※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【バグサッカー】きれぼしサッカー【やりまーす】
[762]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:36:27 ID:??? 荷物を自らの足元に置き、互いに見つめあった後、岬があずみ目がけて走り出した。 あずみの射程範囲内に入ったところで、小刻みな左右のフェイントをし始める。 あずみ「(どっち……?)」 切り返しの減速などほとんど感じられない、流れるような連続フェイント。 突破されないようにしきりにマークしながら、相手の動きを観察していた。 左足からボールが離れた。右足はまだ上がっていない。 あずみ「(右からくる!)」 トラップする気がない以上、蹴り出したボールの勢いに乗って、岬から見て右側から突破を図るに違いない。 そう考えたあずみは重心を傾けはじめる。だが。 岬「(かかった!)」 あずみが釣り出されたのを見て取った岬は、件の右足でシュートするように、 しかしほんのりと軽いタッチでボールを浮かせ、あずみを飛び越えようとした。
[763]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:38:22 ID:??? あずみ「(いけない、抜かれちゃう、なら)えええいっ!」 パアンッ! ズサアアアアッ! 咄嗟に右肘を芝生に叩きつけ、それを軸に回転し足をボールへと持ち込んだ。 岬「なにィ!(速い!こんな事をおそらく即座に閃いて、そして間に合わせるなんて…でも!)」 バシイッ! 岬「(抜き去る事はできなくても、せめて奪われないようにする)」 あずみ「(と、取れなかった……)」 ポン、ポン、ポン…… 岬とあずみの意気が伯仲し、ボールは両者の足からこぼれ、芝生の上を転がって行った。 片桐「(凄い!あのレベルは日本はおろか、同年代のヨーロッパの選手とも引けを取らない。 それがろくに試合経験もないであろう日本人学校でいるとは……それも、2人も!)」 この光景はたまたま休憩のため公園を訪れていた片桐の目にとまった。 その後1時間にわたる2人の白熱した2人のやり取りを遠くで観察した後、 大急ぎで日本サッカー協会に連絡を取り、岬太郎の全日本入りが決定される事になった。
[764]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:40:27 ID:??? あれやこれやとサッカー勝負が終わった後、2人は売店で買ったソフトクリームを舐めながら、公園内のベンチに腰かけていた。 岬「それにしても随分上手くなったんじゃない、本気を出しても5分5分の勝負になってるよ」 あずみ「まあね。まっ、敵に塩を送り続けたのがいけなかったんじゃない? 3年間ずっと、岬くんがマンツーマンで色々教えてくれたからよ」 岬「そうかもね。でも、こうして全力で戦える相手と、 サッカーに関する『いろんな事』を話せる相手が出来たんだから、後悔はしてないよ」 あずみ「そう?良かった。岬くんと出会ってなかったらサッカーで 『いろんな』楽しい事に出会えなかっただろうし…ありがとね」 あずみは岬に向かい、ニコリとほほえんで話しかけている。 岬もいつものような万人向けの「天使のほほえみ」ではなく、どこか満足げな笑みをあずみに向けてさらしていた。
[765]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:43:19 ID:??? 岬「そう言えば、今日は大事な話があるって聞いたけど」 しばらく和やかに、和気あいあいとして談笑を楽しんだ後、賭け試合の前にあずみから言われた事を思い出して、岬が尋ねた。 あずみ「うん、岬くんJrユース大会が終わったら、日本に帰るんでしょ」 岬「そう、だね。父さんの裏の仕事が、どうも嗅ぎつけられそうな 気配を感じるって言って、ほとぼりを覚ますために日本へ行く事になりそうだよ。 折角いくつかのクラブから誘いが来るようになってきたのに……」 あずみ「何とか岬くんだけフランスに残る事はできないの」 岬「フランスに残ったら警察が僕を集中的に監視してくるだろうし、 そうなったらたとえ無罪となって釈放されてもクラブにはいられなくなるよ、だから僕は日本に行かないと」 まあ、日本で今後の夢のために人脈作りに励むよと、珍しく岬が声をあげて笑ったが、 あずみにはそれが空しい響きを感じずにはいられなかった。 場の空気が沈み込む。取り分けあずみは話題が話題であるだけに、なかなか話を切り出せずにいた。 思うところがある事を察した岬は、助け船を出すべく声をかける。
