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【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
[744]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:06:03 ID:??? 空が言いたい事は分かる。お燐が内心そう考えているという事も読み取れる。 しかし、その上でやはりさとりは帰りたかった。 嫌われたく無いという思いが第一だったが、サッカーなんてやれる自信も普通に無い。 この時のさとりのサッカー知識は、「左右の網にボールが入ったら1点」以上にしか無かったのだ。 (読書好きのさとりだったが、パチュリーのような専門家とは違う為、知識は割と偏っている) 勇儀「大丈夫大丈夫! 私もサッカーのルールは良く分からんのさ。 私だって、『ある一人以外は、ボールは手で持ったらダメ』ってルールをつい最近知ったクチだからね」 さとり「えっ…? 手で持たずに、どうやってボールを運ぶんですか……?」 お燐「足で運ぶんですよ〜。 あたい、こう見えてもルールは結構勉強したんで、頼って下さいね?」 空「えっとねお燐。 キックオフでシュートが入ったら3点で良かったっけ?」 お燐「それは多分バスケだね〜」 さとり「……はぁ。 皆が皆、初心者なんですね」 勇儀「そうそう! だから肩肘張らなさんなって事さ。 それに、ウチのチームにゃこれプラスで土蜘蛛妖怪と、釣瓶落としの妖怪も入る予定だから、 古明地よ、お前さんはあまり気にせず仲間に任せとけば良いのさ!」 さとり「仲間……ですか(私が一番嫌いな言葉、『仲間』……。 薄っぺらくて、信じられなくて)」 さとりは溜息を吐きながら勇儀の言葉を反芻するが、それは納得というよりは拒絶だった。 覚妖怪というだけで迫害を受け、追放され、時には騙され卑劣な仕打ちを受けたり。 その中で、さとりの「仲間」とやらは常に自分を裏切っていた。 ペット達にしても、それは主従関係があるからこそ何とか関係を保てているが、 彼女は根本からお燐や空を信じ切っている訳では無かった。 ……常に、見捨てられるかもしれないという恐怖に、怯えていた。
[745]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:08:13 ID:??? 勇儀「さ〜て。 今日は私が考えた最強のフォーメーションで行くよ! まずはFWを3人体制だ! 波状攻撃で攻めていこう! そんでMFだが……」 さとり「(……どうせこの方は、そんな事を感じた事も、そんな目に遭った事すら無いのでしょうね。 ――心底、羨ましいです)」 ――勇儀は、さとりの内心も慮らずに意気揚々とフォーメーションの話を始めていた。 この「地底妖怪FC」というチームはどうも、勇儀が地上に居る鬼仲間に対抗すべく最近立ち上げたチームであり、 今日の練習試合も、その地上の鬼仲間のコネをメインにセッティングされた物らしい。 勇儀「そんで、DFがこれから来る予定の黒谷ヤマメって奴と、キスメって奴と……ゾンビ妖精を2人位当てておこうか。 俗に言う4−3−3ってヤツだな。 まぁ、私はこれが俗なのかも知らんし知る気も無いけどね」 暢気に笑う勇儀だったが、さとりはここで異変に気付く。 さとり「……あの、勇儀さん。 私の名前が入っていないようですが。 ――帰っても良い、という事でしょうか」 自分の名前が、これまでに呼ばれていないのだ。 確かサッカーは、FW、MF、そしてDFを中心に行われると聞いていたが、自分の名前が呼ばれた記憶は無い。 嫌がらせで自分の名前を飛ばされたり、自分の存在を敢えて無視される事は良くあった為、 さとりはそれ程まで動揺はしなかったが、しかしやはり、ここまで来て帰るというのも淋しい…と、感じていたのも事実だった。 勇儀「おっとすまん。 忘れていた」 ――そして、勇儀は楽しげな笑顔で酒を呷って喉の渇きを癒し。 そして、さとりに向かってこう告げた。 勇儀「古明地さとりよ。 今日の試合の『ゴールキーパー』は、任せたからな」 さとり「ゴール……キーパー……?」 サッカーのルールすらイマイチ把握していないさとりは、何時もの辛気臭い表情も忘れ、思わず首を傾げた。
[746]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:14:26 ID:??? ……と、言ったところで中途半端ですが今日の更新はここまでです。 想像以上に長くなった回想シーンは明日の早いうちに一旦区切り、また試合に戻っていきたいです。 >トラウマエンシェントデューパーについて トラウマというよりは、ゲーム的にはこれまでパスカルが見て来た強力な技をコピーする感じです。 てゐに限らず、幻想郷という現実離れした世界に畏怖している……という設定ですので、多分関係は問題ないと思いますw >>724 多分ドライブ回転が強すぎて、ブロックに出たら吹っ飛ぶのでしょうが、かなり幻想的なシュートだと思います。 >てゐのエンシェントデューパーについて 本家は基本威力55で、今なら本気モードも入って57となります。 パスでこの数値は、ふつうならまず取れないレベルです。 >ゴールに向かってパスについて 今回は流石にナシの方向で考えていますw それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[747]森崎名無しさん:2014/11/03(月) 01:27:47 ID:??? 乙でしたー 鈴仙さんだけじゃなくて、他の人も変わってきているんだね。 これからどうやって今のさとりさんになったのか期待です。 鈴仙「今回は勇儀さんがきっかけじゃない! なんでも私のせいなのはどうかと思うのよね」 てゐ「鈴仙ちゃんがやさぐれているウサ……」
[748]森崎名無しさん:2014/11/03(月) 10:35:42 ID:??? なんでもかんでも鈴仙のしわざにされるのも鈴仙ってやつのしわざなんだ
[749]森崎名無しさん:2014/11/03(月) 15:34:31 ID:??? 全部鈴仙さんのせいだ
[750]森崎名無しさん:2014/11/03(月) 16:14:40 ID:??? なんだって、それは本当かい
[751]森崎名無しさん:2014/11/03(月) 18:24:47 ID:??? 鈴仙のせいよ!
