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アク規中代理カキコ依頼スレその3
[305]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:06:46 ID:ETY9hKHw 松山「それにしてもまさかドイツが前半の内に2点リードとはなあ…」 三杉「展開的にはむしろ押されていた筈なのに、冷静に戦況を見極めチャンスを物にしたね」 若林「ファイヤードライブと言う切り札を隠し持っていた事、それを躊躇なく切った事、 ポブルセンの予想外の暴走をむしろ好機と見なした事…好判断が重なった結果だな」 日向「あのキチガイの評価を上げざるを得ないか…つくづくバカとハサミは使い様だな」 早田「なんだよこりゃあ。ハッキリ言ってブラジル大ピンチじゃねえか」 次藤「味方の筈の観客まで敵に回しちょるばい。どげんすっとね?」 翼「……………」 森崎「……………」 全日本ユースの面々も予想外のスコアにざわめく中、翼と森崎は沈黙を保っていた。 修行先に選んだブラジルがまさかこんな体たらくになるとはと驚く一方、 リオカップではブラジル人ではない彼らが主役だった事も思い出してある意味納得していたのだ。 間違いなく強いのだが、それでも無敵には程遠いのかも知れないと。 この様に誰もがドイツの快調とブラジルの苦境を否定できなくなったこの瞬間、 当事者達はどんな精神状態で居ただろうか。
[306]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:08:32 ID:ETY9hKHw ブラジルメンバー「………」「くそっ…」「やっべぇ〜」「ひゃー、ブーイングが…」 シュナイダー「(よし。流石にダメージは小さくないな)」 ブラジルユースの選手達は精神的ダメージに耐えていた。逆に言えばそれを隠す余裕はなかった。 それをしっかり観察したシュナイダーは満足気に頷き、次に息を荒げるポブルセンに振り返った。 ポブルセン「てめえ…」 シュナイダー「余計な事を、等とは言わんだろうな?お前があのままゴールを決めていたら それはそれでとても有り難かったぞ。その前の活躍だけでも十分だったがな」 ポブルセン「クソが…偉ぶるんじゃねえ…」 シュナイダー「人を威嚇したいのならせめて息を整えてからにしたらどうだ? ついでに治療も今の内に受けてこい。さもなくば負傷悪化で憎いブラジル相手に最後まで戦えず、 日本との決勝戦もベンチから見ているだけと言う下らん結末になりかねんぞ」 ポブルセン「俺に指図…するんじゃねえ…」 ザッザッザッ… ポブルセンは先程のワンマンプレイで激しく消耗していた。勿論怪我も未治療のままである。 それを指摘し嫌々ベンチに向かわせるのはシュナイダーにとって容易い事である。 そのままフライハイトと共にドイツ陣内に引き上げると他の仲間達に歓迎された。 カルツ「奴さんは本当にどうしようもないのう。今回は奴の暴走が役に立ったが」 フライハイト「…ある意味扱いやすい奴ではあるさ」
[307]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:09:39 ID:ETY9hKHw カペロマン「お前らも大概な性格だよな」 シェスター「ともあれ、ナイスゴール!絶好調じゃないか」 マーガス「そうそう。ブラジルの奴ら顔を引きつらせてたぜ」 シュナイダー「ああ。1点ならまだしも、2点リードされると言うのは非常に大きい。 如何に猛者揃いのブラジルと言えど、ダメージは隠しきれないし自国民まで敵に回した。こうなると ホームアドバンテージも逆にプレッシャーとして害の方が勝り、またブラジルだからこそ “こんな筈じゃなかった”と言う焦りも大きいだろう。奴らの心は最早ヒビだらけになっている」 カルツ「それじゃ、早めに3点目を狙いに行くのかい?」 シュナイダー「…いや、こっちの消耗も激しいからそれは後半に狙った方がいいだろう。 ハーフタイムの時点で2−0のままなら向こうは更に焦り、後半の早い内に隙が生じる。 そこにトドメを刺すのが理想的な展開であり、勝利への方程式だ」 メッツァ「じゃ、前半の残りはマイボールになったら遅攻だね。了解」 シュナイダー「そうだ。今大会優勝候補大本命としてもてはやされ、苦戦らしい苦戦を しなかったブラジルは精神的な限界が近い。そこを容赦なく突き崩すぞ。気合を入れろ!」 ドイツメンバー『おう!!』 ここでシュナイダーは試合の残り時間、自分達の消耗、そして敵の状態を考慮し 勝ちを焦らず改めて冷静に戦う事を呼びかけた。勝負に徹するリアリストの彼らしい指示と言えよう。 だが彼は一つ知らない事があった。 ブラジルユースの選手達が大会前に自信を粉々にされた経験があると言う事を。 驚愕と絶望と屈辱に対する耐性と、そこから立ち直れる強さを持っていると言う事を。
