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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】
[707]森崎名無しさん:2010/12/16(木) 01:22:08 ID:??? イタリアとウルグアイはどうなるのかね えーりんがアルゼンチン行ってる以上、ランピオンやジェンティーレは復帰しなさそうだが
[708]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:19:47 ID:??? ゆかりんが監督でないならどこかのチームにいる可能性もあるんだよな その場合はウルグアイに入っているとみた フランドールを火野+ダ・シルバ役にしているってのもあるかもな フランドールを制御できるメンツは紫くらいしかいないだろうし
[709]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:39:25 ID:??? >>708 ウルグアイGKは萃香だと思う ヘルナンデスのいるイタリアじゃないだろうし
[710]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:45:17 ID:??? >>709 ふむ……あと入ってそうな国ならイングランドやポーランド辺りかな 入るとしたら補強選手によって一気に強敵になり得る国に入るはずだ
[711]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:57:30 ID:??? >>710 派遣は6カ国ですよ http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1286201588/608
[712]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:11:44 ID:??? アルゼンチンJrユースの2人の天才が切磋琢磨し、それに影響を受け周囲の者達が練習に取り組む中。 この日、フランス国内のとあるサッカーコートでは、2人の男女が練習を行っていた。 1人は前回の練習試合において、6失点というあまりにも酷すぎる失点をしてしまい。 プライドを傷つけられ、右手に怪我を負わされ、周囲からの評価を大きく降下させた男――。 西ドイツへ留学をした、かつての天才GK――若林源三。 1人はかつては幻想郷3大ゴールキーパーと謳われながら……。 新進気鋭のチームを相手に大量失点を喫し、その後も対戦をするごとに幾度となく失点を積み重ね。 徐々にそのプライドと地位とを失い――そして、最終的には精神を壊された地底の主、古明地さとり。 彼女達は出会ってから1週間、こうして定期的に会いながら、2人だけで秘密の特訓をしていた。 何故2人だけで特訓をするのか。 サッカーを恐れ、する意義を見失っていたさとりが、どうしてサッカーを再びやる事に決めたのか。 その答えは、やはり彼女達が出会ったその日――1週間前のあの運命の日にあった。 ……… …… …
[713]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:12:48 ID:??? 〜 1週間前 〜 若林「……いい加減落ち着いたか?」 さとり「はい……いきなり泣き出して、申し訳ありませんでした」 突如目の前で泣き出したさとりを何とか宥め、落ち着かせる事に成功をした若林源三。 未だに少しだけすんすんと鼻を啜るさとりを困った表情で眺めつつ……。 自分よりも一回り小さいさとりは、やはりどう見てもサッカー選手のようには見えないと考え。 しかし、その手に嵌めたキーパーグローブ……。 そして、以前に練習試合で戦った若林にとっては悪魔のような少女達を考えれば……。 その悪魔のような少女達とどことなく雰囲気、出で立ちが似ているさとりの正体――。 どこから来た者なのか、何者なのかある程度予想をつけ。 やがてさとりはハンカチを片手に泣き止むと、困り顔をする若林を見上げ。 小さく礼をしてから、その小さな口を開き自己紹介をした。 さとり「……あなたの考えどおり、私は幻想郷から来訪した幻想郷のサッカー選手。 名を古明地……古明地さとり、と言います。 地霊殿、と呼ばれる場所に所属をする、ゴールキーパーです」 若林「(やっぱり幻想郷の奴か……。 ここにいるって事は……)」 さとり「はい、お察しの通り、私はフランスJrユースの派遣選手……です。 一応は……ですが」 若林「(……噂じゃエル=シド=ピエールくらいしか大した選手はいないというフランスか。 ん? ちょっと待て、なんでこいつは俺が口にしてない言葉に返答を……)」 さとり「それは……私が覚り妖怪だからですよ、若林源三君」 若林「な……なにィ!?」
