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【復活の】キャプテンEDIT35【号砲】
[511]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:03:45 ID:??? スタッフA「あと、東京に帰る前に一泊していいんですって。激務に戻る前に骨休めできますよ(俺はコイツ置いて帰りたいけど)」 女子アナ「ったく、だとしてもこんなド田舎じゃロクに遊べないじゃないの。 せいぜい、この私の美貌にやられた男の賞賛の言葉を聞くくらいしか楽しみが無いわねっ!」 スタッフB「はぁ……(自意識過剰、乙)」 観客たち「おい、見ろよ! とんでもない美人がいるぜ!」「ヒューッ!」 女子アナ「そうそう、こんな感、じ……?」 黄色い歓声に応えようと振り向いた女子アナが、ピシリと音を立てそうな勢いで身体を強張らせた。 早苗「どうしたんですか神奈子様、諏訪子様? そんなに浮かない顔をして。 ほら、武居キャプテンも縮こまってないで上げていきましょうよ!」 神奈子「ふぅ……(一応、お守りを渡したりしておいたけど、大丈夫かしら鳴紋中)」 諏訪子「あーうー(会場も何か妙な雰囲気なァ。悪い予感がするよ)」 武居「ま、待ってくれ早苗さん! くそっ、スカートはまだ慣れないな……(巫女服なら、袴の亜種みたいなもんなんだが)」 観客たち「昨日の赤口中の選手たちだ!」「アイツらも観に来たのか!」「早苗さんこっち見てー!」「制服! キャプテンのセーラー!」 「神奈子様ー! 俺だー! 高圧的で蔑む眼差しをしながら踏んでくれー!」「あーうー! ケロちゃん可愛いよー!」 「やっぱ美人揃いだよなー。赤口中のヤツら、あんな子らと部活できるなんて羨ましいなー」 女子アナ「ぬぐぐぐ……」 昨日、鳴紋中との試合では惨敗したといえど、女性ながら観客を惹きつける好プレイを幾度も魅せた赤口中の面々。 その登場に、野次馬の男連中の注目は完全に掻っ攫われていた。 スタッフA・B((ざまぁ))
[512]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:04:57 ID:??? 女子アナ「ふ、ふんだっ! あんな連中、セットでいてナンボよ! 真の美女とは、孤高でいてなお輝くものなのだわ!」 観客A(サクラ)(でも、単品でもあの子らの方が可愛いと思うけどな) 観客たち「おっ、あっちにも美人いた!」「どこだどこだ!?」 女子アナ「ほらっ! やっぱり分かるヤツには分か、る……」 意気込み直して振り返った女子アナは、再び石の様に固まる。そこにいたのは、 菱野「はぁ……(また特訓に失敗してしまいましたわ……どうすれば監督の様に選手の方々を上手くお手伝いできるのでしょう?)」 観客たち「鳴紋のマネージャー!」「選手より先に会場入りか」「あんな子に毎日お世話されてたら、俺も部活頑張ってたのに」 「やっぱり美人だよなぁ」「もう彼氏とかいるのかなー……」「そーいや、前に大前と街歩いてるの見たぜ。しかもクリスマスに」 「マジかよリア充爆発させてくる」「よせ、逆にお前がクリアボムで吹っ飛ぶ!」 しっとりとした溜め息を吐きつつ、気も漫ろな様子で歩く少女。 その麗姿は、男たちの注目を先程の赤口中の面々とで完全に二分していた。そんな中で完全に忘れられている女が一人。 女子アナ「…………」 スタッフA・B((ざwまwぁwwwwww)) 女子アナ「……ちっくしょー! スタッフ、試合中はアイツらにカメラ向けるんじゃないわよ!? あくまでも! 番組の主役は! この私だからねー!?」 観客B(サクラ)「いや、選手じゃないのかよ……」
[513]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:06:02 ID:??? ……そんな騒動を余所に、選手たちが会場に入り始める。 菅原「うおー! テレビだテレビ! 今日の試合、テレビに映るんすね! これで俺も銀幕デビュー!」 染岡「銀幕は映画だ、このおバカ。それを言うならお茶の間だろう」 江藤「こんなにも染岡さんと菅原で意識が違うとは思わなかった……!」 長谷部(テレビカメラの前で鳴紋相手にキーパーなんて、どんな罰ゲームだよぉ……俺と同姓の誰かが代わってくれないかな……) 金成「テレビくらいでいちいち騒ぐな、馬鹿どもが」 上遠野「金成。……そういえば、お前は一度全国大会でテレビに映った事があったんだったよな」 金成「……思い出したくもねェ昔の事だけどな。だが、今日は違うぜ? これから鳴紋中の無様な姿を全国に流せるかと思うと、今から笑いが止まらないくらいだ……けけけけっ!」 池垣(……? なんだ、この金成の妙な自信は? はっきり言って、鳴紋との戦力差は絶望的にさえ思えるのだが――) 何度も惨敗を喫した相手と自分たちの試合が、全国に中継されるという事態にも関わらず、金成は楽しそうだった。 その様子を訝るチームメイトも数人いたが、金成の自信の根拠を見透かすには至らなかった。 清栄学園監督(か、金成よ……信じていいのだな? 今回の計画は独自に進めていたと聞いているが、成算はあるんだな? あの小豆沢を後退に追い込んで全国出場を決めた時の様に、なんとかしてくれるんだよな? でないと……これ以上、鳴紋中に負けてしまうと、私の首が危ないっ!)
