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【待ち受ける】幻想のポイズン54【天才たち】
[470]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:04:53 ID:??? ナポレオン「いつまでもチンタラやってんじゃねぇぇぇえええええええええええ!!」 ピエール「!? ナポレオン!?」 永琳「(よし、かかった!)」 ジョン「あっとぉ!? これはナポレオン選手、猛然とボールに向かって突っ込んでいったァ!! それも当然でしょう! アルゼンチンはまるで攻めるつもりを見せず、ボールを回すだけです。 焦れてしまうというのも無理が無い!」 ルイ=ナポレオンは短気な男だった。 実力はフランスにおいて群を抜く程の選手だが、その凶暴な性格と短気で喧嘩っ早い性質が問題視され。 フランスJrユース内でも、問題児扱いされる程の選手だった。 そして、そのナポレオンの性格についても八意永琳は知っていた。データとして取っていた。 サッカーをするのは人形ではない、人である。 どれだけ優れた選手であろうと、メンタルが弱くそこを突ける選手もいる。 八意永琳はそれを知っていた。故に、一つの作戦を立てた。ルイ=ナポレオンを陥れる為の作戦を。 永琳「(まずは彼をここから更に焦らす……)それ!」 ディアス「ナイスパス! よっ!」 ナポレオン「ド畜生がァッ! ボールを寄越しやがれェェェェェッ!!」 ピエール「よせ、ナポレオン! 熱くなりすぎるな!!」 ナポレオン「うるせぇ!! 5点で満足しちまう軟弱野郎が指図すんじゃねぇ!!」 顔を真っ赤にして怒り狂うナポレオンを後目に、永琳たちは更に焦らすようにパス回しを続ける。 止めるピエールの声を聴かず、ナポレオンは更に頭に血を登らせながら夢中でボールを追い始める。 しかし、当然ながらこのパスをカットできる筈が無い。 ナポレオンはそれほどパスカットが上手い訳でもないし、何より相手が取れるパスコースは多いのだ。 たった一人でアルゼンチンのパス回しを止めようという方が無謀である。
[471]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:06:42 ID:??? 永琳「(……そろそろ頃合いね。 今よ、ボールを!)」 パスカル「(オッケー!)それっ、エイリンさん!」 永琳「ナイスパ……」 そして、永琳はフランスJrユースメンバーに感づかれないようサインを送った。 瞬間、ボールは永琳へと預けられ……それと同時に、近くにいたナポレオンが即座にプレスをかけにくる。 彼に少しでも物事を考えるだけの余裕があったなら、もしかしたら気づいたかもしれない。 パスコースが余分にあるのに、パスカルがわざわざナポレオンがそばにいる永琳へとボールを渡したかを。 ナポレオン「もらったああああああああああああああああああああっ!!」 永琳「っ!? きゃあああああああっ!?」 バゴォッ!! バシィィッ!! ナポレオン「へへへ……ざまあみやがれ! よし……!」 ピピピピピ! ピィーッ!! ナポレオン「……あん?」 永琳「うっ……つつつ……いったぁ〜い」 ピエール「(こ……これが狙いか……!?)」 ディアス「(エイリンさん……そのあまったるい声はやめてくれ……本気で寒気がした……!)」 エル=シド=ピエールはこの時ようやくアルゼンチンの狙いに気づいた。 しかし、気づいた時にはもう遅かった。
[472]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:07:46 ID:??? ジョン「あっ……とぉ!? これはフランス、危険な接触プレイです! 永琳選手、ボールを持った所をナポレオン君の豪快なタックルを受けて吹き飛ばされましたァ!! おっとぉ、今、主審が永琳選手の元へと向かいます! け、怪我でもしたのでしょうか!?」 ディアス「お、おいエイリンさん! 大丈夫か!?」 パスカル「酷い……靴下がズタズタじゃないか。 思いっきり削られてる……!」 永琳「くっ……だ、大丈夫よ……。 この程度……」 ディアス「そんな訳ないだろ! 審判さん! タンカを!」 主審「うむ……」 地面に転がり、脚の部分を抱えながら悶絶をする永琳。 アルゼンチンJrユースの面々は永琳の怪我の様子を心配するように取り囲み、主審はすぐさまタンカを持ってくるよう要求。 