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異邦人モリサキ
[298]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:46:21 ID:??? 「……そんなに驚かれるとは思わなかったわぁ。ごめんなさいねン」 色も音も戻った世界で、女が眦の下がった目を丸くして森崎を見下ろしていた。 「……転んだだけだぜ。で、俺に何か用かい、お嬢さん」 『倒れたままカッコつけようとしても無駄だと思うよ』 じとりとした半目で腕を組んだまま、ピコが言う。 思わずそちらを睨んでしまう森崎だったが、女は意に介した風もなく口を開いた。 「お兄さン、この辺じゃすごぉく珍しいカッコ、してるわねぇ。 私、断然お兄さンに興味持っちゃったのよン」 ねっとりと絡みつくような声音は森崎の耳朶に蠱惑的な響きと熱とを残して溶ける。 その言葉に、森崎がガバリと顔を上げた。 「俺に、興味? ……フフ、フハハ! どうだ! 俺のセンス、見てるヤツはいるってことだ! ロムロ坂、恐るるに足らずだぜ!」 『……センスって、きったないだけじゃない』 ぽつりと悪態をつくピコ。 まるでその言葉が聞こえているかのように、女が微笑んで、言った。 「センス? 何を言ってるのン」 「……え?」 大輪の花が開いたような、甘い魅惑に満ちた笑み。 唇の間から、白い歯が覗いた。
[299]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:47:23 ID:??? 「私が興味あるのは、この街をそンなカッコで歩けるお兄さンの度胸よン。 アナタ、磨き甲斐ありそうだわぁ。私の服で、変身させてあ・げ・る」 「……なにィ!?」 尻餅をついたままの森崎が見上げる先。 女の背後には、陽に映える白い看板に銀細工の文字が輝いている。 『サロン ノエル・アシェッタ』。 それが彼女の店の名であり、ブランド名であり、そして彼女自身の名でもあった。 ***
[300]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:48:42 ID:??? 「……で、俺にこの中から選べってのか」 「そうよン。まずはアナタがいまどこまでやれるのか、試させてもらうわぁ」 麝香の香り漂う室内に、声が響いた。 できる限り外の光を取り込まぬよう工夫された飾り窓の薄明かりが、店内を淡い色調で満たしている。 外界と切り離されたような静かな空間にいるのはノエルと森崎、そしてピコだけであった。 色彩もデザインもまったく統一感のない、かろうじて衣服というカテゴリだけで括ることのできる 生地たちが所狭しと吊り下げられている中、ノエルが森崎の前に並べたのは三種類の服である。 「……これは分かるぜ。ごく普通だ。仕立ても丁寧で悪くねえし、外に出てもまあ恥ずかしくはねえ」 言って森崎が指さしたのは、真ん中に置かれた一群である。 綿の開襟シャツに無地のスラックス。 風合いにも変わった点はない。 森崎がこの店に入って最初に注文した下着もこざっぱりとしたものが用意されている。 「が、こいつは何だ。服か。本当に」 「私としては、そっちがオススメなのよン。……ちょっと初心者にはキツいのが玉に瑕だけどねぇ」 右側に置かれた一群を指さした森崎に、ノエルが平然と答える。 『……ピエロみたいだね』 ぼそりと漏らしたピコがちょこんと座るその布地は、言葉通りサーカスの道化がその身に纏うような、 過剰なまでのフリルやレースに溢れたものであった。 薄暗い店内でもはっきりとわかるような極彩色をふんだんに使ったその珍妙な装束は上着とズボン、 更には帽子と靴までがどうやら一体化されているようで、蝉が脱皮する様を逆回しにするように 背中から体を入れ、丸く開いた穴から顔だけを出すらしい。
[301]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:49:48 ID:??? 「……頭痛くなってきたんだが、一応最後まで聞くぜ。……こっちのは、本当にこれだけなんだな」 「勿論よン」 最後に、左側に置かれたそれを目線だけで示した森崎に、ノエルが魅惑の微笑を浮かべながら言う。 「これはこういうものよン。シルクロードの向こうからやってきた東洋の神秘よン」 「よーく知ってるぜ。……ただし、俺らはそのシンピとやらをこう呼んでたがな―――」 置かれた白く長い布切れを、森崎が掴むや叫ぶ。 「フンドシだろ、これ! 確かに下着だけどよ! 俺、ずっと着けてたけどよ!? どうしろってんだよ、これだけで!」 「注目、集まるわよン」 「そりゃそうだろうよ!」 ほとんど怒鳴りつけるような森崎の声にも、ノエルは動じない。 とろんとした蕩けるような瞳で森崎の目を見ると言ったものである。 「オリエンタルモード、来ちゃうかもしれないわよン? そうなったらアナタ、間違いなくファッションリーダーとして注目の的になれるわン」 「その前にお縄になるわ!」 力いっぱいに褌を握り締めて言う森崎の鼻先に、つい、と白魚のような指がつきつけられる。 「選ぶのは、アナタ。磨くのは、私」 ふっくらとした唇から声とともに漏れた吐息の震えが、薄暗い店内の大気を揺らして 森崎の耳に、或いは鼻孔に、そして舌の上に伝わる。 「リスクとリターンは仲の良い姉妹だわン。どちらかだけを連れ出すことはできないのよン。 私は、アナタというリスクに賭けたのよン。アナタがどの道を選んでも、私の張りは変わらない。 ……それでアナタは、どうするのン?」
[302]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:50:50 ID:aX5l3GLw *選択 A チャレンジ! アバンギャルド! B 無難! 初心者向け! C 漢! 褌一丁! (必要CP:1) ※森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を【森崎の視点から】必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『6/12 21:00』です。 *** といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[303]雑魚モブ ◆.xniaLTHMk :2012/06/12(火) 06:47:41 ID:vU9c71/U B Aの服は相手によって不快感を与える恐れがあるから また、流行の服などは流行が過ぎるとただの変な服になってしまうから。
[304]聴衆 ◆0Sa9mRG4IM :2012/06/12(火) 13:53:14 ID:??? A 森崎なら奇抜なものを好むも一興
[305]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/06/12(火) 14:51:40 ID:??? B 戦場で手柄を誇示するためならド派手な服もいいかもしれないけど、 このスレの森崎は(というか森崎は基本的に)派手なカッコでいつもいられるほど肝は太くないでしょ。 そのへん、彼の神経は基本的にマトモだよ。
[306]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/12(火) 18:40:40 ID:??? Aファッションの事に疎い森崎としてはノエルの目利きに賭けるってのも有りなんじゃないかと思います。
[307]森崎名無しさん:2012/06/12(火) 18:59:29 ID:??? B リスク、リターンが問題になる時は当初の目的に立ち返って考える必要がある。 最初の購入目標は「臭くない下着(>>213)」、つまり目立とうとか流行とかは全く考慮する必要はない。 また、歴戦の傭兵である森崎は見栄えばかり気にして実用性を疎かにする未熟な傭兵も山ほど見てきているはず。
[308]源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/06/12(火) 19:00:36 ID:??? っと失礼>>307です。
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0ch BBS 2007-01-24