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【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】
[124]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:54:03 ID:b7d0zvQo 陽子「…こんな人、好きになっちゃったんだろ…」 森崎「えっ!?んむっ!」 陽子は突然好意を打ち明け、森崎がその驚きから回復する前に顔を寄せて唇を重ねてきた。 それはほんの一瞬の事で、すぐに彼女は離れたが、その瞳は潤みながらもまっすぐ森崎を見据えていた。 陽子「有難う…ゆ、有三。私、もう貴方には憧れない。何時までもそれだけじゃ嫌だから…頑張る。 後ろから憧れるんじゃなくて、ちゃんと胸を張って、大好きな貴方の隣に居られる様に…ね」 森崎「よ、陽子…」 陽子「…も、もう寝るわね。明日に備えてちゃんと寝なさいよ!これで睡眠不足だったりしたら承知しないんだから!」 スタタタ… 勇気を全部出しつくしたのか、陽子は酔いを物ともしない駆け足でバーから立ち去っていった。 後に残された森崎はポツンとしてから、自分の唇に指で触れてみた。 森崎「ファーストキスはレモンとカシャッサの味、か…」
[125]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:55:32 ID:b7d0zvQo バーテン「祝福を申し上げます。ですが、あの女性はお勘定を忘れてしまいまして…」 森崎「ん?あー、いーよ、俺が払っておくよ。俺が割り込んだ形だったしな」 バーテン「有難うございます。さて、カップルの誕生にはバーテンとして祝福致しますが、 ブラジル人としては明日の試合のご武運は祈れません。それはご了承ください」 森崎「要らねえよ。どうせ俺は明後日からはブラジル中から恨まれている立場になるんだ。 あの夜下剤でも仕込んでおけばよかった!って思う事になるぜ」 バーテン「ハッハッハ、聞きしに勝る大胆不敵ぶりですね。ですがそういった男性に人間的魅力があるのも事実。 野心に燃え、それを叶えられるかも知れない力を持つ男性に憧れる女性も少なくない。 そんな特別な存在に特別扱いされるのもまた愛情ですからな。ツメを誤りさえしなければ 彼女のハートはいずれ貴方の物となります…とお節介を焼いておきましょうか」 森崎「…バーテンって人種はそういうアドバイスをしたがるもんなのか?」 バーテン「然様です。人間観察が好きでなければこういう仕事は辛いですからね」 森崎「全く…もう帰る。勘定頼むぜ」 バーテン「はい、ただいま」 *陽子→森崎の関係が「????」から「大好き」になりました。
[126]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 10:03:15 ID:b7d0zvQo 森崎「(そうか…陽子には俺の足手纏いになるんじゃないかって後ろめたさがあったんだな。 だったら安心させなくちゃな。俺は女を欲しがっただけでダメになる様な奴じゃない。 女だろうと世界一だろうと、欲しい物全てを全力で手に入れてみせる男だって言う所を見せる。 そうだ、俺は森崎有三だ。欲しい物は何でも手に入れる。今欲しいのは世界一だ! 世の中には二種類の人種が居る。ナンバー1と、ナンバー2以下だ。 俺はナンバー2以下になるのは嫌だからここまで来た。そして今度もナンバー1になる! ここも通過点に過ぎない。ワールドカップにヨーロピアンカップ。 バロンドールに…今年から設立されるFIFA最優秀選手賞ってのもあったな。それも頂きだ。 俺は森崎雄三だ!相手がブラジルだろうと何だろうと、必ず勝って、全てを手に入れる!)」 バーテン「こちらがお勘定になります」 森崎「おう…ん!?な、なんだこの値段!?ってそういやブラジルはインフレが激しいんだった…」 カサカサカサ… チャリンチャリンチャリン… バーテン「…大変失礼ながら、これでは足りません」 森崎「…チ、チームメイトから借りてくる…(ブラジルの金を持っていそうな奴…ゲッ、あいつしかいねえ!)」 翼「ふーん、いきなり来て何を言うのかと思えば…いいよ、ちゃんとインフレを考慮して返してね」ニヤニヤ 若林「プッククク…」ニヤニヤ 森崎「ぐ、ぐぐぐ…さ、サンキュー…(くっそぉおおおお!決勝戦前夜にこんなムカつく思いを〜〜〜っ!!)」
[127]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:08:37 ID:DMJOwuf+ 〜大会25回目〜 何らかの玉を蹴る遊びは紀元前から世界の様々な場所で存在していたと言われるが、 現在サッカーと呼ばれる競技が正式に生まれたのは19世紀中期のイギリスとされている。 この競技はブラジルと日本には1870年代と言うほぼ同じタイミングで伝わったとされるが、 その後の発展の仕方は全く異なる物であった。 最初にブラジルにサッカーを広めようとしたのはイングランド留学帰りの一人のスコットランド人だったと言う。 まず上流階級にサッカーが広まり、1930年代から国技と呼ばれる程人気が高まっていき、 当時から世界屈指の強豪国と見なされていたもののワールドカップで初優勝を達成したのは 1958年のスウェーデン大会だった。その後1962年のチリ大会、1970年のメキシコ大会でも 優勝し通算三回の優勝で1991年の時点では旧西ドイツと並び最多優勝回数を誇る。 しかし1982〜1990年のワールドカップでは3回とも優勝はおろかベスト4にすら入れず、 “歴史と実績があり間違いなく強豪国だが、最近は低迷しつつある”といまいちな評価が 定着しかけているのが今のブラジルである。この現状をブラジルが良しとする訳もなく、 今回自国開催となったワールドユースで華々しく優勝し1994年ワールドカップでの復活に 繋げたいのは言うまでもない。ましてや突如現れた新興国にそれを阻まれるなどあってはならないのである。
