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【本当の】ファイアーモリブレム38【偽物】
[812]森崎名無しさん:2012/07/11(水) 21:26:20 ID:??? ★運命の足音→ スペード2 ★
[813]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 22:20:50 ID:??? ★運命の足音→ スペード2 ★ >スペード・クラブ→仮面をつけた大男の大群が裏口から一挙に押し寄せてきた! ド ガ シ ャ ー ン ! ! 裏口の壁を破壊しながらなだれ込んできたのは筋肉隆々の仮面の男たちだった。 その集団の先頭に立つ、一際巨大な男が図体に似合わない幼稚な口調で喋り出す。 ローロー「ウキキ、アイネー助けに来たぞー」 アイネ「あっ……」 オグマ「貴様、何者だ。カタリナを助けに来たと言ったな。お前も暗殺組織の手先か」 ローロー「テサキ?違う違う、俺はローロー。いい名前だろぉ?ウッキッキー」 全く臆せずにふざけた態度で言葉を返す姿に、オグマは鋭い視線を向け緊張を崩さない。 オグマ「(数が思った以上に多いな。さすがにこの状況じゃ姫や王子たちを庇いながら戦うのは無理か…?)」 ローロー「ささ、逃げ道は確保しといたからさー。今回は失敗したけど、また今度殺そう。今はとにかく逃げろ逃げろー」 アイネ「で……でも、私…私は……」 ローロー「またクライネに怒られるぞー。エレミヤ様にも怒られるぞー。ウキッ」 アイネ「!」 ローローと名乗った男の言葉を聞いた瞬間、アイネの表情が変わるのをマルスは見逃さなかった。 マルス「(クライネ……エレミヤ。それがカタリナに暗殺を命じた人間なのか?)」
[814]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 22:21:50 ID:??? アイネ「(そうだ……私はなんて身勝手なことをしようとしてたんだろう。 ごめんクライネ。ごめんローロー。あなた達を置いて私だけ幸せになろうとしてただなんて…… エレミヤ様。こんな出来損ないな私ですみません。少し夢の世界に浸りすぎておかしくなっていただけです)」 初めて残飯以外の食べ物を与えてくれた人。それこそ先ほどのシーダ以上に聖母のような温かみのある微笑みで 自分だけでなく、似たような境遇の大勢の子供達に別け隔てなく慈悲を授けてくれた大事な大事な…… アイネ「すみませんシーダ様。あなたがマルス様を一番に考えているように、私にも一番に考えなくてはいけない人が……いたんです。 その人を守るためならばこの身が灰になろうとも構わない。……そんな人が」 シーダ「カタリナ…!ま、待って!待ちなさい!」 シーダの手をするりと交わし、ローローの側へと駆け寄るアイネ。 アイネ「ごめんなさいみなさん。やっぱり私は『カタリナ』ではなく『アイネ』なんです。 皆さんと過ごした楽しかった日々は絶対に忘れません。…それでも私は私でありたい。 私に生きる意味を教えて下さったあの人のために生きていたいから。 それがたとえ、大事な人達を傷付けるような命令を下すような人でも」 マルス「……それが君の答えなのか、カタリナ」 アイネ「すみませんマルス様。この証はお返しします。私はどう足掻いてもあなたの近衛騎士になることはできませんので」 明日の叙勲式で正式に受け取るはずだった正騎士の勲章を、アイネはマルス達の方へと放り投げる。 アイネ「(そう。これでいいんだ。私はあの人の教えを守ると心に誓ったんだから。 たとえ血のつながりがなくたって、私たちは家族。 家族の幸せを願わずに、自分の幸せだけを追い求めるなんて私には……できない)」 ローロー「ウキ?なんだかアイネ様子がおかしいぞ。あいつらに何か言われたのか?」
