※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【激闘の】幻想のポイズン38【果てに】
[871]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:06:09 ID:??? キーパーとしての早苗は、霊夢と魔理沙の前にほぼ完敗に近い結果を残すだけに終わった。 しかし、まだフィールダーとしてならば……ドリブラーである早苗の能力は、必ず得点を取るのに必要となる。 諏訪子がそう呟くと早苗は迷いを見せながらも……やがて頷き、了承をする。 早苗「……40分まで、フィールダーは実質9人になる事になりますよ」 神奈子「覚悟の上だ。 そうまでしても、早苗にはいてもらわなきゃ困る」 早苗「……わかりました。 では……お任せをします」 早苗はそう呟くと、大きく深呼吸をしてから……フィールドの隅へと移動をし。 その場にしゃがみ込んで、体力の回復に集中をし始める。 それを見て、神奈子と諏訪子は満足そうに頷きつつゴール前に集まっていた者たちに向けて、口を開く。 神奈子「1点はリードされたが、まだ時間は残っている……そして、40分を過ぎれば早苗も動けるようになるだろう。 それまでに何としても1点を取って、同点にするんだ……いいね!?」 諏訪子「博麗の二大エースも、既にかなり疲弊はしている筈だ。 後はどうやってあのDFを攻略するかさえ考えればいい……さぁ、まだまだ試合はこっからだ! 気合入れていくよ!」 守矢フルーツズ「「「おう!!!」」」 二柱の言葉に呼応し、気合を入れて掛け声を出してから一同はポジションに散っていく。 萃香がDFからGKに入った事で守備力は弱体化しており、更に動けない早苗を抱えている為実質フィールダーは9人。 おまけに疲弊をしたとはいえ、博麗連合の二人のエースも油断がならない相手。 何よりも鉄壁のDFを相手に、攻略をする算段は未だについてはいない。 しかし、それでも……守矢の二柱は勝つと言った。 この試合に負ければ早苗が再び常識に囚われなくなってしまうから……などという理由の為ではない。 神奈子(昨日の試合も、私達は殆ど何も出来なかった……全ては早苗と、他のメンバーの頑張りの為だ) 諏訪子(なら今日は私達が何としても勝利を手繰り寄せてやる……! これまで頑張ってきてくれた早苗を……負けさせてたまるもんか! 絶対に……絶対に優勝をするんだからね!!) ######################################################################################## 一旦ここまで。
[872]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:50:51 ID:??? こうして試合は再び仕切りなおしとなり、守矢フルーツズのボールで再開される。 後半の時間はまだまだ30分以上残っており、1点差ならば十分覆せる……。 昨日の試合、脅威の粘りと執念で2点差をひっくり返し、一度は逆転劇を演出した守矢フルーツズならば。 今日もまた逆転をしてくれるものだと、守矢フルーツズの応援団は誰もが思っていたのだが……。 文「すいすいすい……っと、ここまではやっぱり運べるんですけど……」 コンガラ「もう二度と貴様は通さん!」 文「やっぱり〜!」 文の突破は先ほどのような失態はもう二度と見せないと意気込んでいたコンガラに阻止され。 天子「ブロックの数は……5枚でいい! これなら……」 キクリ「ブロックが5枚という事はそれだけ人数差を生かせるという事ですよ。 そう易々と、ゴールはさせません!」 天子「おいィ……」 天子の渾身のシュートも、キクリのブロックで阻まれる。 反町「守矢は攻め手が無いな……」 リグル「昨日はあんなに私達を苦しめたのに……なんで?」 にとり「やっぱり早苗が動けないからだよ……昨日の私達との試合、その攻撃の起点になり。 守備にも顔を出し、ゲームを作ってたのは早苗だ。 その早苗がいないから、どうしても守矢は攻め切れない」 静葉「文もドリブラーとしては早苗以上だけど……ゲームを作るタイプの選手ではないものね」 メディスン「ストライカーの天子の強烈なシュートも通用しない……。 ドリブルゴールもあれだけPAを固められると無理……となると、やっぱり辛いわね」 穣子「前半みたいなチャンスは早々来ないでしょうしね……」
[873]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:51:53 ID:??? ジョン「さぁ〜、後半既に30分を過ぎるも、まだ守矢は反撃の糸口すらつかめていません! 試合を押しているのは完全に守矢フルーツズですが……。 しかし、有効打を打てず、未だスコアは2−1! 博麗連合が一歩リードをしている状況!! 果たして守矢フルーツズ、このままなすすべなく敗退してしまうのか!?」 早苗「くっ……!」 萃香「行きたい気持ちはわかるが、しっかり体力の回復に努めな! 今行ったって大した事は出来ないだろう!?」 早苗「わかってます……!」 今すぐにでも前線に赴き、攻撃に参加をしたいと考える早苗。 しかし、萃香はそれを諌め……早苗は爪が食い込む程にまで拳をギュッと握り締め、感情を抑える。 確かに萃香の言う通り、今、前線に行ってもドリブルを一度するのが精々といった所。 そんなことではチャンスを作れる筈も無く……今はただ、神奈子達を信じて同点に追いついてくれるのを待つより他に無い。 