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異邦人モリサキ
[656]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:28:32 ID:??? 「わ〜い、お兄ちゃんだ!」 巻き毛の少女、ロリィが人ごみをかき分けてすっかりその姿を表すと、駆けてきた勢いそのままに跳んだ。 朝の再現のような光景に、このことを半ば予想していた森崎がその小さな体を渋々ながらも抱きとめる。 「こら! いきなり何するんだ、お前は」 『ひゅ〜ひゅ〜、妬けちゃうね〜』 無責任に囃し立てるピコの相手をする余裕もなく腰の辺りにまとわりつくロリィを引き剥がそうとする森崎に 冷たい声をかけるのは、当然ながら追いついてきたレズリーである。 「……楽しそうだな、アンタ」 「そう見えるか!?」 「フン」 半ば呆れたような表情のままそっぽを向いてしまうレズリー。 朝方のような怒りの色こそないようだったが、森崎への悪感情は払拭されていないらしい。 「ふ〜! ね、お姉ちゃん、どうしたの?」 と、一通りまとわりついて満足したのか、しばらくするとロリィは森崎から離れてレズリーの方へと駆けていく。 ぽふ、とその胸に顔を埋めたロリィが見上げるのへ、レズリーが一転して微笑を向ける。 「何でもないさ」 「ふ〜ん」 蜂蜜色の巻き毛を手櫛で梳く、その微笑はどこまでもやわらかい。 そんな顔もできるのか、と内心で思いながら森崎が口を開く。 「いいから、子供は早く家に帰れよ。親が心配すんぞ」 「あー、違うよ、お兄ちゃん!」 「違う……?」
[657]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:31:10 ID:??? ムッとしたような顔で何かを言い返そうとしたレズリーよりも早く、ロリィが森崎に反論する。 「今日は夏至祭だよ! だから夜まで遊んでてもいい日なんだもーん!」 「夏至祭……?」 首を捻る森崎が記憶を辿る。 『そういえば、新聞にそんなことも書いてあったね』 「そうだっけか……? まあ、夏至を祝うのは珍しいことじゃないが……今日だったのか」 『訓練漬けだと日にちの感覚がなくなるから嫌だねえ』 そんなことを小声で言い合う森崎に、ロリィが続ける。 「ロリィたち、一回お家に帰って、着替えてきてるんだよ! パパとママにも、ちゃんと言ってきたから大丈夫!」 そう言って笑ったロリィが、くるりと回ってみせる。 まったく意識していなかったが、言われてみれば二人とも私服である。 ロリィが着ているのはフリルとレース、そして花飾りがたっぷりと散らされた黄色のワンピース。 夏物らしく肩口が大きく開いた、少女趣味というよりはそのもの児童が着るような、可愛らしい服である。 一方、森崎から少し離れたところで仏頂面を浮かべるレズリーが身に着けているのは、 ロリィのそれとは見事に対照的であった。 気の強さを体現したような、波打つ亜麻色の髪を無造作に後ろへと流した彼女が着るのは ノースリーブの襟付きシャツにレザーのスカート。 色はどちらも黒を基調としてワンポイントにブラウン、ワインレッドが配置されている。 ぴったりと身体に貼りつくようなデザインは、すらりと背が高く、一見スレンダーに思える そのラインの下から女性らしい膨らみがしっかりと自己主張するのを助けていた。 スカートから伸びる太腿から膝、ふくらはぎにかけては細くしなやかで、しかし僅かに肉のついた その脚は、見る者が見れば即座に金を積むだろう。 実際、周囲の視線が様子を窺うようにちらちらと彼女の方へと向けられている。 どうやらレズリーは学生らしからぬ、既に完成されつつある肢体の持ち主であるようだった。
[658]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:32:12 ID:YJMbmozk 「……何、見てんだよ。オジサン」 視線に気づいたのか、胸元を隠すようにしながら不審げに目を細めるレズリー。 吊り上がり気味の端正な目が細められると奇妙な迫力が出る。 「なにィ!? お、おじさん!?」 『うわー。若いコはザンコクだねえ』 「お、俺はただ―――」 *選択 A レズリーの服を褒める B ロリィの服を褒める C とりあえず誤魔化そう D レズリーの身体を褒める(必要CP:1) 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 またCを選ぶ場合は「どう誤魔化すか」の【手段】も併記して下さい。 期限は『7/12 23:00』です。
[659]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:35:42 ID:??? ****** 服飾については時代性を無視する方向に開き直りつつあります…ってまあ、 そもそも描写しないという手もあるんですが。 といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[660]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/12(木) 11:01:47 ID:??? C森崎が最近オシャレ初心者になった事を伝える。。 だから女性や男性のオシャレな服を自分に取り入れられないかと熱心に見てしまう。 そしてロリィの服は似合ってるが参考にならない。だがレズリーの服は参考になるかなと思い、熱心にみてしまった。 だが不快になったなら申し訳ないと謝る。
[661]見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/07/12(木) 21:27:24 ID:??? A 素直に似合ってると言う。あんまり言葉を並べると、エロ崎になってしまう。 Bだと、エロリ崎になってしまううえに、レズリーの反感もらいそうだし。
