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【孤独な】俺inキャプ森7【ファンタジスタ】
[404]森末(仮):2015/02/01(日) 00:54:39 ID:??? 一対一の戦いを絶対に挑むなと言い含め、更にはボールカットを無視してPA内に引きこもる事をも厭うなという見上の発言に、 早田をはじめとして選手たちからは異論が巻き起こる。 常識的に考えれば、例え相手が主力選手でどれだけドリブルが上手かろうともシュートを打たれる前に止めるのが定石だからである。 しかし、見上はその点についてもしっかりと考えていた。 例えPA内に引きこもり相手が易々とミドルシュートを打とうとした所で、GKはPA外からのシュートに滅法強い若林。 これならば十分に対抗策となるだろうと判断をしての事である。 見上「ディアスはミドルシュート――あの年齢にして、ドライブシュートを持っている程の選手だ。 だが、それ以上に脅威となるのがドリブルからのキーパーとの一対一だ。 それだけは絶対に避けねばならん」 中山「(早田をマークにつける……程度じゃ駄目だという判断なのか?)」 見上「何度も言うが、必ず複数人で奪いに向かえ。 そうでなければ奴からボールを奪うのは不可能だ。 若林、お前も気を付けておけ。 万が一にも一対一になる局面が出た場合、どうしてもドリブルに注意をしたくなるだろうが……。 奴にはループシュートもある。 どちらにも備えられるようにしておけ」 若林「はい」 若島津「(一対一とミドルシュートに対する強さからの若林起用か……)」 見上「では改めてフォーメーションを発表する」 −J−H− J反町 H板野 −−−−− G−I−F G沢田 I松山 F岬 −−−−− −−E−− E井沢 D−B−C D早田 B中山 C中里 −−A−− A中西 −−@−− @若林
[405]森末(仮):2015/02/01(日) 00:55:47 ID:??? 見上「攻撃については今更言う事もない。 アルゼンチンの守備力は、世界レベルで見れば明らかに低い。 FWだけでなく、MF陣も積極的にゴールを狙って行け」 板野「(バーストマグナム温存もありかな? でも折角だし打っておきたい気もする)」 反町「(なんとか結果を出さなきゃな……世界レベルで見れば低いと言われる守備を相手にゴール出来なきゃ話にならないぞ)」 松山「(絶対に一対一で勝負するな、か……。 俺の実力では、敵わないと思われてるのか? くそっ! ファン=ディアス……天才、か)」 岬「(上手くアシストをつけられればいいんだけどね。 後は程ほどにゴールも狙って得点力のアピールもしておきたい)」 沢田「(いくらなんでも僕がゴールは無理だよね……)」 見上「守備については先ほど言った通りだ。 ディアスはドリブルをすればするほど調子を上げてくる……下手に動けばあちらの思うつぼになるぞ」 井沢「(ドリブルすればするほどって来生みたいな奴って事か? ただ、話しぶりだと次元が違いそうだ……)」 中山「(さァ、いよいよ世界と戦う時が来た! ……やるぞ!)」 早田「(どんなドリブラーだろうと俺が止めて、全日本に早田誠ありって所を見せねぇとな)」 中里「(ドリブラーか……はて、如何ほどの使い手か)」 中西「(早田にタックルの秘訣教わってて正解やったなぁ。 なんとか結果出せたらええけど)」 若林「(今日こそパーフェクトに抑える! そうすれば見上さんの信頼も幾ばくかは回復する!!)」 こうして試合開始を前に、見上は最後の訓示を述べて口を閉じた。 ミーティングが終わると、ある者は気合を入れ、ある者は平静を装い、ある者は誰かと喋る事で気を紛らわす。 しかし、誰もかれもが緊張をしているのは明らかであった。 これからの日本サッカー界を変えてゆく彼らも、世界に飛び出して未だに成果を残せていない。 果たして自分たちの待ち受ける未来が明るいものか、暗いものか。 期待と不安が胸中に綯交ぜになったまま、彼らは試合開始時間までを過ごしていくのだった。