[128]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:10:31 ID:DMJOwuf+ 一方日本においては最初はイギリス人が日本にサッカーを持ち込み、体育の一環として全国に広がった。 しかしあくまで学生の教育の一環とされた日本サッカーは1917年に行った初の国際試合で 当時の中国とフィリピンに大敗する程脆弱だった。その後も基本的にサッカー弱小国とされたまま 第二次世界大戦の影響でサッカー文化が中断されてしまい、1968年のメキシコオリンピックで 銅メダルを獲得した事以外はまるで良い所がなく、1991年の時点で未だワールドカップには未出場である。 この取るに足らないアジアの弱小国と言う評価は今、驚天動地の勢いで全く別物に塗り変えられつつある。 1986年フランスで行われた第一回国際Jrユース大会でお客さんとして招待された筈の 日本がまさかの優勝を遂げたのだ。この時のチームのメンバーが主となって今回のワールドユースでも アジア予選初突破、本大会初出場に飽き足らず決勝戦まで勝ち進んだ事によって 日本のサッカー文化も世界のサッカー勢力図も劇的に作り変えられつつある。 かたや復活を目指す誰もが認める伝統的な強豪国。 かたや世界で類を見ない程急速に成長した新興国。 これから数年のワールドサッカーの行方を左右するであろう決戦の日がついに来た。
[129]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:13:30 ID:DMJOwuf+ 日本人記者達「ぐわーっ、なんて人ごみだ!?」「ホントにこの道でいいのかよ?」「人の流れに沿ってりゃ辿り着くだろ!」 日本サッカー協会関係者「ここも渋滞か…」「おいおい、三時間は余裕を見た筈なのに…」「これで間に合うのか?」 南葛関係者達「に、肉まんの波に押しつぶされるぅ〜…」「痛い痛い痛い!押されて体が痛い!」 「もう駄目、暑くて暑すぎて倒れる…」「やだ、折角持ってきた応援グッズが汗だらけ!」 この日のリオデジャネイオロは当事者の2国は勿論、世界各国から報道陣とサッカー関係者が押し寄せていた。 地球の反対側まで応援にかけつけた日本人達は筆舌に尽くし難い苦労をしながらマラカナンスタジアムに進んだと言う。 骨皮「よ、陽子しゃん、ただいま到着しました〜…」 陽子「ご、ご苦労様…大丈夫?もうすぐ選手達のバスが来るけど…」 骨皮「えっ、もうですか!?皆、急いで旗とか横断幕とか用意して!」 南葛関係者『お、おう!!』 賀茂「日本から来てくれたのは良いが、ちと危ない目に会わせちまったな」 片桐「サポーターが快適に応援できる環境作りも今後の重要な課題となりますね」 長野「旗よーし!」 岩見「幕よーし!」 小田「メガホンよーし!」 早苗「…うん、これで準備OKね」
[130]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:05:29 ID:Tp/GLA8M ブロロロロロ… プシュゥウウン。 森崎「よーし、着いた着いた…うおっ!?」 翼「!!!?!」 ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 一番先にバスのドアから降りた森崎を皮切りに、全日本ユースの選手達全員が応援団の盛大な歓迎を受けた。 長野「来た!森崎だ!うぉーい、久しぶりー!」 岩見「サプライズ計画は成功だな」 小田「うわー、凄いオーラを放ってるなー…」 大川「全日本ユース決勝進出おめでとう!」 小暮「森崎先輩!お久しぶりです!」 山田「もう一度世界一の日本を見せて下さい!」 剛田「アンタならやれる!やっちまえ!」 森崎父「す、すごい立場になっちゃったな有三…」 森崎母「我が息子とは思えない出世ぶりだわ…」 特に数が多く目立つのは南葛の関係者達で、彼らの多くが森崎に群がりながら “世界を手にする日本の風雲児! 森崎有三”と書かれた横断幕をデカデカと見せつけてきた。 森崎「なんだこりゃ…あ、骨皮!お前の仕業か!」 骨皮「そうですよ!決勝戦になったら皆で駆けつけようって企画していたんです!」
