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キャプテン森崎外伝スレ10
[275]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/08(金) 12:49:29 ID:??? 翼の所から去った後、研究室に戻ると研究員が2つの書類を抱えて待っていた。 1つは別の研究所にいる太郎の経過観察概観報告書、もう1つは翼の定期観察報告書である。 1つ目の書類の要旨は次の通りであった。 「太郎はこれまでに接してきたあらゆる人格・性格の人間に対し少なくとも好印象を与え、 特定の人間に対しては友情等の強い関係性をごく短期間で形成するなど、 対人関係能力において卓越した力量を保持していると断言できる。 しかしながら彼の行動原理においては徹底した利己主義がかいまみえるとの分析結果もあり、 今後のさらなる検討が急がれる。 なお、今のところ彼に対する感化は全くと言っていいほど効果が見られず、 全て本人の選択により全方面での成長がみられている」 「……色々と面白そうな状況になっているわね、後でもう一度読み返しましょう。さて、もう1つの方は……」 翼に関する書類を読み進めていく。その報告書において、私の研究において予想だにしなかった、そして否定できない ある重大な欠陥を指摘され、私は全身をハンマーで殴られたような衝撃に襲われ、そのまま私の机に突っ伏した。 「…なんでこんなことを、もっと早く気付かなかったの!今のまま外に出したら、 翼くんに、そして彼に関わる人達に大変なことが起きてしまう……もう時間がないのに、どうすれば……」
[276]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/08(金) 12:55:24 ID:??? 今日はここまで。…投稿は12時に限ると言っておきながらこういうことを 書き入れるのは無駄だとようやく気付きましたので、これからは この終了報告は省略いたします。 いつの日か本編が漫画化されますように。
[277]森崎名無しさん:2012/06/08(金) 20:56:30 ID:??? 乙乙です
[278]森崎名無しさん:2012/06/08(金) 23:01:59 ID:??? 乙です、ドキワクしつつ毎日見ています。 来週も更新待ってますぜ。
[279]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/11(月) 12:57:50 ID:??? 丁月甲日。ついに翼を外の世界に送り出す日がやってきた。翼が抱える 根本的な問題についてとうとう解決できぬまま、である。このまま外へ出すのは 不本意極まりないが、研究期間延長と研究費増額が認可されず、今年度でこの 研究の打ち切りとなってしまった。いや、たとえそれらが認められたとしても… 「はっ、博士っ!大丈夫っ!?」私の姿を見た翼は驚き、慌てて私のもとへ駆けつけた。 翼が狼狽したのも無理はない。私の顔は青白く痩せこけてきており、両脇に杖を はさんで歩くもそれでさえ何度もつまずき転びながら向かうという有様だった。 何度目かの転倒の時に私の所へ翼が来て、私の体を起こそうと自らの腕を私の肩と腰へ抱えた。 「博士っ!」顔を震わせ目を見開きながら叫ぶ。「死なないで!外へ出た後も頑張って頑張って立派になって、 それから博士にもう一度会って自慢できるようになりたかったのに、お願い、死なないでよ…」 翼は泣き出し、それから私の胸にとりついてひたすら号泣した。 「…ごめん、なさい……」悲しみを露わにした翼に直面し、絶え絶えになっている息をついで、つぶやく。 「私の、力が足りない、ばかりに、今の状態のままで、出さないといけなくなってしまった…… きちんとした状態で外に出すには、能力と時間が、足りなさ過ぎた……」 絶望のため息をこぼし私もまぶたが瞳が潤みそうになった時、泣き続けていた翼が面を上げ、 なおも泣き続けながら語りかけた。 「博士まで泣かないでよ…僕が悪いんだよ、僕がきちんとしてないから、僕の頭がそんなに頑張らないから、 僕が優しくないからで、博士は悪くないよ……だから泣かないで、だから死なないで……」
[280]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/12(火) 12:34:05 ID:??? 「……なぜ……」いつのまにか翼を抱き締めていながら、尋ねた。 「なぜ、そんなに、私のことで悲しんでくれているの?私は翼くんのデータを取るために、 様々な実験に立ち会って、顔を合わせていただけ。際立って多く話をした訳でもない、 一緒にいた時間も、お母さんはおろか他の人と比べても多くはないのに……」 「……分かんない……」相変わらず閉じる瞼から涙をこぼしながら、翼は答える。 「どうしてか、博士の声を聞くと、胸から『なつかしさ』が出てくるんだ。目覚める前に 一緒にいたような気がするんだ」 「以前に一緒にいた…」思い当たることがあった。まだ翼が意識を覚醒させ起き上がる前は、 私がこの研究の第一人者であることから、眠る翼の前で反応を測定したりその結果をまとめていた。 その時の発していたつぶやきが翼の耳を通じて脳に届いていたのだろう。その頃の私は一生の成果を 具現化する機会と対象を得て、心血を注いで長年の夢の結晶を磨いていたのだ。 (話の内容は覚えてなくとも、意思が相手の心の中で漂っている…)そこまで思いを巡らせた時、 ふっと私の心に希望の光が差し込んだ。まだ私が、翼くんのためにできることがある、と。 「もう泣かないで、翼くんのために話したいことがあるから、落ち着いてくれないと何もできないわ」 ハンカチを取り出して翼の頬を拭き、乱れた髪を撫でて整えながら、決心した。 (意思が残るならば意志も残るはず、この子の歩む道をきちんと話して、せめて覚悟だけでも 残してみよう)
[281]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/26(火) 12:44:00 ID:??? 半月にも及ぶ突然の失踪、誠に申し訳ありませんでした。 私が使用しているパソコンが突然壊れてしまい、その間は他人のパソコンを借りていましたが こうした私用に使えるわけでもないので、しばらくの間投稿を自粛していた次第です。 なお、こちらの都合により現在休載中の文章の続きはまだできていませんが、近日中に再び 再開いたします。また、こちらの都合により、投稿時間帯は午後6時から午後11時の間にも 行える事となりました。 >>277さん、>>278さん、返信が遅れましたが、駄文を読んでいただき有難うございます。 あなたがたの期待を心の支えにして、物語を書き進めて生きたいです。
[282]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/27(水) 12:50:12 ID:??? 翼はカプセルの中へと腰を下ろした。私は翼に肩を抱えられながら、数時間後に 行われる記憶除去・操作用カプセルへとたどりついていた。カプセルの周囲には膨大な コンピュータの壁がひしめいており、それらから大量のコード類がカプセルへと つながっている。 「…無限は大昔から現在まで多くの賢人に立ちふさがる、高い壁であり続けている。 翼くん、アキレスと亀の話は知ってる?」 「アキレス?どこかで聞いたような気がするけど、たしか昔のギリシャの人で、 とても足が速かったんだっけ」 「まあだいたいその通りよ。そのアキレスと亀がかけっこをするんだけど、 アキレスはどうしても亀を追い抜く事ができないの。そしてどうしてそうなるか、明確な答えが出せずに 1000年以上も長くにわたって多くの学者達を苦しめる難問となったのよ」
[283]超短編投稿者 ◆KvvS7KSt.A :2012/06/27(水) 12:56:27 ID:??? 今日はここまで、ブランクがあくとちっとも文章が書けない… 更新は飛び飛びになるかもしれませんが、今後も継続していきます。 >>266さん、先日の書き込みの際に書き落としてしまって申し訳ありませんでした。 一言でも書き込んでくださると、大変元気付けられて嬉しくなります。
[284]278:2012/06/27(水) 13:16:21 ID:??? ミテルヨー
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0ch BBS 2007-01-24