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【天狗A】キャプテン霊夢22【クラブA】
[989]森崎名無しさん:2012/08/19(日) 23:13:09 ID:??? お大事にです
[990]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/08/21(火) 01:23:38 ID:??? >>989さん お気遣い頂きありがとうございます。まだ若干鼻がおかしいですが、 体調自体は戻ったので更新させて頂きます。 新スレを立てました。皆様、これからもキャプテン霊夢を宜しくお願いします。 【妖精審判は】キャプテン霊夢23【いつでも公平だ】 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1345478453/ このスレの残りについてですが……前々スレの埋めネタすら投下出来ていない体たらくですので、 申し訳ないのですが保留とさせて頂きます。埋められる方がいらっしゃいましたら、 遠慮なく埋めてしまって下さい。
[991]森崎名無しさん:2012/08/21(火) 01:27:18 ID:??? >まだ若干鼻がおかしいですが、 >体調自体は戻ったので更新させて頂きます。 待て待て待て 治りかけに無理しちゃいかんがな
[992]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:17:33 ID:??? 妖怪の山のとある一角。そこにいるのは一羽の烏と一羽の兎。 文「では希さん、今日からは本格的な修行を始めます」 希「はーい、師匠!待ってました!」 文「うん、元気があって大変結構ですね」 希が妖怪の山に連れてこられて数日の間は、希の為の生活環境を整えたり、 簡単なランニングや体を作るためのトレーニングしかしてこなかった。 文曰く、今の希がどれだけ走れるか、を判断するためのもの、とのことだ。 文「希さん。速く走る事に必要なのはなんだと思いますか?」 希「え、うーん……」 文「勿論細かい事は色々ありますが、何と言っても必要なのは脚力です。 希さんのチームですと、妖夢さんなんかが良い例ですね」 希「え、妖夢って足速いの?試合ではあんまりそういう感じしないけど……」 文「ええ、白玉楼の庭師として鍛えた彼女の脚力は相当なものです。 飛行速度ではなく純粋な足の速さ、と言う意味では私に次ぐ速さだと思いますよ。 最も、彼女は試合では脚力を速さではなく、別方面で活かしているようですが」 希「へぇ〜……」 そんな会話を少しした後、いよいよ特訓の本番が開始される。 文「では、まずこれをどうぞ」 希「……何これ?帯?」
[993]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:18:41 ID:??? 希に渡されたもの、それは長さにして15m程もある長い帯だった。 文「腰に巻きつけて結んで下さい。こんな風に」 そう言って、帯の先端の一方を自分の腰に巻きつける文。 不思議に思いながらも、希もそれに習って自分の腰に帯を巻きつける。 希「はい、出来たよ」 文「宜しい。では特訓の内容を説明します。ルールは非常に単純明快。 鬼ごっこと同じです。私がこの山の中を逃げ回りますから、 希さんはそれを捕まえようとして下さい。 私の体の何処でも良いので、触れた時点でこの特訓は終了となります」 希「おお、分かりやすい!……でもこの帯の意味は?」 希と文を繋ぐ一本の帯。その長さはおよそ15m。 鬼ごっこに何故こんな物が必要なのか、希には理解出来ない。 文「それは希さんが私を見失わない為の帯ですよ。何せ、この妖怪の山は広いですからね。 余りにも私と希さんの距離が離れると、鬼ごっこが成立しません。 これはその為の措置……いわば、ハンデのようなものと思って下さい」 希「……むっ」 意地悪く言う文の言葉に、希は少しだけ表情を険しくする。 馬鹿にされている、とまではいかないまでも、 明らかに舐められている事が口調から分かるからだ。 希「分かったよ!こんなのなくたって、師匠なんて、すぐに捕まえてやるんだから!」 文「ほほう、それは楽しみですね(最も、この帯の意味はそれだけではありませんけどね。ふふふ……)」
[994]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:19:46 ID:??? 文「では、行きますよ!よーい、ドン!」 ダダダッ!!! 文の合図とともに、妖怪の山全体を舞台にした鬼ごっこが開始される。 希「負けないぞ!」 ダダダッ! 駆け出した文に後れを取らないよう、希もすぐさま追いかける。 希「(さ、流石に速い!)」 文「ほらほら、どうしました、先ほどの威勢は?全く距離が縮まっていないですよ?」 勿論文は手加減をしているが、それでも希は文から離されないだけで精一杯だった。 そうしてしばらく走り続けた頃、異変が起きる。いや、文が起こす。 文「ああ、希さん。一つだけ気を付けて頂きたい事が」 希「え?」 文は一瞬希の方を向くとニヤッと笑い、今までよりも少しだけ本気を出す。 ぐんっ!!! 希「う、うわっ!?」 ピーーーーン!!! ズザザザザザザザァアアアアア!!!
