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【八目うなぎの】キャプテン霊夢27【逆襲】
[559]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:32:51 ID:??? 霊夢達が退室したのを見計らい、永琳は心を自分と向かい合うように座らせる。 心の表情は緊張した様子であり、永琳は頭の中だけで溜め息をつく。 永琳「(霊夢も厄介な事を持ちこんでくれたものね……。 うちのイナバの事だから、放っておく訳にもいかないし)」 永琳とて万能ではない。外傷や病気ならば余程の事がない限り治せる自信がある。 だが、精神的な病は例え蓬莱の薬だろうと治す事は出来ない。 永琳「……それじゃ、始めましょうか。ここには霊夢はいないわ。 まずは私が質問していくから、落ち着いてゆっくりと答えて頂戴。 答えるのが難しいと思ったら、無理に応えなくてもいいわ」 心「はい……」 〜〜〜 しばらく部屋で3人で他愛もない事を話して過ごしていると、使いのウサギが部屋にやってくる。 先に鈴仙だけが診察室に行って、少ししてから今度は霊夢達が行く事になった。 診察室に向かうと永琳だけが待っていた。表情はあまり明るくない。 霊夢は上手くいかなかったのだろうかと少し不安な気持ちになる。 永琳「とりあえず座って頂戴。まずはあの子から聞いた話を説明するわ。 患者のプライバシーに関わる事だけど、私だけではどうにもならないわ」 思わぬ弱気な永琳の言葉に霊夢の中でますます不安な気持ちが強くなっていく。 心と初対面である三杉は自分は聞かない方が良いんじゃないか、と言って再び席を外そうとしたが、 永琳から『貴方も聞いて、何か意見があれば聞かせて欲しい』と言われた為、同席する事になった。 心には予め席を外してもらったそうだ。今は鈴仙に相手をしてもらっているとの事である。
[560]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:33:58 ID:??? 永琳「話を聞いた感じだと、思っていた通り失点に対する軽い恐怖心を抱いてるわね。 しかも、その理由が中々に複雑で面倒な事になってるわ」 永琳が心から聞いた話を不必要な事は省きつつ説明する。永琳曰く、心の中でその気持ちが 芽生え始めたのは、2回目の大会に優勝した辺りからだったと言う。思った以上に早いその 時期に、霊夢は驚きを隠せなかった。 霊夢「嘘、だってそんな素振りは……」 そこまで言いかけて、はっとある事に気付く。南葛との試合終了後、心の様子は何処かおかしかった。 あの時はそんなに深刻に悩んでいる様子ではなかったが、そんな事を考えていたのか……と思う霊夢。 永琳「最初の大会はともかく、次の大会でも無失点でいってしまったのは逆にまずかったわ。 それで自信をつけるような性格だったら良かったんだけど……。 あの子の場合、逆に自分の中でプレッシャーを増大させてしまった」 永琳が聞いた話によると、2回目の大会で心は失点する事を覚悟していたらしい。 手を抜くつもりはなかったが、全力でいっても無失点でいけるとは思っていなかった。 点を取られたいという訳ではないが、失点すれば自分に対する虚像のようなものも消える筈、 そこから気持ちを切り替えて頑張ろうと思っていたらしい(スレ12 >>278の心の本音です)。 そこで実際に失点していれば、覚悟が出来ている分ダメージも大きくはなかっただろう。 だが、完全に偶然なのだが、あの大会で最も強いシューターである日向が所属してた 東邦学園中等部との勝負の際は、スタメンGKとして心ではなく鼎が出場する事になった。 マリオとヨッシーFCがあの大会で唯一喫した2失点。それは心ではなく、鼎が引き受ける 事になったのだ。その為、結果的に心は2大会連続で無失点で終える事になってしまった。
[561]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:35:53 ID:??? 永琳「もう一人のGKのイナバ……鼎は逆に最初にスタメンで出た試合で失点したのが良かったわね。 最初に挫折を知ってるからこそ、あの子の心は折れにくい。だけど、心の場合最初が上手くいきすぎた。 なまじそれが運だけじゃなくて実力も伴っていたから、余計に事態はややこしくなってしまった」 心は「鼎ちゃんが羨ましい」とも言っていたそうだ。それは東邦戦で2失点目を喫した後の鼎の行動。 落ち込むでもなく、泣き喚くでもなく拳を握りしめて試合を再開させようとするその姿。 その強がりとも言える姿に心は羨望と、小さな嫉妬を抱いていたのだ。 結果的に覚悟が空回りする形になってしまった心。その結果、覚悟は少しずつ彼女の中で形を変えていき、 「自分は失点してはいけないのではないか?」という強迫観念にも似た思いを抱くに至ってしまう。 