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【勝利者と】幻想のポイズン40【敗者たち】
[516]森崎名無しさん:2010/09/01(水) 23:16:29 ID:??? ポロリ
[517]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/01(水) 23:59:22 ID:??? >割とヒマな幽香さん→ ハートJ =幽香「明日一日くらいなら付き合ってあげてもいいわ」 明日一日分のコーチを引き受けてくれる! ================================================================================================== 幽香から返ってきた答えは、明日一日ならば練習を見る事が出来るというもの。 4回全てを見てもらうという事は了承して貰えなかったものの……。 しかし、それでもヒューイに対して縁もゆかりも無い幽香が丸々一日を使って練習を見てくれるというのはありがたく。 反町は感謝の意を伝えながら、明日はよろしくお願いしますと挨拶をしてから自室へと戻る。 一方、それを見送った幽香はといえば、再度自分の部屋の中へと戻り、布団の中に潜り込むと……。 不意に微笑を浮かべながら、何やら楽しげな表情をして考え事を始める。 幽香(まあ、現段階でもそれなりにはボールカット能力があるけれど……。 その上にオフェンス力が備われば、今以上に強力になる。 ふふふ……そして、その強くなったという気持ちを持った彼女を叩き潰すと……。 はてさて、どんな顔をして絶望してくれるのかしらね?) 全幻想郷には選出されず、しかし、別の代表チーム――魔界代表に行く事を既に決断している幽香。 そんな彼女が、どうして敵となるヒューイの面倒を見る事を決断したのか。 それは純粋に、弱者よりも強者と戦いたいという欲求――。 そして、それ以上にその強者となった者を蹂躙してやりたいという残虐な感情が働いたが故だった。
[518]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:00:36 ID:??? 反町(今日で大会も終わって……明日からはいよいよ次の大会――。 オータムスカイズとしてではなく、全幻想郷代表としての大会の準備が始まる。 明日、明後日はヒューイに付きっ切りになるし、明後日は守矢神社にも行かないと……。 明々後日は……全日本との練習試合もあるし、実際に自由に使える時間なんて殆ど無さそうだな。 まあ……それはそれで仕方ない。 明日、明後日の時間をヒューイの為に使うと決めたのは……俺なんだから) そして、反町はそんな幽香の思惑など気づく事もなく。 ただ、ヒューイの事――そして、明日から始まる新たな戦いに対して胸を高鳴らせ……そのまま就寝していくのだった。 反町(……そういえば、西尾?……じゃなくて、カルツは明日、シェスターや三杉と一緒に帰るとか言ってたな。 見送りに行けないのは残念だけど……あの3人は、今頃最後の幻想郷でのひと時をどう過ごしているんだろう?)
[519]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:01:50 ID:??? 〜守矢神社〜 反町がこうして寝床についていた頃、一方で今日の試合――不夜城カップ決勝戦にして勝利し。 悲願の初優勝を果たした守矢フルーツズの面々は、守矢神社にて宴会中。 今日の優勝の立役者と言っても過言ではない伊吹萃香は上機嫌のまま文を相手に祝杯を飲みあさり。 天子もまた、今日勝てたのは自分が決勝点を挙げたからだと何度も言いながら真っ赤な顔で笑みを振りまきつつ。 衣玖はそんな天子にお酌をしながら、しかし、無茶をしないように天子の様子をしきりに見守っている。 そして、キャプテンである早苗や神奈子、諏訪子という守矢フルーツズ初期からのメンバーもまた。 これまで応援をしてくれた者達の祝福の言葉を受け、それに答えたりなどしつつ……。 しかし、それもある程度落ち着くと……西尾?――もとい、カルツに呼び出され、彼からの衝撃の告白を受けていた。 