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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】
[803]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:56:47 ID:??? レミリア「フラン、ここは私が決めるけれど良いかしら?」 フラン「むー……。 さっきボールくれたし別に良いよ」 にとり「ぐぬぬぬ……なーにが多様な攻撃手段だよ。 目の前で悠々と作戦会議なんかしちゃってさぁ。 耐久性を改良したこの『のびーるアーム・改』のサビになっちゃうかも知れないよ!」 河童C「(どうしてにとりは、あれだけ吹っ飛ばされたのに元気なんだろう…)」ヒソヒソ 河童A「(うーん。 へこたれない性格っていうのもありそうだし、発明品に自信があるっていうのも ありそうだけど――こういう境遇に『慣れて』しまったというのが大きいのかも)」ヒソヒソ ここまでくれば後は余裕と言わんばかりに、レミリアとフランは ゆったりとした日常会話のような雰囲気で次の得点者について話し始める。 そこには、にとりというGKの存在は完全に眼中に無いように見えた。 レミリア「貰ったわ、妖怪の山FC!」 グワアアアアアアアッ!! しかし、前述の通り、レミリアは決して弱者を前にしても油断し手を抜く性格では無かった。 彼女は大きくその細く小さな右脚を振りかぶり、その推進力を余す事なくサッカーボールに叩きつける。 実況「で、出た〜〜〜! レミリア選手のマスターオブレッドサンだ〜〜〜!!」 レミリア「 H A !!」 バゴッ……ギュオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!
[804]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:57:57 ID:??? フランドールの放った495年の波紋には及ばぬものの、 それでも小さな太陽のように輝き燃えるシュートの推進力はまさに一流。 そしてその圧倒的な実力差を体現するように… 河童A「だ、ダイビングブロックよ! ――って、ぎゃあああああ!?」バギュウウウン!! 河童C「か、河童Aがまるで紙きれのように! って、うわぁあああああああああ!?」ドゴオオオオン!! ジャンプしてブロックに向かった河童A、河童Cをそれぞれ地面に惨たらしく叩きつける。 しかし、彼女達はそのシュートの被害者としては充分にマシな部類であり―――。 にとり「くらえっ! のびーるアーム・改だ!」 ウイィイイイン! ―――ボンッ! にとり「へ? ボンッ? ――って、うわあああああああ! 何か引っ張られるぅうううう!?」 ズバアアアアアアアアン! ―――ドゴオオオオオオオオン! メキメキメキッ! ……ポン、ポンポン………。 ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! レミリア「――貴女は、今までに決められたゴールの数を覚えているかしら?」 にとり「お、おぼへてまへぇえん……ひゅうぃ」 真正面からシュートにぶつかったにとりは、自慢ののびーるアームの腕をもぎとられたばかりでなく。 そのおぞましいまでの推進力に負けてネットを突き破り、 友達であるボールと仲良く、その後ろにあったフェンスに思い切りめり込む事となってしまったのだった―――。 紅魔スカーレットムーンズ 2 − 1 妖怪の山FC
[805]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:59:19 ID:??? すみませんが、一旦ここまでです。 試合展開が長くて申し訳ございませんが、多分今日中には終わる…と思います(汗) それでは、一旦失礼致します。
[806]森崎名無しさん:2013/11/17(日) 14:21:18 ID:??? 乙です 妖怪の山は結構お気に入りだから活躍してくれて嬉しいです。 エースなしでも渡り合えるチームってのは燃えるね。 …まぁ、反町くんが盛大に吹き飛ばされるフラグをたてたわけですが
[807]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:40:14 ID:??? >>806 乙ありがとうございます。 チームをお気に入りと言って下さるのはやはり作者として嬉しいですし、 書いていて良かったと思えますね、ありがとうございます。 やはり敵となるスカーレットムーンズの強さを描写していきたいですが… そのためにも、妖怪の山FCの皆さんには極力善戦して頂きたいと思っています。 反町くんはもうちょっとは活躍するので大丈夫です(汗)
