※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】
[50]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:05:10 ID:U2tcOuNY 放送「あああああっ!!?ぼ、ボールが…ハイボールが、再びブラジルゴール前へぇええええ!!!」 観客「なんだとォーーーーッ!!?」「笛、笛はどうした!」「もうタイムアップだろ!」 「シュナイダーは倒れてい「そのまま座ってろ立つ「ゲルティス立てよ!」ウセウはもうダメか!?」 「クリア出来る奴が誰も「いやーーーーー!!」たれる撃たれるーっ!!」「神様助けて!」 絶対絶命。あれほど苦労して奪ったリードが最後の最後で不意にされてしまう悲劇。 実況も観客も遠慮なく悲鳴を上げに上げたが、それらはシュナイダーには殆ど聞こえなかった。 シュナイダー「(この高さ…ヘディングでは届かない、オーバーヘッドキックではなくては…なのに!)」 今の彼の意識を占めていたのは彼の上空に向かってくるボール、そして。 シュナイダー「(…くそっ…足が、足がっ!)」 いくら気力を振り絞っても悲鳴ばかり上げる己の体だった。 シュナイダー「(動け、俺の足!もっと速くだ!)」 このまま彼が蹴らずに見送ったらこのボールはわずかにゴールポストの横を逸れていくだろう。 シュナイダー「(19年間共に走り続けて来たじゃないか!こういう時の為に!世界を獲る為に!)」 故にどうしても立ち上がらなければならない。彼が立って、跳んで、蹴らなければ全てが終わりなのだ。 シュナイダー「(後1回だけ!後1回だけでいいんだ!それで休ませてやるから!)」 なのに彼の足は彼の叱咤に応えてくれない。立ち上がりつつは居る。だがそれが遅い。 これでも間に合うのか?もう絶対に間に合わないのではないか… 諦めたい。もう休みたい。 この試合何度も脳裏を掠めた思いが彼の闘志をいよいよ消そうとする。
[51]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:09:23 ID:U2tcOuNY シュナイダー「(…よし…ジャンプ、出来る!)」 彼の闘志は消えなかった。蝋燭の様に儚くはなっていたが、それでも苦難の荒波にかき消される事はなかった。 シュナイダー「(膝を曲げて…跳ぶんだ)」 バッ! 彼は諦めなかった。間に合わないかも知れない、と言う思いを焼き尽くした。 そんな事を考えている暇があったら動け、と言う彼らしい実にシンプルなロジックで。 シュナイダー「(体を回せ。足を振れ)」 グワッ… それはオーバーヘッドキックと言うにはあまりに弱く穏やか過ぎた。 ただ形だけそうなっているだけで、これをシュートと言い張るのはストライカーの名折れになるだろう。 それでもいい。ただコースを少し変え、ボールをゴールの枠に誘導すればそれでいい。 それで十分だと分かっていたシュナイダーは正確に動きタイミングと打点を合わせる事に集中した。 ジワッ… シュナイダー「(ぐっ…目が…!気にするな、もう関係ない!)」 間の悪い事に汗が目に流れ込みシュナイダーは目を瞑る事を余儀なくされたが、 それでも彼は構う事なく足を振り続けた。どうせもう見えようが見えまいが関係ない。 シュナイダー「(まだかっ…ボールを、蹴った感触は…まだか…!?)」 永遠に感じられる暗闇の刹那、シュナイダーは最後まで不安と戦い続けた。 結局間に合わなかったかも知れない。ひょっとしたら早過ぎたかも知れない。 飛び上がる地点を間違えたかも知れない。無数の不安が彼を苦しめ続ける。
[52]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:12:39 ID:U2tcOuNY そしてそれが終わった時、シュナイダーは確かに感じた。 ガスゥウウウウッ! シュナイダー「!!!」 それは確かにボールを蹴った感触だった。思ったよりも重く強く感じたそれは 間違いなくボールの芯を捕らえているのが彼には分かった。これなら狙い通りに飛ぶと。 シュナイダー「(やった!…あ、あれ…)」 だが彼にはそれ以外の事は分からなかった。暗闇の中で何も見えず、極度の集中の弊害で何も聞こえず、 そして限界を超えた疲労の代償か今や触感すらなくしていた。 シュナイダー「(こ、これは…俺は、気絶しようとしている…?)」 体感時間ではそろそろ地面に落ちていて良い筈。なのに何時までも何処までも 落ち続けていく感覚が終わらない。彼の意識は自分が気を失おうとしている事を認識した。 シュナイダー「(………ダメだっ!!)」 シュナイダーはこれにも抗った。 シュナイダー「(まだ延長戦があるんだ!俺のゴールで獲得した延長戦! 俺はその延長戦を制し、決勝戦に進み、日本を倒し…世界を獲るんだ!!)」 彼は最後の最後まで諦めなかった。戦い続けた。 シュナイダー「(俺は…俺はまだ戦える!戦うぞっ!)」 不安と絶望の闇を払い続けた彼の炎は同点ゴールで勢いを取り戻し、無意識の海すら蒸発させた。 誰にも知られる事のない、彼自身良く覚えていないであろう孤独な戦いに勝った。