それは自分ならそれが出来る、という傲慢ではなく、自分にそう言った期待をしてくれている人を、 残念がらせてしまうのではないだろうか、という彼女らしい考えだった。 勿論、ずっと無失点でいく等不可能だ。妖怪の山連合戦(地底フリーフォールズ戦はリセットして無かった事になっている) で文相手に心は初の失点を喫する。その後も少しずつ失点を重ねていき、その度に必死に自分を鼓舞しながら心は何とか 気持ちを立て直そうと努力していた。だが、今回の大会でついに怖れていた出来事が起こってしまう。 科学と魔法の融合戦では1失点こそ喫したものの、ミハエルのホーリークロスを止める等それなりの活躍を見せた。 だが、お狐様と化け猫達戦での不調や不運も絡み、4失点を喫してしまう。しかも、1回もセービングに成功せずにである。 心の中で、張り詰めていた糸が完全に切れてしまった瞬間だった。
[562]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:36:55 ID:??? 永琳「当たり前だけど、失点しないキーパーなんている筈がない。輝夜だって貴女達との試合では 全く良いところがなく6失点もしたのよ?あの子も、頭ではそれは理解しているわ。 だけど、頭で理解してても感情が追いつかない、今のあの子はそんな状態よ。 後、これは私見だけど……ナズーリン、だったかしら?彼女がブロッカーとして優秀過ぎるのも、 原因の一つとしてあると思うわ。大抵のシュートは彼女で止まってしまうからGKにセービングの 機会が訪れない。セービングの機会が訪れる時は彼女が抜かれた時……つまり、それだけ強力な シュートが来る事になる。そうすれば、当然失点の可能性は高まる。 止めた時はDFの手柄、失点した時はGKの失態……悪い言い方をすればこんな状態になっている。 まあ、DFが優秀過ぎるなんて大抵のチームからすれば贅沢な悩みだけど」 これも別にナズーリンが悪い訳ではない。むしろ、誰かが悪いという直接的な原因がないから余計に厄介なのだ。 そこまで言って、永琳はふうと一つ溜め息をつく。気の遠くなる程生きていた彼女からすれば、 心の悩みは頭では理解出来ても、心の奥底まで理解出来るものではない。 だから、出来る事にも自ずと限界がある。 霊夢「それで……結局どうしたの?」 今話したのはあくまで現状でしかない。それに対し、永琳がどう対処したのかを霊夢は聞く。 だが、永琳は少し申し訳ない表情を見せると軽く首を横に振る。 永琳「とりあえず言いたい事は全部吐き出させて、軽い精神安定の薬を処方しておいたわ。 後、最近少し眠りにくかったみたいだから、睡眠効果のある薬茶を飲ませたくらいね。 今は薬が効いて、鈴仙が連れて行った部屋で休んでいると思う。 対処療法にしかならないけど、今の時点で画期的な解決策は私にも思いつかない。 月並みだけど、時間が解決してくれるかあの子が復調してくれるかを祈るくらいかしら。 最も、それも根本的な解決策にはならないけど」
[563]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:38:05 ID:??? 三人の間に沈黙が流れる。霊夢としても、心の状態がそこまで深刻になっていたとは気付かなかった。 なまじウサギ達の中でも大人びている分、心配させまいと隠していたのだろう。 何でこういう時に勘が働いてくれないんだ、と少し落ち込む霊夢だったが、意外な所から救いの手が上がる。 三杉「それなら、こういうのはどうでしょう?」 それまで一言も口を挟まず黙って聞いていた三杉が永琳の言葉に被せるように口を開く。 思わず三杉の方を向く二人に対し、三杉は真剣な表情で言葉を続ける。 三杉「僕はあの子の事は良く知らないけど、今の話を聞くだけでも相当責任感の強い子だと言うのは分かりました。 責任感の強い相手に対して『気にするな』というのはあまり効果的ではありません。むしろ、しっかりと失敗を 見つめさせた方が自分の中で整理をつけやすいんです。例えば、僕がやっているのだとこんな方法があります」 三杉は自分の所持品からノートを取り出し、二人に見せる。 それを見た二人は思わずと言った感じで感嘆の声を漏らす。 霊夢「うわ、すご……。良くこんな細かいとこまで書いてるわね」 永琳「なるほど、貴方の状況判断能力の一端が分かった気がするわ」 そこには試合中の自分のプレイについて、上手くいった時はそれが何故上手くいったか、失敗した時は何故失敗したのか、 どうすれば失敗しないように出来たか、もしくはどうやってもこれは失敗するような事だったのか、 それらが克明に書かれていた。心臓病で長い時間プレイできない三杉は、一つ一つのプレイの質を上げる為に 様々な試みを行っている。ノートによる分析もその方法の一つだ。自分のプレイだけでなく、対戦相手の選手についても 主だった選手については同じ事をやっている。 三杉「勿論これが唯一の正しい方法じゃない。割り切って忘れて次のプレイに繋げる事が出来るなら、 それも立派な一つの方法だと僕は思う。だけど、それが出来ないなら自分の中で解決するしかない。 例えば先ほどの心さんの例だと、『失点した』という結果のみを見てしまっているように感じた。 それくらいなら、考えるだけ考えて何が原因だったかを自分の中で決めてしまった方が良い。 例えば、自分に責任のない失点にまでは気を負わなくて済むようになるかもしれない」
