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異邦人モリサキ
[337]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:02:12 ID:??? >>331 傭兵は軍属なので帯剣していますが、確かに斬り捨て御免というわけにはいきません。 喧嘩で相手を殺したのが露見してしまえば普通に殺人罪、それも軍法会議にかけられるので ほぼノーウェイトで極刑です……もっとも森崎は「三年間は死なない」という ゲーム上の呪いを持った身なので、違う展開になっていきますが。 また現在はモラルが高めなので、加勢に入るには「それっぽい」理由が必要になってきます。 >>332 なるほど、「あなたのためだから」は頷ける理由ですね。 人物称号がひとつ前であれば採用させていただいていたと思います。 それにしても、この波乱万丈の一日はいつまで続くのでしょうか……? >>334 そうですね。 すっかりこの手の騒動を放っておけない体質になりつつあります。 >>335 意外な視点を提供していただきました。 なるほど、あえて「加勢は」しない理由というのも面白いですね。 ご回答いただいた皆様にはそれぞれEP1を進呈いたします。
[338]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:03:56 ID:??? *** A 「おいおい、そこら辺にしときな」 割って入る。 怒号と、暴力と、皿の割れる音。 その背を押したのは、眼前の光景が、何かひどく苦い後味を舌の上に蘇らせたからであろうか。 やり残してきたことを取り返そうと、心のどこかで考えていたのかもしれない。 立ち上がった森崎が声をかけたのは、大柄な男の拳がいま、まさに振り下ろされようとした瞬間である。 「……あァ!?」 野次や喧騒とは違う、突然の言葉に大柄な男が動きを止める。 殺気立った表情で振り返った、その目には森崎がどう映っていたものか。 男は憤然と立ち上がるや、猛然と森崎に向かってきたのである。 「すっこんでろ! 東洋人が!」 怒鳴った男が腕を振り上げ、拳を固める。 これから殴りますよと言わんばかりの挙動に、森崎が舌打ちして男を見据えた。 「チッ……すっかり頭に血が上ってやがる」 『こんなとこで怪我しないでね』 冷静に言うピコにちらりと視線を送った森崎に、拳が迫る。
[339]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:05:00 ID:DUSQAIUU *チェック 体術判定 目標値【17】 → !numnum ※ !と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。 難易度−体術を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。 00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。 結果によって展開が分岐します。 成功→ 軽く身を躱す。 失敗→ パンチが直撃! ガッツ減少。
[340]源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/06/14(木) 01:06:10 ID:??? 目標値【17】 → 11
[341]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:07:35 ID:??? 失敗→ パンチが直撃! ガッツ減少。 「俺を誰だと思ってんだよ、……っとお!?」 ひょい、と体を入れ替えようとした森崎の動きが、止まる。 「誰だ、こんなトコに椅子出しっぱなしにしてるヤツは……って!」 『危ない!』 ピコが叫んだときには、既に遅い。 石塊のような男の拳が、森崎の顔面を直撃していた。 「ぶべらっ!」 奇妙な悲鳴を上げながら飛んだ森崎が、食べかけの皿が満載されたテーブルに突っ込んで 盛大な音を立てた。 「……」 「……」 一瞬、飯場が静まり返る。 殴った男すら唖然とする中、 「痛ぇ……けど、まあ、これでひとまず気が済んだか?」 歯型の残る鶏肉や魚の切れ端、熱いスープを頭から被って湯気を上げる森崎が立ち上がり、 渋面を作りながら血の混じった唾を吐く。 しまらない姿に、大柄な男も毒気を抜かれた様子で森崎を見つめていた。 ※ガッツが10減少しました。
[342]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:13:28 ID:??? *** 「……なるほど。つまり、お前はこのキルト人……」 と、頭からコンソメスープの匂いをさせながら大柄な男の話を聞いた森崎が、 腫れ上がった鼻に布切れを詰めていた小男を顎で指す。 小男が、内出血で赤黒く染まった顔をびくりと怯えたように歪めた。 「こいつに、金を貸してたと」 「……そうだ。お袋への急な仕送りが必要だとか言うからよ。けど、この野郎」 「その金をすっかり博打でスッちまったってわけか」 冷たく言い放つ森崎に、小男が立つ瀬のない様子でおどおどと周囲を見回し始める。 無論、逃げ場などない。 森崎を挟んで大柄な男と小男が座る周りには飯場にいた男衆がすっかり人垣を作って 三人のやり取りを見ていた。 「返せと言ってもアテがねえ、取り返してくるからもう幾らか出してくれねえかと、こう来やがった! ふざけやがって、この野郎!」 「わかった、わかったから立ち上がるんじゃねえよ」 口にする内に興奮したのか、男がいきり立つのへ森崎が宥めるように言う。 憤懣やるかたない様子で、それでもどうにか椅子に座り直した男を見やってから、 森崎が小男に向かって口を開く。 「要はお前が悪いんじゃねえか、馬鹿野郎」 「ひっ……」 「そうだろ、わかりゃいいんだ。後はこのクソッタレがミンチになるまで、黙って見ててくんな」 「うわあ!」 「って、待て待て待て! だからすぐにカッカするんじゃねえよ!」