[53]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:17:07 ID:U2tcOuNY ガバッ! シュナイダー「俺は…俺は、まだ…!」 カルツ「シュナイダーちゃん…」 彼が意識を失いかけていたのはほんの数秒間だった。 最初に彼が見たのは涙を流すカルツの顔だった。 シュナイダー「(どうしたカルツ…嬉し泣きだなんて、案外涙もろい奴だな)げほっ、げほっ」 シュナイダーはカルツに声をかけようとしたが出てくるのは咳だけだった。 同点ゴールくらいで喜ぶな、まだ試合はこれからだと言おうとしたが肺と喉と口が言う事を聞かなかった。 フライハイト「シュナイダー…大丈夫か…」 シュナイダー「(くそ、喋れん…ん?フライハイト、お前もか…?)」 ドサッ… シュナイダー「(ポブルセン?なんだ、何故倒れる…)」 彼が何かおかしいと気づいたのはフライハイトも涙を浮かべ、更にポブルセンが白目を剥いて倒れるのを見てからだった。 ドイツメンバー「シュナイダー…」「すまん…」「俺たちが、何か出来ていれば…」 シュナイダー「(なんだ…何故謝るんだ。なんで皆泣いているんだ?)」 ブラジルメンバー「ヒャッハー!やったぜ!」「キツかったー!」「終わった終わった。ふぅ」 ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
[54]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:24:36 ID:U2tcOuNY シュナイダー「(なんだ!?何故だ…何故ブラジルが喜んでいるんだ!?)」 間も無く彼は気付いた。過酷な現実に。だがそれを受け入れられなかった。 それでも首は本能的に動いてしまう。受け入れ難い現実を確認する為に。 ブラジル 3−2 ドイツ 電光掲示板には確かにこう書かれていた。 シュナイダー「………」 いくら見ていてもそれが変わる事はなかった。時計も試合終了を示していた。
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:26:00 ID:U2tcOuNY 徐々に記憶が蘇ってくる。力のない自分が蹴ったにしてはあまりに蹴り応えの あり過ぎたボール。あれは軽くボールを蹴った感触ではなかった。 そう、あれは。 ザッ。 カルロス「大丈夫か?」 シュナイダー「…ああ、大丈夫だ。そして…お前だな?」 カルロス「ん?…ああ。かろうじて間に合った」 シュナイダー「そうか………」 あれは誰かのクリアに押し負けた感触だった。 シュナイダーとカルロスはオーバーヘッドキックでぶつかり合い、カルロスに押し負けたのだ。 今更の様に思い出す。ミューラーがボールを跳ね返した瞬間、カルロスも走り出していたのを。 シュナイダー「……………俺達は、負けたのか」 この瞬間シュナイダーは戦うのを止め、諦めた。涙は出てこなかった。
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:29:58 ID:U2tcOuNY と言う訳で、やっとブラジル対ドイツが終わりました。 WY編連載時から17年…ついに「こうあるべきだろう」と言う展開全てをつぎ込む事が出来ました。 次はとうとうブラジル戦です。コインブラ抜きでも十分にラスボスを張れる実力に加え、 まさかの2点差をつけられても逆転出来る主人公チームの様な強さも併せ持つ、 間違いなくキャプ森シリーズ最強の敵との対戦となります。乞うご期待!
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/19(水) 23:41:55 ID:PdWPAWc6 ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイ!! 放送「しっ…試合終了〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!ここでこの死闘にホイッスル! 最後は両チームのキャプテン同士のオーバーヘッドのぶつかりあいをカルロスくんが制し、 最後まで逆転ゴールを守りきる事に成功しました!3−2、3−2です! 絶望の2点差を見事大逆転し、最後の猛攻撃を耐えきった我らがブラジルユースの大勝利です!!!」 ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!! 観客「やった!」「勝った!」「俺達が勝ったんだ!」「ブラジルユース最高!」「ヒヤヒヤさせやがって!」 「心臓飛び出るかと思った…」「ちょっと苦戦し過ぎたぞ!次はもうちょっと丁寧にやれ!」 「カルロスよくやったー!」「お前こそセレソンのキャプテンに相応しい!」「ザガロ!もう1点くらい取っとけ!」 「よく守り切ったディウセウ!」「ゲルティスは大丈夫なのか!?」「怪我人出ていないだろーな…」 ドイツサポーター「そ、そんなァ…」「ど、どうしてだよ!」「あれだけ頑張ったのに…」「後ほんのちょっと…だった…」 ドイツの最後の猛攻撃を耐えきり、最後はキャプテン同士のぶつかり合いを制して守り切った。 この劇的な勝ち方に観客のテンションは天を突き喉も枯れよとばかりに大歓声を爆発させる。 圧倒的少数派のドイツサポーターがさめざめと泣いて嘆いても最早当人達にしか聞こえない程に。 そして全日本ユースの面々は戦慄の余り誰も口を開けないでいた。 石崎「………ぷはあっ!こ、腰が抜けるかと思った…」 皮きりになったのは詰まった息を吐き出した石崎の発言だった。 若林「ドイツが…負けた。あれ程の力を見せつけ、隠していた切り札まで使ったのに…負けた」 赤井「マジッすか…最後の攻めは決まると思ったのに、絶対延長だと思ったのに」 中里「あれを凌ぎきるとは…ブラジルユース、恐るべし!」
