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キャプテン森崎外伝スレ10
[306]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:06:01 ID:??? その地下研究所の一室にて。 娘「ない、ないっ」 右顔半分を髪で覆った白衣の娘が、散乱した論文の海を血眼になってかきあさっていた。 娘「たまに遅く登校したらこんな事になるなんて、実験体どもは何をしてたのよっ」 苛々と毒を吐きながら捜索を続けている娘の後ろで、ドアがそろりそろりと開き、 開いた隙間から恐る恐るといった表情で、科学部の後輩が声を発した。 後輩「あの……もうすぐ授業がはじ」 娘「分かってるわよこのじっけ…愚民!」 後輩「ひっ!」 鬼気迫る相手の威圧に見栄も体裁もなくたじろぐ後輩。 この後輩のみならず科学部に所属する数十人の男子生徒達は全く頭が上がらないでいた。 後輩「(今実験体って言おうとした?また変な薬を飲まされたりレーザーを当てられたりするのかなあ……)」 娘「授業なんかよりも、私の論文を盗んだ犯人を捕まえるための証拠捜索の方が、喫緊の事項よ! あれがあれば世界征服なんて箸の上げ下げよりたやすくなる、それ以上の事だって簡単にできる神の発見なのよ!」 後輩「(世界征服って……この人が支配する世界になったら、どうやって生きていけばいいんだろう)」
[307]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:17:59 ID:??? 後輩は暗澹として俯き、恐怖した。 科学部がこの白衣の娘に支配されているのは、彼女の人を人と思わない傍若無人かつ強気な性格もあるが、 それ以上に娘が並はずれた科学知識と技術を持っている事にある。 娘の発明・開発された発明品・新技術は月単位で特許認定され、 一高校に大学か研究所かと思わせるほどの設備を特許使用料で整えてしまっている。 また、東大や京大などが彼女を迎えるために激しい条件交渉を行っていて、 その過熱ぶりがテレビで取り上げられるほどの時の人でもあった。 そんな偉業と名声を抱いた若き天才科学者に、誰も対等な口をきけるはずがなかった。 後輩「あ、あの……」 娘「なにっ!?」 後輩「はっ、はい……ほ、本当に警察に通報しなくていいんですか」 娘「あれを盗んで利用できる犯人相手なんて、どうせおまわり程度じゃどうにもならないわ。 私の頭脳と執念で、必ず私自身の手で取り戻す! そして犯人を捕まえて、死んだ方がマシと思う程の罰を与えてやるわっ!!」 後輩「は、はいっ(あー、終わったな、犯人)」 逃げるように立ち去る後輩を見届けた後、入口へと走り周囲を確認して荒々しくドアを閉め、 そのままの勢いで両頬を両手でパンパンと叩いた。 娘「(落ち着きなさい、指紋や遺留品はもう確保した、盗まれた物も分かっている。 後は私の頭と発明品を使って、犯人を突きとめるだけよ、だから落ち着きなさい、紐緒結奈!)」
[308]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:31:01 ID:??? ワールドユース大会が終了した数日後。 帰国後の様々な祝賀会も全て終わり、 日本サッカー協会に残された仕事はユースメンバーを解散させるのみとなった。 午前9時少し前、協会本館廊下。全日本ユース監督の見上と賀茂は談笑していた。 賀茂「見上監督、全日本ユース優勝おめでとさん」 見上「はは、この数日選手からもお偉方からも、会うたび会うたびそう言われる。 普段なら煙たがっていい加減にあしらうところだが、やはり」 賀茂「嬉しいんだろ、そうだろな、まぎれもない快挙だからな」 見上「ああ」 普段は謹厳で知られた見上の顔が、わずかにほころんだ。 賀茂「名実ともに日本サッカーの黄金時代到来だな。Jリーグもこれで設立決定したも同然、 優秀な若者がぞくぞくとサッカーを志すようになる。 俺達にとっても待遇面に日があたるだろうし、野球の影扱いされずに済む」 見上「まあそんな良いことばかりじゃないだろう。少なくとも色々面倒な事が今以上に増えるのは間違いない。 サッカー協会はまだまだ弱体だから、存続そのものを揺るがす大事件が起こる事さえありうる」 賀茂「そりゃそうだが、もう少しはしゃいでもいいんじゃないか? 俺なんか今でも大声で叫んでいきそうで苦しいぐらいだ」 見上「これは性分だ、仕方がない」 そう苦笑しながら2人は事務室に入り、それぞれ自分の席へ進もうとした時、封筒を持った事務員から呼び止められた。 事務員「見上さん、差出人は分かりませんが、見上さん宛てにこの封筒が送られました」
[309]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:33:37 ID:??? 見上「誰かも分からない封筒……?」 見上は事務員から封筒を受け取り、眺めまわしてみた。 表側には「全日本ユース監督 見上辰夫様」とのみ記されていて、特に変哲もない様子である。 見上「何用があって…」 賀茂「選手へのファンレターじゃないのか?監督のお前を通じて、手紙が確実に渡せるようにしようとか」 見上「馬鹿なことを言うな、とにかく開封して中身を確かめなくては」 怪訝になりながら封筒を開けると、中には一通の手紙があった。 見上「拝啓 全日本ユース監督 見上辰夫様」 賀茂「出だしはまとも、っと」 茶化した賀茂の軽口を無視して、見上は手紙の文面を読み上げた。
