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【行く者】キャプテンEDIT36【残る者】
[759]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:53:58 ID:??? 森崎「へぇ? お前自らが来てくれるかよ? ……面白ェ!」 かつては最も頼りとしたチームメイトだった男とのマッチアップ。 そのシチュエーションに、森崎の中で常の功名心とは別の何かに火が着いた。 この時ばかりは、打算に満ち溢れていた彼の内心も、原始的な闘争本能に支配される。……それが中山の付け目だった。 中山(俺との対決に燃えてくれるか、森崎? 嬉しいことだ。だが――) 一方の中山はそれに流されず、猛然と森崎に向かうふりをして密かに速度を調整。忍びよる仲間たちと呼吸を合わせる。 中山「――真っ向勝負は、またの機会だ! 今は確実にお前から奪う!」 森崎「っ!? なにィ!」 正面から中山がタックルを仕掛けてくる。同時に、側面から浦辺と岸田が迫り、西尾がバックパスを遮断する位置へ。 浦辺「お前と翼対策の大友カルテット四人がかりだ!」 岸田「ちょいとリスキーだが、ここでお前から奪って先制するぜ!」 西尾(スナイパーへ合図は……まだ早いか) 実況「い、いつの間に!? 大友中、四人がかりで森崎くんを囲む! CBの西尾くんまで上げての包囲網だ! 大友中、一か八かの賭けに来たか!?」 森崎「(中山に挑まれたら応じるだろうって、最初から読んでいたのか!?)ちっ、あこぎな真似をしやがって!」 浦辺「へっ、王者を気取るんだったら、あこぎな手の一つや二つ、跳ね返してみやがれっ!」 中山「そういうわけだ、悪いが頂くぞォ!」
[760]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:55:05 ID:??? 雪村(TV観戦中)「出た! 大友中の連携ディフェンス!」 比良山(TV観戦中)「一度は大前が破ったが、森崎に通じるか……?」 大前(TV観戦中)「中山も、あの練習試合以来ブランクを埋めようと必死だったはずだ。もしかしたら――」 固唾を飲んでこの攻防を見る者たちの前で、森崎は奮闘していた。 四人がかりで包囲された狭いスペースの中、あらん限りのフェイントを尽くして打開を試みる。 森崎(まずはタイミングをずらして、包囲に隙を作る!) 浦辺「し、シザースフェイント!?」 岸田「しまっ、ぎゃ、逆か!?」 森崎(次に、後ろでちょこまかする野郎を料理して、本命を相手取れる余地を作って――) 西尾「な、なんで後ろ向きに突っ込んでくるー!?(やばっ、バックチャージにならないようにしないと!)」 森崎「でもって、最後ォ! お前を抜いて終わりだ、中山ァーっ!」 中山「……させんっ!」 神がかったフェイントの応酬で大友カルテットのほとんどを攻略する森崎だったが、最後に立ちはだかった相手はそうもいかなかった。 横をすり抜けんとする森崎の足元を、中山の左足が微かに捉える。
[761]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:56:06 ID:??? ――バチィ! 森崎「ぬお……っ!?」 中山「ぐゥ……っ!?」 そしてボールはこぼされた。 実況「な、なんという攻防! 森崎くん、あわや四人抜きというところでボールをこぼされた! GK離れした凄まじいドリブルテクニックです! しかし、この勝負は大友中の勝ちだ! 彼らは森崎くんを止めさえすれば、それでいい! 南葛ゴールはがら空きという無防備状態を晒しているぞォ!」 墨田(TV観戦中)「と、止めたァ!? あの、森崎の常識離れしたドリブルを!?」 若尾(TV観戦中)「お、大友中の大チャンスだぜ!?」 南葛応援団「ぎゃーっ!?」「や、やっちまいやがったァ!?」「だから! オーバーラップするなら状況読めよーっ!?」 大友応援団「チャンス! 千載一遇のチャンスだ!」「誰でもいいから、拾ってシュートしろォ!」「先取点、貰ったーっ!」 悲喜交々の声が上がる会場。喧騒に包まれた中、運命のボールを拾ったのは、 只見「な、ナイスディフェンス!」 大友中の只見だった。 実況「こぼれ球を押さえたのは大友中! 空っぽのゴールにボールを叩きこめば、それで彼らの先取点です! しかァし――!」
