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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】
[718]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:19:15 ID:??? 若林「ふん、一応は感謝しておいてやる。 お前がその情けない姿を見せてくれたお陰で。 俺はそうは絶対になりたくない……もう二度となりたくないと思えるようになったんだからな。 じゃあな、負け犬」 さとり「なっ……!」 体育座りを止め、立ち上がり、嘲るような笑みを向けながら颯爽と立ち去る若林。 てっきり自分に同調し、同意し、慰めてくれると思っていたさとりは驚き。 ……そして、やがて頬を朱に染め、激昂しながらその背に声をかける。 さとり「どうして……そこまで……! 傷つく事がわかっていて、尚もサッカーが出来るんですか!?」 若林「………………」 さとり「ゴールキーパーなんて……防いで当然。失点をすれば観客からため息が漏れ。 無失点を記録しても、そんなものは決して高い評価はされず! 逆に大量失点をすれば戦犯として叩かれる……! 吹き飛ばされれば笑われて……こっちが押している時はまるで目立たず、やはり評価されない! それなのに……どうして……!」 若林「だからだ」 さとり「えっ……?」 嘆くように、不平不満をぶちまけるさとりに対して、若林はただ一言そう呟いた。
[719]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:20:16 ID:??? 若林「責任が重い、評価はされない。 だからこそ……活躍をすれば、それだけ敵にも味方にもデカい顔が出来る。 点を取らんFWが点を取るまで防ぎ続ければ、俺の好守のお陰で勝てたと評されるだろうな。 圧倒的なエースの攻撃を止めれば、俺はそのエースを直接的な対決で超えたと言える。 だからだ」 ともすればビッグマウスな言葉を吐いた後、若林源三はその場をランニングをしながら去っていった。 後に残ったのは、古明地さとりたった1人。 さとり「(どうしてそこまで自分の力を信じられるの……6失点という、信じられない失点記録をしておいて……)」 ただの馬鹿なのか……それとも、自分の力を――才能を信じているのか。 驚きと、呆れと、憤りを混ぜたような感情を持ちつつ……古明地さとりはいつまでも若林の背中を見つめ……。 若林が最後に吐いた言葉の意味を、考えようとしていた。 これが今から1週間前の、午後――夕暮れ時の出来事であった。
[720]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:22:18 ID:??? .-、 _ ヽ、メ、〉 r〜〜ー-、__ ________________ ∠イ\) ムヘ._ ノ | ⊥_ ┣=レヘ、_ 了 | え−−い、若林とさとりんはいいっ! -‐''「 _  ̄`' ┐ ム _..-┴へ < | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒', ヽ. | 反町を映せっ! 反町の魔王振りをっ!! (三 |`iー、 | ト、_ソ } ヽ | | |`'ー、_ `'ー-‐' .イ `、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | `ー、 ∠.-ヽ ', __l___l____ l`lー‐'´____l. |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| .| | || |__.. -‐イ || | ノ/ と言われないように、明日はなんとか反町視点に戻りたいなぁ、という所で本日はひとまずここまで。 それでは、お疲れ様でしたー。
[721]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:35:43 ID:??? さとりか完全にレイプ被害者
[722]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:38:26 ID:??? この文章の長さ的に考えて、さとりとバヤシラスボスあるで
[723]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:54:27 ID:??? 体育座り乙でした
[724]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:09:21 ID:??? さとり「………………」 若林が去り、しばらく川原で佇んでいたさとりだったが……。 しかし、いつまでもそうしている訳にもいかず……やがて日が暮れ、あたりが暗くなると。 若林が向かった方向とは真逆の方角へ足を向け、歩き出し……帰路についた。 さとり「(どうして戦えるの……負けることが怖くないの……?)」 心中で先ほどの若林の言葉を繰り返し、それに対して何度も疑問を持ちながら。 さとりはやがて、自身が宿泊をするフランスJrユース寄宿舎へと帰り着く。 既に合宿が開始されてから1週間の月日が経過している中。 さとりは一度として、フランスJrユースの面々と練習を共にしたことが無かった。 それはさとりの中にサッカーをやる意思が無かった為に、練習をする意味を見出さなかった事もあるが。 それより何よりも、このフランスの者達と共に戦っても勝利をもぎ取る事は難しいだろうと考えていたからである。 練習をしたこと自体はないが、練習をするフランスJrユースの面々を見た事はさとりにもあった。 そんな中で、エル=シド=ピエール。ルイ=ナポレオンという才能あふれる選手をさとりは見つけていたが……。 それ以外の選手達が、そろいも揃って問題外な実力しか持っていない事にある程度見当をつけていたのである。 そんな者達と共に練習をする事自体、馬鹿馬鹿しい……というよりも、無益で無意味だとさとりは考えていた。 こいしだけは珍しく面倒見よく練習に付き合っているらしいが……。 それもすぐに飽きて、いずれは自分と同じようにフランスメンバーの練習を見る事は無くなるだろうと思っていた。 しかし……。
