕で瞳を大きく見開くシロッコ。しかしそのような状況においても咄嗟に 右腕のクロスマッシャーの照準をZガンダムに合わせられる冷静さと技量は宇宙でも指折りである証拠であろうが… だがそれすらも読んでいたかのようにその右腕も瞬時にZガンダムの振り上げられたビームサーベルに切断される。 そして息も吐かせぬ間にZガンダムはそのまま反時計回りに回転しながら… 《 F I R E !》 烈火の如き激しき右足の蹴りをヴァルシオンの左腕に叩きつけ、ディバインアームをマニピュレーターごと弾き飛ばす。 そしてヴァルシオンの武装を無効化したZガンダムはウェイブライダーに変形しながら急速後退を掛け── 《いけぇぇぇぇぇーっ!!》 「うおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」 カミーユは全身から全てを搾り出すかのように雄叫びを上げながらウェイブライダーをヴァルシオンに突撃させる。
[90]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:49:54 ID:??? 「ヴァルシオン、動け!ヴァルシオン、なぜ動かん!?」 シロッコが操縦桿をいくら動かそうがヴァルシオンは金縛りにでもあったかのように何故か全く反応を示さない。 そんな筆舌に尽くしがたい状況でも最後まで彼は自分が何によって敗れるのかをまるで理解しようとはしないし、出来なかった。 そんなシロッコの眼前に迫り来るウェイブライダー。 そしてウェイブライダーの先端がヴァルシオンのコクピットごとシロッコの体を貫く。 『うおっ!ぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』 「在るべきところへ戻るんだ!!」 シロッコの断末魔を耳にしながらカミーユは叫ぶ。恐らくそれこそがシロッコが望んでいたことであると理解していたから。 『在るべき…ところか…フフフ…所詮偽りの存在…結局私は何者にもなれなかった…か… だが…これでいい…これで…な…』 このシロッコの言葉を最後にヴァルシオンからゆっくりと離れていくウェイブライダー。そして爆発するヴァルシオン。 その爆風により慣性のままウェイブライダーは宇宙空間を流されながらも一つ一つギミックを確かめるように変形をし、 モビルスーツ形態に戻る。すでにZガンダムを包んでいた赤と碧のオーラは消えている。 「ハッ!動いてくれた。ハァッ!」 流石にヴァルシオンにウェイブライダーでの突撃は少々無茶をさせすぎたみたいで、変形機構のフレームが 歪んでいたため、背中のフライングアーマーはパージするしかなかったが、それでもZガンダムは健在であった。 そしてカミーユは今だ爆発の光が収まらないヴァルシオンであったモノの方へと視線を向ける。
[91]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:50:54 ID:??? 「シロッコ…お前は最後まで気づかなかったんだ…その傲慢さが自分自身を追い詰めてるって事に… 人はもっと謙虚になるべきなのに…」 彼の最後の言葉から、今戦っていたパプテマス・シロッコはオリジナルのクローンであったと言う事をカミーユは理解していた。 しかしいかにクローンであろうと彼がシロッコであるという事には変わりは無く、その傲慢さ故に自分が何者かのコピーと言う事に 耐えらなかったのだ。だからこそ彼はアクシズ落しを敢行する。たとえ悪行であろうとも、パプテマス・シロッコという 一個人で自分自身の名を残すために。だが一方ではやはり最後の言葉からその自分自身の存在すら 疎んじていたのではとカミーユは思っている。 『俺は…この世界を肯定する…!』 ふと脳裏に浮かんだ記憶。かつて同じような事があった。この言葉がいつどこで放たれたものかは分からないが、 一つだけはっきりしている事は、この言葉の主はシロッコと違って別世界の自分も受け入れ、 今の自分もまた自分であると受け入れていたはずである。そんな事をぼんやりと考えていると、ふと目に入るモノに視線を止める。 それはコクピットに飾られた掌サイズのハロ。カミーユにはいつからこれを持っていたのかはまるで記憶が無い。 最初から無かったかもしれないし、最初から持っていたような気もする。しかし持っていると不思議と心が落ち着くので 何となくお守り代わりにと常に携帯していた。