[762]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:57:06 ID:??? 翼「……中山が離れたってことは! 俺が動けるということでもあるんだぞ!」 実況「――今度はこの人が動いた! 翼くんが只見くんに猛然と突っ込む!」 浦辺・森崎「「げぇーっ!?(折角のチャンスがっ!?)(俺のミスをコイツにカバーされたら、良い恥さらしじゃねーか!)」」 只見からボールを奪い返そうと、水を得た魚の様に生き生きと突っ走る翼。 その姿に奮闘を無にされかかっている浦辺と、彼の活躍を望まない森崎が悲鳴を上げる。 しかし、この男はあくまで冷静だった。 中山「……多少雑でも構わん! 放り込めっ!」 只見「わ、分かった!」 中山の喝が飛ぶや否や、翼に着かれる前にボールを蹴り込む。 只見の蹴ったボールは万全とは言い難い体勢だった為か、山なりのハイボール。 前で待つ新田にとっては、不得意な形である。 新田「……このっ! 決まれっ!」 それでも新田は、強引にヘディングで決めに行く。 高杉「舐めるなよチビ助! にわか仕込みの空中戦で、俺に勝てるかっ!」 新田「ぐあ……っ!?(や、やっぱりヘディングじゃ無理か!?)」 実況「高杉くん、頭突きする様な強烈なクリアー! しかし、まだ少し短い! 大友中にまた拾われるぞーっ!?」 中山「……十分だ、新田っ! 貰ったぞっ!」 高杉のクリアーを受けてエリア外ギリギリにこぼれたところを、体勢を立て直した中山がねじこみにいく。
[763]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:58:44 ID:??? 森崎「ちくしょー! 誰か防ぎやがれェ! 俺ももう少しで戻るっ!」 石崎「うるせー! てめェに言われなくたって――げぺぇ!?」 そして石崎の顔面ブロック。中山渾身のシュートは、儚くも防がれて大きく弾かれる。 実況「南葛、これも防いだ! 好機に攻め込んだ大友中の波状攻撃を、幾重もの盾が立て続けにシャットアウト! 森崎くん以外の守りも堅いぞォ!」 輝林(TV観戦中)「……流石は高杉さん、去年はしてやられたものですが」 国岡(TV観戦中)「ハッ! そういやあの細目には苦戦してたっけなァ? 今年は大丈夫なのかねェ?」 大前(TV観戦中)「……言われるまでも無いさ」 末松(TV観戦中)「石崎も堅いな〜。ブロックだけなら輝林並かも〜。さ〜て、これで大友の攻撃は終わりかな〜」 菱野(TV観戦中)「いえ、まだですわ」 石崎のブロックで弾かれたボールは中盤に転がり岩見がフォロー。 岩見「ウチともあろうチームが、撃たれっぱなしじゃないか。そろそろ反撃――」 浦辺「させるかよ馬鹿がァ!」 岩見「――うわァ!?」 しかし、浦辺の強烈なタックルがすぐさま奪い返す。 実況「大友中、食い下がる! 南葛陣内で奪い返し、またボールを持った! なんとしても先取点は譲れないとでも言う様な、気迫のプレイです! ギアをフルに上げて、まだまだ攻撃を続ける気だァ!」
[764]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:59:54 ID:??? 翼「だが、そうはさせないぞ! 石崎くんたちが気迫で守ったんだ! 俺が奪い返す!(それにこのままだと試合から消えてしまう!)」 浦辺「……中山が前に出たとなると、お前が動きまわるよなあ翼。だがよォ!」 只見の時に続いて、素早くプレスを掛ける翼に対し、浦辺は、 浦辺「わざわざ、お前を相手に真っ向勝負なんてしないぜ!」 すぐさまボールを横に流す。 西尾「よしきた!」 実況「翼くん、徹底して相手に避けられています! 彼も中学サッカー界でも最高峰とも呼ばれる名手、それも当然でしょう! しかし、だからこそここは味方の援護が欲しいところです!」 井沢「ちっ……何してる翼ーっ!? 守備に専念するならするで、前にボールを渡せるよう仕事しろォ!?」 本多(TV観戦中)「(仕事だと!?)本来なら井沢が大空の援護に回って仕事をするべき場面なんだがなァ」 雪村(TV観戦中)「彼も修哲小時代は攻撃的MFだったからね。