神奈子「ふぅむ……とすると、西尾?君……。 いや、カルツ君は西ドイツに戻るって事だね?」 カルツ「そうじゃ……今まで、言い出せんですまんかった。 しかし、これまでの守矢の皆さんからのご厚意――それに、静岡県人会の皆さんからの沢山の声援を考えると……。 中々言い出せんかったのじゃ」 諏訪子「静岡県人会がなんの事かよくわからないけど、言い出しにくかったのはわかるよ」 西尾?――ではなく、カルツの自分は本当は日本人の静岡県民ではなく、西ドイツの人間であるという言葉。 そして、フランス国際Jrユースでは西ドイツJrユースの一員として戦うという言葉を聞き。 神奈子や諏訪子といった面々は、多少面食らいながらも……それでも、一応は受け止めてみせる。 確かにカルツの言う通り、いきなり訳のわからない場所に呼び出されて本名を出せというのも難しい話。 本名、そして本性を偽っていたカルツの判断は正しいだろうと考え……早苗もまた、その考えに納得を示すのだが……。
[520]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:03:21 ID:??? 早苗「そうなると……国際大会では、敵同士となりますね」 カルツ「うむ……。 幾ら世話になったとはいえ、ワシらも国を代表して戦う身じゃ。 早苗さんが相手じゃろうと……手加減はせんし、負けはせんぞ」 早苗「それは私達も同じです。 私の奇跡のゴールキーパーとしての誇りにかけて……。 国際Jrユース大会でも、優勝をしてみせます」 一瞬、悲しそうな顔をしながらも……しかし、早苗はすぐにカルツに真剣な眼差しを向けながら言葉を吐き。 それに対してカルツもまた負けるつもりは無いとあくまで強気な発言をしながら、両者は握手を交わすのだった。 カルツ(早苗さん……悪いが、ウチにシュナイダーちゃんがいる限り……早苗さんが無失点で終わる可能性は無い。 こんな事になったのは正直言って悲しいが……国際Jrユース大会では、泣きを見てもらうぞ) 早苗(西尾?君……いえ、カルツ君には悪いですが、私がいる限り――どこが開いてだろうと、失点は絶対に許早苗。 私の奇跡の力で……必ずや西ドイツも打ち砕いてみせます)
[521]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:05:02 ID:??? 〜地底の入り口 洞穴の中で〜 一方その頃、今日の試合を見にやってきていた地底の面々――黒谷ヤマメやキスメ、水橋パルスィといった者達は。 ネオ妬ましパルパルズメンバーであるアリスや藍、妖夢、しっとマスク、シェスター……そして、監督の松岡に見送られつつ。 合宿に参加する前に地底で遣り残した事、やっておきたい事などをやりに地底に戻る最中であった。 しっとマスク「しかし……これで、しばらくは我らもバラバラになるのだな……」 妖夢「そうなりますね。 私とパルスィ、ヤマメにキスメは全幻想郷に選ばれましたが……」 アリス「私は魔界に戻るし」 シェスター「僕は西ドイツに戻るしね! ああ、とうとうこの日本文化が染み付いた幻想郷ともお別れかぁ……」 洞穴の中、不意にしっとマスクが発言した一言を契機に、一同はしばらくメンバーが別々の陣営に別れ。 それぞれが敵対をしてしまうという事にどことなく寂しさを覚えつつ……。 それでも、それもまたサッカーをやる者の宿命であると割り切ったような様子でいる。 そんな中、日本文化を愛し、日本の古き良き風景などをそのまま再現したような幻想郷との別れに。 万感の思いを感じていたシェスターは涙ぐみつつ、ネオ妬ましパルパルズのメンバー全員を見つめる。 シェスター「今度会う時は、敵同士になっちゃうんだね、パルシー、アリス……」 アリス「出身地が違う以上、ナショナルチームの所属が違うものになるというのもまた当然でしょう。 それに、貴方だって西ドイツを見捨てられる訳ではないんでしょう?」 シェスター「そりゃそうさ! 幾ら日本を愛しているからって……西ドイツを捨てる事なんて出来ない」 アリスの言葉に声を荒げつつ反論をするシェスター。 日本を愛するシェスターではあるものの、その心の奥底にはしっかりとした愛国心があり。 西ドイツの為に戦うという気持ちは、当然ながら強い。 しかしながら、それでも――同じチームの一員としてここまで戦ってきたパルスィらと戦うのには抵抗があるのか。 中学生という、世間一般ではまだ子供とされる彼の年齢を考えればこれもまた仕方の無い葛藤をする。
