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11人の戦士たち
[4]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:21:36 ID:??? その後、佐野は他の3年たちと別れ、残り少ない帰り道を歩いていた。 彼の足取りは重く、視線は下を見、表情は暗い。 佐野「(いつまで……か)」 佐野はサッカーが好きだった。好きだからこそ、この高校3年間もサッカーに殉じた。 だが、いつまでもサッカーが出来ないという事もまた……わかっていた。 佐野はもう高校サッカーを引退し、残りは大学のリーグ。或いはそれを卒業してからの実業団入り。 それもまたそれで楽しいかもしれないし、面白いかもしれないと佐野は思うが……。 佐野「(それじゃ、届かないんだよな……)」 かつて佐野満は、全日本Jrユースという一国を代表するチームに選抜をされた事があった。 起用機会はほぼ無く、事実上ベンチを温めていただけであったが……日本代表として戦った事は彼の誇りでもある。 しかし、彼はその上の世代――高校生になってからの全日本ユースには選ばれなかった。 Jrユース時代には選ばれなかった才能ある選手が芽を出し、佐野は選出外になったのである。 佐野「(葵新伍……だっけ。 確かにあいつがいたなら、俺はいらねぇもんなぁ……)」 ジャパンカップで見たその選手の才覚――自分以上のスタミナにドリブル、シュートセンス。 守備力は決して高いと言えなかったが、それでも佐野よりは確実に上。 自分と立ち位置がかぶり、かつその完全上位互換と言える選手を佐野は見てしまっていた。 それを見たときから、佐野の中では燻るものがあった。 佐野「(新田と山森の奴も、もう全然日本一なんかどうでもいいって顔してやがったしな……)」 夏のインターハイに出た時、決勝で負けた時。 勝利をした新田と山森の表情は決して優勝に喜んでいたそれではなく、 「なんと歯ごたえのない勝利か」とむしろあきれ返っていたものだった。 それを見たときから、佐野の中で苛々は募りだした。
[5]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:22:37 ID:??? 佐野「ちぇっ!」 佐野は足元にあった小石を蹴り、舌打ちをする。 佐野「(日本一が嬉しくないってなんだよ……それじゃあ、俺は何のためにこの3年間頑張ってきたんだ)」 コツンッ 佐野「(ムカつく……。 でも、何よりムカつくのはそうやって考えちまう俺だ……)」 カツンッ 佐野「(俺は……世界を目指せてない……。 ……もう俺は、終わっちまったのか?)」 日本にはプロリーグは無い。今、佐野の上にあるのは高校の延長線上でしかない大学リーグと。 プロサッカーと比較をすれば何段もレベルが落ちる実業団だけである。 アジア予選を終え、ワールドユース本戦へ駒を進めた全日本ユースは、やはり佐野を招集しなかった。 2年に1度しかないワールドユースに、佐野はこれで2度と出場出来ない事が決定をした。 佐野満は、もはや世界では戦えない。 このままサッカーを続けても、佐野は大学リーグや実業団で日本の中では名を残せるかもしれない。 だが、日本を代表する選手としては――もうこの先戦えないだろう。
[6]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:23:39 ID:??? 佐野「(次籐さんだけじゃない……同年代の新田や山森……あの葵って奴や赤井って奴にも置いて行かれて……。 この先ずっと何の機会も与えられないまま、燻ってるのか? どうすれば……俺が輝くときがくるんだよ……)」 佐野満・18歳――悩める青年は、再び足を振りかぶって小石を蹴り――。 カツンッ! ……カサカサッ! 佐野「……え?」 石を蹴る以外の妙な音が聞こえた為に、佐野は思わず顔を上げた。 するとそこにあったのは――何の変哲もない草むら。 佐野の蹴った石ころが、その草むらに入った為に先ほどの音が鳴っただけ、なのだが……。 佐野「……どこだよ、ここ」 佐野の通学路には、このような草むらなど存在はしない。 佐野「……周りは、林? ど、どういう事だってばよ……?」 後ろを振り返れば木が鬱蒼と茂る林になっており、足元は気づけば舗装された道ではなく石畳でつくられたでこぼこ道となっている。 ついさっきまではいつもの帰り道を歩いていただけだというのに、いつの間にかまるで知らない場所に移動をしていたのである。 これには佐野も思わず混乱し、口調が変になりながら周囲を更に見回すのだが……。 佐野「うぐっ!?」 キィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン……!
