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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[832]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/17(水) 21:35:45 ID:??? B速く走る為には休養も大切だ。それに速く走る為って言っているが食べる物に気を使ってるのか? 又は体の効率的な動かし方を知ってるのか? それを知るためにも勉強ってのは結構大切なんだぞと勉強も早く走る為に役立つ事を教える。
[833]◆9OlIjdgJmY :2012/10/17(水) 23:58:12 ID:??? B 森崎の自戒の念もこめて。
[834]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:17:53 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>830の選択については…… >>833 ◆9OlIjdgJmY様のご回答を採用させていただきます! はい、ヤングとの絡みですね。 数カ月前のことをよく覚えていて下さいました! がっつり本編に盛り込ませていただきます。 CP3を進呈いたします。 また>>831 ◆W1prVEUMOs様、>>832 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答も それぞれの切り口がなるほどと思わせるもので、本編に反映させていただきました。 CP1ずつを進呈いたします。
[835]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:18:54 ID:??? *** B「鍛錬はやり過ぎりゃいいってもんじゃないんだ」 「……え?」 頭ごなしの否定を覚悟していたものか、ハンナが肩透かしを受けたように森崎を見る。 「ちょっと前、な」 そんなハンナをじっと見つめ、森崎が重い口を開く。 「俺も、今のお前みたいな落とし穴に嵌ってたんだ。ただ焦って、闇雲に剣を振ってた」 「……」 「怖かったんだ。こんな、鈍った腕で戦えるのか。次の戦場で屍晒すのは俺じゃないか。 そんな嫌な想像から逃げるみてえに身体を虐めてた」 「でも、それは……」 ハンナが、森崎の目を見て言いかけた言葉を収める。 「ある人に無理やり休まされたら、途端にぶっ倒れたよ。身体の方はとっくに限界超えてたのに、 言われるまで気づかなかったんだな。間抜けな話さ」 「……」 森崎が自嘲気味に口の端を上げて、続ける。 「あのまま続けてたら、きっと酷い怪我をしてた。肘か、背中か、腰か、その全部かもな。 それこそ、もう剣を握れないような怪我、だ」 「……!」
[836]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:19:58 ID:??? 言った森崎がその、古傷とタコとで奇妙に固くごつごつと変質した拳に目をやると、 握り、開いて、軽く肩をすくめてみせる。 「そうでなくたって、結果に繋がらねえ鍛錬で無駄に疲れきって、肝心の戦場でくたばってたかもしれねえな。 頭ン中に靄がかかってると、そういうことが見えねえんだよ」 「……」 すっかり黙りこんでしまったハンナに、森崎が視線を戻すと、言う。 「……あん時、俺が止めてもらえたのは巡り合わせだ。 そういう人に会えたから、俺はまだここにこうしていられる」 今は亡き男の、当時は理不尽と思えた背中を思い返しながら。 「だからな、ハンナ。巡り合わせ……俺の故郷じゃ縁、つーんだがよ」 「エン……」 その響きを繰り返したハンナに、森崎が一つ頷く。 「その『縁』で今日、お前と会った俺が言うぜ」 「……」 「焦りに背中押されるような鍛錬はやめな。そいつはいつか、お前自身を傷つける」 無人の公園の、さわさわと芝生をざわめかせる涼風が、吹き抜ける。 風に靡く髪が目にかかるのも構わず、真っ直ぐに自身を見返すハンナに、森崎が告げる。 「目標を定めて、計画を立てろ。今日のことを朝になってから決めるな。 お前は一年後にどうなっていたい? 半年後には? 来月はどうだ? そういう風に考えていけば、しなけりゃならないことは向こうから見えてくる」 「……」 こくりと、神妙な表情でハンナが頷く。