[808]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:41:22 ID:??? 実況「ご…ゴ〜〜〜〜ル!! 紅魔スカーレットムーンズ、今度は個人技に加えて 組織的なチームワークの高さも見せつけました〜! レミリア選手とフラン選手を封じ込めても、中盤の選手がしっかりとフォローに向かえる! こうなると、今までチーム力の強さを標榜してきた妖怪の山FCは、 精神的にもかなり苦しいのではないでしょうか〜!?」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」「流石はレミリア様だ!」 「こあちゃーん! アシストおめでとー!」「射命丸って案外…」「それは関係ないだろ! いい加減にしろ!」 はたて「……ごめん、私ちょっと浮かれてたね。 最低限の連携なんて、 どのチームもやっていて当然の事だったのに、警戒を集中させてしまったし」 射命丸「とは言っても、彼女達のチームワークとやら私等のとは違う。 何故なら彼女等は『レミリアさんを中心とした』チームワーク。 警戒が薄い場所へパスを通し、穣子さん達のタックルを掻い潜り、 そして圧倒的なシュート力でゴールを決めたのは、全てレミリアさんじゃないですか。 それで敗れたからと言って、私達が自信を喪失する必要は全くありません」 反町「そうですね。 このまま意気消沈しては、折角応援してくれているサポーターの方々に合わせる顔がありませんし」 椛「何言ってるんですか、反町さん! 合わせる顔はきちんとありますよ!」 反町「えっ? それは―――」 椛「笑顔さ!」(人差し指で自分の顔を指しつつ、張り付けたような表情で) 雛「(…ところで、もう誰もにとりの容態には気にしないのね。 慣れって厄い、間違えた、怖いわ……)」 このレミリアの得点劇に、妖怪の山FCのメンバーは……精神的にはまだ持ちこたえていた。 如何にチーム全体が連携を行えていたとしても、一人の選手を軸にしている連携には限界がある。 だから、このまま相手の隙を突き続ければ―――勝機はまだある。 彼女達はそう信じ、残り僅かとなる前半を戦い抜く事を決意する。 そして……
[809]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:42:23 ID:??? ピィイイイイイイイイッ!! 実況「さあ! 妖怪の山FCのキックオフで試合再開です! 前半も残り僅かとなり、互いにこれが最後の攻防となりそうな場面ではたて選手にボールが渡る! そして――」 はたて「(――時間稼ぎは、この残り時間では却って悪手。 だったら…)椛、文! 天狗トリオで中央突破行くわ」 椛「了解です! はたて様!」 射命丸「如何に上手いゲームメイクが出来ても、こうした連携はウチ等の専売特許ですよ!」 バシッ! バシッ! バシッ!! 実況「ここで妖怪の山FCの攻撃的ポジションが総出で中央突破! 妖怪の山FC、今度は精度の高い連続ワンツーで、レミリア選手とフラン選手を抜きに掛かる〜!!」 フラン「へ? 何、コレ? これってサッカーだよね? サッカーってドリブルとシュートで皆を吹っ飛ばすゲームじゃないの?」 レミリア「(フランには練習よりも、教育が必要だったわね……)けど、ここは私が――!」 バアアッ! バッチイイイイインン!! 射命丸「くっ…! これを弾きますか!?」 天狗3名の連続ワンツーによる中央突破は、唖然としているフランを悠々と抜き去り、 敵陣へと調子良くボールを流し込む事に成功するが……。 それでも、レミリアの個人技は圧倒的であり。3人がかりで複雑なワンツーのコースを見通して 本職MF顔負けのパスカットでボールを弾く事に成功する。
[810]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:43:30 ID:??? 小悪魔「れ、レミリア様の動きでも尚、ボールを捉えきれないなんて! でも大丈夫、ここで私がまたトップスピンパスでフランお嬢様に繋げば―――」 そうして弾かれたボールは小悪魔が運良くフォローするが…… しかし、それは彼女にとってある意味運悪く「厄い」事実だった。 ゴオッ………ゾクッ! 小悪魔「――って、何だか嫌な予感が……!」 雛「悪いけれど、これ以上進むというのなら――容赦はしない! 創符…ペインフロー!」 バシュウッ! ズガアアアアアアアアアッ! 華奢で清楚な彼女には似つかわしく無い、恐ろしげかつ激しい音を立てて雛は小悪魔へとタックルに向かう。 小悪魔もまた、パチュリー仕込みの教科書的テクニックでボールを交わそうとするが―――。 小悪魔「(駄目…! このままでは負傷をするか、ボールを奪われるかのどちらか! せめてどちらかは回避しないと――)お許しください、パチュリー様、お嬢様!」 スッ……パシッ! 雛のタックルの精度が、自分のドリブルのそれをも上回っていると判断した小悪魔は… 自身の負傷よりも、ボールを奪われる事を選んだ。 彼女は無暗な抵抗を避け、半ば雛にボールを差し出すかのように回避行動に出る。 一見、ボールキープよりも自らの保身を優先した臆病な選択であるようにも見えるが…。 レミリア「(そう……それで良いわ、小悪魔。 流石はパチェの愛弟子、彼女の判断力もまた侮るべきものではない)」 パチュリー「(ボールを奪われても、貴女の代わりにそれを取り返す選手は大勢居る。 だけど―――貴女の代わりに中盤でボールを繋ぐのは、この私を除いて他に代理が効かないの。 だから、ここは負傷による損失を抑えたのは正解よ、小悪魔)」
