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【運命の扉】ファイアーモリブレム34【開かれるとき】
[478]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 17:02:12 ID:??? 森崎「俺には無二の親友がいる。同じ夢を持ち、同じ志を共にする大事な親友だ。 俺はその親友の人生を台無しにするほどの罪を犯した。 あいつを助けるために良かれと思って取った行動が、あいつを破滅へと陥れた。 ……その罪を償うために、俺は俺自身に『枷』をはめた。 あいつと同じ破滅を、少しでも許されるためにと俺自身に打ち付けた」 クリス「森崎さんの体力が弱まっている理由は……そのせいなんですか?」 森崎「さあな。この『破滅のツボ』の影響かもしれんし、元々の俺の才能の無さのせいかもしれん。 だが、確かなのは俺の体力はここにいる全員に劣っているという現実だ。 ……お前たちを鍛えたのも、俺が元の世界に戻ったときに俺の代わりなる力を用意したかったからだ。 特別な感情なんて持っていない。誰かのためなんかじゃなく自分のためにしか動いて来なかったのさ。 だから第七小隊なんて枠は俺にとって興味がないことだった。誰かひとりでも俺の目に叶う奴がいれば十分だった」 森崎はゆっくりと首筋に手を伸ばす。中山の思いを受け入れた証が痛々しく痕に残っていた。 ライアン「……森崎さんにとっての僕達の存在は……その程度だったってことですか?」 森崎「その通りだ。これで分かっただろう?俺はお前たちが思っているほど崇高なものじゃない。 自分の虚弱化に狼狽え、周りからの信用を利用して少しでも強さを取り戻すことに躍起になっているのさ。 お前たちの成長に醜く嫉妬したこともある。……俺は第七小隊の教官失格だ」 カタリナ「…………」 クリス「…………」 ライアン「…………」 森崎の告白に周りがしぃんと静まった。これまで第七小隊の中で築きあげてきた理想の教官。 どんな困難にも前向きに向かっていき、自分たちを励ましてくれていた英雄は虚像でしか無かったのだ。 いや、その極端なまでの英雄視が森崎を苦しめていたことにクリスたちは気付かされた。
[479]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 17:03:36 ID:??? 森崎も自分たちと同じように苦しんでいた。親友への罪滅ぼしのために取った行動で 自分たち以下の体力しか身に付けられていないにも関わらず、これまで教官として世話をしてくれたのだ。 森崎「幻滅してもいい。軽蔑してもいい。だがこれだけは覚えておいて欲しい。 ……クリス。今のお前は俺のような間違いを犯そうとしている」 クリス「え…?」 森崎「お前が自分の練習時間を削ってまでライアンを助けたいという気持ちは尊いものだと思う。 だけど、その代償は誰が払う?お前にそこまでの覚悟が本当にあるというのか?」 クリス「わ、わたしは……」 森崎「俺は全てを守るつもりでいた。親友を助け、なおかつ自分の力も強化する。 お前たち全員を合格させ、大手を振って元の世界へと堂々と帰還する。そのつもりでいた。 ……その結果がこれだ。一人で何でもかんでも背負おうとした結果がこれだ。 どんな夢も諦めない強い気持ちは確かに素晴らしいことだ。だけど、俺たちは人間なんだ。 一人の力じゃ大したこともできないちっぽけな存在でしか無い」 クリス「わたしは……」 山賊討伐後のマルスとの謁見にて、近衛騎士の話を出された時のことをクリスは思い出す。 マルス『僕は民たちから英雄と祀り上げられているけれどそれは事実じゃない。 僕一人に出来ることなんてわずかだ。それは僕自身が分かっている』 クリス「(マルス様も森崎様と同じ。ただ一人の人間。ちっぽけな存在。でも――)」
[480]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 17:04:56 ID:??? 森崎「お前はこれから部隊長として、そして王宮騎士の中心として戦っていくだろう。 そして今の俺のように様々な事柄から取捨選択を迫られることになるはずだ。 ……俺は自分の器に見合わないことを望んでしまった。そして手痛い現実を見た。 お前には俺のような間違いはしてほしくはない。失敗を取り戻すことは思った以上に難しいことなんだ」 クリス「(自分を守れない者に他人を守れる資格はない。森崎さんはその言葉通りに動いていただけなんだ)」 森崎「夢を願うことは悪いことじゃない。だが、その夢に見合う力もないくせに動くことは 自分を滅ぼすだけじゃなく、周りにも迷惑をかける事になる。 ……なんて、今更だよな。お前たちを合格に導けなかった俺が言えた義理じゃねぇよ」 ライアン「森崎さん……」 森崎「済まなかったなライアン。お前を合格に導けるようにもっと考えて部隊を決めるべきだったな。 ……俺の力じゃあれが限界だったんだ。許してくれとは言わない。言える資格もないからな」 ライアン「(森崎さんはああ言ってるけど、途中までは僕達のことを考えてくれていたんだ。それだけは事実なのに…!)」 森崎が口を閉じたことで沈黙が周囲を包む。ただ水車が回る重々しい音だけが響いている。 本当にこれで終わってしまっていいのか?その重苦しい雰囲気を破ったのは―― 転換→!card !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します ダイヤ・ハート→ルーク、ロディ、セシルの第七小隊メンバーだった スペード・クラブ→これまで静観してきたトーマスだった JOKER→アンナ「話は聞かせてもらったわ!」秘密の店のあの人だった!?