すぐさまタンカはフィールドまで運ばれ、永琳はその上に乗せられてベンチへと応急処置の為に運ばれてゆく。 そして、主審は己の職務を全うする為に茫然としていたナポレオンの前に立った。 ビッ! ナポレオン「!!!!!!!」 ピエール「ば、馬鹿な……」 こいし「な……なんで……?」 ドワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!? ジョン「あっ……ああああああああああああああああああああああああああああああああっ!? こ、これは……これは、ナポレオン選手! レッド! 一発レッドカードが出てしまったァ!! 退場だァァアアッ!! し、しかし……しかし、重すぎる罰では決してありません! 永琳選手の怪我の様子はわかりませんが、先ほどのは明らかに危険なプレーでした! これではレッドカードが出ても、不思議ではないでしょう!!」 ここでナポレオンに下された裁定は、レッドカード――退場処分だった。 もしも主審が、前半戦と同じ人物ならば、或いはこの反則も流されていたかもしれない。 だが、後半から入った主審は、このナポレオンの反則を見逃さず、厳しい罰を下した。
[473]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:08:58 ID:??? 観客「な、なんでだ〜! なんでナポレオンが退場しなきゃならないんだ!!」「審判に訴訟も辞さない!」 「せめて軽い注意で済ますべきだろ地元的に考えて……」「っていうかナポレオンいなくなったら次の試合どうすんだよ……」 ナポレオン「お……お、おれが……退場だと……?」 ピエール「……ナポレオン」 ナポレオン「う……」 この裁定に狼狽えていたのは、ナポレオンである。 彼は超危険人物として何度も退場処分を受けた程の問題児だが、しかし、この大会の重要性も理解していた愛国心溢れる少年でもあった。 レ・ブルーの誇りを胸に大会を勝ち上がらなければならないという事は、彼もまたわかっていたのである。 故に、この退場処分は彼にとっていつもの試合とは違う意味を持っていた。 それだけ大きなショックを受けるだけの、裁定だった。 ピエール「……速やかに退場しろ」 ナポレオン「………………」 ピエールの有無を言わさぬ言葉を聞き、ナポレオンは静かにその場を立ち去って行った。 こいし「に、25cm……あんな25cm……見た事無い……。 すっかりしおしおに萎んじゃって……」 さとり「(……八意永琳。 わざと……ですか)」 それを遠くから見つめていた古明地姉妹は、彼にかける声を見つけられなかった。 こいしはいつもの強気な姿からは考えられない程落ち込んだナポレオンの姿にショックを受け。 一方でさとりはベンチで手当てを受ける永琳を見つめながら、小さく息を吐く。 さとり「……こいし。 この試合、反則まがいの守備はやめておきなさい」 こいし「え? な、なんで?」 さとり「審判の印象は先ほどのナポレオン君のプレーで悪くなっている。 ……貴方まで退場したら、この試合はともかく。 明日のウルグアイ戦が厳しい戦いになる」 こいし「う……わ、わかった」 さとり「(八意永琳……汚い、とは言いません。 こちらも同じような事をやっているのですから。 しかし……やはり貴方は、手ごわかった)」
[474]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:09:58 ID:??? バルバス「……上出来だな、エイリン殿」 永琳「ええ。 まさか一発レッドカードだとは思わなかったけれどね……」 ベンチで手当てを受ける永琳は、苦しげな表情を浮かべ、苦しげな声を出しつつ……しかし、心の中でほくそえんでいた。 そう、血気盛んなナポレオンを焦らし、危険なプレーを誘発させやすい状況を作り……。 わざと負傷を負う事によって、ナポレオンにカードを出させる事が永琳たちの狙いであった。 この試合、既にアルゼンチンにとっては負け戦と言っていいものである。 だが、大会は……グループDのリーグ戦は、この試合で終わりではない。 永琳「(現在私たちアルゼンチンが勝ち点4。ウルグアイが3。フランスは……今日の試合で3になるわね。 幻想郷は6、ほぼ通過は見えている位置。 だから私たちが狙うべきはどのようにして勝ち上がるか。 そして、それは既に決まっている。 明日の幻想郷戦で勝ち、勝ち点を7にする。 引き分けで勝ち点5なら、明日のフランスvsウルグアイでどちらかが勝てば抜かれる。 故に、勝ち点7だけが確実に決勝に上がる為の道筋。 しかし、それにも障害がある。 それは、万一にもここからフランスが3連勝をする事。 ……そうすればフランスは、勝ち点が9になる。 即ち、私たちのリーグ敗退が決定する。 そのリスクを回避するには……明日の試合でフランスが負けるようにするのが、ベスト。 そうすれば仮に幻想郷戦でフランスが勝った場合、私たちが7。 フランスは6となり、私たちが決勝に上がれる事となる。 ではどうやってフランスを負けさせるのか……エースストライカーを出場させなくする。 それだけでいい)」
