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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
[617]森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:28:37 ID:??? ルイージ!
[618]森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:39:00 ID:??? エェクストリィィィィム!
[619]森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:40:22 ID:??? ヒャッホー!
[620]森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:48:41 ID:??? ヨッシーメモリとルイージメモリをエクストリーム… 実に興味深い
[621]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:56:15 ID:??? >>606 選択肢やカード判定が出るまではsageでいこうかと思います。ageると他スレの邪魔になりますし。 そしてすみません、今回もちょっとNPCシーンが長引いて選択肢などは無しです。 >>615-620 緑の人気者!緑の人気者じゃないか!前回2位だったのに6位に下がった人気者じゃないか!! さて、それでは本日の更新にいきます。
[622]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:57:22 ID:??? 観客達が思い思いに、幻想郷Jrユースの強さ――反町一樹の脅威を思い知っていた最中。 ここで視点を変え、試合を終えた両軍に目を向けてみよう。 フィールドでは、既に整列が終わり……両軍は、退場をしようとしていた。 しかし、互いのメンバーが浮かべる表情は、当然ながら全く違う。 大勝をした幻想郷の面々は、晴れ晴れとした表情で練習試合3連勝に気をよくしており。 それに対して、命蓮寺メンバーの表情は暗く落ち込んでいるものである。 6−0……90分間で1点を奪う事すら出来ず、そして、6点も失ってしまった。 それは、魔界で大いに実力をつけたと……自信を持っていた彼女達に、深い傷を与える事実だった。 誰もが何も喋らず、ただ沈痛な表情を浮かべながらとぼとぼとベンチに帰還する中……。 佐野「みんな……すまねぇ……」 不意に、キャプテンである佐野が口を開いた。 いつものようなどこかおちゃらけたような口調ではない。 か細く、頼りなく、気弱な調子なその語調。 いつもと違う佐野の調子に驚いた一同が、佐野へと視線を向ければ……。 佐野は俯き、静かに肩を震わせていた。 佐野「俺がもっと上手くやってりゃ……勝てた試合なんだ……。 俺に、反町さんほどの力がありゃ……」 彼は今、自身の無力さに激しい憤りを感じていた。 試合開始前は、勝てると思っていた。試合が終わった今でも、勝てた試合だと思っている。 しかし、スコアは――6−0という、あまりにも無残な大敗。 一体何が悪かったのか。 反町一樹が、シュート力だけではなく……MFとしても出来るだけの幾多の技を覚えてきた事が原因なのか。 リグル=ナイトバグが、予想を超える程の大活躍をしたのが原因なのか。 東風谷早苗が、こちらのストライカーの攻撃を全く寄せ付けない程の実力者だったのが原因なのか。 否、そうではない――全ては自身の力不足のせいだと、佐野満は考えていた。
[623]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:58:23 ID:??? 反町一樹がこの試合、初めてMFをやったのに対し。 佐野満は、確かに急造ではあるが――それでもMFにコンバートをしてから、相応にMFとしての練習も積み重ねてきた。 得点力の欠如の為に、味方を生かすMFになろうと決意をしたのが事の始まり。 それから佐野は、得意だったドリブルを更に磨き……チャンスを作る為のパスも鍛えた。 守備力は課題ではあるが、それでも、MFとしてなら反町の上を行けると考えていた。 しかし、結果は違った。 本職FWである反町一樹は、佐野以上に上手くドリブルで敵陣に切り込み。 佐野以上に上手くアシストを稼ぎ、更には佐野に出来ないような豪快なシュートで得点ももぎ取っていった。 