[815]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 22:23:30 ID:??? アイネ「いいえ、なんでもありません。とにかく今は退きましょう。 もっと戦力を集めなければ彼らを倒すのは困難です。今回はそれが分かっただけでも良しとしましょう」 ローロー「アイアイサー。マルスー、今度は俺とも遊ぼうなー。ウッキッキー!」 ロディ「ま、待て!カタリナ!待つんだ!私たちは一緒に近衛騎士になると誓い合ったんじゃなかったのか! あの夢の語らいも!全てが嘘だったというのか!カタリナーーーっ!!」 オグマ「ちいっ、駄目だ!この仮面の連中を片付けんうちにはとても近づけんよ!」 シーダ「……どうして」 悔しさに唇を震わせながら、床に拳を叩きつけることしかできない。 シーダにとってマルスが一番大事という言葉に対してまたしても何も言い返すことができなかったからだ。 シーダ「どうして言ってあげられなかったの?大事なものに順序なんてつけられないって…… 誰が大事じゃない。何が大事なのかってどうして言えなかったんだろう……」 この心の弱さを克服しない限り、自分に彼女を説得する権利なんて無いとシーダは悟った。 そして彼女の心の扉を開けるのは、きっと。同じ従騎士としてもっとも苦労を長く共にしたクリスにしかできないと思うのだった。
[816]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 22:25:27 ID:??? その後、森崎隊とジェイガン率いる本隊が合流したことでなんとか賊たちを一掃することに成功する。 だが、肝心のカタリナには逃げられてしまった。彼女を取り戻すことができなかったとクリスは酷く落ち込んでいた。 マルス「クリス、これを預かっておいてくれないか」 クリス「……これは?」 マルス「明日の叙勲式で使うカタリナ用の勲章だ。……僕はまだ諦めたくない。 君たち第七小隊を近衛騎士にしたいと願ったのは何より僕自身なんだ。 だから、いつの日か彼女がここに戻ってきた時に君の手から渡して欲しい」 クリス「私が……」 マルス「彼女の任務は僕の暗殺。きっとまた近いうちに現れるはずだ。 君には僕を護衛して欲しい。そしてもし出来るなら…彼女を救ってあげて欲しい。 それはきっと、君にしかできないことだ。アリティア王宮近衛騎士特別部隊の隊長として。 いや、彼女の親友として。クリス、君の手で……」 クリス「……はい。いつの日か……必ず」
[817]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 22:26:29 ID:??? アリティア城での賊侵入の騒ぎは夜明け前にはすっかりと収まっていた。 幸いなことに地球側からの招待者たちには気取られること無く、 事件はアリティアの既視たちの胸の中だけに秘められることになる。 翌日。クリスたち従騎士にとって、待望の夢だった正騎士昇格の儀式の日。 そして森崎にとって、アカネイア大陸に別れを告げ己の夢の挑戦のために新たな異国へと旅立つ日でもあった。 ★それぞれの出発→!card★ !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します ダイヤ・ハート→受勲式が終わるまで時間が出来た。最後のあいさつをして回ろう スペード→すぐに戻らないといけなかったが、受勲式を後回しにしてまでみんなが見送りに来てくれた クラブ→もうフライトの時間が迫っていてすぐに戻らないといけない?そ、そんなァ… JOKER→受勲式の会場にて。森崎はマルス達から聞いた仮面の男のことを思い出していた。
[818]森崎名無しさん:2012/07/11(水) 22:27:02 ID:??? ★それぞれの出発→ スペード5 ★
[819]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 23:24:19 ID:??? ★それぞれの出発→ スペード5 ★ >スペード→すぐに戻らないといけなかったが、受勲式を後回しにしてまでみんなが見送りに来てくれた 片桐「では、我々はそろそろ失礼致します」 ニーナ「サッカーという文化に、共に実りあらんことを遠い異国の地から祈っています」 アリティアカップを終え、肉体的にも精神的にも『プロ』としての力を身に付け始めている日本リーグの選手たち。 そしてドイツ・ブンデスリーガへと挑戦する森崎有三。 彼とチームを共にする若き司令塔シェスター、核弾頭マーガス、黒豹ビクトリーノ。 そして引き続き日本サッカー協会とアカネイアサッカー協会のパイプとなるべくモロドフが日本へと戻る時間がすぐそこまで迫っていた。 