[7]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:24:50 ID:??? 「私、どうしたら笑う事が出来るのか、わからなかったけど……」 「真紅ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウ!!!!」 「ジジイ……あたいは間違っちゃいないかい……?」 「……お前は、人間たちの中で生き続けろ」 「僕に出来るのは、後方支援くらいだから……」 「私、プロデューサーになろうと思います」 「うるさい! 人の気持ちも知らないくせに仲間面をしないでよ!」 「父を超える竜騎士になったときにはバロンに……戻れそうな気がする……それまでは……」 「お前は限界を超えちまったんだなァ……。 だったら進め、徹底的になァ」 「(僕が駄目な子だからご主人様も困ってる。 僕が駄目な子だから……)」
[8]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:25:51 ID:??? 佐野「あ……な、なんだよ……今の声……?」 耳鳴りがしたかと思えば、突如として誰かの声を聴いた佐野。 男女合わせて10人の声は幻聴とは思えない程にはっきりと聞こえ、佐野は思わず耳を塞ぐ。 だが、それきり声は聞こえなくなり耳鳴りもいつの間にか止んでいた。 佐野「(どこかから聞こえたって感じじゃねぇ……なんかこう、脳に直接響いたっていうか……。 ……い、いや! 俺はそんな来生さんみたいな「ピキーン! 見える!」な電波キャラじゃないんだ! さっきのは……そう、きっとアレだ。 精神的に疲れてるからなんかこう、幻聴的なアレだ!!)」 それはそれで色々と恐ろしいのだが、佐野は先ほどの不思議な現象をひとまずそう言い訳して落ち着かせた。 しかし、自分でもそれが無理のある解釈だというのは重々承知だったし。 何よりもここがどこで、自分はどうしてこんな所にいるのかというのもまだわかっておらず。 問題は何も解決してなどいないという事は彼もまた理解をしていた。 佐野「と、とにかく早く家に帰らねェと……ここ、どこなんだろう……?」 改めて見回してみれば、やはり見覚えの無い景色、光景。 自宅までの帰り道どころか、ここがどこかなのかさえも佐野にはわからない。 佐野「……この年になって迷子ってのも恰好悪いが、人を探して場所を教えてもらうか。 学校からそこまで歩いてねぇんだから、場所さえ教えてもらえばすぐ帰れる……筈だし」 どう考えても、この場所は長崎県――少なくとも佐野が住まう地域には考えられない程に、ド田舎である。 それでも、佐野はまだここが自分の知る長崎のどこか――日本のどこかであると信じて、人を探した。 ――細心の注意を払って。
[9]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:27:14 ID:??? 先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、 ★初判定での遭遇者→!num=★ と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。 9→メガネの女性。 多分同い年くらいだろう。 からあげ君下さい。 8→金髪の女性。 メガネをかけててすごく話しやすそうだ。 7→茶髪の男性。 こっちを見て何か驚いてる。 6→凄く速そうな髪形をした長身の男性。 サングラスを額にかけてる。 5→鎧甲冑を着込んだ長身の男。 現代日本じゃまずお目にかかれないんですが…… 4→チャイナ服を着た女性。 頬に十字傷があるぞ。 3→年下っぽいけど大人びた少女。 やっぱりゴスロリっぽい服着てる。 2→なんかちみっこい犬のような小動物。 赤くてもふもふしてる。 1→赤毛の年上らしい女性。 だけど服装がなんか近未来的だ。 0→銀髪の小さな少女……? なんかゴスロリ入ってる ===================================================================================== どうも。この深夜に新たに外伝を始めさせてもらいました。 文章のクセですぐバレると思いますので、トリップは変えておりません。 が、>>2の名前欄は無視していただけると助かります。
[10]森崎名無しさん:2011/12/08(木) 01:29:02 ID:??? ★初判定での遭遇者→ 8 =★
[11]森崎名無しさん:2011/12/08(木) 01:37:25 ID:??? おお、お帰りなさいませ! 前世のこと諸々お話したくもありますが、それは本意ではないでしょうから、ひとつだけ。 リッチャンハカワイイデスヨ!
