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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】
[192]森崎名無しさん:2014/03/09(日) 17:17:56 ID:??? 日向代理:板野 翼代理:松山 松山代理:井沢 大雑把だけどこんな認識で大丈夫だと思うよ。決定力や総合能力は劣っちゃうけどね。 問題はFWだよね、板野の相方誰にしよう。これから誰が伸びるかだよなぁ。 次藤や若島津のようなタイプが結果的に合いそうだとは思うけど。
[193]森崎名無しさん:2014/03/09(日) 19:48:01 ID:??? そういやキャプテン争いもあるんだよね。 若林合流前に派閥を作っておかないと厳しいかもしれない。
[194]森末(仮):2014/03/10(月) 00:20:08 ID:??? >★結末は……→ ハートJ ★ >小池が中心となって中盤を支配! 1−0で東邦が勝利だ! ======================================================================== 後半の残り時間、南葛は何もする事が出来なかった。 それは中里の疲労が蓄積をしてこれ以上酷使する事が出来なかった事にも起因をしていたし、 そこをカバーする為にとどうしても井沢達中盤の選手が下がらなければならない為に攻め手が限られていたという事実が故でもあった。 しかし、何よりも彼らが抑え込まれてしまったのは東邦学園のキャプテン。 小池秀人その人が八面六臂の活躍を見せ、南葛に攻撃権を渡さない事が一番の原因と言えた。 山森「滝先輩、頼みます!」 小池「そう来ると思ったぜ! だらっしゃ!」 井沢達が迂闊に上がれない為に南葛の攻撃は滝に頼らざるを得なく、故に読みやすいパスコースを悉く遮断し。 井沢「(……なら直接来生に切り込ませる!)それっ!」 小池「あ、なんかこっちに行きそうな気配!」 井沢「なっ、なんだと!?」 三杉「(素晴らしい……あの天性の感覚というものは、どれだけ努力をしても身につかないものだ。 後は技術面さえ伸ばせば……)」 滝が使えないというのならば、直接来生に渡して単独で突破を……という判断からのパスでさえも、 彼は「なんとなく」という曖昧な理由から瞬時に察知し飛び込んでカットをしてみせたのだ。 数少ない攻撃のチャンスを潰された南葛は、そのままじわりじわりと真綿で首を絞められるかのようにして時間を潰される。
[195]森末(仮):2014/03/10(月) 00:21:50 ID:??? 来生「くそったれがー!」 若島津「ふん……今更破れかぶれのロングシュートが……」 バチィッ! 若島津「俺に通用をすると思うな!!」 井沢「(つ、強すぎる……もっと攻撃回数を増やせば点を奪えてたのかもしれないが……。 やっぱり……アイツは鉄壁だ……)」 最後の最後、ロスタイムに入ってからようやくボールを得た来生が奇跡を願ってロングシュートを放つも、 それが若島津に通用する筈は当然無く。 ピッピッピィーッ!! ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! 若島津がガッチリキャッチをしたボールを大きく蹴り上げた所で、試合終了の笛。 王者・南葛の不敗神話が遂に途絶えV3の夢が露と消え、 これまでその南葛に辛酸をなめさせられ続けた東邦学園が悲願の初優勝を遂げたのを見て、 観客席からは大歓声が沸きあがるのだった。 南葛 0−1 東邦 ※小池が「センシズカット」を習得しました。
[196]森末(仮):2014/03/10(月) 00:22:53 ID:??? 実況「試合終了〜ッ!! 0−1! 東邦学園、王者・南葛を僅差で下しましたァァアッ!! 王者南葛、その不敗神話が遂に破られたーッ!! キャプテンの井沢くんはガックリと肩を落とし、小学生時代からの盟友である滝くんに支えられています。 対して東邦学園キャプテン、小池くんは天高くガッツポーズを上げて喜びを露にします! その小池くんを中心として東邦メンバーも集まり、歓喜の声を上げております! 嬉しいでしょう! この去年までの2年間、決勝戦では常に南葛中学に敗北をしていた東邦学園! しかし、今日ここでそのリベンジを果たして見せました! おめでとう、東邦学園!!」 観客「マジかよ!?東邦が勝ちやがった!!」「今年こそはやってくれると思ってたんだよ!」「やっぱ若島津は強いな」 「いやいや、どう考えても中盤の力が上がったからだろ」「反町も決勝点を上げたしよくやったぜ!」 小池「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 見たかァ! これが我らが東邦学園の強さだー!! やったぜー!」 反町「俺達、優勝したんだよな……」 沢田「やりましたね! 小池さん、反町さん……若島津さん!!」 若島津「ああ……俺達が、中学No.1だ!」 観客席から割れんばかりの声が降り注ぐ中で、東邦学園のメンバー達は主将である小池の周囲に集まり歓喜の声を上げる。 小池はそのどんぐりのような瞳に涙を浮かべながら絶叫。 反町は未だに自分たちの成し遂げた事を信じられないのか茫然とした様子であり、 沢田はそんな反町の様子に苦笑をしながらいまいち輪に入り切れていない若島津にも声をかける。 すると若島津は多少驚いたようなしぐさを見せるもすぐに微笑を浮かべ、彼らの輪の中に入っていった。