[310]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:39:07 ID:??? 「ブラジルにおいてのユース代表の御活躍を、まずお祝い申し上げます。 彼らの活躍により、長らく日の目を見なかった日本のサッカーは大いに盛んとなるのは間違いありません。 そして我らの運命も、これより隆盛となるでしょう。 見上監督へ、我々きれぼしJAPANと彼ら全日本ユースとの対戦を希望します。 我々がどのような集団であるかなどは答える必要がありませんし、 否応なく試合を受けざるを得ないあなた方には知っていても無駄と言うほかありません。 あなた方に選択の余地はありません。このサッカーでの対戦の申し出に対し拒否は勿論の事、 こちらの要求に対する一切の部分的訂正要望も、拒否の意思ありとみなして相当の制裁を行使する所存です。 最後にこの試合参加への表明方法についてですが、この手紙を受け取った翌日12時までに、 日本サッカー協会正門の2本のフラッグポールのうち、 1本は日本国旗を半分の高さまで、もう1本は頂上まで掲げる事で承諾の意思とみなします。 良き返事を得られる事を期待しております。 敬具 きれぼしJAPAN監督より」
[311]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:45:11 ID:??? 見上「……以上だ」 賀茂「…脅迫状、らしいな」 見上「らしい、じゃない。れっきとした脅迫状だ」 賀茂「脅迫状、ねえ……イタズラじゃないか?きれぼしだのなんだの、訳の分からんことも言ってるし、 有名になればこんなの珍しくないだろ。まともに取り合うだけ馬鹿を見るぜ」 見上「うーむ……」 先着(順番通りじゃない書き込みは無効。本スレにコピペ前の書き込みも無効です)で 脅迫状?→ !card と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。 ダイヤ「すぐに上層部へ連絡し、対策を取らなくては」 ハート・スペード「一応上層部には報告しておくが……」 クラブ(悪戯だろうが…何か気になる) クラブA「放っておこう、どうせただのイタズラだ」
[312]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/03(水) 13:46:42 ID:??? 今日はここまで。前もって用意した文章を投稿するだけで こんなにドキドキするようで本当に大丈夫だろうか……
[313]森崎名無しさん:2012/10/03(水) 14:02:51 ID:??? 脅迫状?→ ダイヤ7
[314]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/04(木) 12:18:00 ID:??? ★ダイヤ「すぐに上層部へ連絡し、対策を取らなくては」★ 見上は手紙を封筒の中に入れ直した。これは間違いなく本気の脅迫状である、 彼の中の勘が強く心に働いていてもたってもいられなくなり、協会会長の ところへ向かおうとした。 賀茂「おい、本当に行くのか、ガセだったらどうすんだよ」 見上「イタズラならこの手紙をティッシュ代わりにかんで捨てるだけでいいが、 相手が本気ならどうなるか分からん、行くべきだろう」 賀茂「そうかい、けどあの上のボンクラ達がまともに聞き入れるかねえ…」 見上「言うだけ言うさ、どのみちこれはすぐに報告しなければならない代物だ」
[315]きれぼしサッカー大決戦(仮) ◆fM2NOXdVR. :2012/10/04(木) 12:34:03 ID:??? ‐数時間後‐ 会議室から退席した見上は、やるせなさをぶちまけるように大きくため息をついた後、 独り言をつぶやいた。 見上「やはり駄目だったか……」 賀茂の予想通り、会長をはじめとした役員からは信じてもらえなかった。 そのような事が起こるはずがない、そうした空気が会議所内を支配していた。 見上の熱弁により、協会内のスタッフに注意勧告が行われることとなったが、 警察への報告もする必要なしという事になった。勿論彼らの要求に対しても なんらの反応も示さない事になった。 見上(まあ分からない事でもない、かれらの経歴の殆どは 寒々しい日本のサッカー環境ばかり、黄金世代の熱闘も直接感じた訳ではない。 これまでと大きく状況が変わった事に理解が追い付いていないのだろう、だが) 見上は会議室のドアを見る。 見上「何事もなければいいが…」 見上はその場を立ち去った。日本サッカーにとっては不幸な事に、彼の予感は 現実のものとなる。そして彼の予感以上の抜き差しならぬ衝撃が、 全日本ユースを襲おうとしていた。
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0ch BBS 2007-01-24