[514]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:07:11 ID:??? 金成「……っと、ちょっと俺、便所行ってくる。先にミーティングでもしててくれや」 上遠野「おいおい、無責任だなあキャプテン殿」 金成「別に良いだろ。決勝っつったって、やることに変わりはねえんだ。お前らはいつも通りやっていればそれで良い。 いつも通りに、な。……くけけけけっ!」 染岡「いつも通りに、か……(それで何回鳴紋に負けているんだか)」 そうして、金成はチームメイトたちの輪を抜けて、一人会場内を歩きだす。 だが、向かう先は告げたとおりのトイレではない。人気の無い一角に、ポツリと置かれた公衆電話。 ちらりと周囲に視線を走らせ、盗み聞きする様な人影が無い事を確認すると、ポケットからテレフォンカードを取り出す。 金成「『あの局』の撮影スタッフが来たってことは、それなりに俺の提案に本腰をいれてくれたんだろうが……。 念の為に確認しておくか。ここにきて梯子を外されちゃ、堪らないからな……」 言いながら、電話を掛けた先は――
[515]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:09:19 ID:??? 〜東邦学園理事長室〜 ブラインドが下ろされ、日中にも関わらず闇が蟠る様な暗い室内。 東邦学園サッカー部キャプテンにして理事長、そして株式会社ヒューガー代表取締役・日向小次郎は、黒革の椅子に巨体を沈めながら、 退屈げに耳元に受話器を当てていた。 金成『例の計画、手はずの通りに進んでいますかね社長?』 日向「ああ、問題無ェ。現地の工作員からは、首尾は上々だと報告が入っている。 ……俺としちゃあ、お前がトチる方が余程心配なんだがな?」 金成『くっくっくっ……それについては問題ありませんよ。予定次第にコトが起これば、後は簡単ですから』 日向「期待しているぜ? お前らの相手には、俺のチームも去年、不愉快な目に合わされたんだからな」 金成『任せておいてください。その屈辱は、俺らがまとめて晴らして見せますよ。……この俺の三年間の分も、含めてね』 日向「フン……話は終わりだ。切るぞ」 そう言うと、先方の返事も聞かないままに受話器を降ろした。 ついでに、デスクの上に置いていたコーラの瓶を引っ掴むと、ぐびぐびと音を立てて飲み干す。 日向「ぶふーっ! やっぱりコーラは最高だぜ! 不愉快な会話も、炭酸の刺激でスッキリ洗い流せる……」 側近A「社長……よろしいのですか? あのような小物が持ちかけて来た取り引きに乗るなどと」 日向「ふんっ。丁度しておきたかった『実験』があったんでな。ヤツの提案は渡りに船だったんだよ」 そう言い、中学に入ってからの運動不足と、主にコーラの飲み過ぎ過ぎで膨らんだ腹を傲然と揺らす。
[516]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:10:20 ID:??? 上司の不遜な態度に、一抹の危惧を覚えた側近は、不興を承知で敢えて声を上げる。 側近A「しかし、それでも危険な行いではありませんか? もし事が露見した時に、ヤツが社長のことを話したりしたら――」 日向「くっくっくっ、そうだな。大変なことになるだろうな」 側近A「――そ、そうです! ですから、今からでも現地に中止の命令を出しては」 日向「馬鹿が。だからお前は、その年で小間使いみたいな側近どまりなんだよ」 そう言い、鼻を鳴らしながらデスクの引き出しから何かを取り出す。 ポータブルサイズのステレオラジカセだった。 丸く太った指が、ポチリと再生ボタンを押す。 金成の声『――というわけで、つきましては社長にご協力をお願いしたく――』 日向の声『くだらん。この俺、大正義ヒューガーの社長ともあろう者が、そんな企てに手を貸すものか(棒読み)』 金成の声『なにィ!? くっ、こうなったら俺一人でも――』 そして一時停止。
[517]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:11:36 ID:??? 側近A「い、今のはなんです?」 日向「くくくっ。ヤツから取り引きを持ちかけられた時に、少し焦らしてみたら、思ったよりも過敏に反応してくれてな。 それを録音したテープを、傘下のテレビ局の音響スタッフに命じて編集させたのさ。 ヤツが後から何を喚こうと、この『証拠』の前では無力同然、という訳だ。リスクに対し、保険を用意するのは経営の基本だぜ?」 側近A「うっ……」 暗い笑みを漏らす日向が醸す圧力に、側近Aは思わず呻いた。 この狡猾で周到なやり口、断じて金を持っただけの並の中学生が為せることではない。 日向「さて、と。そろそろ試合の中継が始まる時間だな。『実験』の結果とヤツの手腕、楽しませて貰おうじゃねえか。 ……はーはっはっはっはっ!!」 側近A(もっともらしい事を言って大物ぶってるけど……凄く大人げなくないですか? 社長……)
