※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[378]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/04(月) 20:01:44 ID:??? 早苗「でも、私はやっぱり思ったんです。 たとえ神が私を愛しておらずとも、神が神であるというだけで、それは奇跡なんです。愛すべき対象なのです。 人間は、見返りの為に信仰を行うものでは無いと思います。 ただ神が、神としてこの世界に目に見えず横たわっている。ただそれだけで、信仰を行う充分な理由になりませんか。 私が信仰に囚われて頭がカラッポとか、神奈子様達が暗躍しているとか。 そういった事は関係ない事です。 それは、私自身が解決すべき問題であり、信仰には何一つ関係の無い事です。 ……違いますか?」 早苗が語った理屈は、ピエールにとってはすぐには理解しがたいものだった。 しかし同時に、彼女の信仰に対する持論は、何か人間の精神活動全ての核心を突いていると感じた。 ピエール「いや、違わない。……確かに、それこそが本来あるべき信仰なのかもしれない。 原始の人間が抱いた、世界への憧憬。――まさしく原初の信仰《ネイティブ・フェイス》。 サナエ。君はあくまで、それを目指そうとするのか」 早苗「はい。確かに神奈子様達の行為や私のこれまでの生き方は、良き物では無いのかもしれません。 でも、それと私が信仰を捨てるかどうかとは、全く別ですから」 ニコリと満面の笑みで、気丈にそう頷いてみせる早苗。 ピエールはこの時になって漸く、彼女が自分の想像していたような弱い女性でない事を知った。 早苗「――てなワケで。武者修行の計画を練るので私はこれでっ!! いやー、でも武者修行って何をするのかな? やっぱりここは常識に囚われず、沖縄に行って波に向かってボールを蹴りまくるとか。 あるいは山奥に行って、大木を縦に真っ二つにするようなシュートの練習をするとか……どうですかね!」 ピエール「ハハ……(――周囲が何であろうと、自分の信ずる神を愛する……か。 言ってみるのは簡単だが、それはある意味で非常に勇気ある行為だ。……凄いな、彼女は)」 常識に囚われないようで、割ともうすでに誰かが考えているような発想の早苗を、 ピエールはどこかホッとしたような、尊敬するようなまなざしで見つめる。
[379]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/04(月) 20:03:36 ID:??? 早苗「あっ、そうだ! アフリカです! 部族の少年達と仲良くなって、 ブーメランのような軌道を描く、常識に囚われないシュートを撃てるようにするってのは……って、きゃっ!?」 ズルッ! そんな中、早苗は立ち話をしていたスタジアムの廊下にて僅かに転び掛ける。 山肌を整地して突貫工事で作った為、スタジアムの内部には段差がある場所が多い。 ――スッ、ガシッ。 ピエール「……大丈夫かい」 ピエールはそんな早苗の細い上半身をゆっくりと抱き留める。 早苗は驚いたような表情を一瞬見せていたが――。 早苗「ピエールさん。そういや私、試合前もこうして倒れかけて、助けて貰っちゃってましたね。 なんか、その時は私もカリカリしてて、ピエールさんに辛く当たっちゃった気がします」 抱き留めた格好のまま、早苗はくしゃっと表情を崩して、上目づかいにピエールを見る。 ピエールはそんな早苗の瞳に僅かにどぎまぎしながらも、 ピエール「……俺こそ済まない。偉そうな物言いだった」 ――無理はするな。貴女には貴女の生き方がある。 ピエールはそんな過去の自身の発言を恥じた。 早苗がその時辛辣に返した通り、彼女は彼女なりの生き方と信念を持っていたし。 早苗「ま、今回は大目に見てあげます。私は信者には寛容な現人神ですからね!」 そして、今の早苗を支えられる者は――確かに、そこに居たのだから。 ピエールはゆっくりと早苗の上体を元に戻して、そのまま、並んで帰路に就く事にした。
[380]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/04(月) 20:06:38 ID:??? ――と、言ったところで一旦ここまでです。 これから深夜に掛けて、妖怪の山FC対紅魔スカーレットムーンズ戦の描写をしたいと思います。 この試合では、最近案外大した出番の無かったあの天狗について中心に書いていこうと思っています。 それでは、一旦失礼いたします。
[381]森崎名無しさん:2015/05/04(月) 20:50:47 ID:??? 背番号11 射命丸 文!!乙です
[382]森崎名無しさん:2015/05/05(火) 00:40:48 ID:??? 鉄製のガラクタ(若島津)「………」 にとり「良質のジャンクパーツGET!」 華扇「なっ! 何をするだァーッ ゆるさんッ!」 にとり、マジで炎上する試合前