[662]◆9OlIjdgJmY :2012/07/12(木) 21:55:02 ID:??? A 正直に見とれていたと言いたいです。 どんなリアクションとるのか気になるので。
[663]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:38:32 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>658の選択については…… >>660 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます! 獲得した称号も織り込みながらの話法、流れが実に素晴らしいですね。 こうも完成度が高いご回答には何も言うことがありません! CP3を進呈いたします。 >>661 はい、下手な言い訳だと余計に怒らせてしまいそうな場面でしたので、 素直な言葉も決して悪い選択ではありませんでしたね。 しかしエロリ崎とは……もはや原型を留めていないですねw >>662 Aの選択結果から少しだけ抜粋すると、 >「あ、アンタがおかしなこと言うからだろっ!」 >「おかしなことも何も……つーか、お前くらいならよく言われてんだろ、このくらい」 >「アタシくらいならって何だよ!」 >「いや、お前くらいキレイならって話だが」 >「……っ!」 こんな感じでしたね。 ……悪い大人が若い子たぶらかしてる感に満ちあふれています。 ご回答いただいた皆様にそれぞれEP1を進呈いたします。
[664]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:40:04 ID:??? C >>660 *** 「あー……お前、ロムロ坂って知ってるか?」 「はァ? ……当たり前じゃん」 唐突に出てきた単語に機先を制され、レズリーが困惑したように答える。 まずは奇襲成功であった。 「俺こないだ、初めてあそこに行ってさ。……なんつーか、負けるかって気になったんだよ。 あそこ歩いてて、お、あの東洋人、なかなかいいじゃん、みたいに言われるようになりてえな、って」 「……」 話の流れが見えず、黙り込むレズリー。 「ああいうとこ、初めて行くとさ。すげえ敗北感に打ちのめされるってこと、ねえか? うわ、今の俺すげえレベル低くて恥ずかしい、帰りてえ、何でこんなとこ来ちまったんだ、って」 「……」 「でもその一方で、どっか……あるんだよな。ここに馴染めりゃ、もしかして今までとは 全然違う自分になれるんじゃねえか。昨日までとは断然違う明日になるんじゃねえか。 そんな、根拠もねえけど、期待しちまうって感じ」 「……そういうのは、ちょっとわかる、けど」 話に飲まれたように、レズリーが相槌を打ってしまう。 その様子に一つ頷いた森崎が、続ける。
[665]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:41:05 ID:??? 「で、どうすりゃそうなれるかって考えたらよ。一番早ぇのはやっぱ、見て盗むってことなんだよな」 「盗む……?」 「職人の世界じゃよく言うんだぜ? 技術は教えてもらうもんじゃない、自分の目で見て盗めって。 要は、観察して、分析して、自分の中でしっかり噛み砕きながらモノにしてけってことさ」 「……」 「つーわけで、俺は決めたのさ。イケてるヤツがいたら、まずばっちり見て」 と、一拍置いて森崎が口の端を上げる。 「そいつの技ン中で盗めるもんがあるなら、手前ぇのもんにしちまおうって、さ。 ま、ロリィの方は……いくら似合ってても俺に持ってこれるもんはなさそうだったからよ。 ついお前の方をじっと見ちまった。気分、損ねちまったなら謝るよ。悪かった」 頭を下げる森崎。 対するレズリーはといえば、振り上げた拳の下ろしどころをなくしたように眉根を寄せながら、 しかし何を言うこともできず視線を逸らし、あちらこちらを見回すふりをしていた。 「……。……、あ、……」 しばらくそうして口を何度か開けては閉じ、閉じては開けて何事かを言おうとしていたレズリーが、 ようやく言葉を見つけたのか声を上げようとした瞬間、棒立ちになっていたその身体に飛びついた者がいる。 無論のこと、ロリィであった。 「うん! お姉ちゃん、とってもステキだもんね! わ〜い、お兄ちゃんもそう思ってたんだ! ロリィとおんなじだね!」 「あ、ああ……」 まあ、妙にツンケンしたところがなけりゃあ余計にいいな、という言葉はグッと飲み込んで曖昧に頷く森崎。 レズリーもまた、ロリィに向かってややぎこちなく笑みを形作ってみせる。
[666]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:42:07 ID:??? 「……そ、そうだよな! ありがと、ロリィ! ロリィがそう言ってくれるのは嬉しいよ」 「うん! お姉ちゃん、カッコ良くってステキ! ロリィ、お姉ちゃんだ〜い好き!」 ロリィが、という部分を露骨に強調しながら言ったレズリーは、森崎の方を見ようとしない。 まとわりつくロリィの、ふわふわとした髪を撫でつけるようにしている。 その感覚が心地良いのか、ロリィは満々の笑みでレズリーに体重を預けていた。 そんな様子に小さく肩をすくめた森崎が、じゃあ気をつけてな、と片手を上げて踵を返そうとする、 その背中をむんずと掴むように、ロリィの声が飛ぶ。 「そうだ! ねぇ、お兄ちゃんもいっしょにお祭りに行こうよ!」 「なにィ!?」 ****** ※称号が『気のいい無難派オサレ・三級』になりました。 効果:即時、魅力+5 ******
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0ch BBS 2007-01-24