[995]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:20:51 ID:??? 希「うきゃあーーー!?」 急にスピードを上げた文の帯が一気に伸びた為、 それに引っ張られる形で希が地面に引きずられる。 文はそれを見届けると、一旦止まって希の方に近寄る。 希「いつつ……」 文「私との距離が15m以上離れたら、当然帯は引っ張られます。 そうなると、今みたいになりますよ?ってもう遅かったみたいですね」 希「言うの遅いよ!っていうか明らかに今タイミング狙ってたよね!?」 文「はて、何の事だか。……最初は引っ張られたら今のように止まってあげます。 ですが、いつまでもは待ってあげませんよ?15mの帯……この距離を縮めない限り、 希さん、貴女はいつまでもこうして無様に地を這う事になりますよ?」 希「うう……このくらいでぇ!!!」 ダダダダダッ!!! 文「おっと。まだまだ元気そうですね。そう来なくては」 がむしゃらな希の突進を軽く避けつつ、再び距離を取る文。 希も転んだ時の傷を気にする事もなく、全力疾走で文を追いかける。 文「(ふふ、中々良い根性してるじゃありませんか。 それでこそ、こっちも鍛え甲斐があるというものですよ)」 心の中で笑みを浮かべつつ、再び希との鬼ごっこに臨む文。 こうして、二人は日が暮れるまで妖怪の山を駆け回るのだった。
[996]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:21:53 ID:??? 文「では、今日はこれくらいにしておきましょうか」 希「う、うん〜……」 瞬く間に時間は過ぎていき、気が付けば空は茜色に染まりつつあった。 文の言葉と共に、緊張の糸が切れたのか、ばったりとその場に倒れ込む希。 一方の文は汗ひとつ掻いていない。 希「ふぇえ……疲れたぁ〜……。それに、体中が痛いし……」 文「まあ、あれだけ転げまわればそうなるでしょうね」 希「師匠のいじわる!コロコロペース変えるんだもん!」 文「あやや。単調なペースでは修行になりませんよ?」 ところどころ傷だらけになりながらも、希は何処か満足そうに笑っていた。 希は女の子ではあるが、まだ遊びたい盛りの子供でもある。 何より一応は妖怪なので、多少の怪我くらいなら大きな心配はない。 希「ねぇねぇ、師匠!私、少しは速くなれたかな!?」 ウキウキと尋ねてくる希に、文は少し困ったように笑う。 文「1日2日で変わるものでもないですよ。ですが、筋は悪くないと思いますよ。それに、根性も中々の物でしたし」 希「ホント!?やったぁ!」 結局、希は今日一日では文との15mの距離を詰める事は出来なかった。 何度も何度も引っ張られ、その度に希は地面を引き摺られる羽目になった。 しかし、それでも希は何度でも立ち上がり、文を追いかけ続けたのだ。 その事に、文は少し感心していた。
[997]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:23:02 ID:??? そのまま少しの間休みつつ談笑していた二人だが、不意に希がある事を思いつく。 希「そういえばさ、師匠ってあんなに速いのに、どうして試合だと手加減してるの?」 文「はい?何の事です?」 突然の希の質問にきょとんとする文。希は気にせず言葉を続ける。 希「だってさ、あんな一瞬でパー!って移動出来ちゃうんだったら、 もっと簡単にドリブルゴールとか狙えるんじゃないかなぁって思って」 文「あ〜、なるほど、そういう事ですか……」 希の疑問は最もと言えば最もである。文のドリブルは試合中にも見たが、 今日の特訓で見せられたスピードの方が明らかにそれよりも速かった。 それなら、試合の時にもっと活躍出来たのではないか?希はそう言っているのだろう。 文「(はてさて、どう説明したものでしょうか……)」 希の言っている事は間違っている訳ではない。 文はその気になれば、瞬く間に十里の距離をも移動出来る。 そうでなければ、自称でも幻想郷最速とは名乗れない。 では試合中は手加減しているか?と言われれば……少なくとも文は違うと思っている。
