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【楽な戦い】Another-C_4【なんて無い】
[775]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:16:58 ID:??? そう言えばそうだった。 チームの為にプレイをしていると言った自分とは対極として話を出された事を思い出した。 確かにチームの中に居て差別を受けるような人間がチームの為にプレイする筈がない。 そしてプレイスタイルも確かに対極だ。 チームの弱点を補い長所を引き出したい三杉に対し、 スパーストライカーと呼ばれた男は独力だけで1000ゴール以上を上げたという。 男「その男はサッカーをするためにサッカーをしていたんじゃあない。 まして自分の名誉や金のためにサッカーをしていたわけでもない。 ジャイロは全ての黒人のため、差別と戦ったのさ。」 三杉「全ての黒人のため・・・差別と・・・・・・」 男「1888年、ブラジルでは奴隷制度が廃止されたが、社会体制は尚もって変わりなかった。 貧困と労働に晒され、娯楽などは与えられない・・・サッカーも白人の玩具だった。 当時のブラジル代表が全員白人だったと言えば、少しは想像がつくだろう。」 三杉(確かに・・・今では白人の代表選手の方が珍しいくらいだ。) 男「だがそんな中でも黒人は彼等なりに豊かな文化や伝統を築いて明るく生きてきた。 ジャイロが立ち上がったのは、北米で発祥したKKKが弾圧を受け、 南米・・・ブラジルにまで逃げてきたからだ。」 三杉「KKK・・・!」
[776]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:18:16 ID:??? KKK:ケー・クラックス・クラン・・・つまりは白人至上主義者である。 元奴隷商人や、南北戦争終結後に自由を得た黒人達への反感を募らせていた人間達に結成された組織・・・ 初めは愛国目的でのデモでしかなかったKKKの活動は、いつしか過激な物に変わっていった。 黒人への脅迫、暴行事件が起こりはじめ・・・更にこれに批判的な白人までもが敵として暴力を振るわれ、 投票権を行使しようとした黒人が殺害される事件まで発生したのである。 KKKは1870年代にテロ集団と認定され、その規模は次第に縮小していった。 ※ブラジルに逃げてきた・・・というのは当スレの創作設定です。 男「その反応ならば想像もついているだろう・・・黒人の少ない希望を打ちのめす事件が幾つも起こったと。 これによってネガティブに、卑屈なっていく黒人を変える為にジャイロは立った。 彼の活躍はブラジルに生きる黒人の希望となったものさ。 何しろ自分よりも遥か上流の白人達が、誰一人ジャイロに敵わないのだからな。」 三杉「・・・」 男「彼の活躍は黒人のメンタリティに大きな変革をもたらした。 黒人の中で子供達はサッカーに夢中になり、自らもその夢を抱き・・・ 大人の中には、白人に与えられたパターナリスティックな観念に疑問を抱く物が現れた。 それはブラジルの黒人運動となって息吹をあげたのさ。」 三杉「そんな話が・・・」
[777]森崎名無しさん:2011/04/26(火) 20:19:12 ID:??? この人の正体が判った気がするw
[778]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:19:52 ID:??? 男「ジャイロの活動時期は、黒人運動の発祥の前に始まり・・・揺籠期の終焉と共に終えている。 その間、彼がサッカー活動によって得た報酬は一軒の家のみ・・・ 1000ゴール以上の結果を残して、たった一軒の家しか得られない・・・想像がつくか?」 三杉「いえ・・・信じられる話ではありません。」 男「しかし事実だ・・・。 そして黒人の目覚めを促したジャイロを白人達は逆恨みした。 彼の偉業を歴史のページから切り取ったのさ・・・。 ・・・ゆえに、ジャイロの事を語る人間はブラジルでも数少ない。 その知識も正確でなく捻じ曲がっている部分があるのはそういう理由さ。」 三杉「・・・ジャイロはそれで満足だったんでしょうか・・・・・・」 ジャイロの身の上を真実とした上で、三杉はその心情を推し量った。 どれだけ誇りに溢れたメンタルを持ち、そしてどれだけ報われなかったのだろうかと。 1000ゴールがどれだけの偉業かを考えれば、1軒の家だけが報酬とはあまりに酷い。 だがそんな三杉に対し、男は言った。 男「大満足だったろうな。」 三杉「えっ・・・!」
[779]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:21:25 ID:??? 三杉は男の言葉に驚いた。 悲惨な生涯と考えた三杉を笑い飛ばすかのように、男は気持ちよく言い放ったのだ。 男「ジャイロは誇り高き血統を持つ男だ。 自分とは血の繋がらない他人の為、自らの命を犠牲にして救う・・・そういう血統の中に在った男だ。」 ジャイロは黒人達に魂(ソウル)を与えた、代々受け継いできた魂を未来に託す事が出来た。 なんの不満もなく笑って死んでいっただろうな。 ま、言ってみればジャイロにとってサッカーとは“Play for you”だったんだろう。」 三杉(誇りを・・・魂を未来に託す・・・。 Play for you・・・か。) 男「ジャイロの苦難は…どこかの誰かに希望として伝わっていった。 今のブラジルサッカーはジャイロによって啓かれたと言っても良いだろう。」 三杉「何故・・・・・・僕にそんな話を・・・?」 男「さてね・・・」 三杉「・・・・・・」 男「話す価値がありそうだ、そう思ったのさ。 これでも80年間、人間を見てきた。」 三杉「80年間・・・・・・それなら確かに・・・ ん・・・? 80年・・・?」 男「じゃあな少年! 男だったら苦難の道を生きて見せろ、人に希望を与えて見せろ! 『友を大切に想う気持』や『自分の信じた道を突き進む勇気』があればまた会う事もあるだろう!」 そう言って男は三杉に背を向けて歩き出した。
[780]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:24:17 ID:??? 三杉は男に聞きたい事が沢山あった。 話を全て聞き終えて、さらに聞きたい事は増えていた。 だが彼が最後に投げた問いは、第三者が聞けばどうでもいい様な事だった。 それでも三杉は聞きたかった、今聞いたこの話を忘れないようにと。 三杉「待って、貴方の名は!?」 男「シーザーだ・・・!(ま、偽名だけどもな。)」 シーザーと名乗った男の背中から三杉は目を離せなかった。 そしてジャイロ・・・スーパーストライカーの話は三杉に刻み込まれた。 たとえそれがホラ話だったとしても、彼にとっては関係がなかった。 そのままシーザーの姿が消え去るまで・・・三杉は立ち尽くしたままだった。 ※今日はここまでです。
[781]森崎名無しさん:2011/04/26(火) 20:24:58 ID:??? ジャイロじゃねえかw
[782]森崎名無しさん:2011/04/26(火) 20:25:25 ID:??? サイクロンは黄金の回転だったのかー
[783]森崎名無しさん:2011/04/26(火) 20:27:42 ID:??? 愛馬に乗って帰ったのかー?
[784]森崎名無しさん:2011/04/26(火) 20:28:17 ID:??? まあ、この世界にはパッショーネもいるからなあw
[785]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/26(火) 20:37:40 ID:??? ひっひっひ ※ネタバレ ジャイロ≠ジャイロ 何を言ってるかわかんねーと思うが(ry
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0ch BBS 2007-01-24