[518]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:12:36 ID:??? 〜ミーティング〜 陰謀の黒い手が伸びていることなど露知らず、鳴紋中サッカー部の面々は決勝前のミーティングを行っていた。 やす子「よし、みんなきけ。いよいよ清栄との決勝戦。今回は昨日決めた通りに3−5−2のシステムで行くわよ。 詳細なフォーメーションはこの通りよ」 言いつつ、選手に見立てたマグネットを張ったボードを叩く。 −F−H− F比良山 H大前 −−−−− −−I−− I雪村 G−−−J G達也 J宇津木 − .CE .− C浅村 E本多 −−−−− −DBA− D水守 B輝林 A末松 −−@−− @渡会 比良山「本多と浅村のダブルボランチで攻撃を押さえつつショートカウンター狙い。 相手がゴール前を固めるようなら、サイドの大前弟と宇津木を活用し、横に揺さぶってクロスを狙う。そんな感じですか」 国岡「手堅過ぎて面白みがねえなあ?」 事ここに至ってもスタメンから外されているのが気に食わないのか、皮肉を言う国岡。 この布陣の提案者である大前は、思わずムッとする。 大前「……けど、リスクのある博打を打たなくても、堅実に中盤を押さえて行けばそれだけで押し勝てる。 その確信があるからこそ、提案したつもりだ」
[519]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:13:40 ID:??? 雪村「そうだね。清栄は結局のところ金成とツートップの突破力頼みなところがあるチームだし。 ダブルボランチが機能すれば、それだけで相手を封殺出来ちゃうかも」 宇津木「もし抜かれてもDFを固めた俺たちに隙は無かった。CBを任された三人はスリーバックとは思えない超パワー! もしヤケクソのロングボールが上がってもGKはとびだしに強いので、絶望しひややせかきながら無残に落下してくる ボールにバスター(最強攻撃)を食らわせられる。素晴らしい布陣だ素晴らしい」 渡会「(バスターってなんだ……)宇津木が大前を褒めるなんて、珍しい事もあるもんだ」 宇津木「第三者の中立的立場から客観的な意見を言ってるだけなんだが……」 水守「いや、出場する選手が第三者なわけないと思うんだけど」 末松「ともかく、この布陣なら金成をギャフンと言わせられるね〜!」 浅村「末松さんの金成嫌いも筋金入りっスね……(俺も清栄学園には色々とあるっスけど)」 やす子「おうおう、選手同士で盛り上がっちゃってまあ。私の仕事の半分くらい片されちゃったじゃないの」 発表されたフォーメーションについて話し合う選手たちに、飯地監督は目を細めた。 全国出場を賭けた試合を前にしても、余計な気負いも勝った気でいる緩みも無い。理想的なテンションだ。 達也「……あれ? そう言えばマネージャーさんは? こういう戦術とかの話になると、いつも生き生きして話に加わって来たのに」 と、達也が疑問の声を上げる。
[520]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/05/22(火) 01:15:35 ID:??? 大前「ん? ……ああ、菱野さんならちょっと出ているよ。後援会から差し入れが届いたって言うから、受け取りに行ったんだ」 やす子「大前くんが手伝おうとしたら『大丈夫ですから試合に集中してくださいませ(裏声)』だって。いじらしいわねー」 大前「……監督、そのモノマネ似てないですよ」 やす子「なにィ!」 … … … 配達員「こちら、後援会の方々からの差し入れになります」 菱野「わざわざありがとうございます(……妙ですわね。今までこんなお届け物を頂いた事は無かったはずなのに)」 不思議に思いながらも、荷物を受け取る菱野。 モブ部員A「うわー、重そうですねコレ」 モブ部員B「先輩、俺らが持ちますから先に皆の所に戻っていいですよ」 菱野「いえいえ。私、動いている方が気が紛れて楽ですから」 特訓失敗のことを引き摺っているせいか、中身が詰まった段ボール箱を持ち上げようとする菱野。が、 菱野「お、重いです……」 モブ部員A「あらら、言わんこっちゃない」 荷物の重みによろめく菱野。その拍子に、中身がチャプンと小さく水音を立てる。
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0ch BBS 2007-01-24