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【変わり行く】鈴仙奮闘記3【者たち】
[625]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:38:48 ID:??? 一輪「ゆ…許さないわ!! 行きなさい、雲山!!」 …そして、その態度で一番に激昂したのが、寺でも一番度胸のある一輪だった。 ――…雲山は、怒りに震えている…―― グオオオオオ…ン! ブンッ!! ――――ドゴォ!! 雲山の巨大化した拳骨が、日向を吹き飛ばす。それは手加減の無い、容赦なき一撃だった。 日向は地面に倒れ、ピクリとも動かない。 一輪「や、やったか!?」 …否、やってはいなかった。 日向はむくりと起き上がり。そして――。 日向「ククククク…ハァーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」 魔王の如く、狂ったように笑い叫び続ける。 日向「ククク…あの程度で「やったか」、だと…? 貴様、俺を笑い殺す気か!? (ハア、ハア…き、気持ちいい…!)」 ここで説明しておくが、日向は妖怪の一撃を受ける為に特殊な改造等を 施しているわけではない。…ただ、自らの精神をより高みに昇華させたのだ。 ――己の身に眠る『M』の気質を最大限にまで引き出し、 全痛覚を全て、快感に変換しているだけなのである。――だが、そんな事を知るよしもない命蓮寺の妖怪達は、 激昂した一輪の一撃が通らなかった。その事実のみで誰もが皆恐れ怯えていた。 …あと一撃でも食らわせることができれば、日向は間違いなく死に至るだろうに。
[626]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:40:19 ID:??? 日向「…さて、次は俺の番だな。――俺のシュートを見てから、 考えさせてやろう。俺に逆らい、俺のネオタイガーショットをブロックする側になりたいか…。 それとも、俺の傘下に入り、俺がゴールを量産するのを見る側になりたいかをな」 村紗「な、なにを言っているの!? シュート? そんなもので私達が――」 ポーン… 日向の足下のボールを浮かせ、脚を振りかぶった。 ドッゴォオオオオオオオオオオオオオンッ!! バリバリバリバリ!!! バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!! グギャグギャグギャグギャグギャワワアアアアアアアアン!!! ドグォォォォォォォォオオオオ!!!!!!! バリバリバリッ!! グシャアアアアアアア!!!! 村紗は全て見た。見てしまったのだ。なまじ優秀だった為に。 日向が爆音と比喩するのも躊躇われるまでの音とともに蹴ったボールが 彼女の頬を掠めて空気を引き裂いて行き、 反射的に顔を背けた彼女が見守る中寺の鐘に激突し、爆発した。 それが後に残したのは自らの哀れな残骸と、もはや原型を留めない青銅の塊だった…。
[627]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:41:19 ID:??? 小傘「う、う、うわああああああああん!! お、驚いた! わちき驚いたよおおおお!!!」 響子「………」フラリ…バタッ ―――まず限界だったのは、小傘と響子のちびっ子DFコンビだった。 妖怪として幼い彼女達にはこの刺激には耐えられず、思わず泣きだすか、 あるいは気絶してしまう。 ぬえ「…ちょ、こりゃマズイって…。てかこいつ本当に人間?」 マミゾウ「むうう…。 儂もこのシュートの威力は、儂の長い生の中でも初めての威力じゃ…。 吸血鬼や白黒のそれをも軽く上回っておるぞ…」 寺の新参者であるぬえとマミゾウは、容易く彼我の実力差を理解し、 逆らうのは下策、と思考を巡らせる。 日向「(ククク…。いつ見ても良いもんだぜ。クズ共の友情ごっこを踏みにじってやるのは)」 ――ここまでは、日向の予想通りの展開だった。…しかし。
[628]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:42:52 ID:??? 星「――日向、と言いましたね。…貴方のシュートには力がこもっていた。 ですが、…貴方のシュートには『正義』がない! それを学ばぬ修羅に、 私は屈しませんよ!」 村紗「…私だって。貴方なんかに負けない。私には、聖を守る義務がある」 一輪「ってことよ。 悪いけど、アンタには負けないわ!」 …古くから白蓮を。命蓮寺を強く慕っていた三人は、 あのシュートを見ても尚、自分達の寺を守ろうという使命に燃えていた。 白蓮「…貴方は、目先の『力』に囚われて。天道を見失った可哀そうな方ですね。 ――誠に独善で、土豪劣紳である」 白蓮は怒りよりも、むしろ悲しみに震えていた。それは当然自分の寺が破壊された事ではなく。 …これほどまでに人として堕落してしまった者への憐れみに他ならかった。 白蓮「(『善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや』…ですね)」 …だが、そんな憐れみだとか、そんな物が彼に通用すると思うか。 答えはノーである。 日向が自らの力に屈しない相手が現れた時どうするか。 それは更なる力を手にするか。それとも――。 日向「物分かりの悪い奴らだ。―――そんな奴らには、教育が必要だなァ!?」 グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
[629]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:43:53 ID:??? 相手が分かるまで、何度でもその力を誇示するのみである。 日向が再度、脚を大きく振りかぶる。再びネオタイガーショットを撃つ構えに他ならかった。 その構えは… 日向「(このヘタレの癖に、口だけは達者なこの虎妖怪。――こいつは気に入らないぜ!)」 …寅丸星に向いていた。虎(正確には『寅』であるが)をモチーフにした衣装に身を包んだ この少女は、しかし日向の目指すべき選手像とは対極的な選手だった。 彼女を見ていると、かつての醜く越えた自分――『檻の中の虎』―――。 これを思い出してしまう。そう無意識に考えていたのかもしれない。 日向「貴様ァ、俺に『正義』がないと言ったな? …では、教えてやろう」 日向「 俺 が 、 正 義 だ !!!!!!!! 」
[630]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:45:07 ID:??? ドッゴォオオオオオオオオオオオオオンッ!! バリバリバリバリ!!! バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!! グギャグギャグギャグギャグギャワワアアアアアアアアン!!! 星「…え?」 星は少し、反応が遅れてしまった。まさか距離的に離れていた自分が、 真っ先に狙われるとは思っていなかったのだろう。 村紗「し、星! 危なギャワアアアアアアアアアアアン!!!」 ドッゴオン!! 一輪「う、雲山しーr…ああああああああああっ!!?」 バギドゴォン!! その間に立っていた一輪と村紗が決死の勢いで飛びこむも、 威力は全く減衰されず。ゴミのように吹き飛ばされる。 そして、そのボールは真っ先に星の心臓を貫くと思われたが…。
[631]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:46:09 ID:??? 白蓮「――超人「聖白蓮」!」 シュウウウウウン! ――ギュン! …バシッ!! 超人聖白蓮が超スピードでその隙間に割り込んだ。 超人聖白蓮「ハアアアアアア!!!」 ボールを跳ね返す為、全力で魔力を解き放ち応戦する超人聖白蓮。 ボールと超人聖白蓮の戦いは数秒続き…。 ポ…テン! コロコロコロ… 超人聖白蓮「…フフ。止めましたよ?」 日向「な、なにィ!?」 日向が、ここで初めて驚きを見せる。 自分のシュートが、こんな甘ちゃんだらけのチームに防がれることなど今までなかった。 自分のシュートを防ぎ得る者は、大概にして孤高の強者だったのだ。 シュウウウウン… 同時に身体強化魔法の詠唱を止める白蓮。 表情は余裕を見せているが、彼女もこの一瞬で大きく消耗していた。 日向はそんな彼女達に驚いていた。…驚いていたし。同時にこう思った。 日向「(クククク…。愛だか友情だかしらんが。こいつらの希望を粉々にブチ壊してやりたいぜ…)」 と。…そして彼は、こんな提案をする。
[632]森崎名無しさん:2013/05/01(水) 21:46:18 ID:??? >>622 つ「新・東方資本主義」 http://www.nicovideo.jp/watch/nm10735667