[343]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:14:29 ID:??? 小男へ向かって手を伸ばしかける大柄な男。 すんでのところで制した森崎が、悲鳴を上げて椅子から転げ落ちた小男もろとも、 強引に二人を席に着かせる。 「こいつをタコにしたって、金が降ってくるわけでもねえだろ。 気は晴れるかも知れねえが、その後は山から追い出されてお前の食い扶持がなくなるだけだ」 「むぅ……」 いかに荒くれ揃いの鉱山とはいえ、衆人環視の殺しとなればただでは済まない。 ましてここは深山幽谷の彼方ではなく首都城塞ドルファンの範疇であり、官憲の目もそれなりに厳しい。 それを思い出したのか、男が唸り声を上げて森崎を睨む。 「じゃ、どうしろってんだ。水に流せってのはナシだぜ」 「言わねえよ、んなこたあ。……お前、結局幾ら貸したんだ?」 「ひの、ふの、み……と、全部で……このっくらいだぜ」 聞けば、街に繰り出して美味い酒と飯が二、三度楽しめる程度の額である。 少し考えた森崎が、鼠のように周囲をちらちらと伺っている小男に声をかけた。 「お前」 「ひゃあ! 許してくれえ!」 「ワビ入れる前に働け」 「え?」 きょとんとした小男に、森崎が続ける。
[344]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:18:21 ID:??? 「ここは日払いだろうが。今日からその賃金の半分、毎晩きっちりこいつに渡せ」 「そ、そんなあ……それじゃメシ食ったらすっかり飛んじまいまさあ……。 オネエちゃんの晩酌がなけりゃ、こんなこの世の地獄に耐えられませんぜ」 心底から困り果てた、とでもいうかのように言ってのける小男に、 森崎の堪忍袋の緒が切れる。 「やかましい、昼間は額に汗して働け、夜はクソしてとっとと寝ろ! キレイな体になるまで酒も女もねえだろが! 借りた金で賭場通いなんざする馬鹿にはちょうどいい薬だ! つうかテメエのせいで俺は飯の食いさしまみれになってんだぞ、わかってんのか!?」 「ひ……!」 食い下がる小男を、森崎が怒鳴りつける。 『ご飯の食べかすだらけなのは自業自得だけどね』 「……」 『あ、耳の後ろ、人参のしっぽついてるよ』 無言のままぎろりと中空の相棒をを睨んだ森崎が、へばりついた野菜くずを乱暴につまみ剥がすと、 口に放り込んでがりがりと噛み砕く。 その様子が恐ろしかったのか、すっかり萎びた小男に鼻を鳴らして、森崎が大柄な男へと向き直った。 「ここらの相場からすりゃ、来週には全額返ってくるだろ。この辺で落とさねえか。 大体、お前が最初ッからこいつの性根を見抜いてりゃ、こんなことにはならなかったんだぜ」 「……」 大柄な男は、なおも渋面である。 眉根を寄せた森崎が、再度小男に顔を向けると、言う。
[345]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:19:56 ID:??? 「おい、テメェ」 「うひっ!? まだ何か!?」 「さっきの約定、守れるか守れねえか……いま、ここで誓え」 「ま、守ります、守らせていただきやす、はい!」 迫力に押されたか、小男がぶんぶんと首を縦に振りながら口走るのを聞いた森崎が、 周りに人垣を作って立つ男たちを見渡しながら口を開いた。 「聞いての通りだ。これでも話を破るなら……そんときぁ、ここにいる全員が証人さ。 改めてこの馬鹿を吊るし上げろ。俺が許す」 「ひぃぃ……」 周囲にいる男たちが首肯するのを見た小男が、締め上げられたように喉の奥から悲鳴を漏らす。 「もし街にトンズラこいたとしても、とっ捕まえて引っ立ててきてやる。 どうだ、これで。俺の顔、立てちゃくれねえか」 「……」 しばらくの間、沈黙が降りた。 目を閉じ、眉間に皺を寄せて考え込んでいた大柄な男が、やがて大きく息を吐いて言った。 「わーった、わぁーったよ、黒髪の兄ちゃん。今度のこたぁ、それで構わねえ」 「うし、いい男っぷりだぜ、お前」 ニカリと笑った森崎が、ひとつ頷く。 と、おもむろに両手を掲げて言った。
[346]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/14(木) 01:21:27 ID:??? 「じゃ、こいつは俺の故郷の作法でよ。お前ら、ちっと手を出してくれ」 「……?」 森崎が促したのは、大柄な男、そして小男の両方にである。 「手締めつってな。事が片付いたら、言い立てた方も言い立てられた方もこれでお終い、って意味で 一緒に手を打つんだ。そら、合図で行くぜ」 「お、おう……」 「へぃ……」 戸惑う男たちに身振りで手順を示してみせた森崎の、いよぉーお! という掛け声の直後。 シャン、と拍手が鳴り響いた。 ****** 称号『ヒガシの山の仲裁屋』を獲得しました。 効果:揉め事の交渉判定時に+5の修正。 ******
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0ch BBS 2007-01-24