[308]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:10:57 ID:ETY9hKHw 上記4レスのコピペをお願いします。
[309]森崎名無しさん:2013/12/04(水) 00:11:40 ID:??? 行ってきます
[310]森崎名無しさん:2013/12/04(水) 00:14:10 ID:??? 完了です
[311]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:32:27 ID:cn6cxfRg 放送「スタジアムが崩壊しそうな程のブーイング!観客は不甲斐ないブラジルユースに 怒りを露わにしています!勿論もしこのまま負けてしまっては更なる批判を避けられません! なんとか逆転の一手を打って欲しい所ですが、ピッチレポーターによると今の所 ブラジルベンチが動く様子は無いそうです!ロベルト監督も無表情で腕を組んでいるだけです!」 観客「ロベルトーーー!何やってんだこのピンチで!」「早く何か手を打てよ!何かあるだろ!」 「このままじゃ何も出来ないままでやられるぞ!」「黙って見ていりゃ逆転出来ると思ってるのか!」 ロベルト「……………」 観客の怒りはとどまる所を知らず、当然の如く選手達だけでなく監督のロベルトにも向けられる。 だが当のロベルトは指示を出すのでも選手交代を行うのでもなく、微動だにせず無言でいるだけだった。 この状況でそれを好意的に受け止められる筈がなく、更にいきり立った観客たちは別の対象に怒りを向けた。 観客「誰か何とかしろよ!スーパーサブとかさ!」「スーパーサブと言えば…10番のアイツはどうした!」 「コインブラとか言う10番を持ってるクセに試合に出てこないアイツは何やってんだ!」 「この大会一度も試合に出てねーじゃねーか!」「10番持ってるんならさっさと何とかしろーっ!!」 その対象は勿論、謎の10番であるコインブラ。 この大ピンチを覆すヒーローを求める者達は期待に応えようとしない選手に罵倒を浴びせ、 挑発によって力を引き出そうとする。それがコインブラの心に響く事を願って。 コインブラ「(…やはりこうなったか。親父にもこんな事をしていたんだろうな)」 しかし彼らが怒れば怒る程コインブラの心は冷えるばかりだった。
[312]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:33:33 ID:cn6cxfRg コインブラ「(分かっただろうカルロス。頂点を目指すのは成功しても失敗しても空しい事が。 そしてお前たちではドイツに勝てないと言う事が。それでも尚お前たちは足掻き続けるのか?)」 コインブラは観客の罵声など全く聞こえていないかの様にひたすらフィールドを見続けた。 カルロス達が絶望のあまり彼に助けを求めるのか、それとも絶望の中でもがき続けるかを確かめる為に。 だがカルロス達の反応はそのどちらでも無かった。 カルロス「…皆、怪我はないか?」 ブラジルメンバー「俺は大丈夫だ」「ああ、何とかなァ」「もう確認した、一人も負傷者はいない」 カルロス「そうか、不幸中の幸いと言う奴だな」 カルロスがまず最初にした事は怪我人の有無の確認だった。あれだけ盛大にポブルセンに 暴れられたブラジルユースだったが幸いにも誰も怪我しておらず、治療の必要は皆無だった。 チラッ。 カルロス「………」 コインブラ「………」 そして次に彼が行ったのは平淡な表情で自分達のベンチを見る事だった。 自然とコインブラと視線が合い、一瞬だけ二人の間に目に見えない火花が散る。
