※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
キャプテン森崎外伝スレ11
[407]森崎名無しさん:2013/03/17(日) 12:13:19 ID:??? ――夜が降りてくる。 立春は過ぎたとは言え、冬の寒さは消える事なく残り、刺すような風が「彼女」の白く光る頬に当たる。 真冬の夜風を浴びるその女性は身に藍と白を基調とした法衣を身に纏い、金色の髪には白のフード。 整った顔立ちは氷のように冷たく、冷静というよりは、機械に近い印象すら感じる。 そして、彼女のもっとも「人外」たらしめる要素として、その背後には、髪の毛と同じ色の豊かな金の九尾が光っていた。 ギイ、と歴史を感じさせる音を鳴らし、古屋敷の引き戸を開ける。その内部には、外にある以上の夜が広がっていた。 ?「紫様、起きていらっしゃいますか?」 彼女が夜に声をかける。そこからしばらく、主からの返事がないことを知ると、 屋敷にゆっくりと足を踏み入れ、主の部屋に直接赴くことにする。しかし、 彼女が広い屋敷の廊下を歩きだして数刻。 紫「……遅かったわね、藍」 主は、気まぐれにその姿を現した。 藍「…申し訳ございません、紫様」 彼女――藍と呼ばれた女性は、頭をさげつつ、主である少女を見て、意地悪な御方だ、と思う。 藍が声をかけるまでもなく、屋敷に入ることもなく、この方は自分の来訪を知っていたのだ。 そして、自分にとって気の利かないタイミングで現れる。 この少女は人のペースを崩すこと、そして相手を自分のペースに乗せることが大好きで、 いつもそのためにはどうすべきかを考えているのだ。そうに違いない。
[408]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 12:15:25 ID:??? 藍が主人の性格について自己流の分析をするが、 そのような場合ではない、主人に報告すべきことがあるとも同時に気付き、 淀みなく自分の仕事成果を述べる。 藍「――本日ですが、外界の要人との接触、交渉に成功しました。 残るは幻想郷内部での瑣末な手続き。そして事務的な折衝作業が中心になるかと」 紫「そう…さすがは私の式ね。手早い仕事で助かるわ」 藍「有り難き幸せ」 藍は、下半身を異空間に埋めたままの主人に再び頭を下げる。 主人たる少女の姿は、藍のように一目で妖と分かる要素こそないものの、 やはり人外じみた雰囲気を醸し出している。 藍と同じ金色の髪、紫を基調としたドレス、赤のリボンが特徴的なナイトキャップ。 少女なのか艶女なのか、全くわからない顔だち。 具体的には言えずとも、人間であるとは俄かに言いづらい。 紫「もうしばらくしたら、天狗や里の要人を通じて発表させましょう。天魔との交渉は私が直々に行うわ。 貴女は人里や、はぐれ者の人妖達を中心に、今すぐ動きなさい。それとね、藍――」
[409]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 12:16:39 ID:??? −−− 夜の冬空を飛びながら、藍は一人、紫に最後に言われた言葉を思い出し反芻する。 ――何度も言うけれど。これは遊びではありません。戦いです。私の、私たちの幻想郷を守るための。 この計画は、これからの幻想郷の「在り方」を左右する、極めて重要なものである。そう心得なさい。 藍「(戦い、か――。 こんな戦い、妖としての、式としての生の中でも初めてだ)」 主である紫の考えは、時々式である藍には到底理解できないものがある。 式としては優秀と自負してはいても、自分にはどうも頭が堅い点、発想力に乏しい点が、 欠点としてあることを藍は自覚していた。 そしてその理解しがたい紫の考えは、常に藍を、幻想郷を良き方向へと導いていたのだ。 藍「…いずれにしても、紫様のお考えだ。きっと誤るはずがない(けど――)」 だからこそ、藍は紫を尊敬し、そして信頼していた。 藍「――全ては、我々が愛する、幻想郷の為に(眠い……)」 金色の光が今宵も幻想郷を、外界を、駈けめぐる。……八雲藍、8日連続の徹夜勤務であった。
[410]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 12:18:19 ID:??? ――第百●●季 如月の三。 ひっそりと静まり返った冬の迷いの竹林。薄い灰色の雲は切れ間なく、しかし雪を落とすこともなく白い。 空と同じくらい白い雪の積もった地面と竹の深緑とのコントラストは美しく、 思わず水墨画でも書きたくなってしまう…そんな優雅な風景。 そんな優雅な休日。 鈴仙・優曇華院・イナバは、人生で最も幸福な時間を送っていた。 鈴仙「(ああ…こんなゆったりとした午後を過ごせるなんて…一体何年ぶりかしら? ううん、ひょっとしたらここに来て初めてかも…)」 鈴仙は寝巻のまま、自室でゆったりと読書に興じていた。 今日は診療所は休診。いつもの置き薬の仕事もないし、永琳は一人で研究に没頭している。 いつもは輝夜やてゐになにかちょっかいをかけられるものだが、幸運なことにそれすらない。 全ては完璧な偶然だった。 鈴仙「(完璧な休日だわ…完璧すぎて裏がありそうなくらい)」 どこかの魔女がいつかの時にのたまった台詞を吐いた。 …そしてそれが彼女の偶然、――幸運の果てを示す合図となる。
