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【この借りは】Another-CU_1【必ず返す】
[659]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 19:55:14 ID:??? [ エピソード ―カンピオーネサイド― ] 私、宇佐見蓮子は現在UAEと呼ばれる国に来ている。 そして何故だか、とある球技スタジアムのベンチで雑用みたいな事をしている。 「いけ、シニョーリ!」「ヘヘン、まっかせなー!」「こっちだ!!」 このスタジアムの中央部分では、カンピオーネというチームと…確かこの国の代表チームがサッカーをしている。 UAEに来る前は私はイタリアに居た。 カンピオーネの人達も一緒だった。 そこでもカンピオーネはサッカーばかりしていた…その時の相手はナポリってチームだったかな? 正直なところ私はサッカーについて詳しくけど、でもカンピオーネがどの相手より圧倒的に強いのは見ていて判った。 サッカーの事は最初全く興味がなかったが、二つの理由から最近少しだけ関心が湧いて来ていた。 一つはナムが(日本での彼と比べると)意外な程に肉体派であったこと。 ある程度知っていると思っていた人間の意外な面、ギャップを観るというのは中々に面白い物だった。 まあこっちは割とどうでも良くて、もう一つの方が大きい。 そのもう一つの理由と言うのは、サッカーが『境界を越える為に足掻く球技』だと気付いたこと。 (…と言うより、球技というのはほとんど全て球をゴール線の如き境界の先へ送り出す物だと気付いた) 当たり前の事かも知れないが、私にとっては興味深い…目から鱗のような発見であった。
[660]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 19:56:14 ID:??? 以前にメリーと話した事がある。 境界とは何か、境界は何処にあるか、境界が視えるとはどういうことか… メリーは言っていた。 境界が見えない≠ニ言うのは、その境界が必要で無い=A無くても困らない≠ゥらだって。 逆に見える≠ニ言うのは必要≠ナ無いと困る≠ゥらだって。 メリーは『どんな人間にも、それが必要ならば境界は見えるかも知れない』と言っていた。 そして『私の境界を視る力も、それが必要だから存在しているんだと思う』と言っていた。 かつて人間には境界なしに安全を担保出来なかった時代がある。 他の領分を侵す事が命の危険を侵す事に同義である時代があった。 家が境界の名だった事もある、集落が境界だった事もある… 国、川、山、海、人種、天地…そう、考えてみれば境界は無数に存在していた。 そして人々は多くの境界の先へ先へと、その行動範囲を広げて行った。 危険もあっただろう、命だって数え切れぬほどに失われてきた筈だ。 それでも人は境界の先を求め続け、今もそれをしている。 人はこのサッカーにおいても同じように境界の先を求め続けている。 その為に幾つもの工夫をし、動き続け、留まらずに新しい姿を見せている。 私がサッカーの中に在る、数多くの境界に気がついたのは意味があるのだろうか? 判らないが、メリーの言葉を肯定するならば…これは私にとって必要で、意味がある事なのだと考えられる。 ゆえに私はこのカンピオーネでマネージャーという業務に就いているのだ。 続けていればメリーの場所に辿り着く道だと、不思議にも思えてくるのだ。
[661]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 19:57:17 ID:??? こういう事を考えるのは、メリーの手掛かりを何も掴めていない証拠でもあるけれど…ね。 ピイィィィィィィィィ!!!! あっ、まただ。 また彼、アルシオンが一つの境界を越えた。 初めて会った時…そう、メリーが消えた時、彼も私達と同じ場所に居た。 あの時≠フ前にも彼は深くて暗い目をしていたが、以降のそれは尋常ではない。 彼には人間離れしている所がある。 それは以前、彼の幼少時代(と聞いている)のスポーツテスト風景を解析をした時に判っていた事だ。 故に、私と彼の間には存在を分別する境界があるように思えている。 陳腐な言い方をすれば別世界の住人というところだろうか? 私と彼を別ける境界、その線…これが解った時、私はまたメリーへと続く道が一歩拓ける様な気がしていた。 ―――メリーが私の前から姿を消してから、もうすぐ一ヶ月になる。
[662]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 19:58:45 ID:??? シニョーリ「へへっ、勝った勝ったぁー! ちょろかった!」 クスタ「…ドリブルもシュートも見事でした。 けれどシニョーリ、余りにパスが少なかったとは思いませんか?」 シニョーリ「いやいやいや、勝つ為の最善のプレイをしただけ! チームの方針に沿ってるよ!」 クスタ「だからお前は最後まで体力が…」 フィッツウォルタ「………」 今回もあの二人は変わらぬやり取りをしている。 クスタもよく諦めずにシニョーリへ説教し続ける物だと思う。 フィッツウォルタ(…いや、ボクもか………) ドリブル以外でのボール運び禁止…あの馬鹿げた縛りは、流石にあの試合だけだったが、 その後もこのチームの戦術がドリブル突破中心である事は変わっていない。 ジョアン監督の理想とするチーム像…それがどんな物であるのか、ボクにはまだ見えていない。 今のようにパスで言葉を交し合えていない状況…視える筈なくて当然か。