[837]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:21:01 ID:??? 「怠るな。無駄を省け。疲れのどん底で無闇にやる鍛錬なんざ無駄の骨頂だ」 「……はい!」 うん、ではなく。 はい、と。 打てば響くような返事に、森崎がぽんとハンナの肩をひとつ叩いた。 「それとな、ハンナ。学校もサボってないでちゃんと行け。 お前、読み書き以上の学問なんざ何の役に立つ、なんて思ってるだろ」 「う……」 図星を突かれたか、ハンナの神妙な顔がたちまちに崩れる。 「俺だってそこまで学のある方じゃねえ、そう偉そうなことは言えないが……ありゃな、頭を使う練習だ」 「……?」 怪訝そうな顔のハンナ。 どう説明をしたものかと、森崎が身振りを交えながら慎重に言葉を選んでいく。 「走るってことに絞ったって、どう身体を動かすか、どう鍛えるか、どう練習を組み立てるか、 どう時間を使ってどういう戦略を練るか……頭使わなきゃならんことはいくらでもある」 「……」 「学問が面倒だって奴はな、段々そういう、考えること自体が面倒だって思うようになる。 いざって時に、必要なことを見聞きして覚えるってことができなくなるんだよ」 ぴしり、と森崎がハンナを指さして言う。 眼前に突き付けられたその指を、寄り目になりながら見つめるハンナに、森崎が続ける。 「わかるか? 大事なのは、どんな学を積むかじゃねえ。頭の使い方を覚えてこいってこった。 必要だと言われたことを頭に刻んで忘れねえ癖を、わざわざつけさせてくれるってんだから ありがてえ話じゃねえか。それも日々の鍛錬、だぜ」 「う〜……はい」
[838]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:22:14 ID:??? しばらく唸っていたハンナが、僅かに肩を落としながら首肯するのを見やって苦笑した森崎が、 ふと空を見上げる。 初秋の太陽は既に天頂近くまで昇っていた。 「……おっと、つい長々と説教しちまったな」 よっと、と声を上げながら立ち上がる森崎。 長時間座り込んでいた腰が痺れたように痛むのを揉みほぐす。 「ま、俺が言いたいのはそれだけだ。後はお前次第だ、頑張んな」 「―――ちょっと、待って!」 片手を上げ、立ち去ろうとした森崎を止めたのは、声だけではない。 ハンナの手が、がっちりと森崎のズボンの裾を掴んでいた。 「……まだ、何かあんのか」 「あの、……その、お願いが」 「お願いィ?」 『ふぁ……話、終わった? って』 今の今までどこをふらついていたものか、欠伸をしながらふわりと舞い降りてきたピコが 縋りつくハンナを見下ろして、呆れたように言う。 『……あたし、この先どうなるか、大体わかる気がするよ。言ってあげようか』 「……」 いらん、と目線だけで答えると、森崎がハンナの言葉を待つ。 「さっきの話……鍛錬の。戦場に出る、っていうし。それと、その髪……」 ハンナが見上げるのは、森崎の黒髪である。 陽光の下でもなお漆黒を保つ髪は、南欧ではやはり珍しい。
[839]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:23:15 ID:??? 「ね、こないだの戦いで活躍したっていう傭兵の隊長さん……だよね」 「あー、まあ、活躍したかどうかは知らんが……傭兵は、傭兵だ。今は隊長でもある……が」 『またまた、照れちゃって』 「……」 『わあっ! 何するのさ!』 退屈していたのかやかましく茶々を入れるピコを、何気なく腕を伸ばす仕草を装って追い払う森崎。 暗闘に気づいた風もなく、ハンナが何度も頷く。 「……やっぱり」 「だったらどうした」 しばらく森崎を見上げたままでいたハンナが、森崎から手を離して立ち上がる。 と、意を決したように口を開いた。 「練習、みてほしいんだ」 「……は?」 予想外の言葉に、思わず訊き返してしまう森崎。 「ボクの練習。走るとこ、見てほしい。それで、直せるところがあったら教えてほしいんだ」 「なにィ!? 何で俺が……」 『まあ、競技は素人だしねえ』 懲りずにまとわりつく相方の言葉も、今度ばかりは正論である。 しかしハンナは訥々と続ける。
[840]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:24:15 ID:??? 「ボク、ずっと独りで練習してるから……教えてくれる人もいないし。 今の練習でいいのか悪いかも、よくわかんなくなってきてて、それで焦ってたんだ。 ……でも、だからさっきの話、こう、ずーんって響いたんだよ!」 言ったハンナが、森崎の手をとって、縋るように言う。 意識しているわけでもないだろうが、距離は互いの身体の温もりを感じるほどに程近い。 「ね、お願い! 一回、一回みてくれるだけでもいいから! これも……『エン』だと思って!」 *選択 A 「しゃーねえ……乗りかかった船だ!」 快諾する。 B 「ったく……一度だけでもいいんだな?」 渋々承諾する。 C 「俺、忙しいんだってば……」 一応抵抗してみる。 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『10/18 24:00』です。
[841]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:25:26 ID:9+77bZxM ****** 森崎、年上モード。といったところで、 本日の更新はこれまでとさせていただきます。 お付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
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0ch BBS 2007-01-24