[406]森末(仮):2015/02/01(日) 00:58:01 ID:??? そして試合時間がいよいよ迫り、両チームはスタジアムに姿を現した。 ワーワー! ワーワー!! 実況「さァ大歓声の中、両チーム選手の入場です! 日本対アルゼンチンのオープニングゲーム、入場行進を終えた各国の選手たちがこの模様をスタンドから観戦します!」 実況の言う通り、スタンドには各国のメンバーがずらりと並び観戦をしていた。 西ドイツ、フランス、イタリアといった主要国は当然として、ウルグアイなどといったダークホース。 弱小国と見られている国もまた、その中にはいる。 カルツ「お、出てきた出てきた。 ありゃ、ゴールキーパーはワカバヤシかい」 シュナイダー「(ワカシマヅは出てこないのか……)」 ピエール「(ミサキはスタメンに入ったか。 君のプレイ……実戦で是非俺に見せてくれ)」 ヘルナンデス「みんな、注意して見ておけよ。 全日本はハンブルグに引き分け……そしてアルゼンチンも強豪国だ。 どちらも油断できない相手だぞ」 ストラット「……なんだか全日本のメンバーは俺達が偵察した時に比べて入れ替わっていないか?」 ランピオン「確かに。 あの目立つ双子も外れてるな……」 ビクトリーノ「(ディアス……確かにお前は大した奴だけどよ、お前1人じゃどうしようもねえだろ。 ……まぁ、ウチも似たようなもんだけどよ)」
[407]森末(仮):2015/02/01(日) 00:59:43 ID:??? 特定の選手を応援する者、或いは国を応援する者、純粋に偵察の為に観察を続ける者。 いずれにせよ各国の選手たちが見守る一方で、まったく関係なく試合を見る者も存在する。 響「おー、出てきたぞ! 板野くん、みんなー! 頑張れー!!」 真「前評判だと、アルゼンチンはかなりの高い評価なんですよね? 大丈夫かな……」 プロデューサー「勝利の女神様は日本についてるんだ。 大丈夫でしょ。 2人もいるんだしね」 森末「(……やっぱりパスカルやガルバンがいないな。 でもディアスは強敵だよ、頑張れ板野)」 全日本を応援するアイドル2人とそれに付き添うやたらと筋肉モリモリで葉巻を咥えたプロデューサー。 陰に隠れるようにしてこそこそ試合を観戦する、板野の保護者的存在森末である。
[408]森末(仮):2015/02/01(日) 01:01:14 ID:??? しかし、そんな彼らとは対極に――本来ならばここにいない筈の者達もいた。 翼「凄いな……本当に俺達が戦った時と順番が入れ替わってるのか。 それに、若林君が最初から出場してる……」 森崎「ケッ、若林なんざディアスにもういっぺんボロボロにやられるのがオチだろうがよ」 この大会――その初戦と2戦目の立場を入れ替え、運命を狂わせた元凶である者。 森崎有三と大空翼、そして彼らに力を貸す2人の男女である。 彼らは隠れる事なく、堂々とスタンドの席に座りこの試合を観戦していた。 高橋「ふぅ……どうせこの試合も、日本が勝つだろうね。翼がいなくても。 君のせいだよ、ニネー」 ニネー「どうでしょうね、それは。 実際にパスカルくんやガルバンくんがいても、彼らはあくまで添え物。 多勢には影響しないでしょうから……ふふ」 アルゼンチンを弱体化させた張本人であるニネーに対し、高橋は刺々しい物言いで突っ込みを入れるのだが、 ニネーはやんわりとかわすだけで微笑みを絶やさない。 正に絶世の美女である。 ニネー「それにこうした方が物語も盛り上がりますからね……後々」 言いながら、視線をフィールドから観客席へと移すニネー。 それに伴い、高橋も苛立った様子ながらニネーとは別の方向へと視線を向けた。 高橋「……先の長い話だ。 これが君の言っていた二手三手先の手かい?」 ニネー「先が長くとも時間をかければそこまで辿り着きますわ。 それはあなたもご存知でしょう」