[197]森末(仮):2014/03/10(月) 00:23:53 ID:??? いつもは常に冷静であり、感情というものをあまり表へと出さない若島津。 そんな彼でも、やはりこの優勝という事実は何よりも渇望し、誰よりも喜んでいたものであった。 小池「俺達がNo.1だー!! ぃよっしゃああああああ!!」 東邦メンバー「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」 小池「応援団に挨拶いくぞ!! 優勝したチーム様の凱旋だー!! このキャプテン小池についてこーい!!」 そして、この決勝まで自分たちに声援を送り続けてくれていた応援団へと挨拶に向かう東邦学園の選手たち。 彼らの背中を見ながら、監督である北詰は実に満足そうにその目を細めるのであった。 北詰「(小池をキャプテンに指名した時は不安だったが……うまくいくものだ。 実力ももはや沢田や反町達とそん色が無し、少々抜けている所は短所であるが陽気とも言えるそれは長所にもなる。 ……我ながら、いいチームが作れたものだ)」 本編では不遇の一途を辿った彼は、 この時自身が作り上げたチームが優勝をするのを間近で見る事が出来るという幸せの絶頂にいた。
[198]森末(仮):2014/03/10(月) 00:24:55 ID:??? 井沢「く……くそぉっ……俺達が……負けるだなんて……」 滝「……それだけ東邦が強かったって事さ」 こうして東邦学園の選手たちが歓喜の渦の中心にいた頃。 敗北をした南葛のメンバーは誰もが沈痛な面持ちで苦い敗北の味を噛み締めていた。 特にショックを受けていたのは、キャプテンである井沢守である。 これまで築き上げてきた不敗神話、 全国制覇V3という夢が自分の代で終わってしまうという事実は彼の小さな背中で背負うにはあまりにも巨大なものであり、 盟友である滝が支えてくれていなければ今すぐにでも崩れてしまいそうなほどであった。 来生「おかしい……こんな筈はない。 今頃俺はハットトリックをして優勝をして胴上げしてもらって得点王取って大会MVPに選ばれている筈なのに……」 滝「アホかお前は」 井沢「それはない」 来生「なにィ!?」 そして、支えるのが滝であるならばいつもの調子に戻すのは来生である。 彼のどこかピントのズレている発言を聞いてすかさずツッコミを入れてしまうのは彼らにとっては既に条件反射であり、 真面目に井沢達のツッコミにキレかけている来生を見て、井沢はため息を吐きながらもようやく笑顔を浮かべる事が出来た。 とはいっても、明らかに作られたもので……しかもかなりのやせ我慢をしているものであるが。 それでもいつまでも落ち込まずにいれただけでも幾分かはマシである。 こうして修哲トリオは3人揃って敗北の痛さと悔しさを受け入れていたのだが……。
[199]森末(仮):2014/03/10(月) 00:25:56 ID:??? 高杉「あーあぁ、若林さんがいてくれさえすればなぁ……」 ここで修哲トリオの輪に入ってきたのは、同じ修哲出身でありながらイマイチ彼らとは一括りにされないDFの高杉である。 彼の第一声はここにはいないかつての天才GK――若林源三の不在を嘆く声。 実際に彼がいたのならば結果は恐らく違っていたのだろうが、あまりにも情けないその言葉に井沢は眉を顰める。 井沢「言っても仕方ない事だろ、確かに若林さんがいればもっと思い切って攻める事が出来ただろうし……勝てたかもしれないさ。 だけど若林さんはいないんだ。 俺達イレブン……それに控えやマネージャー、監督も合わせて南葛中学サッカー部はやってきたんだろ。 情けない事言うなよ……」 来生「つーかそれ、お前が1番言っちゃ駄目じゃねーか? DFじゃねーかお前」 滝「(来生の奴、たまーに直球の厳しい事言うんだよなぁ。 まあ今回に関しちゃ俺も同意だが)」 高杉「……ぬぐぐ」 若林への忠誠心だけは無駄に高い高杉は、この発言に対して皆からも同意を得られると思っていたのだが、 返ってくる言葉は冷たいものばかりか高杉の南葛中学DFとしての責任や誇りを問うような声。 これには高杉も思わず二の句を次げなくなるなり、そんな高杉の様子を見て井沢は再びため息を吐く。 これでも、高杉が悪い奴ではないという事は井沢達もわかっている。 ただ異常なまでに若林に対する神格化が激しすぎ、それが少し悪い方向に出てしまっているだけなのだ。 井沢「……それにしても懐かしいな、若林さんか。 今頃どうしてんだろうな」 滝「さぁなー、便りがないのは元気な証拠って言うし割と元気にやってるんじゃないか?」 来生「西ドイツってどこにあるんだ? アメリカか?」 高杉「(……そういえば若林さんへの報告どうしよう。 むざむざ負けましたなんて言いたくないなぁ……)」 修哲トリオ+αは、ここにはいない天才GKに思いを馳せた。 彼らがその若林源三と再会をするのはもう少し先の事である。
