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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
[709]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:40:20 ID:??? もしも靈夢が見せた技が、パワー系であろうと――例えば、非常に威力の低いもの。 既に威力が不十分なものと言える魔理沙のマスタースパークや、リグルのリグルキックなら霊夢もここまでショックは受けない。 だが、靈夢の見せた技は、間違いなく世界でも屈指の威力のものばかりであり……。 大会で彼女が使えば、脅威となるのは目に見えている。 何より、靈夢に出来て自分に出来ないという事実は――試合に勝ち、完全に靈夢の上位に立てたと思っていた霊夢にとって。 その認識を根底から崩すようなものであった。 靈夢「ま、大会を楽しみにしてるわよ霊夢。 あなたが私に勝てなくても、あの反町君っていう男の子と早苗ちゃんっていう女の子がいれば……。 まあ、私達にも勝てるでしょうから」 霊夢「………………」 そんな霊夢の肩を軽く叩きながら、靈夢は言いたい事は全て言い終えたとばかりにその場を去ってゆく。 そして、霊夢は――しばらくその場に微動だにしないまま、ただ佇んでいた。 霊夢「………………」 今日の練習試合には、勝った。 そして、大会でも――恐らくは、勝てるだろう……と、霊夢は踏んでいた。 強力なストライカーである反町と、セービングだけを見れば鉄壁と言える早苗。 その2人がいるだけで、幻想郷Jrユースは間違いなく世界でもトップレベルの実力は持っているのだから。 しかし――それで、自分は靈夢に勝ったと証明が出来るだろうか。
[710]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:41:27 ID:??? 霊夢「………………」 今日の試合で霊夢が愉悦に浸れたのは、あくまでも靈夢が失態を見せ続けていたからだ。 だが、もしも……もしも、靈夢が下手をこいていなければ……少し本気を出して、全てのプレイを本気でやっていたら……。 自分は今日の試合で、靈夢に完全に勝てたと言えただろうか? 霊夢「………………」 今日の試合、自分は間違いなく本気だった――少なくとも、靈夢を相手にするときは、全力だった。 しかし、靈夢が手を抜いていたのは……先のプレイから見ても明白。 引退をした今でも、靈夢と霊夢との間にある実力差は……大きい。 霊夢「……っ!!」 バゴォッ!! パサァッ。 霊夢は思わず、近くに置いてあったボールを蹴った。全力で蹴り抜いた。 だが、ボールは先ほどの靈夢が放ったファイナルスパークのような轟音をかきたてる事もなく。 ただ、綺麗な音を立ててゴールへと突き刺さるのみ。 霊夢「(私は……負けてない……靈夢には負けていない……! 靈夢には負けていない……!!)」 しかし、霊夢には靈夢の出来た事が、出来なかった。 そこが、霊夢の才能の限界であった。 霊夢「………………っ!」 決して霊夢は弱くは無い――否、むしろ……彼女は間違いなく、一流プレイヤーと呼べる選手だった。 しかし、そんな肩書きや何かは、霊夢には興味の無い事。 霊夢の胸中にあるのはただ、何故自分は靈夢に勝るものが1つとして無いのか……。 何故やる事、為す事、容姿や何かも全て靈夢にそっくりでありながら……。 それら全てはあくまでも靈夢の劣化版のようなものでしかないのかという事実に対する、やるせなさだけであった。
[711]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:43:27 ID:??? その後、霊夢は……袖でごしごしと瞳を拭った後、その場を足早に去っていった。 彼女はまだ、立ち直れるだけの気力が残っていた。 靈夢の才能を見せ付けられ、格の違いを見せ付けられても、まだその闘志は折れなかった。 しかし、この場を見ていた1人の少女だけは――違った。 魔理沙「……は、はは」 先ほど魅魔に突き放され、途方に暮れて歩き回っていた少女――霧雨魔理沙。 彼女は、偶然にも、靈夢が霊夢に自身の実力を見せる場に居合わせた。居合わせて、しまった。 そして、見た。霊夢の放つ、ありとあらゆる技という技。 当然ながら、その中に――自身が苦労をして作り上げた、必殺技がまぎれていた事も。 魔理沙「……………………」 瞳は虚ろに虚空を見つめ、口元には張り付いたように小さな笑みが浮かぶ。 魔理沙「傑作だ……ああ、傑作だ……。 面白すぎて、腹が捩れる……」
[712]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 01:44:21 ID:??? シゴクハタノシイヨ
[713]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:44:35 ID:??? 帽子を目深に被り、心底楽しくなさそうにそう呟きながら……魔理沙は小さく嗚咽した。 それと同時、地面のアスファルトに、2、3滴の水滴が落ちた。 それから、魔理沙はしばらくそこで……声が枯れるまで、空笑いを続けた。 そして、段々アスファルトに落ちる水滴の量が増え……やがてそれも止まると……。 ゆっくりと、のろのろと、その場を立ち去り始めた。 反町やリグルにも敵わず、このままレギュラーを落ちるという危機感。 落ちた後、間違いなく自身に刺さるであろう周囲の嘲笑に対する恐怖心。 魅魔に突き放され、見捨てられたという絶望感。 そして、靈夢に綺麗なまでに完璧に自身の技を模倣されたのを見て沸いた……喪失感。 強く張っていた糸ほど、切れた時の反動は大きい。 危機感と恐怖心を精一杯の虚勢で今まで隠し通していた魔理沙は、絶望感と喪失感を同時に覚えた事で。 今まで自身がやってきた事も、これからの自分の行く末も……全てがただただ崩壊していくのを感じていた。 瞳から光が消え、目を真っ赤にし、魔理沙は歩く……宿舎が無い方角へ。 涙もとっくに枯れ果てた魔法使いが……果たしてどこへ向かっているのか。 それは、本人にもわからない事だった。
[714]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:46:00 ID:??? という訳で本日も選択肢は無いですがここまで。 続きは明日以降書かせていただきます。 それでは、お疲れ様でした。
[715]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 01:46:59 ID:??? 乙でした 地獄魔理沙…… とても、興味深い……
[716]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 01:47:02 ID:??? まさかの失踪!?乙でしたー
[717]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 01:47:48 ID:??? 乙でした 魔理沙さん・・・失踪癖まで互換元を真似なくていいのにw
[718]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 01:48:36 ID:??? うーん、参加者視点的には 「技をコピーできてもあんまり意味ないからなあ、それ価値のない才能じゃね?」 だけど、そりゃあ本人たちからすればショックだよなー。
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0ch BBS 2007-01-24