[409]森末(仮):2015/02/01(日) 01:02:23 ID:??? ニネーが視線を向けた先……そこには3人の男がスタンドにいた。 1人の少年は黒髪で、精悍な顔つきをしていた。 彼はギプスを足につけ、松葉杖を手には持っていた。 この少年は、入場を続けるアルゼンチンの中心にいるディアスに視線を投げかけ……表情を悲壮に歪ませていた。 1人の少年は茶髪で、3人の中では1番の大柄な男であった。 大柄さでは全日本の次藤らにも負けず劣らずであり、その巨漢は正に圧巻の一言。 しかし、彼もまた負傷をしているらしく左腕には包帯が巻かれていた。 この少年は、悔しそうに歯噛みをしながら苛立ちを隠しきれない様子で足を揺すっていた。 1人の少年は同じく茶髪で、その髪の長さは肩程まで伸ばした美形と言える男だった。 彼もまた大柄であり、特にその足は見るからに逞しく、それから繰り出されるキック力は世界でも屈指のものだろうと思われた。 彼もやはり、負傷をしたらしく頬に絆創膏が貼られていた。 ただし、目に見えての異常はそれだけであり……3人の中では1番の軽傷と言えたであろう。 この少年は2人の少年に挟まれるようにして座っており、ただ俯いていた。 見る者が見ればわかったであろう。 彼らがアルゼンチンJrユースの主力選手となる筈であった事に。 そして、ここにもう1人足りない選手を入れて4人――。 今、フィールドで立つディアスを含めた5人こそが、アルゼンチンの未来を担うプレイヤーとして期待をされていた事を。 パスカル「……ディアス」 ガルバン「くそっ……! どうして俺達があそこに立ててない……これじゃあ……」 アラン=パスカル。ガブリエル=ガルバン。 バティン「…………」 マリオ=バティン。 今この時、スタンドにはいない筈の者。そもそもこの世界には存在をしない筈の者。 彼らは一同に会し、試合が始まる時間を――死刑宣告が始まる時を待つようにして、待っていた。
[410]森末(仮):2015/02/01(日) 01:03:36 ID:??? バティン「すま、ない……俺の、せいで……」 やがて沈黙に耐えきれなくなったのか、それとも他のものに耐えきれなくなったのか。 バティンは絞り出したかのような声で2人に謝罪をした。 パスカル「……よせ、バティン。 あれは不幸な事故だったんだ」 バティン「だが! だが……俺のせいで、お前たちをこんな目に……! それに、"アイツ"は……!!」 ガルバン「いい加減にしろ! 言った所で、俺達の怪我が治る訳じゃないんだ!」 しかし、このバティンの謝罪を2人は聞き入れなかった。 否、聞き入れなかったというよりは、いい加減にバティンに立ち直ってほしいという思いもあり、謝罪を止めるよう言い聞かせていた。 2人はバティンが原因となった事件の為に負傷をし、この大会に臨めなくなったものの、 その原因となったバティンの事を決して恨んではいなかったのである。 だが、それでバティンの心の重荷が軽くなる訳でもない。 いっその事罵倒をし、思い切り詰られた方が余程楽だとすらバティンは感じていた。 バティン「俺のせいなんだ……俺のせいで……俺が……」 パスカル「……そこまでにしろ、バティン。 そろそろ試合が始まるぞ」 ガルバン「……俺達がいなくても、勝てる筈だ。 相手は高々アジアの弱小国……の筈なんだ」 パスカル「ああ、だが……(イタリアは無理だ……ディアス1人でどうにかなるチームじゃ、ない……)」 ガルバン「ディアス……」 頭を抱えるバティンを尻目に、パスカルたちはフィールドに視線を向けた。 如何にディアスといえど、サッカーとはたった1人で勝てる競技ではない事を彼らは知っていた。 パスカル、ガルバン、バティンと抜けたアルゼンチンが守備力も攻撃力も大幅に落ちる事を彼らは知っていた。 優勝は現実的に考えて不可能……予選突破すら難しい事を、彼らは知ってしまっていた。 故に、彼らは祈っていた……せめて、1勝はしてくれと。 イタリアに敗色濃厚な今、勝てるチームにくらいは勝って、国に帰らせてほしいと。