[313]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:34:40 ID:cn6cxfRg だがそうしていたのはほんの1秒程度で、すぐに彼はチームメイト達に向き直り朗々と問いかけた。 カルロス「それでは、コインブラを頼ろうなどと考えている軟弱者も居ないだろうな?」 ザガロ「…当ったり前だ!死んでもそんなマネをして堪るか!」 ネイ「嫌だよ。カッコ悪いし、それで勝てたとしてもサッカー選手失格だろ」 最初にそれに答えたのはもっともプライドが高く気性も荒いザガロだった。 それにネイが続き、その他の選手達も次々と異口同音にコインブラの参加を拒否する。 アマラウ「俺だってお断りだ!いくらアイツに実力があろうともな!」 ディウセウ「2点取られたからってそんだけで諦める程オラは柔じゃねえぞ」 マウリシオ「そんな事する位ならいっそボイコットした方がマシっスね!」 ジェトーリオ「大体アイツが入ったからって状況が良くなる保証もないじゃん」 ドトール「そもそもコインブラはチームにフィットしていない。特に精神的にな」 トニーニョ「俺達がいくらプロフェッショナリズムに徹しても、奴の方にその意識がない」 サンタマリア「戦力的な意味でも反対だ。デメリットがメリットを上回る確率が高過ぎる」 ゲルティス「コインブラの力で勝つ事は他のフィールダー全員の士気と自信を代償とするだろう」
[314]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:35:40 ID:cn6cxfRg コインブラに頼って勝たせてもらおうと考える者は誰ひとりとして居なかった。 カルロスは満足気に頷き、握り拳を作って熱弁を振るう。 カルロス「俺も正に同意見だ。サッカー選手としてのプライドを犠牲にし、たった一人の力を頼って 得た勝利など何の価値もない。それどころか頼ろうとした結果負ける危険性も高い。 そんな状況では絶対にコインブラは投入できない。監督もそれが分かっているから何もしないんだろう。 今ただただ無言で座っているのは俺達の力で勝ってみせろと言っているんだ。 それが出来ないのならコインブラを加える意味も世界一になる資格も無いとな」 ブラジルメンバー『……………』 カルロス「コインブラに出番があるとしたら、俺達を認めさせた後の決勝戦だ。あいつは昨夜俺にこう言った。 “自分抜きならドイツが3−2で勝つ”とな。そして俺は誓った。その予想を覆してみせると。 そして俺達にはそれが出来る筈だ。ドイツは2点リードしたが、元々俺達のゲームプランでは 2点以上取るつもりだった。ゲルティスがさっき言った事を加味すれば3点以上も取れる筈だ」 ブラジルメンバー『……………』 カルロス「勝つぞ皆!コインブラの驕りも、観客の怒りも、ドイツの誇りも全て 俺達の力で打ち砕き、俺達がセレソンだと証明するんだ!!」 ブラジルメンバー『おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!』 彼の熱弁に対するブラジルユースの選手達の気合が衝撃波の様にスタジアム中に響き渡った。 自分達はまだ死んでいない、負けていない、そうなるつもりも毛頭ないと宣言していた。
[315]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:36:53 ID:cn6cxfRg 観客「おおっ!?まだやる気だぞアイツラ!」「空元気じゃねーだろうなオイ!」 「さっさと結果を出せよ!せめて前半の内に1点入れておかないと本格的に不味いぞ!」 放送「おお〜〜〜っと!!ここでブラジルユース気合を入れ直しました! 絶対に逆転してみせると言う強い意志を感じさせる声でブーイングが収まりました! この気合が今度こそ空回らない事を心底願いたいものです!」 それは観客と実況からの信頼を回復させ。 シュナイダー「(何!?何だこの気迫は…虚勢…違う。自棄…違う。開き直り…違う! 自分達の力と勝利を疑っていない自信だ!何故だ、この状況で何故気迫が衰える所か増すんだ!?)」 ドイツを戦慄させ。 森崎「あれ…?あいつら、全然堪えてないのか?ほんの少しも?」 翼「…カルロスは一体どんな魔法の言葉を使ったんだ?」 全日本を困惑させ。 コインブラ「……………!?」 コインブラをも驚愕させた。 ロベルト「(どどしよっどどしよっどどしよっポーカーフェイスなんでなんで2点もリードされてるの ポーカーフェイスああああ何か手を打たないと何も思いつかないポーカーフェイス このままじゃ負ける負ける負けるポーカーフェイスヤバいヤバいピッチレポーターがこっち見てる)」 ロベルトは冷静を装うのに精一杯で何も気付いていなかった。
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0ch BBS 2007-01-24