[92]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:52:16 ID:??? 《借りは確かに返したぜ》 「え?」 唐突に響く声に思わずハロを凝視するカミーユだったが、ハロに特に何も変わった様子は無い。それに寧ろ借りを作ったのは こちらではないかと思うカミーユだったが、言葉と共に感じた“彼ら”の満足そうな感覚に何となくだが、 だったらそういうことなのだろうと妙に納得してしまった。 「またな…」 だから謝辞ではなくあえて再会の言葉を口にするカミーユのその言葉が“彼らに”届いたのかは分からない。 だがそれに対し“彼ら”がカミーユに笑いかけてくれたような…そんな気がした。 そしてアクシズを止めるため、ロンド・ベルにとって最後の作戦…ファイナルオペレーションを行うべく、 アクシズに向けてZガンダムはバーニアを噴かす。 そのバーニアの軌跡からはまるでカミーユの行く末を見守るかのように微かに碧の光が漏れ出ていた──
[93]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:53:44 ID:??? さてさていつもながら結構間が空いてしまった…最初はもっと短い予定だったのがやはりどうもZって作品は 私の中じゃかなりウェイトを占めてるようで…書いていくうちに書ける文章力も無いのにあれもこれもってなっちゃって… このザマですよwもっと文章力があればもうちょっとマシになったんでしうが…まぁもっと長くなってたでしょうけど… これが限界ですかね…というかそもそも内容的に全然関係なくないか?大丈夫なんだろうかと思うんですがw 後はアレだ…新紋章のせいだ… 「フン…新暗黒のH5も序盤だけでそれほどじゃなかったから俺は最初からルナティックに突撃するぜ!」 ↓ 「何これ…序章から一手でもミスったら死ぬわけだが…」 ↓ 「一章…相手は全員銀装備…だと?」 ↓ 「四章…ああ…うん…シリウスさんはそこでおとなしくしててくださいね?」 ↓ 「五章…おい!リカードッ!お前なんでそんなとこに…嫌!止めて!大陸一さんに気づかれる!!」 ↓ 「七章…これってぶっちゃけナバールが必殺出すの待ちですよね?」 ↓ 「八章…ハーディンのステを見て絶望する」←いまここnew いや〜これは酷いw(いい意味で)ようやくマイユニがクラスチェンジしたんで少しは楽になるかと思いきや… 勇者軍団で速さ22…だと?追撃できまセン;;リセットも何回した事かwこれは成長ヘタレると詰みますな。 と言うわけで次回更新は多分今回程は掛からないとは思いますが、最後に選択肢がありますので 更新も後二回ということになります。それでは次回更新時に〜。 PS:それにしても昨今はリメイク祭りですなぁ〜。まさかタクティクスオウガまでされるとは… これでオウガバトル全章製作決定!…とかまでは流石に無いですよね…うん…
[94]森崎名無しさん:2010/07/27(火) 23:58:20 ID:??? 乙でした。 シロッコ好きとして胸が熱くなりました。 彼も森崎たちと一緒にサッカーをやっていれば…
[95]森崎名無しさん:2010/07/30(金) 23:15:41 ID:??? 乙です 最初はダークスターズにシロッコ(ヴァルシオン)もいるものとばかり思ってました ロンドベルありだったんだからこっちもありかなと
[96]森崎名無しさん:2010/08/02(月) 23:35:01 ID:??? 今更だけどハーディンってSFCだと幸運以外フルカンストじゃなかったっけ それほど強くないけど
