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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
[738]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 21:28:02 ID:??? そりまち かねもちはいいぞ
[739]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 21:29:26 ID:??? 失踪して霧雨財閥作ってデブって帰ってくるのか……
[740]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 21:50:32 ID:??? 日向の原作、ゲーム含めての計3回の失踪よりはまだマシだぞ魔理沙!
[741]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 22:48:55 ID:??? 魔理沙は今こそ静岡県人会の力を借りるべく頭を下げるとき
[742]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 23:01:29 ID:??? そういえば観客席に名誉静岡県民がいたなw
[743]森崎名無しさん:2011/04/18(月) 23:03:21 ID:??? カルツ「わが栄光の静岡県は……永久に不滅じゃ!!」
[744]森崎名無しさん:2011/04/19(火) 23:25:20 ID:??? ここのレス数が正しく反映されてない件。これで直るか?
[745]森崎名無しさん:2011/04/19(火) 23:28:33 ID:??? おお、直ったようだ。河童さんありがとう。
[746]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/20(水) 23:56:41 ID:??? 既に日が暮れたフランス市内を――霧雨魔理沙はただふらふらと歩き回っていた。 どこに行くアテがあったという訳でもない、何がしたかった訳でもない。 ただ、魅魔に新たな技を教えてもらえかった今――幻想郷Jrユースにはもはや魔理沙の居場所は無かったし。 何より、魅魔に突き放され、靈夢に圧倒的な才能の壁を見せ付けられた今――何をする気も起きなかっただけである。 魔理沙「………………」 やがて霧雨魔理沙は、ある川にかかった橋に持たれかかり……ゆらゆらと揺れる水面を眺めながらそこで考え事をしていた。 近くに電灯はあるものの、しかし、数が不十分な為に辺りは薄暗く。 魔理沙が見つめる水面も、暗く、濁り、じっと見つめていると吸い込まれそうな程だった。 いや、事実、魔理沙はこの時少しずつその闇に染まる水面へと吸い込まれかけていた。 疲弊した体でフランス市内を動き回った為に、肉体的にも精神的にも、既に彼女の体は限界に程近かった。 魔理沙「………………」 虚ろな瞳を水面に向け、魔理沙は考える。 持つ者と持たざる者に人間や妖怪を分けるならば、魔理沙は間違いなく、"持たざる者"だった。 それは弾幕ごっこなどにおいてもそうだったし、サッカーにおいてもそう。 霧雨魔理沙には、華やかな才能というものは決定的に欠如していた。 例えば、リグル=ナイトバグはエースとしての誇りと自覚を自身の力へと変換する能力を持っていた。 例えば、十六夜咲夜は特定のエリアにいる時無条件で動きがよくなるという特性を持っていた。 例えば、東風谷早苗は奇跡的なセービングを見せる事が出来た。 例えば、反町一樹はキーパーの苦手なコースを即座に判別し、的確にそのコースを射抜くセンスを持っていた。 例えば、博麗霊夢は、それら全てを無効化してしまうような凶悪な力があった。 しかし、霧雨魔理沙には何も無い。 気持ちのよいくらいに、何も無かった。
[747]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/20(水) 23:57:50 ID:??? 前途した者達の中には、努力によってその力を手に入れた者もいる。 というよりも、大半が努力によってその力を手に入れた者達だ。 しかし――才能があったからこそ、努力によってその力が開花をしたのは事実。 だが、霧雨魔理沙には、いくら努力をしても開花するような才能というものは1つも無かった。 それでも頑張れば、必ず霊夢たちと対等な立場で戦い――勝つ事だって出来る。 今まではそう信じていたし、そう思っていたからこそ戦ってこれていた。 だが、それも――魅魔に教える事も無いと、暗に伸びしろというものが無いと言われ。 靈夢のあまりにも凄まじすぎる才能を見ては、完全に闘志というものが消え失せてしまっていた。 魔理沙「そうだよな……よくよく考えてみれば、私があいつらと対等に戦えるなんて考えていた事自体が間違いだ……」 消えかかった声で、そう呟く魔理沙。 魔理沙「咲夜は元々は外の世界にいたらしい、言ってみれば幻想郷じゃそれだけで特別な人間。 早苗はそれに加えて外の世界の偉い巫女さん。 妖夢だって半人半霊……小さい頃は凄い剣豪の爺さんに指南を受けてたんだ。 今は私の方が強くても、これからどんどん伸びるのは違いない。 霊夢に至っては、博麗の巫女……次元が違いすぎる」 自身の友人達の名をぽつぽつと出して、乾いた笑い声を出す。 それに対して、自分は果たして特別な人間だろうが――答えは、否。 魔法も生まれながらにして使えるのではなく、あくまで魅魔に教わったものと研究によって使えるのみ。 しかも、普通に使う事などは出来ず――魔法の森にあるキノコを使ってでなくては魔法を駆使する事は出来ない。 生まれは人里ではそれなりに有名な大商店であり、それは一種特別とも思えたが――それもあくまで人の世ではの話。 博麗の巫女として生まれた霊夢に比べれば――そして、それ以外の者達に比較をしてもあまりにも平凡な出生だった。
[748]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/20(水) 23:59:35 ID:??? 魔理沙「私だけが違う……」 博麗霊夢にも、十六夜咲夜にも、魂魄妖夢にも、東風谷早苗にも。 才能があり、特別なものがあり――しかし、霧雨魔理沙にだけはなかった。 その事実が、魔理沙に対して大きな疎外感と、喪失感を与えていた。 自分だけが霊夢たちとは違うという事実を、"凡人"霧雨魔理沙は改めて悟り。 やがて涙を流しながら、小さな嗚咽を繰り返しつつもう一度口を開いた。 魔理沙「私だけが……違うんだ……!」 悔しさと、それ以上の悲しさを含んだその言葉を吐いた後。 魔理沙はじっと見つめていた水面へと吸い込まれていった。 今まで自分がやってきた事が全て無駄なのだと悟り、そして、霊夢達に置いていかれる事を悟った今。 彼女の絶望は計り知れず――だからこそ、このような愚行に走ってしまったのだろう。 バシャアアアアアアアアアアアアアアッ!! ドボォッ!! 黒と白の衣服を着込んだ1人の少女が水面に叩きつけられ、派手に水の柱が立ち上る。 やがて、音を聞きつけた現地の人間が辺りを取り囲み、救急車などがやってきて、その少女は救出された。 彼女にとって幸か不幸かは定かではないが、とにもかくにも、彼女は救出された。 しかし、肉体はともかく、精神はまるで救われていない状況で――。 明くる日の午後、この事件の一報が幻想郷Jrユースの宿舎に届けられてからも。 魔理沙の意識は戻らず、ただうめき声を出しながら苦しげに眠り続けるのだった。 暗く淀んだ川の底に、意識も心も置いてきてしまったように。
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0ch BBS 2007-01-24