[564]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:39:16 ID:??? 永琳「……そうね。少なくともやってみる価値はありそうだわ。 分かったわ。この事もあの子には話しておくわ」 三杉「お願いします。僕から言うのも何でしょうし」 霊夢「……ありがとうね、関係ない外の世界の人なのに協力してくれて」 三杉「いえ、上手くいくかもわかりませんし。ただ、お役に立てたのでしたら良かったです」 謙遜する三杉だが、彼とて単なる親切心だけで話した訳ではない。八意永琳に対する感謝はあるが、 治療費はきっちりと払っている。ならば、何故自分の秘密とも言えるノートの事を話したのか? それは、単純に将来的な事を見据えての上だ。 三杉は前回の大会やこれまで幻想郷に滞在していた日々、今日ここで行われた会話等から、 ここにいる二人が幻想郷でもある程度大きな位置を占めているという事を理解していた。 ならば、その相手に対して恩を売っておく事は、今後に決して無駄にはならない。 仮に何も利益をもたらさなかったとしても、ここが外の世界とは異なった場所である以上、 自分のノートの事が外に漏れる可能性は低い。つまり、リスクはあまりない。 三杉淳。彼は意外に抜け目のない男でもあった。 ※心がスキル『安定感』のフラグを獲得しました!試合に出続けていると自動的に回収されます! ※当面の間、心のバッドスキルフラグが進行する事はなくなりました ※心の感情度が上昇しました! ※診断費として1500円支払いました!(4550円→3050円) ※三杉の心臓病克服フラグが立ちました! ※三杉淳と知り合いました! ※三杉のノートについてはキャプ森本編で自分や対戦相手の分析をしていましたが、その一環だと思って下さい
[565]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:41:45 ID:??? お昼前辺りに心が目を覚ました為、霊夢達は永遠亭を後にする。 心「永琳様、今日はありがとうございました。後、キャプテンも気を遣ってくれてありがとうございます」 永琳と霊夢に対し、それぞれペコリと頭を下げる心。永琳に思っていた事を全て話した事と ぐっすりと休んだせいか、ここに来る前よりも少しだけ表情が明るくなっているように見えた。 その胸には一冊の新品のノートが抱えられている。 霊夢「いいわよ、気にしないで。永琳もありがとね」 永琳「どういたしまして。ところで、前に渡した特別メニューの方はどうかしら?」 心「は、はい。今第三章の途中まで来ています」 永琳「そう、ならもう少しね。そっちの方も忘れないようにしなさい」 霊夢「(ああ、そういえばそんなのもあったわね……)」 ※心の身体強化トレーニングは第三段階の現在15/25まで進んでいます。 トレーニングは第四段階が最終段階となります。
[566]キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2015/04/19(日) 19:42:51 ID:2fPzJFuw 博麗神社へと帰る途中、心の様子を気遣いながら霊夢はこれからの事に思いを巡らせる。 霊夢「(それにしても、心がそんな事を考えていたなんて……。南葛との試合の後、 どうも様子がおかしかったのはこの事だったのね。とりあえずは三杉って人が 教えてくれた方法で心が少しでも立ち直ってくれるかを期待するしかないかしら……。 そういえば、この事はチームの皆に話すべきかしら?)」 A とりあえずは自分の心の中だけに留めておこう B チームの事にも関わるし、皆に話しておこう C 特定の誰かにだけは話しておく(誰に話すかも明記して下さい。複数可) D その他(何か他に考えがあれば明記して下さい) 先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[567]森崎名無しさん:2015/04/19(日) 19:45:34 ID:1ocZQ29E C 聖白蓮 おばあちゃんなら平気かも
[568]森崎名無しさん:2015/04/19(日) 19:46:55 ID:yX8SkQ2U B
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0ch BBS 2007-01-24