[725]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:10:38 ID:??? バムッ! ダダダダッ!! こいし「はぁっ……はぁっ……。 どうしたの、もう終わり?」 ナポレオン「こっ、この野郎……!」 ピエール「(やはり強い……! だが……そろそろこの動きに目が慣れてきた! もう少し……もう少しだ!!)」 さとり「……こい、し……?」 日が暮れ、既に規定の練習時間が過ぎたこの時間帯。 寄宿舎へと帰り着いたさとりは……ライトのついたフィールドで、未だにボールを追い続けるフランスJrユースメンバー。 そして、その中心で疲れ果てた様子ながら……それでも尚、一同を指導しようとボールを持ち。 一同にディフェンスを強いるこいしの姿を見つけ、目を見開いて驚いたのだった。 ルスト「く、くそっ! ええいっ!」 ジョルジュ「うわああああっ!!」 こいし「あなた達オフェンスも下手だけど、ディフェンスは更にへたっぴ! そんなんじゃ私からボールはとれないよ!」 ブゥゥゥン……! 無意識を操り、敵の視界から文字通り消えて突破をする消えるフェイント。 ボランチとして必要なキープ力を、そこそこ備えるこいしを相手にフランスJrユースはボールを奪い取れず。 しかし、それでもすぐ起き上がり尚も立ち向かおうとする。 さとり「………………」 さとりから見て、ピエールとナポレオンを除いたフランスメンバーのディフェンスはあまりにも下手糞だった……。 それこそ、オータムスカイズのサイドドリブラー、橙とどっこいどっこいといったレベルだった。 しかも正規のDFまでもが下手糞だった。救いようの無い程までに、下手糞だった。 だが、それでもフランスメンバー達は汗を流し、肩で息をし、泥に塗れながらも練習に励んでいた。
[726]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:11:40 ID:??? さとりはしばらくその光景を、ただ呆然と見つめ……一同はそんなさとりに気づかぬまま、練習に明け暮れる。 だが、それから約1時間が経過した頃。 ドサリッ…… こいし「はぁっ……はぁっ……! ゲホッ!」 さとり「! こいしっ!!」 何時間もたった1人でチーム一同を指導し、動き回っていたこいし。 八意永琳のようなスタミナもなければ、効率的に指導も出来ないこいしの身体には当然ながら疲労が蓄積し。 痙攣する足を引き摺りながら、今日何度目になるかわからない消えるフェイントを見せた瞬間、その場に倒れこむ。 その姿を見た瞬間、さとりはこいしの名を呼びながらフィールドへと駆け出し。 ここでようやくさとりが見ていた事に気づいたフランスJrユースの面々は目を丸くして驚き。 こいしはさとりの声を聞くと薄く微笑みつつ、地面に倒れながらさとりに視線を向ける。 こいし「お、お姉ちゃん……はぁっ、はぁっ……」 さとり「こいし……こんなになるまで……どうして……!」 地面に倒れたこいしを抱き起こしながら、さとりは今にも泣きそうな顔をしこいしの名を呼ぶ。 愛らしい顔は泥に塗れ、フィールドを駆け回った為に巻き上げられた埃で服は汚れ。 額――否、顔全体には大きな汗の粒が浮かび上がっている。 ポケットからハンカチを取り出し、こいしの顔を拭いてやりながらさとりはどうしてここまでと呟くのだが……。 それに対してこいしはやはり笑みを浮かべながら、薄っすらと口を開く。 こいし「こ、こいつらが私達に見合うくらい強くなってくれないと……困るでしょ。 私達は……大会で、優勝するんだから……」 さとり「そんな……無理よ、こいし。 優勝なんて大それた事……出来る訳が無いでしょう」
[727]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:12:45 ID:??? 八雲紫によって事実上の左遷をされ、弱小国のフランスへと派遣されたこいしは。 八雲紫を見返してやる為にも、必ず大会を優勝で飾ってやると誓っていた。 どことなく冷めたところがあり、達観した考えを持つこいしは、初めて本気になろうとしていたのだが……。 だが、さとりはそれは不可能なのだと考え、こいしの言葉をかたくなに否定した。 さとり「確かに、ピエール君は他国のエースにも通用するだけの力がある」 ピエール「………………」 さとり「ナポレオン君も、エースストライカーとして申し分ない力がある」 ナポレオン「ふん……」 さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」 こいし「………………」 さとり「だけど……サッカーは3人だけで出来るものではないのよ……」 ボッシ「うぅ……」 ルスト「………………」 間違いなく世界屈指の実力を持つピエールに、そのピエールについていける実力を持つナポレオン。 ボランチとして攻撃も守備もそつなくこいしの3人は、間違いなく大会でも通用をする選手達であったが……。 しかし、それ以外の選手達が問題であった。 いくらピエールが世界屈指の選手といえど、広いフィールドをたった1人ではカバーしきれない。 いくらナポレオンの実力がストライカーとして高いものでも、百発百中でゴールは射止められない。 いくらこいしが名ボランチといえど、抜かれる時は必ず来る。 たった3人だけで、世界の強豪たちを相手に出来る訳が無いのだ。 自身たちの力不足を把握しているボッシやルスト、アモロといったピエールたちとは違う。 所謂、「お荷物」でしかない選手達はその残酷なまでのさとりの言葉を聞いてうめき声を上げるのだが……。 こいし「だから鍛えてるんだよ……それに、成果はちゃんと出てきてるよ……」 さとり「……無理よ。 いくら鍛えても、伸びないものは伸びない……」 こいし「そんなこと無いよ……」 さとり「そんなことあるわ……。 私にはわかる……いくら希望を持っても、いずれはそれは蹂躙されてしまう……。 私達は、そんな願いを持ってはいけない……期待をするだけ、落胆も大きくなるのだから……」
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0ch BBS 2007-01-24