[481]森崎名無しさん:2011/09/25(日) 17:06:34 ID:??? 転換→ ダイヤJ
[482]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:24:48 ID:??? 転換→ ダイヤJ ダイヤ・ハート→ルーク、ロディ、セシルの第七小隊メンバーだった ============ ルーク「なんだよ……そりゃあ……」 背後から聞こえてきた声に森崎たちは振り向く。 そこに立っていたのはルーク、ロディ、セシルの第七小隊のメンバーだった。 言うが早いかルークは森崎に乱暴に掴みかかる。体格的にはルークの方が上であり、あっさりと森崎は押し倒された。 ルーク「どうして……!どうしてそんな大事なことを……!今まで黙ってたんすかぁ!!」 森崎「言った所でどうにかなる問題じゃないんだ!」 ルーク「っ……!……んでだよ!なんでアンタがそんな病気に悩まされてんだよ……!」 森崎「ルーク…?」 ボロボロと涙をこぼし、怒りと悲しみを携えるルークにロディが駆け寄ってくる。 ロディ「ルークは……病気の兄の代理として今回の試験に寄越されてるんです。それで……」 ルーク「それを知ってたら……俺はもっとアンタに……アンタのことを……!!」 森崎「……もういい。もういいんだルーク。この体は俺が望んで手に入れたものだから。 それに俺は諦めたわけじゃない。必ず以前のような力を取り戻してみせると心に決めている」 セシル「それが森崎殿の本当の願いなんですね。私たちの合格よりも大事な……本当の」 森崎「……ああ、そうだ。だから俺はもうお前たちの教官を名乗れない。 教え子より自分を優先した時点で、俺はその資格を放り投げたも同然なんだからな」
[483]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:25:54 ID:??? セシル「本当にそう思ってるんですか?アタシはそうは思えない」 森崎「……なに?」 ロディ「森崎殿。あなたは今ここにいる。それはライアンを、クリスのことを心配していたからじゃないんですか? 私達がライアンを心配してここを探しだしてきたように」 森崎「お前たちはまたそうやって……だから俺は自分の利益のために動いてきたんだよ。 周りの評価を落とさないように、信頼を失わないように仕方なく……」 ライアン「それでも森崎さんは来てくれました。どんな理由だろうと……僕は森崎さんと話ができて嬉しかった」 クリス「……私も。私も森崎さんの本当の気持ちを知ることが出来て嬉しいです。 森崎さんも私たちと同じように悩んで苦しんで……それが分かって、本当は幻滅しなきゃいけないはずなのに……」 カタリナ「一緒だって分かったから。これまでの訓練や修練に対する思いは現実のものだから。……ですよね、クリス」 クリス「カタリナ……」 カタリナ「森崎さん。私はあなたの励ましのお陰で攻撃魔法を使える勇気を生み出すことが出来ました。 たとえ打算的な思いがあったとしても……それで与えられた報奨は確かに私の心の中に残ってるんですよ」 森崎「……バカどもが。俺はお前たちを利用してたんだぞ?自分の利益のために、お前たちを踏み台にしようと――」 カタリナ「それはあくまでも目的でしか無いはずです。……私だって、そう。一緒なんです…… その過程で生まれた友情や信頼は嘘なんかじゃありません。私はそう信じたい」 そう言うとカタリナは第七小隊の仲間たちを見渡して静かな微笑を浮かべた。 カタリナ「短い間だったけど、私はみんなと、第七小隊のみんなと一緒に訓練ができてほんとうに楽しかった。 どんな目的があろうと、それは変わらない。私はクリスやみんな、森崎さんと作った思い出を大切にしていきたい」
[484]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:27:25 ID:??? 森崎「カタリナ。お前は……」 カタリナ「私は忘れません。皆さんと出会ったことを。森崎さんから授かった温かい言葉を。 たとえこの先に打算的な思いがあったとしても」 ルーク「俺もだ!俺も森崎さんとのスピード訓練はルーク伝説のプロローグに永遠に刻み込んでおくつもりだぜ!」 ロディ「練習試合の失敗で落ち込んでいた私を励ましたこと……覚えておきます」 セシル「模擬戦で受けた森崎殿の攻撃は心が熱くなりました。絶対に忘れません」 ライアン「ゴードン兄さんとの思い出を話してくれたこと、僕は本当に嬉しかったんですよ森崎さん」 各々が森崎との懐かしい思い出を語りだす。