[811]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:45:37 ID:??? 彼女の主人と当主は、その判断を高く評価する。彼女達は小悪魔が容易にボールを通す事による失点のリスクと、 小悪魔が負傷する事による突破力の減退とを比較し、 攻撃的チームである自分達にとっては後者が重要であると考えていた。 雛「(これは…絶好のチャンス! ここは必ずモノにしなくては―――!)」 ボールを奪う事に成功した雛は、中盤に残る射命丸の代理として左サイドを駆け上がり――。 雛「……反町君、決めてッ!」 バシュウウウウウウウン!! 反町「了解です、雛さん!」 実況「おっと雛選手! ここで単身前に上がっていた反町選手へとセンタリングです! 普段はマンマーカーとして前に出る事が少ない彼女が、珍しくも積極的にアシストに動いた〜! 美鈴選手の飛び出しは高水準であるとはいえ、この反町選手も知る人ぞ知る名ストライカー! この勝負、一体どうなるか全く分かりませ〜〜〜ん!!」 反町「(ここで俺は決めて―――俺達のサッカーを、レミリアさん達に見せつけてやるんだ!)」 グワアアアアアアアアアッ! …バッ、シイイイイイイイイイイン!! センタリングを受けた反町は、低い位置までボールを誘導し…… それをシュートで地面に思いっきり叩きつける。 反町「くらえ紅魔スカーレットムーンズ! これが俺の――トクシックインパクトだ!!」 美鈴「(き、来た! だけどこれはダイレクトシュート! だったら止められます!) ホ……ホアチョ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 バアアアアアアアン!!
[812]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:46:56 ID:??? 咲夜「美鈴は……言われなくても飛び出しているわね。 妖精メイド達も一緒に飛び出しなさい! 美鈴のフォローに回るのよ! 私は―――ここで身構えてねじ込みに備えるから!」 反町のシュートに対して、ディフェンスリーダーの咲夜はメイド達に指示を出し、 そのまま自分は飛び出した美鈴の代役としてカバーに備える。 咲夜「(美鈴の浴びせ蹴りだったら、恐らくは互角以上の勝負は可能な筈! それならば、私はここでフォローに回り、反撃に備えるべきね)」 咲夜の期待通り、美鈴は先ほどの椛のシュートにも負けない勢いを付けて力強く飛翔。 これ以上は失点を許すまいとシュートに向かう反町ともども吹き飛ばさんと激しく跳びかかる。 反町「(美鈴さん、凄い勢いだ……! だけど、俺も負けていられない! 俺には、穣子や静葉さんの加護がついている! だから―――)うおおおおおおっ! 愛の力を舐めるなよぉおおおおおおおおおおおおっ!!」 バアアアアアン!! タッ――バッシイイイイイイイイイン!! 美鈴「えっ……!(も、もう一回飛んで―――一度跳ね返したボールをさらに叩き付けた!?)」 しかし、愛に生きる反町もまた、この試合にかける意気込みは大きかった。 特に前の永遠亭ルナティックスとの試合にて、穣子達が全力以上の力を発揮して 試合に臨んでいたにも関わらず、肝心の自分はFWにも関わらず無失点で、 特に際立った活躍も出来なかった事を、心の奥底では悔いていたのだ。
[813]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 17:01:34 ID:??? 穣子「す……凄いよ一樹く〜〜ん!!」 そのシュートは、飛び出した美鈴の脚先を僅かに掠めるものの、 殆どその威力を減じさせる事無くゴールへと向かう。 メイドA「な、何これぇ〜!」 メイドB「無理だよ〜!?」 メイドC「助けて咲夜さ〜ん!?」 咲夜「(なっ……この局面で、限界以上の力が出せたというの!? しまったわ! この態勢からでは私はブロックに行けな―――い……!)」 そして、最もクリアに長けた美鈴が敗北した以上、 他の妖精メイドにそれを防ぎうる可能性は潰えたと断じるに等しく。 実際に、そのシュートはフォローに回っていた咲夜も触れられずに進み―――。 ガッ……シィイイイイイイイイインン!! ポン、ポンポン…… 美鈴「(お、お許しくださいお嬢様ァーッ!? …って、あれ?)」 咲夜「(――瀟洒ではありませんわ)」 反町「(し……し……しまったぁあああ〜!?)」 ボールは勢い良くポストへと激突し、 先ほどのシュートは打って変わっての緩やかなスピードで、咲夜の足元へと転がって行くのだった。
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0ch BBS 2007-01-24