早苗(神奈子様達なら……それでも神奈子様達なら……なんとかしてくれる!!) ジョン「おっとぉ、諏訪子選手のドリブルをまたもやコンガラ選手がカットォ! しかし、この零れ球には神奈子選手が詰め寄せているぞ!! これは守矢フルーツズ、久しぶりの得点チャンスか!? 出るか、神奈子選手のエクスパンデット・オンバシラ!!」 パンッ! ズパパパパパンッ!!! 神奈子「よし……! オンバシラァァァァァァアアアアアアアアアアアアッ!!!」 ドギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!! キクリ「……威力自体は先ほどの奇妙な口調のストライカーさんに劣りますね。 しかも変化も特別かかっていないまっすぐな軌道……これなら!」 バコォッ! ぽいんっ
[874]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:52:53 ID:??? 神奈子「!? くっ……私のエクスパンデット・オンバシラでも駄目かい……!!」 諏訪子「あーうー……」 基本的に遠い位置から打つ事を主眼とした神奈子のエクスパンデット・オンバシラの利点は。 センターサークル付近から放とうとも、決して威力が落ちないという点がある。 しかし、逆に言えばそれしか特色が無いものでもあった。 つまり、幻想郷全土で見れば見慣れた威力のシュート。 その程度のシュートならば、ここまで博麗連合のゴールを守りきっているキクリを通す事は不可能である。 ジョン「あーっと! 駄目です! 神奈子選手のシュートも通用しない! これまで天子選手の気炎万丈の剣! 諏訪子選手の空中神戦! そして、神奈子選手のエクスパンデット・オンバシラが次々と火を噴いていますが未だゴールは割っていない! なんと固い壁! 博麗連合キクリ選手、正に鉄壁のディフェンスです!!」 キクリ「さぁ、カウンターです! 駄目押しの3点目といきましょう!!」 諏訪子「ゲロォ!? しまった!!」 後半既に35分が経過し、未だ得点に結びつかない守矢フルーツズ。 再三にわたる攻撃にも、しかし、博麗連合のDF二人はまるで疲れる様子を見せておらず。 攻撃をする事に意識を向けすぎていたのか、全員が上がり気味の位置にいた。 そして、キクリは大きくボールをクリアーし、再び霊夢達にカウンターをさせようとする。 ここで博麗連合に3点目が入れば、当然ながら守矢フルーツズの勝利は絶望的。 一同は戦慄をするのだが……。 衣玖「空気を読んでパスカットに入りますね」 キクリ「なっ……!?」 パシィィィイイイイッ!!
[875]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:53:53 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「あっ……あああああ〜っとぉ! これは上手い!! 衣玖選手、キクリ選手のクリアーボールをすばやくパスカット!! 試合から殆ど消えていた衣玖選手、ここで面目躍如の活躍! カウンターのピンチを脱しましたァ!!」 衣玖(豊穣の神様程ではありませんが、私もパスカットにはそれなりの自信を持っておりますので……。 さて、それではこのボールを……) 相手が全員前がかりになっている以上、悠々とパスを通せるとキクリは油断をしていた。 しかし、その一瞬の油断が命取り。 空気を読み、敵のパスコースを読み取る事を得意とする衣玖は素早くパスコースに入り込むとボールをカット。 霊夢が顔を顰めるのを見ながら、パスコースを探し……。 衣玖「天狗さん、どうぞ!」 文「あややややや、こちらですか!」 ジョン「おっとぉ!? これは衣玖選手、すぐさま持ったボールを右サイドを走る文選手に渡します! 文選手、このボールを持って素早くサイドを駆け上がり……。 いや、しかし! ここにはコンガラ選手がいる! ここまで文選手の突破を再三止めているコンガラ選手、文選手に素早く詰め寄ります!」 コンガラ「早々たやすく突破はさせん!」 文「突破はしません、負けますから♪」 コンガラ「なっ……パ、パス!?」 文「私はどこぞの橋姫や猫と違って、パスも出来るんですよ!! それとんでけー」 ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
[876]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:54:54 ID:??? この試合、完全に文を止め続けてきたコンガラ。 それに対して、何度も何度も諏訪子達の指示でドリブル突破を仕掛けていた文。 知らず知らずの内にコンガラは文を、「ドリブルしか能が無い選手」と判断をしていた。 そして、それこそが文が付け入る隙となったのである。 文は決してドリブルしか出来ない選手ではない。 当然、一番の武器はその俊足を生かした圧倒的なドリブル能力。 しかし、射命丸文は烏天狗という種族の才能を忌憚無く発揮した高い空中戦の技量――。 そして、全てのオフェンスでオールラウンドに動ける、卓抜したセンスにあったのである。 文の能力――「風を操る程度の能力」を使い、大きく飛び上がるボール。 不意を突かれたコンガラは反応する事すら出来ず、センタリングが上がり……。 そのボールに向けて飛翔をするは、センターフォワードの天子。 対してゴールを守るキクリは、今度はどっしりと構えてブロックに行く姿勢を見せている。 キクリ(フォームはただのヘディング……オーバーヘッドでは無い! それに、先ほどのシュートのような脅威も感じない……これならば!) 天子「お前それでいいのか?」 キクリ「え?」 天子「バックステッポォ!!」 パスッ ジョン「あっ……あああああ〜っ!! こ、これは天子選手、ポストプレイだ!! キクリ選手、完全に裏をかかれたかカットにいけない! ボールはDFの裏へと落ち……こ、これは……!?」 諏訪子「来た来た来た来たァァァァァァアアアアアアアア〜ッ!!!!」 神奈子「決めるぞ、諏訪子!! こんなチャンス、もう二度と来ないッ!!!」
