※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[280]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:33 ID:mpF7cUoO 翼は走っていた。ボールを回収する為ではなく、チームの練習用グラウンドに向かって。 あのボールは彼のサイン入りだったので、痩せても枯れても名門サンパウロFCのプロ選手である 彼のボールはそれなりの値段で売れてしまう。故に翼は最初からボール探しは諦めていた。 それよりも早く、一秒でも早く、もう一度あのシュートを撃ちたかった。 息を切らせても、脚が震えても、翼は走り続けた。ただただサッカーを求めて。 翼「ハアッ、ハアッ…」 もどかしい時間の後練習場にたどり着いた翼は汗を拭く事すらせず シュート練習に入ろうとしたが、既に先客が居た。チーム1のベテラン、ネルソンである。 ネルソン「ツバサ…?」 翼「どうも、こんにちは」
[281]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:46 ID:mpF7cUoO 挨拶もそこそこにさっさとボールを用意する翼の姿にネルソンは目を丸くするしかなかった。 これがあの日夜悲壮感と無気力に苦しむ若者と同一人物なのか、真剣に疑いたくなる程だった。 だが次に彼の目の前で行われた風景は更に信じがたい物だった。 翼「(ボールにスピンをかけて自分の真上に蹴り上げる!)」 バシュン!! ヒュルルル! 翼「(そして落下するボールにドライブシュートをかける!!)」 グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! 翼「(蹴り上げた時の回転力、ボールのスピードと高さ、そしてドライブシュートのパワー! 4つの力が1つになる時、ボールは無敵の力を秘めたサイクロンになる!!)」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
[282]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:02 ID:mpF7cUoO ネルソン「なにィ!!」 ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!! ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!! ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ヒュー… ポトッ… コロコロコロ… 翼「くっそ〜…ポストか…」 ドライブシュートの様に上空から急降下しながら、横倒しの竜巻の様に螺旋状に回転する。 そんな軌道の超高速シュート。非常識としか言い様が無い光景をネルソンは目の辺りにした。
[283]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:13 ID:mpF7cUoO 翼「もう一度…あれ?」 グラ、グラ… ヨロッ… バタン。 ネルソン「…当たり前だよ。高速で回転する物体はエネルギーが増す。あんな超高速回転をかけた ボールを蹴ったらインパクトの瞬間に足首に伝わる衝撃は普通のシュートの比ではないだろう。 ましてや何があったか知らないが、長距離を全力疾走したらしい後で体力が尽きない訳が無い」 翼「ハ、ハハ…言われてみたら当たり前ですね…俺ってバカだなあ…」 ネルソン「湿布と水を取ってきてあげよう。休憩しながら話を聞かせてくれ」 翼「はい…」
[284]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:27 ID:mpF7cUoO 数分後、翼はネルソンにほんの少し前の経緯を話していた。 ネルソン「君がオフの度に何処に行っているのかと思ったら、そんな事があったのか」 翼「はい…あの」 ネルソン「何だね?」 翼「サイクロンって…あれで良いんでしょうか?」 ネルソン「…知らんよ。もし原理を知っていたら私だって挑戦していただろう」 翼「そうですか…ネルソンさんならひょっとしたら、と思ったんですが」 ネルソン「本当に知りたかったらジャイロに聞くしかないだろうが…あの方は引退後は世捨て人の様な 暮らしをしたらしい。そして数年前病気で亡くなった。今となっては真相を知る者は恐らく居ないだろう」
