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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[94]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:31:17 ID:??? 見渡す限りの芝生は、夕暮れの下で奇妙な紫色へとその姿を染め変えている。 紫の絨毯は遥か視界の果てまで続くようにすら思えた。 「ハデなことはいいことだ、ってご主人様の信条が出てねえだけマシさ」 「……?」 そう言ったジーンの声音は、どこか苦々しいものを含んでいるように聞こえた。 しかし森崎が何かを聞き返すよりも早く、ジーンがそのなめらかな曲線を描く顎で遠くの方を指す。 「ほら、あっちだ」 「……あれは、リンダ……か?」 陽は既に落ちかけている。 薄暗い視界の中、言われてみれば動く影がかろうじて幾つか見える。 目を凝らせば、件の少女であるようにも思えた。 「……よくは見えねえが、そうなのか?」 「ここからじゃ遠いか。よし、もう少し近づくぞ」 言うが早いか、ジーンは手綱を手近な樹に括りつけると芝生の縁を沿うように歩き始める。 「何やってんだ、置いてくぞ」 「おい、俺には何がなんだか……」 「しっ、ここから先は大声出すなよ。お前に気づかれると話がややこしくなるからな」 「はァ!?」 胡乱げな森崎の態度を気にすることもなく、ジーンが先に歩いていく。 仕方なくその後を追いながら、森崎が問う。 「……で、何がしたいんだ、お前は」 言われた通りに声を潜めるあたりが人の好さというものであっただろうか。
[95]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:33:04 ID:??? 「一度、見といてほしかったんだよ」 「あ?」 「天才ってやつを、さ」 何を、と問いを重ねようとした森崎の耳に、そのとき飛び込んできたのは男の声である。 森崎の無論知らない、しかし妙に耳に馴染んだ声音。 怒号だった。 それも、感情に任せたものではない。 相手の精神にどう響き、どう動かすことができるかを計算し尽くした大喝。 「……教練か」 「ああ」 聞き覚えがあるのも当然である。 それは森崎自身もまた毎日のように発している種類の声だった。 叩き込む、という言葉の意味を、身体のみならず精神にも浸透させるための大音声。 あるときは限界に近い疲労から半ば強引に奮い立たせ、あるときは無駄な反骨心や自尊心を打ち砕いて 無意識のレベルにまで機械的な反復を刷り込む、ほとんど人格の改造に近いそれは、 日常に生きる人をいくさという非日常へと適応させるための儀式である。 人が己で定めた枷を打ち壊し、環境が厳格に要求する新たな枠をその首に嵌めてやって初めて、 多くの人間は情動の外側で人を殺せるようになる。 裏を返せば、そうでなければ大多数の人は、人の外側に出られない。 「―――、―――ッ! ―――!!」 そして今、人をそうでないものに変えるための声音をその身に受けているのは、一人の少女である。
[96]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:36:02 ID:??? 暮れゆく空の色を写し取って紫色から群青色へと変わりゆく芝生の中に、 ぽっかりと穴の開いたように赤土のトラックがある。 その赤土とほとんど変わらない色に染まって倒れ伏すのが、リンダ・ザクロイドだった。 細い身に纏った薄い練習着も、そこから伸びる白く長い手足も、後ろできつくまとめられた長い髪も、 そのすべてが土に汚れて酷い有様である。 流れ出す汗は土を泥に変え、べったりと全身に貼り付けている。 負けいくさで踏み躙られ、打ち棄てられた屍の如き、それは姿だった。 怒号が、響いた。 鞭に打たれたように屍がゆらりと立ち上がり、怒号の方を向く。 少女の側に立つのは、数人の男たちである。 いずれも一目、鍛錬に鍛錬を重ねたことが分かる体つきをしていた。 彼らの顔には、一切の緩みも余裕もない。 厳しい顔つきで何かを話し合うと、中の一人が少女に向けて声をかける。 少女が、頷いた。 その拍子にほつれた前髪を伝って垂れた汗の、沈みゆく陽に照り映えるのが、 不思議と森崎の目に映った。 「―――」 少女の表情にも、先日森崎が見たような悠然とした笑みは、どこにもない。 息を切らし苦痛に歪み、それでも俯かず、射殺すような目をぎらぎらと光らせて、 気高さを放り捨て優雅さの欠片もなく、それでもただ、真摯に。 少女は、立っていた。 「……」 「あれが、リンダ・ザクロイドって女だ」 ジーンが、ぼそりと告げた。 その視線は横に立つ森崎には向けられず、真っ直ぐに少女を見据えている。