[131]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:07:33 ID:Tp/GLA8M A 「粋な事するじゃないか。皆、わざわざブラジルまで来てくれて有難うな」 B 「チェッ、照れるだろうが。こんな事されなくても俺は勝つぜ」 C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」 D 「よう皆。南葛は今どうなってる?まだ日本一の座を保っているか?」 E 「親父…お袋…そんなにキョロキョロしないでくれよ、恥ずかしい…」 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて ☆2014/5/15 22:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 10 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[132]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/16(金) 23:36:25 ID:9d5PSlbg >C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」 グッ。 予期していなかった応援団の登場に、森崎がサムズアップと共に返した答えは実に彼らしいものだった。 森崎「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」 彼は日本が優勝しブラジル人の恨みを買う事になる、と豪語したのだった。 長野「お〜っ、優勝するから恨みをぶつけられない様にしろって意味か!」 岩見「確かに気性の激しいファンが暴動を起こす可能性もあるな」 小田「ハハハ、森崎らしいや…負けたらどうしようなんて考えないんだな…」 南葛市民「うぉー!」「カッコいいぞ森崎ー!」「きゃー!素敵ー!」 その強気の態度は好意的に受け止められた。 以前森崎とチームメイトだった者達はこの精神力の強さを良く知っており、 それに伴う横暴さももう直接被害を受ける事はない立場になると良い思い出に美化されたのだ。 勿論その横暴さを味わう機会が無いただのファンは単純に頼もしいとしか感じない。 ただ、この気の強さは決して遺伝による物ではないのだろう。 森崎父「お、おいおい、いいのかそんな事言ってしまって…」 森崎母「母さん、暴徒に乱暴されるなんていやよ!?」
[133]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/16(金) 23:50:53 ID:9d5PSlbg ズルッ。 森崎「親父ぃ…お袋ぉ…頼むからもうちょっと堂々としていてくれよ。 俺の親なんだからマスコミが取材に来たりするだろうし…」 森崎父「ひいいっ、言わないでくれっ!こないだなんか会社までどっかの雑誌の 記者が乗り込んできて、お前がいると仕事にならないって叱られたんだ!」 森崎母「近所の奥様達もあなたのサイン寄越せってうるさいのよ! ブラジルに居るから無理ですって言っただけで恨まれるし!」 森崎「た、頼りねぇ〜…そんなの強気で追っ払えよ!」 小暮「(初めて会ったけど、森崎先輩の親御さんってこんなに気弱だったのか…)」 山田「(息子が日本屈指の有名人だと大変なんだろうなァ)」 剛田「(俺なんかかーちゃんがお前は何時日本代表になるんだい!って煩いのに)」 森崎の父母は一般的なサラリーマンと専業主婦であり、息子が有名になるにつれ周囲から視線が集まる事に大層困っていた。 その小心ぶりは息子とは似ても似つかない有様で、正しく鳶が鷹を産んだケースと言えよう。 城山「お、お〜〜〜い森崎!助けてくれ、助けてくれぇ〜」 森崎「あん?南葛SCの…(名前何だっけ)記者に囲まれてるのか?…ひょっとして俺の親戚に間違えられたのか!?」 ちなみに赤の他人だが森崎と顔が似ているかつての恩師もこの場に居り、はた迷惑な珍事を起こしていたと言う。
[134]2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/19(月) 22:29:27 ID:bACi0klc 森崎が何処か間が抜けた交流に勤しんでいる頃、すぐ傍ではそれに似ても似つかない程 真剣で、笑いの余地など何処にも入りそうにない光景があった。 バスから降りた直後に翼は見た。 ブンッ、ブンッ! 早苗「翼く〜ん、頑張って〜っ!」 翼「(さな、え、ちゃん…!?)」 小学生時代、南葛小の応援団団長だった頃の様に彼の名前入りの応援旗を振っている中沢早苗の姿を。 お手製の旗はツギハギだらけだった昔に比べると格段に出来が良くなっていたが、 そこに記されたメッセージは昔と同じく“ファイトつばさくん”だった。 西本「翼くん、とうとうここまで来たんだから行けるわよ!」 杉本「世界一になってくださいね〜!」 大空広大「好きこそ物の上手なれ、だ!世界一サッカーが好きだと証明しろ!」 大空奈津美「こらぁ放蕩息子!連絡の一つも寄越さないんだからわざわざ来てやったわよ!」 大空大地「兄タン、がんばれ!」 翼「(父さん…母さん…大地…マネージャー達まで…皆、来てくれたのか?俺の為に? 早苗ちゃんにあんな事をした俺をまだ応援…いや…まさか、知らないのか!?)」
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0ch BBS 2007-01-24