[522]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:06:36 ID:??? だが、そんなシェスターを見て小さくため息を吐きつつ……。 パルパルパル……と呟きながら、恨めしそうな目でシェスターに向けて言葉を吐いたのは――。 ネオ妬ましパルパルズキャプテン――ドリブルだけならばこの幻想郷でも間違いなくNo.1となった、不屈の戦士。 オータムスカイズを目の仇とする、元裏主人公――水橋パルスィであった。 パルスィ「パルパル……妬ましい、国際Jrユース大会で全てが終わると思っている貴方が妬ましい」 シェスター「え?」 パルスィの言葉に、それは一体どういう意味なのかと目を丸くしながらシェスターは驚き……。 しかし、パルスィはあくまで爪を噛んで心底妬ましそうにしながら、更に呟く。 パルスィ「嫉妬の魂がある限り、ネオ妬ましパルパルズは永久に不滅なのよ。 何? あなたはこの国際Jrユースが終わったら、もうネオ妬ましパルパルズには帰ってこないの?」 シェスター「それは……!」 勿論、シェスターにも元いた世界――西ドイツで所属をしていたクラブチーム、ブレーメンJrがある。 だが、既にシェスターはこのネオ妬ましパルパルズの独特の空気――。 実力はある筈なのに活躍出来ないウイング。頼りになるけどどことなく抜けている、九尾の狐。 基本的にいつも実力以上の活躍を見せる人形師に、守りのパルパルズを支えてきたDFとGK。 そして、嫉妬の権化と言えるキャプテンとそのパートナーに対して愛着を持っており……もはやここを出るという考えは無くしていた。 だからこそ、そんな事は無いとパルスィに返答をするのだが……。
[523]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:08:16 ID:??? パルスィ「ならばこれはあくまでも通過点よ。 だというのに、勝手に最後の戦いと決める貴方が妬ましい……! いい? 私達の最終目標は、あくまでも――『オータムスカイズ打倒』なのよ。 あいつらを完璧に、完膚なきまでにボッコボコにしない限り。 私達の戦いは終わらないのよ!」 シェスター「そうだね……! わかったよ、パルスィ! この国際Jrユース大会は、あくまでも通過点。 僕達は……もう一度、必ずここに戻ってくる」 藍「我々が加入をしてからの戦績は1勝1敗。 これでは完勝をしたとは言い難い」 妖夢「2勝1敗にして、勝ち越さないと――」 アリス「オータムスカイズに勝った事にはならないものね」 ヤマメ「今度こそは、あの馬鹿みたいなシュート力を持った反町って人間に負けないように鍛えとかないと! ね、キスメ!」 キスメ「………………」←コクコク頷いている しっとマスク「それまではこの俺様がこのチームを守っておいてやる!」 松岡「体も心も熱くなってきた!」 こうしてパルスィの言葉を契機に、一同は改めてオータムスカイズ打倒の気持ちを強めていく。 これから離れ、バラバラになって戦いを始める一同は――。 しかし、それでも――否、バラバラになるこそ、今まで以上に結束力を高めてゆくのであった。
[524]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:09:25 ID:??? 〜紅魔館 地下図書館〜 パチュリー「……まだ起きているの、三杉?」 三杉「今日の試合の反省点を、ちょっと書いておこうと思ってね」 パチュリー「いい事ね。 見せてくれるかしら?」 紅魔館の奥深く――地下の図書館では、この深夜においても三杉が蝋燭の火を頼りに何かをノートに記しており。 それをパチュリーが目敏く見つけ、見せてくれないかと要求。 それに対して三杉は快く応え、ノートをパチュリーに手渡し……。 数時間前、書き物をしていた三杉を労い小悪魔が淹れた、冷めてしまった紅茶を飲み始める。 