[97]キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:22:36 ID:??? 『さあ本日のジャパンカップ第二試合…全日本にとってはハンブルガーSV対サンパウロFCの大事な大事な一戦がもう間もなく、 今か今かとまさに大歓声で迎えようとしております』 「たく…俺達の試合の時より観客多くなってないか?まぁ“あいつ”が出るから仕方が無いと言えばそうなんだろうが… それよりえ〜と…確かこの辺だって言ってたんだが…」 放送席の実況を背に森崎有三の前に立ちはだかるのは人という人。森崎はそれらを両手で何とか押しのけながら もうすぐ試合が始まるであろう会場の観客席で探し人を求め歩を進める。本来ならばこの試合の前にGKとして出場していた 森崎の顔を観客も知らないはずは無いのだが、これから行われるであろう試合への期待感と観客の多さによる混乱で 幸いにも彼だと気づかれる事はなかった。 「こっちだモリサキ!!」 そして自分を呼ぶ声に顔を上げるとそこには森崎の探し人でどこぞの王侯貴族かと思わせる程見た目麗しい少年… エル・シド・ピエールが自分の居場所を知らせるように席から立って手を振っている。その隣にはどこか他人を寄せ付けそうに無い 威風堂々とした佇まいをしている少年…カール・ハインツ・シュナイダーが座っていた。 「ふぅ〜探したぜ…全く試合後の奴に重労働させんなよな?」 ここまで来るのに使った労力に愚痴りながら、シュナイダーが確保していた隣の空いた席に森崎は早速腰掛ける。 「それは悪かったな。…だが生憎俺達もここから身動きが取れなくてな…」 森崎の言葉に呆れた様に周囲を顎で指すシュナイダー。それにつられ周りを見渡すと、シュナイダー達をというか… 主にピエールに熱い視線を送る女性という女性の姿。確かにこれではピエールが移動すればちょっとした騒動位には 発展するかもしれない。 「すまないなモリサキ…本来ならこちらから出向くべきなんだろうが…」 それを感じてかピエールが申し訳なさそうに頭を下げてくる。図体の方はすっかり逞しく成長しているが、 そんな馬鹿丁寧なところはまるで変わっていない事に森崎は思わず苦笑を浮かべる。
[98]キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:23:37 ID:??? 「別に構いやしないさ。でもまぁあれだな…“あの時”以来だなこうして三人揃うのも…」 「そうなるか?…まるで昨日の事のように思い出せるが…」 「そうか…あれからもう三年にもなるのか…」 森崎の言葉にシュナイダーもピエールもそれぞれが“その時”の事を思い出しているだろう。どこか遠くを見るような 眼差しで懐かしむように呟く。それは三人にとってこれから先の人生も含めても間違いなく最も激動であった時の事を。 しかしやはりどうしても思い入れが深いのだろう。結構な時間しんみりとした時間が続いてしまったため、 流石にこれ以上は話が進まないと森崎は二人に兼ねてからの疑問を振る。 「それにしてもさ、二人ともトップでプレイしてんだろ?バイエルンにボルドー…こんな日本くんだりまで来るのを 良くクラブが許可したよな?」 「俺は右足の怪我でな…といっても大した怪我じゃ無くてもうプレイ自体は可能なんだが… まぁ大事をとってと言う事でクラブから休養を言い渡されててな…」 「そうか…で、ピエールの方は?」 「俺の方は先週UEFAチャンピオンズリーグの予選で出場したから、今週はターンオーバーで丁度休養週だ」 「ふ〜ん…UEFAチャンピオンズリーグねぇ…景気のいい話で羨ましい限りだな」 森崎の言葉に羨望の感情から発せられる毒気が混じっているのは誰も責められないだろう。UEFAチャンピオンズリーグ。 それは欧州クラブシーンにおける最も権威ある国際大会。翻って自分はと言うと決して卑下するわけではないが、 いくら有名クラブを招聘しているとはいえ、所詮ユース代表で、しかもサッカー後進国である島国で開かれている小さな大会。 すでに国際大会に戦いの舞台を広げている二人に置いて行かれているという気持ちが沸くのも仕方の無い事だろう。 そんな森崎の様子にシュナイダーとピエールは顔を合わせて苦笑する。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24