[663]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 20:00:27 ID:??? ヘルマー「よっ、お疲れ。 ほら汗ふけよ、風邪ひくぞ。」 ポイ フィッツウォルタ「えっ…ああ、ありがとう。」 ヘルマーが投げてくれたタオルを掴み、ボクは顔を拭う。 トーマス・ヘルマー…月が明けてすぐにユブンタイが紹介してきたチームメイト。 彼はASローマでもチームメイトだったが、奴等の筋の選手だったとは全く気が付かなかった。 ミルチビッチもそうだ…思えばローマというチームは相当異色であったんだなと、今更に驚きを覚える。 カルバリョ「レンコー、いやぁオレの活躍見てくれた? レンコの為に今日は頑張ったでホンマ〜。 そんなオレと今夜食事でもどう? いい店知っとるんやで〜。」 蓮子「はは…相変わらずだねえ。 当然ノーサンキューだよ。」 カルバリョ「ええっ! なんでやねーん…」 ナムリス「はは。 カルバリョ、蓮子先輩をあまりからかわないでやってくれ。 それにキミもUAEは初めてだろ、いい店を知ってる筈がないじゃないか。」 カルバリョ「ああーん? …チッ、オーナー様のご登場かいな。 はいはい、引っ込んどきゃえーんやろ。」 ナムリス「やだなあ、オーナーだなんて。 立場上はそうでも、実際はチームメイトの一人に過ぎないさ。 なあ、アルシオンもそう思うだろ?」 アルシオン「…………………」
[664]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 20:01:28 ID:??? ナムリス「相変わらず無愛想だなあ。 まあいいけど…ヘルマーも言っていたが汗はちゃんと拭えよ。」 ヘルマー(ペッ) フィッツウォルタ「………」 色々と不可思議な事も多い。 あれほど野心的で力強さを示していたユブンタイの父が急逝し、トントン拍子で息子のヤツが後を継いだ。 チームのバックアップ体制は全くと言って乱れる事がなかった。 ユブンタイの父がオイルメジャー…世界的にも大物であった事はボクでも知っている。 そんな人物が死ねば…トップダウンで動いていた組織は総崩れで乱れるのが普通… こんな趣味レベルの末端組織であるカンピオーネは解散となっても何ら不思議じゃない。 …にも関わらずこの状況だ。 アルシオンの様子もずっとおかしい気がする。 以前に増して無口になったとか、そういう類の話しじゃない。 今日、彼は二度もパスミスを犯したんだ。 アルシオンがパスで…よりにもよってパスでミスをするなんて、ボクにとっては意外過ぎる光景だった。 …ま、それでもアシストとゴールの両方で凄まじいパフォーマンスを見せてはいるのだけどね……
[665]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 20:04:28 ID:??? ヘルマー「なあ… どうしたよ? 何にもかんにも納得言ってねえって顔しているぜ?」 フィッツウォルタ「ああ…それは当たり前さ。 でもキミが心配する事じゃあないよ。」 ヘルマー「ローマじゃあ無遠慮に、他人の見る目もきにせず毒舌吐いてたお前がねえ… 押し黙ってるなんて、らしくないんじゃねえのー?」 フィッツウォルタ「ふふっ……………そう、そうかもね…」 ヘルマー「しっかりしてくれよ? 一応来月はローマに戻るんだしさあ…リーグ戦、オレは勝ちたいねえ。」 フィッツウォルタ「……………」 何処までが本心なのだろうか… 未だに得体の知れない男だが、彼自身から嫌らしさは感じられないのも事実だ。 このカンピオーネでは試合に出場した事はないが、ローマではまた連携を取らねばならない。 難しくはないと思うが…ボクの心次第であるのは事実だろう。
[666]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 20:06:26 ID:??? ヘルマーの言う通り、ボク達は月末に一旦解散する。 そして今後Wトーナメントまでの一年間、一〜二ヶ月毎に数日の召集を受けるのだが… (どうやらこの点は、とっくの昔にクラブチームとユブンタイとの間で契約が結ばれていたらしい) 一応ボクはその期間は好きに動けるという事だ…当然ながらチームの一員である以上限界はあるけど。 …そう言えば彼等は大丈夫だろうか? フィオレンティーナ…ジョアン監督の作ったもうひとつのチーム。 消滅し、違う名前のチームとして再生したのは知っている。 しかしメンバーがチームに残っているのかどうか、その情報が無かった。 イタリアへ帰国したらフィレンツェを訪ねてみなければならない… ミスギやマルコに伝えなければならないんだ。 あのコーチの指示の先には何が…どんなヴィジョンがあったのか? 最悪、彼等にそれを託さざるを得ないのだから…形になる保証は何処にも無いと言ってもね。
[667]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/02(金) 20:08:13 ID:??? 中途半端ですが本日はここまでです。
[668]森崎名無しさん:2012/03/03(土) 21:32:17 ID:??? ペタリ http://usokomaker.com/kekkon/r/%A5%A2%A5%CA%A5%B6%A1%BC%A5%AB%A5%F3%A5%D4%A5%AA%A1%BC%A5%CD/%B2%AC%BB%B3%BB%D0
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0ch BBS 2007-01-24