[633]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:47:09 ID:??? 日向「…貴様等の勇気に免じて、少し遊んでやろう。 …5月20日。――丁度ここにデパートヒューガーが開店する前日だ―― に、賭けサッカーをしてやる。もしそこで俺のチームに勝てれば、俺はここから出て行ってやる。 あいにく、この世界の工事は都合が良いからな。 地底の蜘蛛や鬼に任せれば、一晩でこのボロ家など取り壊せるだろう」 村紗「ケホ、ケホ…(い…痛っ!) そ、そんなの、乗る訳が――」 一輪「いつつつ…。そ、そうよ! 言っとくけど、アンタのヘナチョコシュートなんて、 全然大したことなかったんだからね!…っつ!」 当然拒否反応を示す村紗と一輪。 白蓮「……私は、どうなろうと構いません。 もしもこの寺が無くなろうと。 形あるものはいずれ滅びるのです。私達も…彼も。 時が経ち、私達が必要とされるようになるならば。その時に寺を起こせばいいのです」 白蓮は、一方でこの状況を受け止める。 八苦を滅した彼女にとって、一時的な状況の崩壊など苦痛ではない。 盛者必衰。それをそれとして、受け入れているからだ。 白蓮「…寅丸。貴女は、どう思いますか?」 命蓮寺では白蓮に次ぐ僧侶であり、考え方も白蓮に一番近い彼女もまた、 白蓮に同調するのではないか、そう白蓮達は考えていたが…。 その考えとは正反対の事を、彼女は話す。 星「――戦いましょう! 聖! 私達の正義を見せ付けるのです!」
[634]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 21:50:20 ID:??? …星は、明るくとぼけた表情の裏で常に悩んでいた。 自分はストライカーなのに、なかなかシュートが決まらない。 皆はなんだかんだで励ましてくれるが。それだけでは不安だったのだ。 自分は皆に守られてばっかりで、何もできないのではないか。 …そんな考えが、今日の出来事で浮きぼりになった。 村紗は、日向に対し真っ先に声を上げた。一輪は、日向を倒さんと真っ先に動けた。 …では、自分は? 何もできなかった挙句、本来守るべき筈の聖に守られて。 由緒正しき『寅』の妖獣である彼女にとって、それは心の底では屈辱だったのかもしれない。 ともかく…彼女は、ようやく初めて。『檻』から抜け出そうとしたのである。 日向「ククク…。だと、よ? お前らはどうする?」 そう言って日向は、―――小傘やマミゾウの方を見る。 小傘「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ(ry」 小傘は壊れている。 マミゾウ「…儂は様子見したいのが本音じゃが…やるというなr」 マミゾウは一方で、吝かではないと言った態度だったが。 星「いえ、マミゾウさんに小傘。村紗に一輪も…。貴女達は無理をしなくてもいい。 ――これは私の戦いです」 星はそれを退ける。…そして。 星「日向小次郎よ! 私は貴方の勝負を受け付ける! しかし相手は命蓮寺ロータスではない! この私のチーム…『タイガースターズ』が勝負となります!!」 日向「ククク…なんだ、思ったよりも面白い奴らじゃあないか。 ならば、期待しているぞ。ククククク…ハァーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
[635]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/01(水) 22:13:36 ID:??? 〜回想終わり〜 ナズーリン「…と。ご主人が啖呵切って、自分で結成したチームとヒューガーの 社長との試合を、勝手に安請け合いしてしまったんだあああああああああああ!!」 鈴仙「(な、長かったわね…。実感としては、秋姉妹の寸劇以上だったわ) な、なるほどね。今週末に、賭けサッカーがある。それで貴女も従者として、 助っ人集めに奔走していた、と。そういう訳で良かったかしら?」 ナズーリン「そうなんだ。私とて、あの方と付き合いは長い。 シュートは怖いが…それでも、私だってご主人を守りたいんだ」 ナズーリンと星の関係は、純粋な主従関係ではない。 ナズーリンは同時に、星の上司である毘沙門天への報告役だったのだ。 しかし、永年の付き合いで、色々と情が移ったのかもしれない…。 ともかく、立派な忠誠心だった。 てゐ「ふんふん。面白そうな話じゃん?で、助っ人はどこまで集まってるわけ? 全幻想郷選抜の公式試合じゃあ無いなら、助っ人は呼び放題だしね〜」 ナズーリン「ああ。…と、その前に、我が命蓮寺ロータスで動ける選手をピックアップしてるんだが… まあ、何人か、というところだ。全員じゃない。…ケガ人も居るし、そこまで寺に忠義立てる必要の無いものも 居るからな。…とにかく。私は実は、助っ人を頼みに。鈴仙・優曇華院・イナバさん。貴女のところに参ったんだ」 鈴仙「へ? 私? てっきり師匠かと…」 ナズーリン「…君が最近、頭角を伸ばしていることは、一部のサッカーファンには有名だぞ? それに、『一勢力の長など、影響力が強すぎる者は呼べない』からね。 そういった点で、君が手ごろだと思ったんだが…」
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0ch BBS 2007-01-24