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【敵味方問わず】幻想のポイズン53【白黒判定】
[824]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:36:56 ID:??? 輝夜の言うように、本日第二試合――アルゼンチン対ウルグアイというこの試合は、南米の強国同士の試合。 ここヨーロッパでは応援をする者も少ない為か、昨日のフランス戦のそれに比較をすれば騒音は抑えめであるものの。 逆にJrユースレベルとはいえ、南米のサッカーを見れるという事で純粋なサッカーファンは期待をしているのか。 歓声が少ないという事はまるで無かった。 そして、フィールドに現れた両チームの選手達はといえば……お互いがお互いを睨み合いながら行進をし。 静かに闘志を燃やし、火花を散らせていた。 同じ南米のサッカー強豪国として、この1戦を落とすのは両チームとも避けたい。 そういう意味では、この試合は両チームにとって決勝トーナメントに進む為のいち試合という話ではないのだった。 ビクトリーノ「(いつまでもブラジルやアルゼンチンだけにデカい顔はさせられねぇ……! この試合で勝って……ウルグアイのサッカーがアルゼンチンに負けてねぇ事を証明してやる!!)」 特にウルグアイキャプテン、ラモン=ビクトリーノの意気込み――この試合にかける執念は凄まじかった。 ウルグアイも南米の強国と言われるだけの実力、実績を積んできた国ではあるものの……。 しかし、ブラジルやアルゼンチンよりはどちらかといえば格下と見られがちな国である。 その事実は、Jrユース世代でとはいえウルグアイを代表する選手となったビクトリーノも十二分に理解していたのだが……。 だからといって、それをそのまま受け入れられる程、彼は物分りもよくなければ諦められる性分でもなかった。 故に、彼は今日この試合でアルゼンチンに勝ち、ウルグアイが決してアルゼンチンの格下ではないという事を証明しようとしていたのである。 ディアス「〜♪ 〜♪」 一方、アルゼンチンキャプテンのファン=ディアスはといえば……そんなビクトリーノの思惑を知ってか知らずか。 アップテンポな鼻歌を歌いながら行進をしていた。 その姿は後ろに続くアルゼンチンメンバーの危機迫る表情とはまるで違い、そんなディアスの態度が一層ビクトリーノの神経を逆なでする。 パスカル「おいおいディアス、真面目にやれよ」 ディアス「試合が始まればな〜♪」 ビクトリーノ「(ふざけやがって……! 見てやがれ! すぐにその恍けた顔を泣きっ面に変えてやる!)」
[825]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:37:56 ID:??? 萃香「おっ、敵さんのキャプテンはいい性格してるね〜。 試合を心から楽しむって事をわかってそうだ〜」 勇儀「いいねぇ、気に入った! 薬師ぃ、お前いいトコに派遣されたねぇ!!」 永琳「……貴方達も、相変わらずいい性格してるわね……」 そんな両チームの対立に関係なく、至って普通に会話をしていたのはそれぞれのチームに派遣をされた選手達。 ウルグアイに派遣をされた伊吹萃香、星熊勇儀、射命丸文。そして、アルゼンチンに派遣された八意永琳であった。 彼女たちには両国の諍いなどは殆ど関係ないのだから、これも当然の事と言えるだろう。 萃香「つっても、私たちだって今日の試合がこいつらの大切な誇りがかかった試合だってのはわかってるんだ。 お前さんたちにゃ悪いが、今日は白星を貰うよ!」 文「(決勝トーナメントに上がりませんと、記事も思うように書けそうにないですし……。 勝ち点は稼ぎませんとね)」 永琳「あらあら……こちらには私しか派遣選手がいないのだから、少しくらいは手加減してほしいのだけど……」 勇儀「無論最初から杯は捨てないさ! それは私の意地だしね!」 萃香「私も〜。 後半にならんと酔い回んないしね〜。 でも、前半だってそこそこ本気でやっちゃうさ〜」 しかし、それでも両者ともに負けるつもりは毛頭ない。 幻想郷戦においてビクトリーノの事を多少なりと認めた鬼の2人は、彼の誇りを守る為に自らに出来る範疇で力になろうと考えていたし。 文は文でここで負けては記事もまともに書けやしないと、いつになく真剣である。 それに対して永琳は微笑を携えたままやんわりといなし……そうこうしている間に両チームキャプテン立会のもとコイントスが行われ。 結果、アルゼンチンがボールを――ウルグアイが陣地を取る事となる。