[475]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:11:35 ID:??? 一見すれば弱気な姿勢とも取れるが、しかし、これしか現状取れる術が無いというのも確かであった。 現実問題として、この5−0という状況からアルゼンチンが逆転をするのは不可能である。 故に、永琳は――アルゼンチンは、この試合をこういう形で生かすしかなかった。 エースストライカー、ルイ=ナポレオンを退場させ、フランスの決勝進出を阻む事しか出来なかったのだ。 永琳「ふぅ……しかし、悔しいわね。 こうまで見事にやられてしまうなんて……5−0とか屈辱以外の何物でもないわ」 バルバス「それは我々もみな同じ気持ちだ。 ……ところでエイリン殿、怪我の調子はいいのか?」 永琳「いや、そもそも私怪我とかしないから」 バルバス「なん……だと……?」 永琳「手当てだって必要ないのよ、本当は。 だからしばらく時間が経ったら戻るわね」 バルバス「どういう事なの……」
[476]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:12:43 ID:??? こうして半裸の監督が他の派遣選手に比べればふつうっぽい永琳の超常的パワーに驚いていた頃。 フランスJrユース控え室――ロッカールームでは、ルイ=ナポレオンが一人パイプ椅子に腰掛け、項垂れていた。 ナポレオン「くそっ……くそっ……くそっ!! 俺は……!」 当り散らしてもどうしようもないと知りながら、ナポレオンは近くにあったドリンクを乱暴に壁へと投げつけた。 壁に当たったそれは音を立てて地面に落ち、再びロッカールームは静寂に包まれる。 何度も退場処分にあい、何度もロッカールームでの待機を義務付けられたナポレオン。 しかし、彼は今まで感じた事が無い程の後悔の念と罪悪感を感じていた。 ナポレオン「俺は……なんてことをしちまったんだ……!」 次の試合の相手は、ウルグアイJrユース。 今日戦ったアルゼンチンのような守備がザルのチームではなく、鉄壁を誇る萃香を有するチーム。 そんなチームが相手で、自分を欠いた攻撃陣だけで点が取れるのか。勝つ事が出来るのか。 ……少なくとも困難な道だろうと、ナポレオンは考えていた。 ナポレオン「畜生……」 その後、試合は特に何も起こらないまま流れて行った。 永琳としてはここでこいしも退場させられていればまだよかったのだが、反則紛いのディフェンスを封印し。 更にナポレオンの退場劇を見た事で安全なプレーを心掛けたこいしは危険なプレーを一切せず、こちらは失敗と終わった。 そして、アルゼンチンは結局1点も奪えないままだった。 10人になったフランスが守備を重視して一貫して守りのサッカーをし、さとりもゴールを許さなかったからである。 こうしてフランスとアルゼンチンの試合は、5−0という大差をつけて終わった。 試合が終わった時、アルゼンチンはやはり大差で負けた事がショックだったのか、喜んでいる者など当然おらず。 またフランスも、明日の試合を思えばいくら大差で勝っても手放しで喜べない状況にあった為、歓喜の声を上げる者はいなかった。 勝利をしても尚、フランスに立ち込める暗雲。運命の神は、彼らを嫌っていたのだろうか。
[477] 幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:13:49 ID:??? GNK ITA FRA ALZ ULG 勝ち点 得失点差 順位 GNK n/a 3-2 --- --- 2-1 6点 +2 1位 ITA 2-3 n/a 1-0 2-2 1-3 4点 −2 3位 FRA --- 0-1 n/a 5-0 --- 3点 +4 4位 ALZ --- 2-2 0-5 n/a 7-3 4点 −1 2位 ULG 1-2 3-1 --- 3-7 n/a 3点 −3 5位 得点ランキング 6ゴール ディアス、シュナイダー、レミリア 5ゴール 日向 4ゴール 反町、天子、魅魔 3ゴール 翼、映姫、勇儀、ナポレオン、幽香、神綺 2ゴール ピエール、三杉 1ゴール リグル、森崎、ビクトリーノ、諏訪子、永琳、神奈子、佐野、アリス アシストランキング 7アシスト マーガス 5アシスト 佐野 4アシスト 白蓮、三杉 3アシスト 翼、パスカル、マーガス、アリス 2アシスト 静葉、文、幽香、岬 1アシスト パルスィ、こいし、ジョルジュ、フェレーリ、森崎、椛、カルツ、シェスター