大空がディフェンシブハーフ起用の今回は、攻めに専念したがっている」 宇津木(TV観戦中)「メインMFを助けようともしない浅はかさは愚かしい。 そももも攻めに回ってミドルシュート失敗している時点で攻撃に専念とかいう言い訳は説得力が決壊している。 その点、ひ必要とあらばA+といったところのタックルやパスカットで守備もできる雪村さんは格が違った」 大前(TV観戦中)「それはそうだが……それよりも『あの』西尾が南葛陣内でボールを持ったぞ」 菱野(TV観戦中)「そして中山、新田両選手がゴール近くですわ! これは、出ますわよ!」 大友カルテットによる連携タックルには、副次的効果がある。 それは、本来大友ゴール前に陣取っているべき西尾が、前線に進出すること。 ただそれだけならば守備が薄くなるデメリットであるが、大友中にはこれをメリットに昇華させる秘策があった。
[765]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:01:28 ID:??? 西尾「(こんなに早く使うことになるとは、誤算だったぜ!)うおりゃあああああっ!」 気合一声、西尾が大きく足を振り上げる。 実況「大友中西尾くん、早くもシュート体勢! ゴールまでは35メートルといったところか! センターバックである彼に、この距離から南葛ゴールを奪う手立てがあるというのでしょうか!?」 森崎「へっ! もう俺がゴールマウスに戻っているっていうのに、無謀なロングシュートかァ?」 高杉「(グフフ、森崎まで出番は回さん!)そんなもの、この俺が止めてやるっ!」 石崎「来やがれっ! また跳ね返してやるぜっ!」 中里「(あの目、仔細は分からぬが何かを狙っているでゴザるな)小田! 拙……俺たちも飛ぶぞ! 嫌な予感がするでゴザる!」 小田「分かっ……ゴザる!?」 南葛守備陣の反応は大きく分けて二つ。西尾のロングシュートを見縊ってかかるか、何かあると見て警戒するか。 だが、どちらに転んでも大友中の思う壺だった。 西尾を甘く見て備えが甘くなれば、それはそれでよし。そして西尾に気を取られれば取られるほど、このシュートは防ぎにくくなる。 西尾「(しめたっ!)行けェ!!」 実況「そして、西尾くんがシュートォ!! しかし、確かに西尾くんはノーマークでしたが、やはり少し距離があり過ぎるのでは……!?」
[766]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:02:34 ID:??? 森崎「浦辺も新技を覚えていたからお前にも何かあるんだろうが……大したことなく見えるぜ! 軽くキャッチしてやらァ!」 高杉・石崎「「(誰がお前に回すかよ!)俺たちが止めるぞーっ!」」 中里「ふ、普通のシュート!? いや、きっと何かがある!」 小田(本当かなあ……) 中山「(甘く見過ぎたな、森崎! 中里とやらも良い勘だったが、惜しかったな!)ここだ! 新田ァ!」 新田「ええ! 分かってますって!」 合図を出すと同時に、中山が新田と共に宙へ身を躍らせた。 森崎「なにィ!? こ、この態勢は――」 新田「喰らえ、森崎ィ!」 西尾「これが俺たちの編み出した――」 中山「――3Nシュートだァ!!」 そして、西尾のシュートを更にツインシュートを見舞って加速させる。 ボールは元からの勢いに加えツインシュート特有の無数のブレが生じ、高速で分身したまま南葛ゴールへ飛来。 中里「こ、これは!?」 石崎「な、なんだこりゃあ!?」 高杉「何が起こっているんだ!?」 小田「へっ? えっ、えっ?」
[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:03:49 ID:??? 加速したシュートの勢いに、南葛のディフェンダーたちは完璧に置き去りにされた。 彼らの目には、中山と新田がジャンプした瞬間にボールが分身して速度を増したように見えただろう。 一方、森崎には猛烈なブレで捉え難くなったボールの内、本物の当たりを何とか付けることが出来たが、 森崎「(ゆ、油断した! 間に合わねェ!?)……うぉおおおおおおおおおおおおぉぉぉッッ!」 ツインシュート特有のブレ球から本物のボールを見出す為に生じる、大幅なロス。 その反応の遅れをカバーするには彼の全力でのセービング……がんばりセービング改の力が必要だった。 しかし所詮西尾のシュートと直前まで通常のキャッチに備えていた森崎に、必殺のセーブを繰り出す体勢を整える暇は無い。 なんとか本物のボールに飛びつくものの、 森崎「……くっそォ!!」 比良山(TV観戦中)「反応が遅れた!?」 大前(TV観戦中)「これは……決まったな」 寸でのところで手が届かず、ボールがゴールネットに突き刺さるのを見送る羽目となった。 ――ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィ!! 南葛中 0−1 大友中