[766]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:45:20 ID:??? 岬「それで、話ってなんだっけ」 あずみ「う、うん。岬くんが日本に帰る事が分かった後すぐにこんな事言うのはあれだけど…… あたし、来年からパリのサッカークラブに入る事になったの」 岬「えっ!?」 あずみ「ほんとよ。この間、シャンゼリゼFCの入団テストがあったんだけど、あたしそこで合格したの」 岬「ええー…それは、凄い。いや、そこまで行けるなんて、 シャンゼリゼっていえばサンジェルマンFCのユースクラブじゃないか」 あずみ「うん。そこで何とかしてサンジェルマンFCにプロ入りして、 年棒やらなんやらでいっぱい稼いでやるんだ、きっと、やってみせる」 岬「(顔がギラギラしてきたなあ。ん、そういえば)それにしても女の子がやってきて 大丈夫だった?相当話題になったと思うんだけど」 あずみ「その事なら大丈夫よ。ちょっと待っててね」
[767]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:48:48 ID:??? あずみはベンチから荷物を持って立ち上がり、近くの大木へ向かい、 いいって言うまでのぞきに来ないでねと告げた後、木の裏に隠れた。 サワサワ、サワサワ。 わずかに漏れ聞こえる音に、岬は首を傾げる。 岬「(あの布の音は…服を脱ぐ音?何でこんな場所で…)」 怪訝に思ったが理由も特に分からないまま待っていると、木から白い腕が上下に振られ、 早く来てとやっと聞こえるぐらいの声で呼ばれる。 岬「一体何を…あっ」 やって来た岬が見たのは、胸にサラシをきつく巻いた他は上半身裸の、あずみの姿であった。 岬「あずみ…ちゃん。なんでこんな恰好…」 あずみ「あ、これはまだ途中よ、準備はこれから」 返事を聞いて岬の頭に、はじめてあずみに対する妄想が湧いた。 もしやこれからサラシも外して生まれたままの姿をさらけ出してくるのではないかと。 だが残念な事に現実の展開はそうならなかった。 あずみはしゃがみこんで荷物から茶髪のかつらを取り出すと、おもむろに自分の頭へとつけていった。
[768]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:50:50 ID:??? あずみ「どう?少しは男の子っぽくなった?」 岬「(なるほど、男装してテストを受けたのか、これは…)」 岬は改めてあずみの姿を見直してみる。 荒々しくビンビンに立った茶色の長髪。ボーイッシュで勝気な表情、サラシに押えてできた平坦な胸。 確かにこうしていれば、男に見えても不思議ではない。 岬「良いと思うよ。随分格好よくなったんじゃない」 あずみ「そう、よかった!女だとばれて他の人に嫌らしく見られたくなかったけど、大丈夫そうね。 もう名前も付けたんだ、ガスパール・ルブランって言うの。 小さいころからパリにいてフランス語もちゃんと話せるし、これでばれずに済むよね。 サッカークラブも性別に分けられてるし、女性クラブはレベルが低くてつまらないから」 岬「これで支障なくサッカーができそうだね。おめでとう、あずみちゃん(僕ももっと勇気を出していれば良かったのかな…?)」
[769]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:52:39 ID:??? ホッとした様子でウキウキと話しかけるあずみに対して返事をしながら、一抹の後悔の念が岬に漂ってきた。 やはり自分もフランスに残るべきであったか。そんな事を考えているうちに、再びあずみが話しかけてくる。 あずみ「岬くん……」 先着で ★サッカーと詐欺が結ぶ男女の縁 !card★ と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。 Eメール欄は空欄にして、IDが表示されるようにしてください。 JOKER・ハートK:「これからうちに行かない?今日は家に親、いないんだ……」 ハート:「んっ」 突然口づけをしてきた!さらに、カードが絵柄になると…… ダイヤ:「私の胸、触ってくれる?」 カードが絵柄になると…… スペード・クラブ:「もう遅くなってきたし、一緒に帰ろ」
[770]森崎名無しさん:2014/09/21(日) 14:55:02 ID:JqtKP4vs ★サッカーと詐欺が結ぶ男女の縁 ダイヤ3 ★ 突然の設定なのによく考えてるなあ
[771]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:55:36 ID:??? 随分と背中がかゆくなる展開になってしまったところで、今日はこれまでにいたします。 いつになったら試合パートに戻れますやら……
[772]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 17:58:20 ID:??? 今日の投稿を開始いたします。このところ仕事の都合で忙しくなりそうなので、 今週来週の投稿は厳しく、再来週もできるかどうか危なくなってきましたが、なにとぞ お待ちいただける事を願っております。 770さん、お褒めの言葉をありがとうございます。 色々描写不足ではないかと思っていたのですが、思わぬ評価をいただき、大変喜んでおります。 これからも拙作をお楽しみください。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24