それからしばらく、静かな時間が二人の間に流れるのだが……。 パチュリー「それで……全日本というチームは、今日貴方が聞いた全幻想郷代表に勝てるようなチームなのかしら?」 三杉「今のままなら無理だね。 悲しい事だけど、断言せざるを得ない」 パチュリー「すると……将来的には、全幻想郷に勝てると?」 三杉「勝てる。 現段階でのレベルは幻想郷が圧倒的だが……その差を縮め、練習に励めば……十二分に勝てる筈だ」 パチュリー「……それは、私にも勝てるという事かしら?」 三杉「勝つさ。 僕が勝つ」 あくまでも両者淡々とした言葉を吐きながら――それでも、片方は相手を試すような物言いで問いかけ。 そして、片方はそれに対して確信を持ったような物言いで答える。 しばし言葉の応酬を続けた両者は無表情のまま顔を向け合うが……やがて、どちらともなく、ふっと笑みを浮かべた。 パチュリー「50年早い」 三杉「君達みたいな化け物と同じ基準で考えないで欲しいな……人間は50年も生きればまともに動く事すら難しくなるというのに」 パチュリー「ふ……まあいいわ。 楽しみにしておいてあげる。 精々、頑張ってみなさい。 あなたが本当に私に勝てるのか――ただの人間が、私に勝てるのか。 実に、興味深い。 本当に……本当に、面白いわ」 三杉「僕も今から楽しみさ。 その余裕にまみれた表情が、どのような歪むのか……」
[525]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:10:57 ID:??? 軽口を叩き合う、パチュリー=ノーレッジと三杉淳。 彼らの間にはしばしの離別の為の悲しみというものはまるで無く。 三杉の成長を――自身の教育の成果を見て、しかし、それでも勝ちたいというパチュリーの欲。 そして、ここまで自分の面倒を見、鍛えてくれたパチュリーに――密かに目標としていたパチュリーに、勝ってみせたいという三杉の欲。 そんな両者の欲望――ただ相手に勝ちたいという欲望が、そこにただあるのみであった。 パチュリー(人間は本当に面白いわね……。 ……さぁ、本当に私の期待、そして信頼に応えてくれるかしら? 戦うその日の事……楽しみにしていいのよね、三杉?) 三杉(君を倒す事もまた、反町と戦う事と同じ――いや、もしかしたらそれ以上の楽しみなんだ。 ……喘息を悪くして、出場不能などという事態には陥らないでくれよ)
[526]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/02(木) 00:12:48 ID:??? この幻想郷に、"現在は"4人いる外来人。 カルツ(素性も知らん、どう考えても怪しい人間のワシをここまで世話してくれた……。 本当に守矢の皆さんはええ人ばっかじゃ。 じゃが、次に戦う時は敵同士――遠慮はせん!) ある者は世話になったチームへの恩義と感謝の気持ちを感じ入り。 シェスター(ネオ妬ましパルパルズでのサッカーは本当に楽しい! 今回は西ドイツに戻るけど……国際Jrユース大会が終わったら、その時は……) またある者は、新たな自分の居場所を見つけ、その場所に帰ってくると誓い――。 三杉(ああ、楽しみだ……。 本当に、楽しみだ。 思う存分体が動かせて……その上、強敵たちと戦う事が出来る。 相手はパチュリー、そして反町……そして、今日僕達を完封してみせた東風谷早苗さん。 相手にとって不足はない……!) そして、ある者は自分を導いてくれた恩師と戦う事を望んだ。 こうして三者三様の夜を過ごしつつ、幻想郷の夜は更けてゆくのだった。 七十七日目 木曜日 終了 ※普通の時間に寝たので反町のガッツが回復しました。 880/880 ※カルツの守矢フルーツズに対する感情が カルツ→(恩義)→守矢フルーツズ になりました。 ※シェスターのネオ妬ましパルパルズに対する感情が シェスター→(帰る場所)→ネオ妬ましパルパルズ になりました。 ※パチュリーと三杉の感情が パチュリー→(強い信頼)←三杉 になりました。
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0ch BBS 2007-01-24