MFとして、一選手として、佐野は反町に完敗をしたのである。 佐野「強くなったと思ってた……もう誰にも負けないくらい……。 シュートは撃てねぇし、守備はボロクソだけど……それ以外なら……。 ドリブルで切り込んでチャンスを作る、それだけなら誰にも負けないくらい上手いと思ってた。 でも、負けた……負けちまったんだ……」 事実、全日本Jrユース時代を思えば、佐野は強くなった。 特にそのドリブル能力は、大会でも屈指のものだろう。 だが、上には上がいた……抗いがたい程に、強すぎる者がいた。 それが悔しく……そして、自身が情けなく……佐野は、やがて嗚咽を漏らし始める。 大言を吐いた挙句、まるで何も出来なかった事に対する不甲斐なさ。 そして、チームメイトに対して面目が立たないと、長い髪で目元を隠し、ただ俯くのだが……。 ぬえ「…………」 ドガッ!! 佐野「ぶぎゃっ!?」 ムラサ「ちょっ、ぬえ!?」
[624]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:59:26 ID:??? しかし、そんな佐野の背後から思い切り尻を蹴りつけたのは――。 日頃から反目し合い、佐野とは犬猿の仲と言える宝獣・ぬえ。 割と強い勢いでけりつけられた為か、佐野は思わずそのまま地面にべちゃりと叩き伏せられ珍妙なうめき声を上げる。 一体何事かと思わず混乱をする中、そんな佐野の背中に追い討ちとばかりにぬえは言葉を叩きつける。 ぬえ「1人でなんか盛り上がってるところ悪いけど……誰もあんたのせいで負けたなんて思ってないわよ?」 佐野「へ?」 ぬえ「だって、誰もあんたにそこまで期待してないもん」 佐野「ええええええええええええええええええええええええええっ!?」 ぬえが呆気らかんとそう言うと、佐野は大声で驚きながら飛び起き……周囲に視線を向ける。 すると、そこにいるのは――頷きこそしないものの、ぬえの言葉を聞いて苦笑を浮かべ。 佐野に対して生暖かい視線を向ける、チームメイトの面々の姿。 肯定こそしていないが……しかし、否定もしていないチームメイトたちを見て。 佐野は違う意味で涙を見せる。 佐野「なんだよなんだよ!? なんで俺ってそんなに信用ないんだよ!?」 星「いえ、信用が無いという事は無いんです……勿論、私は佐野君を信用していますよ。 ただ、なんというか、その……」 ナズーリン「君はそこまで強くない。 あちらの9番(反町)には程遠い。 それはこの場にいる全員が、よくわかっている。 だから彼に勝てなくても驚かないさ」 佐野「ひ、ひでぇ……お前ら俺が勝てるとか思わなかったのかよ!?」 小町「ちょっとは思ったね。 まあ、勝てればラッキー程度には」 佐野「くそっ、なんて世知辛い世の中だ!!」 実際のところ、佐野と反町の実力差――というよりも、活躍の経歴は雲泥の差である。 反町はオータムスカイズを率い、無名チームを名門チームへと育て上げた大選手。 それに対して、佐野は幻想郷では無名どころか、ある意味今日の試合が始めて幻想郷の著名な選手達に知られた程度。 これで佐野が反町に勝てると思えというのは、些か酷なものである。
[625]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:00:36 ID:??? ルーミア「わはー、キャプテン赤っ恥なのかー」 佐野「おっ、お前らなぁ……!!」 ムラサ「……まぁさ、あれよ。 あんた1人の責任じゃないって事、この敗戦は。 あんまり1人で背負い込むと沈没するわよ?」 椛「そうッスよ。 6点も奪われたのは、自分達DFやGKの責任ッスし……」 星「点を取れなかったのは、ストライカーである私達の責任ですからね。 そもそも、全てが全て佐野君の責任ではないのです。 佐野君が何でも出来るようなスーパーマンではない事はここにいる誰もがわかっているんですから」 佐野「……むむむ」 ナズーリン「何がむむむだ」 いよいよ怒気を強めそうになってきた佐野を、慌てて宥め……。 そして、今回の敗戦は誰の責任でもなく、皆の責任であると佐野に言う一同。 実際問題、佐野1人で何もかもが出来るという訳が無い。 佐野自身が認めるように、佐野には得点力も守備力も無いのだ。 故に、出来る事は限られる。そして、それを補う為に仲間がいる。 佐野満は、何でも出来るエースになれる器ではない。 貧弱なキック力ではシュートに期待は出来ない。貧相な体つきでの守備は、軽い。 だからこそ、彼には仲間が必要である。 その仲間は――この敗戦の責を、キャプテンである佐野に押し付けはしない。 佐野のせいで負けたとは、誰一人として、いい意味でも悪い意味でも思っていなかったのだ。