[12]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 02:20:28 ID:??? >>11 恥ずかしながら帰ってまいりました! ……小旅行くらいの期間を開けて。 リッチャンハグラマーデスヨ! >★初判定での遭遇者→ 8 =金髪の女性。 メガネをかけててすごく話しやすそうだ。★ ======================================================================================= 佐野「……あ!」 金髪「え?」 周囲にあるのは林と草むら、建物らしき建物どころか、ひと1人見つける事すら難しそうなこの状況。 それでも佐野が懸命に目を動かし、脚を動かし、数分散策をすると……。 ある開けた林の中でスーツ姿の女性を見つけた。 佐野「あ、あの、すみません! 変な質問してるってのは重々承知なんですけど……ここって一体どこなんスか?」 金髪「あー……えっと……」 佐野「いやその、恥ずかしながら道に迷ったというかなんというか……ここの場所と、 あと出来れば国見学院までの帰り道を教えてくれるとありがたいんですけど……」 金髪「クニミガクイン?」 佐野「はい、国見学院……。 あの……ご存知ない?」 金髪「え、ええ……」 佐野「(あちゃー……考えてみりゃ金髪なんだし、外国人なのか? ここの土地勘とか無いのかなー……。 でも、それにしちゃやけに日本語が流暢だが……)」 見つけるや否や佐野はその金髪の女性に素早く話しかけ、道を尋ねる。 平時ならばナンパか何かと間違われる可能性もある佐野の行動でもあったが、切羽詰っている佐野がそこまで考えを至らせる事は出来ず。 あくせくしながらどうにか帰り道を教えてくれないかと問いかけるも……。 金髪の女性はどうやら国見学院の存在を知らないらしく、道を聞いても返事は芳しくない。 折角人を見つけ、恥を忍んで迷っちゃいましたと公言したのに無駄骨かと佐野は脱力する。
[13]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 02:21:33 ID:??? 金髪「あの、もしかして君もここに迷い込んだ……のかな?」 佐野「へ? ……あ、何? もしかして、あんたも気づいたらここにいたとか……そういうの?」 金髪「うん、実はそうなんだ。 それにしても……(違う時空の人、みたいだけど……それが同時に別の世界の同じ場所に飛ばされた? ……一体どういう事なんだろう? 念話も届かないし、どこかの管理外世界なのかな?)」 佐野「(あー、スーツ姿でこんな林の中にいるのもおかしいもんなー……この人も迷子かー)」 更に金髪の女性が自分もまたこの奇妙な空間に迷い込んだのだと説明をすると。 佐野は一気に気が抜け、その場に思わず腰を下ろし項垂れる。 一方で女性はメガネをくい、と上げながら頭の中でいろいろと考え事をするのだが……。 その考え事も結局の所纏まらず、とりあえず当座の問題を解決しなければと脱力しきった佐野に声をかけた。 金髪「……とにかく、ここから抜け出すのが先決だね」 佐野「え? あー、うん、そりゃそうですけど……。 ……どっち行けばいいかわかるんですか?」 金髪「うん、さっき飛んで確認したんだけど、君が来た方向に行けば石畳があったよね?」 佐野「と、飛ん……!?」 金髪「それでその石畳沿いに北の方向まで行けば、長い階段があったんだ。 その先に何があるかはちょっとわからなかったけど……これだけの森林がある中、石畳で舗装されているという事は。 そこには人の往来があるという事だから……多分、人がいると思うんだ」 佐野「い、いやいや、それより飛ぶてあーた!?」 理路整然と、とにかく迷った時は人のいる場所に行こうと提言をする女性。 だが、その言葉の根源が「飛んで視認した」という佐野にとってとても理解できないもの。 思わず佐野はツッコミを入れ、女性は少し困ったような表情を浮かべ頭をかく。 金髪「そうか……君の世界には魔法が無いんだね」 佐野「……あんた頭は大丈夫か」 金髪「至って平気だよ。 えっと……それじゃあ百聞は一見にしかず、見てて!」 また魔法がどうこう言い始めた女性を前に、とうとう佐野は不躾な言葉を投げかけた。 しかし、それもまた現代日本を生きる少年にとっては仕方のない事である。 これを受けて女性は再び苦笑を浮かべるも、怒る事はなく。 しっかり自分を見ててと言ってから小さく深呼吸をし……。
[14]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 02:22:33 ID:??? ふわっ 佐野「なにィーっ!?」 金髪「……これでわかってもらえたかな? (あんまり無駄に魔力を使いたくは無いんだけど……仕方ないか)」 なんと女性はふわりと宙に浮かび、そのままふよふよと漂っているではないか。 これには佐野も思わずびっくり、もう二度と魔法を信じないなんて言わないよ!……とまでは思わないものの。 女性の足元と地面の間に見えない板のようなものが無いかも確認し、更には女性の頭の上に見えない紐が無いかも確認してから。 とりあえず、「この女性が本当に空を飛べる」という事はそれなりに信用をした。 佐野「これが……ハンドパワーって奴か……」 金髪「だから魔法だよ……。 それで、ええと……君はどうする? 一緒についてくるかい?」 佐野「え? そ、そうだな……」 この女性が空を飛べるというのはそれはそれでちょっと不気味ではあるが……。 さりとて、先ほどからの女性の対応や立ち振る舞い、言葉遣いを聞いている限りではなんとも常識人で温厚な人のように見える。 メガネの力なのか佐野よりも頭がよさそうに見えるし、一人でずっと林の中にいるよりは一緒についていった方が。 さっさと家に帰れる可能性も高そうに思える。 佐野「(さーて、どうすっかなー……)」 A.「はいよろこんでー」 喜んで同行をする B.「だが断る! この佐野満の最も好きな事のひとつはAが選ばれると思ってる奴にNOと断ってやる事だ」 だが断る C.「だがちょっと待ってほしい、本当に階段を上るべきなのだろうか?」 同行はするが疑問を提示する D.その他 自由投票枠 先に2票入った選択肢で続行します。 age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
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0ch BBS 2007-01-24