[826]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:38:58 ID:??? ビクトリーノ「いくぞ、みんな! ここで勝って、俺たちの力を見せつけてやろうぜ!!」 ウルグアイメンバー「「「「おう!!」」」」 ディアス「おーおー、力んじゃってまぁ……」 ポジションにつくなり、チームメイトたちを鼓舞するビクトリーノを見ながらにやにやと笑み、センターサークルに立つディアス。 その横に立つ永琳は……やはり微笑を浮かべ、ディアスの肩に手を置き呟く。 永琳「ウルグアイの弱点は以前も言ったように前半に弱い点。 ……最初からフルスロットルで行って頂戴」 ディアス「とーぜん。 んじゃ、第1試合の幻想郷とイタリアの試合じゃ、ソリマチってのがハットトリックしてたし……」 永琳の言葉に返答をするディアスは、そこでふと言葉を止め……ニィ、と口を吊り上げ嫌らしい笑みを浮かべてから続きを吐いた。 ディアス「俺はダブルハットトリックでも目指すとしますか」 =========================================================================================== ひとまずここまで。 ここからしばらくNPCシーンが続きます。ご了承ください。
[827]森崎名無しさん:2011/10/16(日) 00:06:30 ID:??? 乙でしたー さて、見せてもらおうか アルゼンチンの天才の実力とやらを
[828]森崎名無しさん:2011/10/16(日) 00:50:38 ID:??? 乙 ウルグアイ完敗だな
[829]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:20:01 ID:??? ジョン「さぁ〜! 本日第一試合、幻想郷対イタリアが終了し! いよいよ第二試合、アルゼンチン対ウルグアイの一戦が始まろうとしています! この両チームはどちらも南米からの招待国! かたや幻想郷に惜しくも敗北をしたものの、その驚異的な攻撃力の強さと鉄壁の守備は並大抵のものではないウルグアイ! 一方、未だ試合は無く天才と称されるファン=ディアス選手の実力も未知数であるアルゼンチン! 南米の強国同士の対決は、果たしてどちらに軍配が上がるのか!? 両チーム、コイントスを終えそれぞれのポジションへと散らばり、今か今かと試合開始を待ち構えています! さて、それではここで両チームのフォーメーションを紹介しましょう。 ウルグアイJrユースは、前回幻想郷戦と同様、4−4−2の形! 本来はGKである伊吹萃香選手は、やはり前半はDFとしての出場となっています! GKとしても凄腕である萃香選手は、DFとしても正に鉄壁! アルゼンチンがこの強固な壁を一体どのようにして突破するのか、注目をしたい所です! 一方アルゼンチンは、同じく4−4−2のフォーメーションとなっております! ただし、中盤にボランチはおらずやや中央のスペースが空いているのが気がかりといえば気がかりですが……。 その前の位置には幻想郷が誇る天才プレイヤー、八意永琳選手がいます! オフェンス、ディフェンス、両面で圧倒的な技術力を持つ永琳選手がセンターに立つアルゼンチン! 全ての統率は彼女が行うと考えれば、この布陣での守備力の低下は心配いらないでしょう! そして、トップ下に立つファン=ディアス選手! マラドーナ二世とまで噂される彼の実力はいかなるものなのか!? 実に楽しみな試合であります!」 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