[411]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 12:19:24 ID:b5opK6Aw ??「たのもーっ!!」 永遠亭の…鈴仙の、ゆったりとした午後の時間は、望まれざる来訪者により突如乱された。 鈴仙「(やっぱりあったわね、裏……ま、あたり前か)はい、今伺いますー!」 永遠亭では、基本的に玄関から一番距離的に近い場所に自室を構えている鈴仙が まず応対をすることとなっている。 休診の日にわざわざ竹林を訪ねてくる者はあまりいないが、 急患もありうるので居留守をするわけにもいかない。いそいで人参柄の寝巻を脱ぎ捨て、 愛用のブレザーをラフな感じで身につけ、ネクタイを結び兎耳を揺らし玄関に向かう。 鈴仙「あのー、本日は午後は休診なんですが…急患の方でしょうか?」 鈴仙は外界の本職と比べると雑ではあるが、 それでも幻想郷の水準ではずいぶん丁寧な口調で応対に臨む。 しかし。 ??「あいにく私は病院いらずの身でね。ちょっと輝夜を呼んでくれないかしら?」 玄関に現れた人物を見て、鈴仙はため息をついた。その来訪者とは… A:当然、輝夜の因縁の相手である藤原妹紅だった。 B:オカマ口調のロベルト本郷(全裸)だった。 先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[412]森崎名無しさん:2013/03/17(日) 12:38:46 ID:SAar594k A
[413]森崎名無しさん:2013/03/17(日) 12:50:56 ID:Emj7FW5U A
[414]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 13:02:14 ID:b5opK6Aw A:当然、輝夜の因縁の相手である藤原妹紅だった。 鈴仙「(やっぱり妹紅さんだ…はあ、面倒くさいことになりそう)また姫様との『殺し合い』ですか? うーん、一応私の立場的にホイホイ呼んじゃうと後で師匠が怖いんだけど…」 妹紅「いや、その心配には及ばないよ。なんせ私、…いや、私たちはサッカーで勝負をつけにきたからね」 鈴仙「ヘ? サッカー?」 鈴仙の丸い紅眸が、一時点になった。確かに今幻想郷ではサッカーが大流行している。 そして鈴仙自身永遠亭ルナティックスの一員として度々試合にも出ており、 時には妹紅(と、その親友)率いる人里FCと対戦したこともある。 しかし、練習試合の申し込みで、このように妹紅が単身で永遠亭に赴くことはなかった。 事務的な交渉はほぼ全て彼女の相棒が行っていたからだ。 鈴仙「練習試合でもするつもりなの?私たちと?」 何か裏があるんじゃないの? 鈴仙の瞳に疑念が浮かぶ。 サッカーで敵チーム全員病院送りとか。 そんなことをわざわざする者など幻想郷でも聞いたことがないが。 (「できる」者は割といそうだが) 妹紅「ん…。まあ、そんな感じ、かな。ただ、ちょっとした『賭け』をしたくなって」
[415]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 13:04:29 ID:??? 鈴仙「『賭け』ですか…。どんな?」 妹紅「なに、大した賭けなんかじゃないよ。 負けたチームが勝ったチームに吸収合併される。それだけだからね」 鈴仙「なあんだ! 私てっきり殺し合いが関わってくるのかと…」 妹紅「私だってそこまで残酷じゃないよ。じゃ、そゆことで」 妹紅は牧歌的な表情で鈴仙に一礼し、そのまま客間へと進んでいった。 鈴仙はそんな妹紅の態度に安心して自室に戻る。 鈴仙「(妹紅さんもだいぶ丸くなったなあ。昔ならサッカー関係なくとりあえず絶対姫様殺そうとするのに。 それをチームの吸収合併だけだなんて…。 って、アレ、確かに軽いけど、あれっ…??)」 鈴仙に生じたわだかまりは、生じて当然のものだった。
[416]超鈴仙伝説(仮):2013/03/17(日) 13:05:33 ID:??? 輝夜「チームの吸収合併…。ねえ。それってもちろん、敗者は勝者に絶対服従、ってことでいいわよね?」 妹紅「当然。受けるんだったら、互いにやっぱノーカン、は許さないんだからね」 輝夜「はっ。当然じゃないの。 ――まあ、せっかくの恩人を卑怯な手で殺めた貴女には、 言い聞かせないと分からない事かもしれないけどね」 妹紅「――(ギリッ)……やっぱり勝負を改めようかしら。こんなスポーツはどう? 相手の首を先に切り落とした方が勝ち、とか」 輝夜「あら、やっぱりサッカーで勝つ自信がなくなってきたのかしら? 困ったらすぐ野蛮な手を使いたがる。 地上の人間の本当に穢いこと」 妹紅「――(ギリギリギリッ)……そうね、やっぱり平和的にサッカーで解決のほうがいいかもね。 これで勝てば減らず口を叩くどこぞのグータラ姫を奴隷扱いできるんだし」 客間の雰囲気は、まさに一触即発。互いが互いを罵倒し合い、暴力の影が見え隠れする。 口論ではいつも押されがちの妹紅の方に至っては、座布団が煙を吹いており、 口論の決着がつく前に永遠亭が焼失してしまうのではないか、とも思わせる。 ??「少しは落ち着きなさい」 すると、この状況を打開すべく襖から一人の女性が現れた。 彼女の名は… 先着1名様で 喧嘩両成敗?→!card と書き込んで下さい。マークで分岐します。 ダイヤ、ハート→永遠亭の薬師であり輝夜の従者、八意永琳だった。 スペード、クラブ→人里の守護者であり妹紅の親友、上白沢慧音だった。 JOKER、クラブA→女装したロベルト本郷(全裸)だった。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24