[714]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:13:57 ID:??? 自分の考えている事が次々と読まれ、更には名乗っていないのに自分の名前まで言い当てられた事で若林は大きく狼狽し……。 一方でさとりはそれに対して薄い自嘲げな微笑みを浮かべつつ、自身の正体を明かす。 覚り妖怪――他者の心を読んでしまうという能力を持つ、地底に住まう忌み嫌われた妖怪。 幻想郷には妖怪がいると……更にはサッカーをする者たちの多くはその妖怪であると。 かねてより三杉や見上に聞かされていた若林だが。 しかし、流石に人の心まで読める者までいるとは予想していなかった為か目を丸くして驚き。 それを見て、さとりは一層その笑みを自嘲的なそれへと変貌させる。 さとり「気持ち悪いですか?」 若林「う……い、いや……!(この胸についてる目で俺の心を覗いているっていうのか?)」 さとり「そうですよ……もっとも、今はあまりよく見えませんがね……」 言いながら、さとりは胸元にあるアクセサリーのような第三の目に触れる。 本来ならばパッチリと開いている筈のそれは半ばまで閉じかけてしまっており……。 それは即ち、さとりの第三の目が――心が閉ざされてしまおうとしているという事であった。 だが、そんなことを知らない若林は自分の心が完全に見られる訳ではないのかと静かに安堵し……。 しかし、この今思っている見られないのかという感情も見られているのではないかと不安に思いつつ。 若干の距離をさとりを取りながら、問いかける。 若林「……お前の正体は、まあ、わかった。 だが……さっきの言葉は、どういう意味だ。 俺が……お前と一緒だと?」 さとり「……はい。 私とあなたは、似ているのです……」 若林の言葉に、さとりは尚も自嘲げに笑いつつ、小さく体育座りをして落ちてゆく夕日を見つめ言葉を吐く。 その横顔を見ながら、若林もまたさとりと距離を取りつつも体育座りをする。 若林とさとり、体育座り。 仲良く並び、しばらくそのままぼうっと夕日を2人は見ていたが……やがてまた、その沈黙をさとりが破った。
[715]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:15:24 ID:??? さとり「私も……かつては幻想郷で3大キーパーと呼ばれるだけの実力と栄誉を持っていました。 あなたが小学生時代、全国大会を制覇し。 同世代では圧倒的な実力を備え、地位と名誉を手にしていたのと同じように」 若林「……過去形なのは」 さとり「はい、そうです。 ……私はその地位から転落したのですよ。 今となっては、私は幻想郷でも見向きもされません。 元々嫌われ者なのですから、いいんですけれどね」 軽口を叩くように言うが、しかし、その表情は非常に自暴なものであり。 現状、あまり精神的に余裕がない若林にも、それが決して本心でないという事がわかる。 だが、それでもさとりは自嘲を未だに浮かべ、夕日から地面へと視線を移しながら更に呟く。 さとり「ただ一度の失態から、ずるずると私のサッカー人生は狂っていった……。 私の能力を最大限に生かし、戦っても……それ以上の力で押さえつけられ、強引に勝利をもぎ取られた。 元々、私はそれほど強い種族でもなければ身体能力も見ての通り高くはありません」 若林「か細い腕に低い身長……少なくとも、サッカー選手には見えないからな……」 さとり「ふふ……正直ですね。 ……私はもう、サッカーをしたくありません」 若林「何?」 ついさっき会ったばかりの、しかも完全に初対面である若林に対して。 疲れたようなため息と共に、さとりは静かにそう宣言をした。 それは初対面であるが為に言いやすかったのかもしれないし、或いは、心を見た事で。 若林が自分と同じ境遇にある事を知り、そんな若林だからこそ喋る気になったのかもしれない。 さとり「ここ最近……いつも、ボールを受けて吹き飛ばされる夢を見るのです。 毎晩毎晩……いつもいつも。 同じ選手にシュートを撃たれ、惨めな思いをする。 苦しいんです……もう……」