[830]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:21:02 ID:??? 観客「んー、順当に考えればアルゼンチンの方が強そうだけど……」「ウルグアイにも強い選手がいっぱいいるからなぁ……」 「魔王様が1点しか取らせてもらえなかったもんな、昨日の試合」「パチェさんだって全然活躍させてもらえなかったもんな……」 「パチュリーは関係ないだろ! 訴訟も辞さない!!」「なんにせよ、こりゃ見ものだぜ。 どっちが勝つのかわかんねぇもん」 反町「……両チーム共、4−4−2か。 まぁ、スタンダードな形だな……」 うどんげ「お師匠様……大丈夫かなぁ。 鬼に吹き飛ばされたりとか……」 輝夜「吹っ飛ばされようが何しようが死にゃしないし大丈夫よ。 さぁて……それじゃあ皆、よく見ておきなさい。 私も噂では永琳以上の強者だって聞いてるけど……ディアス君がどれ程の実力者なのか、開示されてる情報は少ないんだから」 ヤマメ「パルスィ以上のドリブラーなんて……信じられないんだけどね……」 パルスィ「妬ましい……! 私以上のドリブラーなんて存在する訳ないでしょう……!!」 ヒューイ「(それを止められれば、もっとレギュラーに定着出来るよね〜)」 反町「(天才、ファン=ディアスか……どれ程の実力者なんだろう……)」 アルゼンチンJrユース 4−4−2 −−−−− −J−H− Jブラウン Hパスカル −−I−− Iディアス E−G−F Eパルス G永琳 Fジェイテス −−−−− D−−−C Dガレヤ Cセンベロ −B−A− Bバサロ Aガルバン −−@−− @ガルトーニ ウルグアイJrユース 4−4−2 −J−H− Jビクトリーノ H勇儀 −−−−− I−−−F Iキオソーネ F文 −G−E− Gミャウザー Eビルト −−−−− A−C−B Aリラダン Cチュレビー Bバージェス −−D−− D萃香 −−@−− @カノーバ
[831]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:22:06 ID:??? ピピィーッ! バッ!! ジョン「さぁ〜っ! 審判の笛が鳴りました、いよいよ試合開始……っと……あ、あぁぁぁ!? こっ、これは……いったいどうした事かぁ!?」 反町「えぇっ!?」 パルスィ「パ、パル……!?」 ヘルナンデス「んな無茶な……あっという間に囲まれるぞ!?」 映姫「(それがわからぬ程の愚者……という訳ではないのでしょうが……ふむ……)」 こいし「意表を突くのが狙い……とか?」 ピエール「どれだけ意表を突かれても、四方を囲まれてしまえばどうしようもない……」 ダダダダダダダダダダダッ!! ビクトリーノ「つ、突っ込んで……馬鹿かコイツ!?」 勇儀「面白い! やっぱり勝負は正面からの方が楽しいからね! さぁ、おいで! 駄目になるまで遊んでやるよ!」 ディアス「(遊ばられるのはお前らさ……!)」 審判の笛が鳴り、試合が始まると同時……永琳から渡されたボールを持ったディアスは。 なんとそのまま一旦サイドにボールを預けるでもなく、後ろに渡して溜めを作るでもなく。 自身がボールを持ったまま、ビクトリーノらが待ち構える正面を直進してきたのである。 その無謀さに実況席も、そして観客席の者たちも一同声を揃えて驚きの声を上げ。 対応するビクトリーノも目を丸くするも……しかし、即座に対処しようとサイドから駆けてきた文、キオソーネ。 そして自身と勇儀、4人揃ってディアスを囲み一気にボールを奪おうと挑みかかる。
[832]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:23:06 ID:??? ビクトリーノ「ボール……貰ったぜ!!」 ディアス「(スピードばっかで狙いがバレバレなんだ……よっと!)」 バシッ! ポーンッ!! ビクトリーノ「!? ヒールリフト!?(いや、まだ3人いる! ボールが落ち始めた所を狙えば……!)」 真っ先にディアスの足元からボールを奪い取ろうとしたビクトリーノのスライディングタックルは……。 しかしあっさりとディアスに見抜かれており、ディアスは軽くヒールリフトをしていなす事に成功。 だが、それでもビクトリーノはボールを奪い取れるとほぼ確信に近い自信を持っていた。 ヒールリフトは一旦ボールを自身から離す以上、もう一度足元に置くのに隙が出来る。 もしも後に控えるのが1人や2人だけならば、それでも辛うじて突破する事は出来るかもしれない。 しかし、ビクトリーノの他にディアスのボールを狙っているのは3人。 この包囲網を抜ける事は、ドリブルに自身を持つビクトリーノですら容易ではない――というより、不可能に近い。 だが、ビクトリーノは知らなかった。 ダダッ! 勇儀「貰ったアァ!」 文「いただきです!」 キオソーネ「浅はかなんだよ!!」 ディアス「貰った? いただき? 浅はか? ……寝言は寝ていいな!」 キュバッ! ポーンッ!! 勇儀「……は?」 ファン=ディアスは、彼の持つ常識では計り知れない程の天才だという事実を。