[285]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:51 ID:mpF7cUoO 翼「………」 ネルソン「ただ、私は今君が撃った物は本当のサイクロンにかなり近いと思う」 翼「えっ?」 ネルソン「ドライブシュートの様な落ち方と言う条件を果たしているし、サイクロンと言う単語から イメージされる螺旋状の回転もある。なにより、足に尋常ではない負担がかかる事だ」 翼「足への負担が?何故ですか?」 ネルソン「ストライカーは誰しも必殺シュートによる体へのダメージに悩まされる。 当のジャイロも選手生活の晩年はサイクロンが撃てなくなり、それでかなり叩かれたらしい。 これは私が以前聞いた説なのだが…サイクロンの伝承者が一人も現れなかったのは ただ単に撃つのが難しいだけでなく、撃ったらどんどん体を痛めてしまうからでは?と言う説だ」
[286]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:07 ID:mpF7cUoO 翼「そういえば…さっきからずっと冷やしっぱなしなのに、まだ足が痛いままです」 ネルソン「やはりな。そこで一つの疑惑が生まれてくる。サイクロンの撃ち方は誰も知らないのではなく、 知る者は皆口を閉ざしたのではないか?いくら数十年昔の話とは言えど、 不自然な位情報が残っていないのはそんな事情があるのでは…まあ、検証のしようもない話だ」 翼「……………」 ネルソン「いや、むしろ…本当のサイクロンは誰も撃てないのかも知れない。 サイクロンはジャイロが自分の選手生命を賭けて編み出した奇跡のシュートだ。 そんなジャイロの命とも言えるサイクロンを誰が真似など出来るだろうか?」 翼「ネルソンさん…」 ネルソン「だが君は偶然とは言え…いや、まるで運命に導かれる様に自力でサイクロンに近づき、 ついにスーパーショットを編み出した。それは君が編み出した新しいサイクロンなんだ。時代は代わった。 ジャイロの時代より人体は強くなり、医療技術も進歩し、サッカーも新しいステージに入っている。 サイクロンも墓の中から蘇り、新しい伝説を築いて良いのかも知れん。君がその使い手となってな」
[287]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:49 ID:mpF7cUoO 長々と熱弁をふるったネルソンはここで息をつき、じっと翼を見つめた。 彼と出会って以来まるで見せなかった炎を瞳に灯している翼を。 翼「…ネルソンさん。俺、やります。俺の新しいサイクロンで新しい伝説を作ってみせます。 今までサンパウロにかけた迷惑の分も…俺はやってみせます」 ネルソン「その言葉を聞ければ、喉が渇くまで長話をした甲斐があったと言う物だ」 翼「有難う御座います…色々と」 ネルソン「ならば早速恩返しをしてもらいたいな。さしあたっては、私だけペラペラ喋るのは公平ではない。 一度君とじっくり話し合いたいと思っていたし、君について聞かせてくれないか?」 翼「俺について?」 ネルソン「ああ。無礼を承知で言うが、サッカーに関しては論外だと思っていた日本人の君に どうしてここまでの力を得たのかに興味は尽きない。はっきり言って突然変異の珍獣同然だ」 翼「珍獣って…酷いですよ」 苦笑と共に翼はゆっくりと語り始めた。自分の生い立ち。サッカー後進国である日本。 出会ってきた敵と友。今までの激戦。味わってきた苦難と栄光。そして自分がそれらをどう感じたかを。
[288]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:50:00 ID:mpF7cUoO この時翼は気付かなかった。練習場のすぐ外に居たオリベイラとバモラが一部始終を見ていたのを。 バモラ「ん〜、何て言ってるのカナ。ここからじゃ聞こえないネ」 オリベイラ「あの顔を見れれば十分だ。もう行くぞ」 バモラ「ちょっとツマンナイけど、そうしようか。オリベイラの教育方針は上手く行ったみたいダネ」 オリベイラ「全く、手間をかけさせてくれた物だ。スーパールーキーはこれだから困る」 バモラ「そう思うんならネルソンさんに後始末押し付けるんじゃないヨー」 オリベイラ「俺は鞭担当だ。飴はネルソンさんに任せるさ」 バモラ「物は言い様だネー」
[289]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:51:13 ID:mpF7cUoO いったんここまで。 "../test/read.cgi/morosaki/1288245294/279" >>279 キャプ森でもたまには(たま、と言う程でもない?)王道があっても良いと思うのです。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24