それは森崎が自分の利益のためにと打算的な思考で行なってきた行動の数々だった。 だが、彼らが森崎との交流で手に入れたものは理由の貴賎では測れないほどの大切なモノであるのだ。 クリス「……森崎さんが私たちの教官にふさわしくないことは分かりました。 だから、私はもう二度と森崎さんのことを教官とは呼びません」 森崎「……クリス」 クリス「でも。森崎さんは私の憧れです。今までも、そしてこれからも。 ……だからもう、私達のことで気に病む必要はありません。 これからは森崎さんの代わりに私が皆を纏めていきます」 森崎「へっ……お前にできるか?」 クリス「森崎さんが身を呈して教えてくれた今日のことを、私は忘れません」 森崎「……自分を守れる強さを持たない者に他人を守れる資格はない」
[485]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:28:36 ID:??? クリス「だから強くならなくちゃいけない。大事な仲間を守れるようになるために」 森崎は立ち上がると、足元の埃を払う。そしてかつての教え子…第七小隊に背中を向けて歩き出す。 森崎「一人が守れる範囲は思った以上に狭い。この俺が難儀しているんだからな」 クリス「やってみせます。仲間たちと力をあわせて。自分に出来る範囲で」 森崎「……そこまでの自信があるならなんとかなりそうだな。 お前たちには俺にはない、強くなれる才能がある。 どんな困難にも諦めずに立ち向かえる強い意志を持て」 それが、第七小隊の教官としての森崎有三の最後の言葉だった。 クリス「第七小隊整列!!」 ザザザッ!! 後ろで人が動く音が聞こえる。だが、森崎は振り返らずに勝手口へと歩いて行く。 クリス「森崎教官に……礼ッ!!」 カタリナ「ありがとうございました」 ルーク「あじゃじゃしたーーーっ!」 ロディ「ありがとうございました!」 ライアン「ありがとうございました」 セシル「ありがとうございました!」
[486]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:31:24 ID:??? 森崎「(俺には誰かを教える素質なんて無いかもしれない。だが、アイツらのこの言葉だけは――)」 間違いようのない現実のもののはず。クリスたちの自分に対する最大の賞賛を胸に抱え、 森崎は訓練場を後にした。第七小隊が森崎の手から本当の意味で巣立った瞬間だった。 ※ライアン、ルーク、ロディが森崎に支援(1)を発生させました。 ※第七小隊全員に相互支援(1)が確立されました。 ※第七小隊との関係が改善され、教官と部下の関係も解消されました。 トーマス「…これでいよいよお前はアイツに頼ることもできなくなったということだ。その覚悟はできてんだろうな?」 ライアン「はい!僕は絶対に諦めない精神をあの人から教わったんです。へこたれませんよ!」 ルーク「俺だって負けちゃいられねぇぜ。トーマスさん、俺もここで訓練していいっすよね!?」 セシル「ちょっと、抜け駆けはずるいわよ。私だって今の状況に満足したわけじゃないんだから!」 ロディ「並み居る正騎士を押しのけレギュラー入りするにはもっと技術が必要だ。特訓あるのみだな」 カタリナ「クリス、私達も行きましょう!」 クリス「ええ!だけど今は誰かを守るためじゃなく……自分を守れるように!」 もうクリスたちには迷いはなかった。その瞳にはとある横暴で自分勝手な、 けれども仲間を守ることに全力を尽くす男の教えが宿っているのだから。
[487]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/25(日) 18:33:10 ID:??? 先着『2名』様でブロックごとに判定をお願いします カタリナの特訓(力)→!card ロディの特訓(力)→!card ライアンの特訓(力)→!card セシルの特訓(力)→!card ============ クリスの特訓(技)→!card ルークの特訓(技)→!card トーマスの特訓(技)→!card !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します K〜J→+2 10〜6→+1 5〜2→効果なし A→ハッスルしすぎてダウンしてしまう。明日の訓練に参加不能 JOKER→+3
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0ch BBS 2007-01-24