[833]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:24:08 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!? ジョン「あっ……な……なっ、なんだこれはぁぁぁぁぁぁ!? ディ、ディ、ディアス選手……ボ、ボールを奪われたかと! 誰もが思った、誰もが思ったその瞬間!! 勇儀選手らがプレスをかけた瞬間!! 空中で浮くボールを、もう一度ヒールで持ち上げたァァァアア!? ボールはそのまま勇儀選手らの頭上を越し、高く高く……高く、そして前に伸びて……ディアス選手、その元へ走る!! こっ、こんな技があるのかァァァァァアアア!?」 観客「す、すげぇ……!」「え? なになに? 何が起こったんだ?」「速すぎて何も見えなかった……」 「あいつが2回ヒールリフトをしたんだよ!!」「……またまたご冗談を」「どういう事なの……」 反町「ヒ、ヒールリフトを……2、2回連続で……」 リグル「え? あれってそんなに凄いの?」 パルスィ「………………」 ディアスの二度目のヒールリフトは、実況席や観客席の者たちの度胆を抜くには十分なものであり。 相対していた勇儀たち……そして、倒れこむビクトリーノは唖然とした表情でディアスの背中を見やる。 ヒールリフトを二度連続でやる――それは、言葉にしてみれば実に簡単なもの。 だが、実際にやるとなれば話は違う。 そもそもヒールリフトという行為自体が、隙が多く下手なプレイヤーならばそのまま敵に取られてしまう事もある技なのだ。 それを実戦で使えるようになるまで高度を調節し、精度を磨き、タイミングを計るだけでも才覚は必要となる。 そして、それを2度続けてやるとなれば――そこには圧倒的な天才的センスが必要となる。 練習でならばいざ知らず、実戦では敵は常に動くのだ。 ヒールリフトで逃れた先でもう一度完璧にヒールリフトを決める――動くボールを正確に踵で浮かし。 相手の頭上を越す高さを維持し、そしてただ浮かせるだけでなく自身も突破をするだけの体勢を保つというのは……。 並大抵の実力者では出来ない。 このワンプレイは、ファン=ディアスが並大抵の選手ではないという事の証明となり……。 そして、次のプレイで観客たちはその認識の過ちを知る。
[834]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:25:08 ID:??? パスカル「(おいおい、この程度で驚いてもらっちゃ困るぜ。 なぁ、ディアス……)」 永琳「(さて、大暴れしちゃって頂戴、ディアス君)」 ダダダダダダダダダダダダッ!! 萃香「こんのっ……! いいようにやってくれるじゃないか!! でもねぇ、そんなに遠くに蹴りだして拾えるとでも思ってんのかい!!」 ディアス「(上手い具合に釣り出されてくれたな〜。 ここまで計算通りに行くのは逆に怖いかも〜なんつって)」 ディアスの2度目のヒールリフトで浮かび上がったボールは、1度目のそれよりもかなり飛距離があった。 つまり、飛距離があるという事はそれだけディアスからボールが離れていた事となり……。 それだけの時間があれば、DF達がボールの着地点に移動をする事も決して難しいものではない。 実際、ディアスの蹴ったボールの着地点にはスイーパーである萃香、チュレビーが待機し。 ディアスと競り勝ちここでボールを奪おうとする。 その考え自体は、決して間違ったものではない。 ディアスの体格は大柄とは言えないものであり、フィジカルに自信を持つ萃香ならば簡単に競り勝つ事が出来ただろう。 だが、それはあくまで――これが競り合いの勝負になっていたら、の話である。 ヘルナンデス「……そうだ、こうなるのが目に見えている! ダブルヒールなどという無茶な技……。 僕らJrユースの世代で物に出来る筈が無いんだ! ボールをコントロールできる筈が……!」 ディアス「……よっと」 萃香「はァ!?」 誰もがディアスの無謀な挑戦はここで終わりかと思ったその瞬間――。 ボールが最高度まで到達しようかというその瞬間、ディアスは不意に着地点と思しき場所から一歩、二歩と下がった。 これを見て、萃香とチュレビーの両者は――そして、この試合を見守っていた観客たちは何をしているのだろうと首を傾げ……。
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0ch BBS 2007-01-24