[998]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:24:04 ID:??? 文「確かに私は試合中に全力を出してはいません。しかし、手加減をしているというのは少し違います」 希「???」 矛盾するような文の言葉に、希はきょとんと首を傾げる。 文「そうですね……」 少しの間顎に手をやり考え込む文。やがて一つの答えに至ったのか、 希の方を向いてゆっくりと口を開く。 文「これは多かれ少なかれ、恐らく幻想郷でサッカーをしている強い妖怪全員に当てはまると思います。 例えば……希さんのチームですと、空さんなんかが良い例ですね。 彼女の持つ核の力は使い方を誤ればサッカーに使うどころの話ではなくなります。 もし空さんが全力を出せば、ボールどころか一瞬でフィールドごと消し飛んでしまいますから」 希は知る由もないが、空は八咫烏の力を授かってしばらくは力を全く使いこなす事が出来なかった。 いや、空自身はその力で地上を支配する事を考えていたので、使いこなそうとする気がなかったとも言える。 それが、間接的にお燐に地底の怨霊異変を起こさせるきっかけになった。 今では、そのような危険はほぼ無いと言って良いが。 希「ふわ〜そうだったんだ」 文「その力を『シュートの威力を上げる』という範囲で以下に制御出来るか、 という事を彼女は行っています。サッカーを始めた当初は何度か制御出来ずに 体内で暴走していた様子でしたが……。これは決して『手加減』とは言えませんよね?」 希「う〜ん、何となく分かるような、分からないような……」 実際、神奈子や諏訪子の協力もあり、空に内在する八咫烏の力は サッカーを始める前よりもかなり正確に制御出来るようになっている。 それは、彼女のシュート時におけるその爆発力を見れば分かるだろう。
[999]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2012/09/08(土) 22:25:15 ID:??? 文「私のやっている事も同じです。私はスピードにおいては幻想郷最速を自負しておりますが、 それを全開で使ってしまってはサッカーという競技が成立しません。 だからこそ、『サッカー』というルールの範囲内で、私は全力を出しているつもりです」 希「う〜、なんだか頭がこんがらがってきた……」 自分の髪を片手でぐしゃぐしゃとやる希に対し、苦笑する文。自分でも上手く説明出来たとは思っていない。 文「まあ、希さんにはまだ少し早かったかもしれないですね。 今はそんな事は考えないで、楽しくサッカーをしていれば良いと思いますよ」 希「う、うん、分かった」 そこまで希に話したところで文にある考えが頭をよぎる。 前々から疑問には思っていた事ではあるが、あえて考えないようにしていた事。 文「(……そういえば、『限られたルール内で以下に自分の力を使うか』という、 この考え方はスペルカードルールにも通じるものがありますね。 もしや、紫さんがサッカーを普及させようとしているのはこの為?)」 元々幻想郷にサッカーを普及させたのは文だが、その提案をしてきたのは紫だ。 あの時はこれはネタになる、と思い喜んで飛びついたが……。 『最近幻想郷も平和過ぎるから、何か刺激のあるイベントでも起こそうかと思いまして』 その時の紫の言葉を思い出す。あの隙間妖怪が暇つぶしで何か始める事は今回に限った事ではない。 しかし、文にはその時の紫の様子が、いつもよりも少し真剣だった事を思い出す。 文「(多くの妖怪に、サッカーを通して自分の力の扱い方を成熟させる……。 そう考えれば、いくつかこれまでの行動に納得出来る事も出てきますね。 最近は力の差があり過ぎて、スペルカードルールでの勝負すらしようとしない 妖怪達が出てきている、という話ですし……)」
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0ch BBS 2007-01-24