[716]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:16:30 ID:??? 不夜城カップで、圧倒的過ぎるシュート力で、文字通り蹂躙され、陵辱をされたさとり。 その精神は崩壊一歩手前のところまで……否、殆ど崩壊しかかっていた。 どう足掻いても止められない、無慈悲なシュートは夢の中で自身を何度も何度も吹き飛ばし。 そのごとに笛が鳴っては、スコアボードに点数がどんどんと加算されてゆく。 そして、それと比例するかのように観客席からはさとりを嘲笑する声が溢れ。 自分を囲っていてくれたペットたちは、蜘蛛の子を散らすように去ってゆく。 そんな夢を、さとりは毎晩見て……そして、いつも涙を流しながら起床をする。 それが日課となっていた。 さとり「もう……嫌なんです……」 これ以上ペットたちを失望させたくはなかった。 これ以上、誰かから指を指されて嘲笑されるのは御免だった。 冷静に見えて、その実、一勢力の代表者としてのプライドは非常に高い古明地さとり。 そもそも、そんな彼女がサッカーを始めたきっかけは。 サッカーならば他の勢力の代表にも負けないかもしれないという自信があったからである。 妖怪としての力量では各勢力のトップには及ばないものの、それでもサッカーなら……。 純粋な力だけが勝敗を決める種目でなければ、他の勢力にも負けないかもしれないと思いさとりはサッカーを始めたのである。 事実、その目論見はある程度成功し、さとりは幻想郷3大キーパーの異名を欲しいがままにしていたのだが……。 反町一樹が現れてから、そんなさとりの心も、体も、全てはボロボロになっていった。 そして、今……もはや強豪どころか、中堅――弱小とすら思われているかもしれない地霊殿で。 これ以上サッカーを続ける意義を――その意味を、さとりは見失い……。 これ以上苦しまないうちに、サッカーをやめるのが最善なのではないかと考えていたのである。 呟くように、ぽつり、ぽつりと言葉を吐き、事情を語るさとり。 そして、その全てを語り終え、大きくため息を吐いた瞬間……。 若林「……おい、お前。 さっき、俺がお前と同じだと言ったな」 さとり「はい、その通りじゃないですか。 あなたも私と同じ……」 若林「いや、違うな。 ……俺は、お前とは違う」
[717]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:17:46 ID:??? 俯きながら言葉を吐くさとりに、感情を押し殺したかのような声で告げる若林。 瞬間、さとりはハッと顔を上げて若林を見上げれば……。 若林はさとりに対して軽蔑するかのような……まるで汚物を見るかのような表情を浮かべているのだった。 若林「俺はお前とは違う……俺は、お前のような軟弱者じゃない」 さとり「そんな……事実、あなたは今さっきまでここで頭を垂れ、うじうじしていたじゃないですか……。 私に隠し事は無駄ですよ……どんな嘘だって……」 若林「ああ、確かにさっきまで俺はお前のように暗い顔して俯いていた。 ……お前を見て、どんだけさっきの俺が醜く、浅ましく、情けなく、だらしないかわかった。 だからこそ……俺は、お前のような軟弱者じゃない……いや、軟弱者にはなりたくない!」 古明地さとりもプライドが高ければ、若林源三もプライドの高い選手であった。 そんな彼は最初さとりの話を、同情半分聞いていたのだが……。 しかし、その話も半ばに差し掛かると……さとりの言葉と先ほどまでの自分の姿を重ね……。 そして、そんなさとりの姿に――自身の分身の姿に、大きな憤りを感じた。 プライドが高いからこそさとりはこれ以上その誇りを傷つけられる事を拒んだ。 だが、逆に若林はプライドが高いからこそここで終わってはいられないと前を向いたのである。 そもそもの問題として、さとりはサッカーを本業とする者ではなく。 若林はサッカーをするしかこの先生きる道が無く、かなり切羽詰っているものがあったという面も多分にあったろうが……。 とにもかくにも、先ほどまでどんよりと曇っていた若林の表情は、いつの間にか不適な笑みへと変わっていた。 SGGKとしての誇りを取り戻し、正ゴールキーパーの座に返り咲かなければと気づいた若林源三。 その道のりが果てしなく困難であり、また、周囲から笑われるだろうという事は判別がついていた。 だが、それでも若林はさとりのようにはなりたくないと思った。 精神的に脆くもあるが、しかし、強気でもある若林源三は、この時、ようやく立ち直ったのである。
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0ch BBS 2007-01-24