[97]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:37:03 ID:??? 「他人の事情に斟酌しねえ。世間知の中で変に賢しくなっちまっていかすかねえ。 手前勝手に相手を振り回して省みねえ。嫌な女さ」 女、とジーンは口にした。 おそらくは一回り以上も歳の離れた少女を、女と評してジーンは続ける。 「それでもオレは目が離せねえ。どうしたって、あのお嬢さんから目が離せねえ。 恩じゃねえ。義理でもねえ。ただ見ていてえから目が離せねえ」 「……」 「ほとんど惚れちまってんのかもな、ハハッ」 最後は冗談めかして言葉を切ったジーンに、しかし森崎は愛想笑いを返さない。 ジーンが、やがて森崎を横目でちらりと見やり、固めた拳で軽くその胸を叩く。 「今日、お前を連れてきたのに深い意味はねえよ。ま、嫁の自慢みてえなもんだと思ってくれや。 お前がこの先、あのハンナってのとどう関わっていくかも知らねえしな。……けどよ」 間は、呼吸一つ分。 「お前とはこれっきりになる気がしねえんだよ。いつか『こっち側』にくる目だって、 まあ、なくはねえと睨んでる。……俺の、当てにならねえ勘だがな」 今度こそ曇りなく、にかりと笑ってジーンがそう言うと、トラックの方へと目を戻す。 「……おっと、最後に通しで走るみたいだな。折角だ、しっかり見てってくれ」 無理やりに連れてきておいて折角だも何もないものだ、と苦笑しながら、しかし森崎の目は スタートラインへと歩む少女に吸い寄せられていく。 競技者というものは、とその背を見ながら、森崎は思う。 競技者というものは誰しも、その戦場に立つとき、同じ空気を纏うのだろうか、と。 少女の後ろ姿はそれほどに、ハンナのそれと重なって見えたのだった。
[98]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:39:06 ID:??? ****** エントリーNo.1 リンダ・ザクロイド 基礎値:122 特性:不明 スキル:女王の威風(一位をキープしている際、ダイスを10プラスする) PBスコア:947(D25.11 スポーツの祭典 本戦) ***
[99]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:40:07 ID:GHuJRN6Y *** ★ *スタート セクションスコア1= 122*{1+(!numnum/100)} ★ *コーナー1 セクションスコア2= 122*{1+(!numnum +【女王の威風10】/100)} ★ *バックストレート1 セクションスコア3= 122*{1+(!numnum +【女王の威風10】/100)} ★ *バックストレート2 セクションスコア4= 122*{1+(!numnum +【女王の威風10】/100)} ★ *コーナー2 セクションスコア5= 122*{1+(!numnum +【女王の威風10】/100)} ★ *ホームストレート セクションスコア6= 122*{1+(!numnum +【女王の威風10】/100)} ★ ※★ごとにそれぞれ、 !と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。 00は100として扱います。 ***
[100]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/13(火) 19:43:50 ID:??? ★ *スタート セクションスコア1= 122*{1+( 56 /100)} ★
[101]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:44:03 ID:??? ****** 本当は 122*[1+{(!numnum +【女王の威風10】)/100}] と表記すべきですが、何だかわかりづらいですね…といったところで、 一旦ここまでとさせていただきます。
[102]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:45:04 ID:??? >>100 と、割り込みになってしまって申し訳ありません! ドローありがとうございます。
[103]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/11/13(火) 19:51:02 ID:??? ★ *コーナー1 セクションスコア2= 122*{1+( 25 +【女王の威風10】/100)} ★
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0ch BBS 2007-01-24