森崎「今頃あいつらはマルスから勲章をもらっている頃かな?」 シェスター「俺たちドイツの人間からしてみれば、異例の事態だけどな。 腕っ節さえ良ければ出生を問わずに騎士の位を授けるだなんてイカれてるとしか思えない」 マーガス「だな。まぁここらの話はそれぞれのお国柄の事情もあるはずだろう。 2年前の戦争で多くの兵士が傷つき倒れたのが原因って話だったし」 ビクトリーノ「……紛争ってのはどこの国にもあるからな。この間のワールドユース大会も 噂じゃ紛争のせいで中止になるまで追い込まれたって聞いてるぜ」 森崎「えっ、それってマジかよ」 片桐「マジもマジさ。一時は開催地を日本に移すことも検討されたが、 ブラジルの協会の方が尽力されてな。特にロベルト本郷氏の力がなければ大会自体がなくなっていた可能性もあった」 森崎「へ、へ〜。あのおっさんにそんな権力があったとはね」
[820]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 23:25:57 ID:??? 片桐「おいおい、仮にも元ブラジルの10番を背負った男になんて口の聞き方だ。 確かに少々奇異な噂も聞いているが、彼のような選手としても監督としても大成した人物は稀だぞ」 森崎「(まぁそんなロベルトが指揮したブラジルユースを倒したのが俺たち全日本ユースなんだけどな。ウッシッシ)」 ニーナ「それではモロドフ殿、よろしくお願い致します。なれない異大陸の生活を押し付けてしまうことになってすみませんが…」 モロドフ「いえいえ、住めば都という言葉もあります。今ではすっかり日本食が口にあうようになってしまいまして。 森崎殿、私も暫くの間はお主と共にドイツに滞在する予定となっております。 以前のように手紙の受け渡しなどもお任せください」 森崎「そうか、モロドフさんは一緒に来てくれるんだ。なんだかちょっとホッとしてるよ」 アカネイア大陸のあらゆるものと別れる覚悟もあっただけに、内心安心する森崎。 だが、肝心の別れの瞬間に見送りが一部の人間だけというのも少しさみしいところである。 森崎「……いろんなことがあったなァ。辛いことも悲しいこともあったけど、それでも俺はこの大陸のことが好きだったんだと思う」 目を閉じればすぐにでも思い出せる数々の風景。もしかすれば幸運だったかもしれない。 なぜなら、いざ彼らに見送られては別れが名残惜しくなり夢へと足を踏み出す勇気が鈍ってしまうかもしれなかったから。 森崎「……よし、そろそろ行こうか。俺の次の戦場はドイツ・ブンデスリーガなんだから!」 最後にアリティアの雄大なアンリの丘を瞳に焼き付けてから地球へと続く異界の扉に足を踏み入れようとする森崎。だが、その時―― バ コ ォ ン ! !
[821]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/11(水) 23:28:14 ID:??? ボールが蹴りこまれる音が耳に入ってくる。反射的に振り向きそれをキャッチする。 ふと顔を上げたその視界に飛び込んできたのは、本来ならこの場にいないはずの見知った顔、顔、顔だった。 森崎「み……みんな!!」 アベル「森崎、しっかりな!」 カイン「がんばってこいよ、森崎!!」 トーマス「ドイツのやつらに負けるなよ!!」 マリク「君なら大丈夫だ、森崎!!」 オグマ「森崎!俺たちアカネイア大陸の代表としてがんばってこいよ!!」 ライアン「世界一のサッカー選手になってください!!」 クリス「私も…いいえ、私達みんな、みんなが応援しています!!」 マルス「だから君は夢を…自分の夢を叶えてくるんだ!僕も夢を叶えてみせる! それが僕達の新しい『誓い』だ!忘れるな森崎!また、いつか必ず――」 森崎「……ああ。またいつか一緒に――」 『『いつかまた一緒に、サッカーしような!!』』 別れを告げるにはあまりにも短すぎる時間だった。互いの思いを伝えるにはとても足りない。 それでも。彼らの想い、願いはこの手にしっかりと伝わったから。だからきっとこれからも負ける気はしない。
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0ch BBS 2007-01-24