[768]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:04:58 ID:??? 実況「え、あ、え? ……ご、ゴールっ! な、何ということでしょう! まさか県大会の時点で、南葛の鉄壁の牙城が崩れるとは! 大友中が先制! 大友中が先制! 大友中が先制ですっ! 西尾くんのシュートをツインシュートで更に加速! 超高速で南葛守備陣を切り裂き、無数のブレ球が森崎くんの手をすりぬけ、大友中に先制点をもたらしましたァ!!」 南葛応援団「嘘だろォ!?」「も、森崎が失点!? ちゃんとゴール前にいたのに!?」「や、やはり中山は見くびるべきじゃないんだ!」 長野「なにィ!?」 滝「も、森崎が止められなかったァ!?」 来生「ZZZ……あれ? 何の騒ぎだ?」 井沢「お前、寝てたのかよ来生ィ!? ボールが回って来ないからって緩み過ぎだろォ!?」 翼「……油断するからだよ、馬鹿」 昨年は全国大会でさえ、決勝でのアクシデントを除き全く失点しなかったはずの森崎。 それが前半の段階で相手にゴールを許したことに、南葛の選手たちの大半は驚き、翼は胸中の忌々しさを隠さずに冷たく吐き捨てた。 だが、最も驚き忌々しさを感じていたのは、他ならぬ森崎に違いなかった。 森崎「ぬぐぐぐ……こ、この俺の守護神伝説にこんな段階で傷を付けてくれやがって! やってくれるじゃないか、中山ァ!」 中山「ふっ……まずは一本、取らせて貰ったぞ森崎」
[769]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:06:35 ID:??? 実況「なお、VTRをスロー再生したところ、インパクトの瞬間、新田くんが僅かに遅れて蹴っていました! この得点は新田くんのゴールと記録されます!」 新田「よっしゃあ! 俺が、この俺がっ! 森崎からゴールを奪ったぞォ!」 アナウンスの内容に、新田が拳を突き上げる。小躍りせんばかりの喜びようだった。 新田(見たか! 俺が元SCの正GKから、中学最強のGKから、ゴールを奪ったんだ! 結局森崎に通用していなかった大前のヤツや、翼さんの陰に隠れている様な南葛中の連中とは違う! 俺が、日本一のストライカーなんだよっ!) 中山(はしゃぎすぎだぞ新田。やれやれ。若さというのも善し悪し――) 新田の有頂天な様子に苦笑を閃かせかけた中山。 だが、次の瞬間には肌を粟立たせて硬直してしまう。 森崎「……ったくよぉ。どう取り返したもんだかなあ、この凡ミスは」 中山(――森、崎? なんというプレッシャーだ! 失点が、逆にこの男に火を着けてしまったか!?) 凄惨な笑みを湛えながら、ゴールに収まっていたボールを拾い上げる森崎の姿に、中山は慄然とした。 その姿から感じる気迫は、先程までの中山との勝負を楽しんでいた時より、余裕の風情でセービングを披露していた時より、 なお選手としての危機感を刺激させられる。 中山(俺としたことが、失念していたな。この森崎相手に、一点を取っただけで何を勝った気になっていたんだ?) 思えば、小学生時代の森崎に失点は付き物だった。特に明和FCとの一度目の対戦などは、惨憺たるものである。 だが、点を取られる度にそれ以上にやりかえし、雪辱を果たし続けてきたからこその南葛SCの日本一だったのではないか。 それを一番近くで見ていながら、不覚にも忘れていたという事実。その過去を思い出した中山は、改めて気を引き締める。 中山「……戻るぞ、新田」
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0ch BBS 2007-01-24