[200]森末(仮):2014/03/10(月) 00:27:15 ID:??? 中里「ゼェ……ゼェ……ハァ……ハァ……せ、拙者たちは……負けてしまったのでゴザルか……」 石崎「大丈夫かよぉ、中里ぉ……」 そして南葛ゴール前では、もはや疲労困憊といった様子の中里の周囲に、 石崎を中心とした南葛メンバーらが集まっていた。 今日の試合守備に攻撃にと活躍し、その真の実力を見せつけた中里。 しかし彼の奮闘を持ってしても東邦学園は破れなかった。 人間としては――しかも中学生としてはありえない程の身体能力を持つ中里正人。 その彼が本気になったとしても、1人では勝つ事が出来ない――それがサッカーというスポーツであった。 石崎「俺達がもう少し上手かったら、お前の負担を減らせたのになぁ……。 せめて守備だけでもカバー出来たら、もっと攻撃回数は増やせた筈なんだ」 山森「先輩……」 中里「否……いずれにせよ、拙者の力だけではあの若島津を攻略出来たかはわからぬ……」 岩見「だが……来生との一対一の場面ではあいつもかなり危なかった筈だ。 来生よりもドリブルが上手いお前なら……」 中里「勝負事にたらればは禁物でゴザルよ、岩見」 滴る汗を必死に拭いながら、自身の無力さを呪うチームメイト達を励ます中里。 その顔は嘘を言っているそれには見えず、中里は決して彼らの事を恨んでなどはいなかった。 彼らの事を、足を引っ張るだけのお荷物な存在だとは思ってなどいなかったのである。 中里「拙者が忍である事がバレても、皆は約束を守り誰にも告げはしなかった。 拙者が今まで実力を隠していても、誰も文句は言わなかった。 拙者がこの決勝戦だけ本気を出すと言っても、誰も今更何を……と悪態をつかなかった。 ……拙者は善き友を持った」 長野「……3番目については、そうしなけりゃ勝てないと思ったからだろ。 俺達が感謝される謂れはない」 中里「本当にそうでゴザルか? 長野はもっと若島津を相手に空中戦を挑みたかったでござろう?」 長野「それは……」
[201]森末(仮):2014/03/10(月) 00:28:18 ID:??? 長野は己の空中戦での強さに誇りを持っている。 滝のサイドアタックから長野に上げ、それを落とすかそのまま決めるかという南葛の黄金パターン。 攻撃の要として機能をしている自身に、少なからずプライドを持っていた。 しかし、今日の試合――若島津に対してそれが無謀であるという事を知ると、彼は後方に下がり守備参加に意欲を出した。 中里が体力切れを起こした後はいつも通りの攻撃をするしかなかった為に再び上がったものの、 それまでは中里を攻撃に使う為に自身がそのカバーを買って出たのである。 中里「己のプライドを捨てて、拙者やチームの為にしてくれた事……痛み入っておる。 しかしそれでも拙者たちは勝てなかった……つくづくわかったでゴザル。 やはり、サッカーは難しい。 忍の術をどれほど用いても、勝てるとは決して言えぬ」 石崎「中里……」 中里「最後の最後、全力を出すという拙者の我儘を聞いてくれた皆に感謝こそすれ、恨みは無い。 敗北は悔しいでゴザルが……拙者は、満足でゴザルよ」 小田「……やっぱり中里も、これで最後のサッカーになっちゃうのか?」 中里「うむ……そろそろ忍としての修業に本腰を入れろとの、父上からの命令でござるからな」 晴れ晴れとした顔で天を仰ぐ中里であるが、周囲の者達の顔はやはり暗い。 以前から彼らは聞かされていたが、中里はこの試合でサッカーを止める。 忍者としての修業を積む為にこれからは他の事にかまける事が出来ず、高校に上がってからはサッカーをする事を禁じられているからだ。 だからこそ、こうして中里は最後の試合で全てを出し切ったのだが……。 小田「(勿体ないなぁ……俺と違ってサッカー巧いのに)」 岩見「ん? ……な、なんだあれは!?」 長野「こ、こんな所に……鷹か!?」 中里「むむっ!? あれは父上の持つ伝書鷹……何か里にあったでゴザルか!?」 そんな折、不意に彼らの元にやってきたのは大きな鳥――中里曰く、父親が言伝を頼む伝書鷹である。 すわ里に何か一大事でもあったのかと中里は疲れた体に鞭打ち鷹を呼び寄せ、 足に括りつけられていた巻物を手に取って中身を読み始める。
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0ch BBS 2007-01-24