[383]森崎名無しさん:2015/05/05(火) 00:57:22 ID:??? 物語上の都合とはいえ出てくるたび炎上してるしなあ>にとり 能力は決して低いわけじゃないんだけど(高いとも言っていない)
[384]森崎名無しさん:2015/05/05(火) 00:59:55 ID:??? 出てくるたびに炎上。よし、にとりも姫様応援団に入れちゃおう(提案)
[385]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/05(火) 01:31:42 ID:??? こんばんは、思ったより筆が進まず導入部だけになりましたが、少しだけ更新再開します。 >>381 乙ありがとうございます。 射命丸については前々から色々考えていたのですが、漸く出番となりました。 >>382 若島津って本当に生きてるんですかね…?(無責任) 可哀想ですが、にとりは結構炎上するかもですね。 >>383 キャプ翼の若島津を見る限り、中途半端に実力がある方が噛ませになるんだと思います。 >>384 やはりにとブロ…
[386]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/05(火) 01:33:23 ID:??? 〜大会13日目・午前・固定イベント〜 【決勝トーナメント・一回戦第三試合】 −永遠亭・居間− 鈴仙達永遠亭ルナティックスが、様々な意味で厄介な敵だった守矢みらくるずを5−1で下した次の日の朝。 朝食の タコス を食べながら、日課である新聞――花果子念報を読んでいた鈴仙。 鈴仙「(私達の準決勝の対戦相手は、……聖徳ホウリューズ。 近年幻想郷に現れた聖人・豊聡耳神子を中心とする統制のとれたチーム。 だけどその実は反則や危険行為も厭わず、勝利に対して異様な執念を燃やす集団でもある。 ――ある意味では、博麗連合や紅魔スカーレットムーンズよりも厄介かもしんないわね)」 下記の大会スケジュールを確認しつつ、鈴仙は次に当たる聖徳ホウリューズに関する情報を集めていた。 しかし、相手はこれまでずっと自身の領域である仙界にて修練を積んでおり。 更に、多くの選手がこれまでの幻想郷の住民では無く、外来人のサッカー少年。 それも無名な選手ばかりであったため、めぼしい情報は中々得られなかった。 ******************************** <決勝トーナメント スケジュール>※大会一回戦終了〜準決勝終了まで 午 前 午 後 13日目 紅魔×妖怪←今ココ 地霊×博麗 14日目 休 み 休 み 15日目 永遠×聖徳 .紅魔×(地霊×博麗の勝者) 17日目 休 み 三位決定戦 18日目 休 み 決 勝 戦 ********************************
[387]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/05(火) 01:37:14 ID:??? 鈴仙「(まあ……不確かな事を新聞に書く訳にもいかないしねぇ)」 鈴仙はそこまで思って、いつか永遠亭にも来ていた、もう一人の天狗の事がふと脳裏によぎった。 真面目で礼儀正しそうな物腰、清楚さを感じさせる長めな黒のボブカット。 しかしその実はかなり俗悪的かつ慇懃無礼、プライドが高く配慮の無い山師。 好感を覚えるタイプではまずない。鈴仙の中において、射命丸文とはそんな人物だった。 鈴仙「(はたてじゃなくてあのブン屋だったら、喜びいさんで何でも書いてそうだけどね。 ……まあ、ある意味あのずうずうしさとかは羨ましくはあるけどね。 私だったら体面やら何やらが怖いから、記者なんて絶対できないなぁ……。 何か仕事をやるなら、内勤の事務職員が良いかしらね。 ……いや、それも向いてないか)」 偉くさった上司にお茶を淹れようとして中身をブチかます自分の姿を想像しながら、鈴仙は新聞記事を読み返す。 聖徳ホウリューズに関する情報は無かったが、それでも一応記事はこまめにチェックしている。 鈴仙「(――あれ。噂をしたら影、って言うけれど)」 どうでも良い天狗内の勢力争いしかない政治欄に、たまたま鈴仙の脳裏に思い浮かんだ人物に関する記載があった。 その記事は小さな枠に囲った数行の短い物だったが、他のどんな記事よりも鈴仙の興味を引いた。 記事のタイトルには、こう書かれていた。 −妖怪の山FCキャプテン、追放か 〜苦境に立たされるサッカー政策〜− 鈴仙「(妖怪の山FCキャプテン……って、射命丸の事よね。それが……追放? 追放ってどんだけヤバイのか良く分からないけど、やっぱり天狗社会も大変なのね……)」 ――この記事を見た鈴仙は、ほんの少しだけ射命丸に同情したが。 彼女を詳しく知らない部外者である上、天狗社会にも疎い鈴仙には到底全てを理解出来なかった。 即ち。射命丸文がこの数行の中で、如何に追い詰められ苦しんでいたかについてを。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24