[877]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:56:00 ID:??? 天子の落としたボールに向けて走りこんでいたのは、守矢フルーツズの二柱。 キクリは完全に裏をかかれマークに向かえず、他のDF達もブロックに行けない。 完全にフリーの、絶好機。 ポストプレイを成功させた天子はニイと笑みを見せてしてやったりの顔を浮かべ。 センタリングを上げた文は不安そうな顔を二柱へと向ける。 霊夢「玄爺、落ち着きなさい! その二人に低い球のシュートは無い!!」 神奈子「さぁて、そいつはどうかな?」 諏訪子「ゲロゲロゲロ……! こいつを見て驚けェ! いっくぞー、神奈子!」 神奈子「おう、諏訪子!!」 バッ! バッ!! ギュウウウウウウウウウウウウウウッ!!! お互いボールに向けて走りこみながら、諏訪子は右足を……神奈子は左足を大きく上げ。 そのまま、二人同時にボレーシュートの体勢を取る。 そのシュートフォームは、この幻想郷にいる選手にも馴染みとなっているもの。 穣子「か、神奈子様と諏訪子様が……!」 静葉「ツインシュート!?」 神奈子・諏訪子「「これが私達の……諏訪大戦だァァァァアアッ!!!」」 ブギュッ! ブルウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!! お互いの脚力を合わせ、同時にシュートを打つ事で威力を増大させるツインシュート――。 お互いの息がピタリと合っていなければ成功しないこのシュートを。 しかし、神奈子と諏訪子は見事に成功をさせた。
[878]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:57:04 ID:??? そう、このシュートもまた、今大会に向けて開発をしていた二人の合体シュート。 ロングシューターである神奈子が前線まで上がる機会があまり無い為、自然と使う機会が無かったが……。 しかし、だからこそ奇襲としては見事に成功を果たしていた。 ブレながら回転し、ボールは枠の中に入るのだが……。 玄爺「真正面! これなら取れますぞ!!」 神奈子達の放ったツインシュート――諏訪大戦は、GKである玄爺の真正面に飛んでいた。 こうなってしまえば、如何な変化がかかりブレているボールであろうとキャッチは可能。 玄爺は大きく両手を広げ、体のどこかに当たってくれとばかりに飛び上がるのだが……。 ギュウウンッ! 玄爺「なんですとっ!?」
[879]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:58:10 ID:??? キャッチをする寸前……なんとボールは玄爺の手(というより前足)をすり抜け。 大きく横に曲がってその手から逃れてしまう。 神奈子「私と諏訪子じゃキック力が違う……!」 諏訪子「だから当然、ボールも大きく曲がるんだよ……ケロケロ!!」 カーン! ズバアアアアアアアアッ!! ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 大きく曲がったボールはそのままゴールポストの内側に跳ね返り、逆サイドのネットに突き刺さる。 こうして後半38分……とうとう守矢フルーツズは同点に追いつく事に成功をした。 衣玖のパスカット、文のセンタリング、天子のポストプレイ……。 そして、ここまでひた隠しに隠してきた諏訪子と神奈子の合体技。 全てを駆使して得た、同点ゴール。 早苗「神奈子様! 諏訪子様……!! 皆さん……!!」 得点を告げる笛を聴きながら、早苗は歓喜に震える拳を大きく突き上げる。 既に疲労は取れ……あと1プレイ、2プレイ程ならば、超サナエモードを使わなければこなせる程。 早苗の体力は回復しつつあった。 守矢フルーツズ2−2博麗連合 ######################################################################################## 一旦ここまで。
[880]森崎名無しさん:2010/07/17(土) 18:34:59 ID:??? 俺、守矢が勝ったら転職するんだ……
[881]森崎名無しさん:2010/07/17(土) 20:27:21 ID:??? 守矢メンバーの猛攻で同点に追いつき、早苗の体力も回復しつつある。 だが、守矢の攻撃陣はガッツが切れた者が多くなっている。 そして、体力が回復しているのは霊夢・魔理沙も同じこと。 早苗主導の攻撃が失敗したら、萃香がカウンターを完全に遮断しないと勝ち目はない。 窮地に立たされたのは守矢の方なのではないか。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24