[478]森崎名無しさん:2011/11/02(水) 01:14:31 ID:??? パンツ一丁で「どういう事なの……」はシュールすぎるwww
[479]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:14:56 ID:??? ……… …… … 松岡「……以上がフランスとアルゼンチンの試合だZO!」 輝夜「なんともまあ……どこぞで見た事あるチームみたいになってたわね……フランスは……。 (つーか永琳、またやらしい事を……本当に敵に回すと厄介な頭してるわ)」 リグル「どこ?」 妖精1「……オータムスカイズとか、パルパルズとかでしょ」 パルスィ「妬ましい……! 地底の覚妖怪め! パルパルパルパル……!」 この試合のビデオを見て、幻想郷Jrユースの面々が見せた反応は様々だった。 ある者はフランスの強さに幻想郷のチームを思い浮かべたり、またある者はディアスもまた無敵という訳ではないのだと強く自信を持つ。 また別の者は最後に見せた永琳の知略に舌を巻き、また別のある者はフランスの明日の試合を思って憂う。 反町「(しかしさとりさん……本当にあれがあのさとりさんなのか? なんか……何かが違うような……)」 お空「やっぱりさとり様は凄いんだよ! やったやった! さとり様〜!!」 リグル「(でも所詮は覚妖怪! 私ならハットトリック確実だね! あいつ弱いし!)」 いずれにせよ、この試合は幻想郷メンバーに大きな衝撃を与えたのは間違いのない事だった。 静葉「……フランスを気にするのもいいけれど、まずは目の前のアルゼンチン戦に意識を集中させるべきじゃないかしら?」 輝夜「うん、その通りね。 ……みんな、フランスの強さ、凄さを認識するのは結構。 だけれど、明日戦うのはアルゼンチンよ。 今はまず、そちらに集中しなさい。 では、解散。 今日の練習の疲れを取り、明日の試合に備えなさい!」 幻想郷メンバー「「「「はい!」」」」 明日勝てば、決勝トーナメントへの進出はほぼ確定となる。 まずは明日のアルゼンチン戦に勝利をする事それだけを胸に。 輝夜の号令を聞き、一同は気を引き締めなおし、自室へと戻っていくのだった。
[480]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:16:56 ID:??? 妹紅「いやぁ〜、フランスは強敵だったね」 穣子「(……しかし、あのストライカーがいなくなってフランスはウルグアイに勝てるのかしらね? キャプテンのピエールとかいうののシュートも、大した事なかったし……)」 リグル「どこと当たろうが私がいれば問題はないさ! エース様に任せろー!」 反町「(うーん……いよいよ明日、アルゼンチンとの試合か。 ……天才、ファン=ディアス。 今日の試合でも昨日の試合でも、無敵ではないと証明はされたけど……。 それでも間違いなく天才の名に偽りない選手なのは間違いない……気を引き締めないとな)」 自室へと戻ってきた反町たちは、今宵も思い思い好き勝手な事を言ってのんべんだらりと過ごす。 オータムスカイズで苦楽を共にしてきた者たち同士、気兼ねない関係である。 反町「(さて、それはともかくこれからどうしようかな。 輝夜さんと明日のアルゼンチン戦について話し合う? うーん……でも……前に一度話したからもういいだろうか? それより部屋で誰かと話でもするか? どこか回ってみるか? うーん……)」 A.同室のメンバーに話を振ってみる B.部屋でじっとしている C.施設の中を歩き回ってみる D.他の部屋に遊びに行く E.個人練習をする F.輝夜の部屋に行く 先に2票入った選択肢で続行します。 age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
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0ch BBS 2007-01-24