[626]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:01:57 ID:??? 白蓮「そうです、皆の言うとおりですよ佐渡君」 佐野「白蓮さん……(俺の名前、佐野だよ……)」 佐野を励まし、慰めあう一同の下へとやってきたのは……先にベンチへと下がっていた白蓮に、一輪。 白蓮は佐野達の話の内容を聞くと、即座に佐野の頭を撫で(その際、一輪は酷く嫉妬の篭った視線で佐野を見つめた)。 そのまま一同を見やりながら、その口を開いた。 白蓮「サッカーというのは……1人でやるものではなく、11人でやるものです。 この敗戦も、1人の責任ではなく、11人全員の責任。 佐古君だけの責任では当然ありませんし……誰もがこの敗戦の責任を負うのです」 一輪「姐さんの言う通りですね!」 白蓮「そして、次回こそは必ず勝てるように努力を致しましょう。 今回は、私達の努力が足りなかった。 それだけです。 愚公移山――努力を続ければ、必ず願いは成就します。 人の嘲笑の目も、何も気にする事はありません。 私達は私達が出来る事を、ただ一歩一歩着実にやっていきましょう」 命蓮寺「「「おーっ!!」」」 佐野「……ああっ!? またなんかキャプテンっぽい役割奪われたー!?」 最後の最後で、〆の言葉を一同に言い聞かせる白蓮に――それに賛同をするメンバー達。 それらを身ながら佐野はまたしてもキャプテンらしいことが出来なかったと項垂れ……しかし、笑った。 佐野「(そうだよな……サッカーは1人でやるもんじゃないんだ……みんなでやるもんなんだ……。 いい……俺は、反町さんみたいな何でも出来るヒーローになれなくていい……。 ただ、ドリブルとパスで負けない……最高のチャンスメイカーになりたい……そして、勝ちたい。 皆と一緒に……勝ちたい……!!)」 椛「(努力が足りなかった……そう思うしか、ないッス。 才能なんて言葉で、逃げたくねぇッス……! 思っていた以上に、相手はずっとずっと練習してきていた! それを上回るだけの練習を! もっともっとするんス!!)」 敗戦をして、得られるものも多い。 命蓮寺ナムサンズキャプテンの佐野満と、ディフェンスリーダー・犬走椛。 彼らはまた、再び反町達の前に現れる――今度こそ、強大な敵として。
[627]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:03:03 ID:??? 魅魔「(やれやれ、なんとか折れずに踏みとどまったか……。 佐野もなんだかんだで仲間には恵まれてるねぇ……で、問題は……) ……靈夢、なーんで途中で戻ってきたんだい」 靈夢「あら、負け試合を続ける意味があるのかしら?」 そんな命蓮寺の一同を見つめていたのは――監督である魅魔。 そして、命蓮寺に助っ人的役割で加入をしている先代の博麗の巫女――博麗靈夢。 ため息交じりに問いかける魅魔に、靈夢はただ淡々と答える。 靈夢「勝ちの目があるなら残るわよ、少しでも勝ちの目があればね。 でも、あれは無理。 勝てない試合。 こちらのキーパーは貧弱、FWは点を取れない。 対して向こうのキーパーは鉄壁、FWは馬鹿みたいなシュートを撃ってくる。 弱点である一対一を突くにも、私では体力的にも難しい。 あのキャプテンではボランチで止まる目も低くない。 私が残っていたとしても、4−2が限界でしょう。 結果、負けに変わりは無いわ」 勝ちか負けか、結局、試合が終わった後に残るのはその2つだけである。 そして、博麗靈夢は、その結果だけを見る選手だった。 ギリギリであろうが、大差であろうが、勝ちは勝ちであるし、負けは負け。 過程などに関係などは無いし、どのような方法で勝ったかなども、興味は無い。 当然ながら、負けるとわかっていても意地を見せるだとか、最後まで諦めないという行為は――。 そもそもそういう考え方からして、理解が出来なかった。 魅魔「……まあいいさ、今に始まったこっちゃないからね。 さて、と……それじゃあちょっくら行ってくるかね」 靈夢「あら、どこへ?」 苦笑をしながら立ち上がり――否、浮き上がる魅魔を見て、霊夢が問いかけ……。 それに対して魅魔はにやりと笑みながら、返答をした。 魅魔「もう1人の馬鹿弟子に会ってくるさ」
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0ch BBS 2007-01-24