[752]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 23:55:26 ID:??? こんばんは、更新します。 回想シーンは……色々膨れ上がってしまったため、まだ明日も続きます(泣) >>747 乙ありがとうございます。 矢車(松山)にしろさとりにしろこいしにしろ、地底チームの描写は説明を今までかっ飛ばして来たので、 期待に添えられる展開では無いかもですが、丁寧めに書いていこうと思っています。 >>748-751 たぶんそうやって言われるのも鈴仙のしわざですね…w
[753]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 23:57:17 ID:??? お燐「ゴールキーパーはですね、さとり様。 サッカーの中で唯一ボールを手で持つ事が許されている選手なんですよ。 そんでもって、あの線に囲まれてる……ペナルティエリアに陣取ってひたすらシュートをキャッチするんです! たぶん、フォワードに次いで目立つ、サッカーの花形ポジションですよ〜」 空「うにゅ? サッカーの花形はフィールドに飛んでる金色のちっこいボールを掴む人じゃないの? 確かそのボールを取ったら、一気に150点入るんだよね?」 お燐「それは多分クィディッチだね〜」 勇儀に代わってお燐が説明をするのを聞いて、さとりはますます絶望的な気持ちになった。 ただでさえ他者との関わりを避けたいにも関わらず、このゴールキーパーというポジションは どうしようも無く目立つポジションではないか。 さとり「は、花形って……! 嫌よ、私がそんな目立つ……! しかも、話を聞く以上、それって、一番責任が掛かるポジションじゃないの。 私がヘマをしてチームが炎上したら、私は、私はっ……!」 さとりは怒りや不快を通り越して、泣きそうになっていた。 お燐や空がこんな自分を心配してくれるのは分かる。 勇儀もまた、決してさとりを貶める為にこうした提案をしている訳では無いのも分かる。 勇儀「……私の考えじゃあ、お前さん程ゴールキーパー向きの選手も居ないと思うがね」 さとり「十以上の数字も碌に数えられない貴女の考えなど、聞く価値がありません。 ――どうせ、貴女も私の事を笑いたいのでしょう?」 勇儀「心を読んだ上でなお、そんな捻くれた事を言うかねぇ。 ――ま、私も苛めるつもりでゴールキーパーを提案している訳じゃないんだ。 理由は……話すのが面倒だから、適当に私の心でも読んどくれ」
[754]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 23:58:39 ID:??? さとり「そんな事言われずとも、勝手に心に入って来るのですけどね。 えっと……」 さとりが勇儀の心境を読み取ると、現段階でもかなり蒼白なさとりの顔がさらに暗くなる。 傲慢だが馬鹿な程に愚直な勇儀は恐らく、全くの好意でこう思っているのだろうが、 それはさとりにとって、侮辱に近い発想だった。 さとり「――『覚妖怪の能力を活用すれば、PA内のシュートはほぼ防げる。 特に、PKや一対一においては、この能力を使えばほぼ無敵になれるだろう』……ですって?」 基本的に無表情で不愛想なさとりの顔が、誰から見ても明らかに分かる程の怒りに歪む。 さとり「……星熊勇儀。 ハッキリ言って、私は貴女を見損ないました。 そもそも、私がこの能力を嫌っている事を知っているでしょうに。 ――大体、人の心を読んで素晴らしいプレーをしても、人妖はますます私の事を忌み嫌うに決まってます。 だってそれって、貴女の大嫌いな卑怯者じゃないですか。 努力では無く、自分の持って生まれた才能で不当に優位を得るだなんて……」 ――確かに勇儀の言う通り、自分の能力をサッカーに最大限生かせば、 多少の経験不足も補って釣りがくる程度には活躍出来るだろう。 しかし、それで自分が勝ったところで皆は、周囲はどう思うだろうか。 人気者になるどころか、却って卑怯者扱いされて、ますます迫害を受けるのではないか。 さとりの脳裏にはそんなビジョン以外、思いつかなかった。 お燐「大丈夫ですよ。 そんな事言ったら星熊さまのお力だってさとり様の能力みたいなモンですし、 大体、地上のサッカーからして天性の才能のカタマリたる博麗の巫女が脚光を浴びてるんですよ? だったら、さとり様だって人気者になれるかもしれないじゃないですか」 勇儀「そうそう。 何、万一それでお前さんを迫害するような輩が出たら、 お前さんを無理やり誘った詫び賃代わりに追っ払ってやろうじゃないか、約束する」 さとり「鬼の約束は重い。 そして鬼の中でももっとも鬼らしい貴女の言葉は信頼できます。 ですが……!」
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0ch BBS 2007-01-24