[411]森末(仮):2015/02/01(日) 01:05:06 ID:??? そしてそんな彼らとは反対側のスタンドで、同じく3人の男が試合を観戦していた。 ジョアン「よく見ておけよ、アルシオン。 あのアルゼンチンのディアスは、この世代では最高のMFとして評価を受けておる」 アルシオン「はい、ジョアンさん」 遠くない未来、イタリアを栄光へと導く者達。 優秀な指導者として名高い名将、ジョアン=デ=ラセルダ=アパレシーダ。 世代最高峰の司令塔として文字通りのスター選手となる男、マルク=アルシオンである。 アルシオン「しかし……アルゼンチンには、ディアス以外にタレントがいないのですか? 事前に聞いた話では、FWにもDFにも実力者がいると聞きましたが」 ジョアン「……昔サンパウロにいた頃の教え子から聞いた所によると、アルゼンチンではどうやら問題が起こったらしくてな。 それによって何人かの選手が出場出来ぬ程の負傷を負ったらしい。 FWのバティン、それにディアスの攻撃力は……実現をしていれば、恐らく今大会でもNo.1のものとなっていたじゃろうがな」 彼らにはやはり全日本など眼中になく、話題になるのはアルゼンチンの事ばかりであった。 その折、不意にアルシオンが出した質問に対し、 ジョアンはとあるツテを頼ったアルゼンチンについての情報を答える。 これを聞いてアルシオンは納得をしたような顔を浮かべるものの……ジョアンを挟み、反対側に座っていた男。 金髪をバンドでまとめた、筋骨隆々のその男は、静かに口を開いた。 サビチェビッチ「攻撃力はNo.1……ですか」 ジョアン「む? そうじゃ。 ディアスの突破力とバティンの決定力。 恐らくこれらはどのチームにも無いからな」 サビチェビッチ「………………」 ジョアンの回答を聞くと、その男――ジャン=サビチェビッチはそれきり口を開かず。 再び黙したまま、フィールドに目を向けた。 彼もまた、ここには存在すらしない筈の男であった。 彼も、そしてバティンもまた――運命の悪戯と大きな神の意志によりそこに存在する事を義務付けられた事は明白であった。
[412]森末(仮):2015/02/01(日) 01:06:10 ID:??? こうして、また世界が変化を遂げた――。 否、既に変化しきってしまっている世界の中で、それに未だ気づかないまま、板野は行進を続けていた。 彼の頭の中には、ただこの一戦の事しかない。 目の前には本編でも散々な実力を見せつけられてきた天才、ファン=ディアスがいたのだから、 この一戦以外の事が考える事が出来ないとも言えた。 板野「(ドキドキするなぁ……いよいよ大会が始まるんだ。 それに、今日戦うのはアルゼンチン……あのディアスが相手なんだ。 気合入れて行かないと!! と、どうしよう。 試合開始前にディアスに何か言っておこうか?)」 A.「今日はよろしく、正々堂々戦おう」 無難に挨拶をする B.「今日はよろしく、胸を借りるつもりで戦うよ」 下手に出つつ挨拶をする C.「天才っていうからどんなのかと思ったら、実物は結構ちっちゃいんだね」 挑発してみる D.「き、来生!? どうしてアルゼンチンのユニフォームなんか着てるんだ!?」 来生と間違える E.いや、挨拶しなくていいや。 さっさとコイントスしちゃおう F.その他 板野くんに言わせたい事を書いてください 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[413]森崎名無しさん:2015/02/01(日) 01:09:57 ID:Pl3szAqE A
[414]森崎名無しさん:2015/02/01(日) 01:10:54 ID:Cw0IDYgo A
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0ch BBS 2007-01-24