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/19(水) 23:45:34 ID:PdWPAWc6 早田「畜生、なんだってんだ。俺達が散々苦労して引き分けたドイツに勝っちまいやがって」 次藤「しかもその勝ち方が曲者ばい。2点リードば引っくり返すとは…」 葵「あの時もう殆どドイツの勝ちじゃないかって思ったのに、信じられないですよ!」 岬「特筆すべきはあの時、殆ど焦りも怯えも見せなかった事だよ」 松山「精神力が半端ないじゃないか…あの観客の悲鳴でもペースを崩す事がなかったんだから」 三杉「確固たるゲームプランがあったお蔭でもあるが、それを信じ続けたのも凄いな」 中山「実力だけじゃない。知力も精神力もズバ抜けている…穴が殆ど見当たらない」 日向「しかもあのシュートラッシュ戦法は、森崎に対しても効果的だぞ」 翼「強いのは分かり切っていた。でも、ここまでだなんて…流石ブラジルとしか言い様がない」 森崎「(ちっ、どいつもこいつもビビリやがって。こういう時はなんと言うべきだ?)」 A 「怯えてんじゃねえ。俺達だってここまで勝ち上がってきたんだ!」激を飛ばす。 B 「だが、ブラジルにも弱点はある!そこを突けば勝てる!」ブラジルの弱点を言う(更に分岐)。 C 「攻撃、守備、スタミナ、戦術、メンタル。全てにおいて超一流だな」素直に褒める。 D 「上等じゃねえか。最強の敵を倒さないと最強とは認めてもらえないだろ」武者震いする。 E 「………ぐがっ。ん?終わったのか?で、どっちが勝った?」寝ていたフリをする。 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて ☆2014/3/20 01:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 10 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[59]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/20(木) 20:45:30 ID:B9I/xQZ2 >B 「だが、ブラジルにも弱点はある!そこを突けば勝てる!」ブラジルの弱点を言う(更に分岐)。 全日本メンバー「な、なんだって!」「それは一体?」「(また何か変な事言うんじゃないだろうな…)」 チームメイト達が口々にブラジルの強さを認めていた矢先、森崎はブラジルにも弱点があると主張した。 彼を知る彼らが皆彼らしいと納得する言動であり、同時に今度は何を言い出すのか期待と不安を込めて注目した。 名案、奇策、迷走全てが入り混じった森崎の実績を鑑みた彼らの嘘偽りなき感情である。 翼「森崎。その弱点はなんだ?」 森崎「それは…」 A 「シューターは質より量な事だ。警戒すべきストライカーがカルロスしか居ない!」 B 「ポストプレイもダイレクトシュートも殆どしない事だ。地上戦に専念出来る!」 C 「絶対的なゲームメイカーが居ない事だ。船頭多くして船山に上る、の状態だ!」 D 「チーム全体がパスカットを苦手とする事だ。パスメインで戦うのが攻略の肝だ!」 E 「ブロッカーがディウセウしか居ない事だ。奴を削り倒せば得点しやすくなる!」 F 「ゲルティスの体力が尽きやすい事だ。奴を削り切ってしまえば俺達の勝ちだ!」 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて ☆2014/3/21 00:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 15 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[60]2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/21(金) 22:07:08 ID:B4hKHQ7Y >D 「チーム全体がパスカットを苦手とする事だ。パスメインで戦うのが攻略の肝だ!」 ざわっ… 森崎の指摘にチームメイト達はどよめきながらも反論はしなかった。 こういうタイミングこそチャンスだと弁えている森崎は更に口火を切る。 森崎「俺はブラジルユースのスタメンクラスは全員良く知っている。奴らはどいつもこいつも 組織的にパスカットを狙うよりも俺が俺がでボールを奪いに行く方を得意としているんだ。 だからパスでペースを握られるとそれを遮断するのを苦手としている。ここが突くべき穴だ!」 翼「…彼らは別に組織プレイを軽視している訳でも出来ない訳でもないけど、 ただ単に個人技でゴリ押しした方が効率が良いからね。そのゴリ押しにこちらも個人技で ぶつかり合うよりは、パスワークで対抗した方が戦い易くなるのは確かだろう」 ややあって頷き同意したのは、森崎同様ブラジルを良く知る翼だった。 犬猿の仲の二人があえて同意した事でチーム内にも肯定的な空気が広がっていく。 三杉「弱点と言える程大きな穴ではないけど、パスメインで戦うべきなのは間違いないね」 中山「攻め易くなるだけじゃない。ドイツがやった様にペース配分も出来る」 岬「シュートラッシュを食らわない為にも、遅攻を心がけていくのが良さそうだね」 松山「個人技で負けているならチームワークで補う。うん、当然だな!」 葵「流石です、森崎さん!」
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24