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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[555]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:07:21 ID:??? 星熊勇儀の豪快な新技は、森崎有三という謎の男のセービングにより破られた。 ――そんな衝撃的な幕切れと共に、試合終了を待たずして、互いに矜持を持つ者同士の戦いは終わった。 『どのタイミング・場所からでも撃てる三歩必殺』という破格の新技・『零歩必殺嵐』すら破られた 地霊殿サブタレイニアンローゼスの士気は、口に出さずとも大きく落ちていた。 天子「ふっふーん! このまま『気炎万丈の剣』でバラバラに引き裂いてやるわ!!」 グワァァァッ、ドドドドドドドド、ドゴオオオオンッ! さとり「……キスメさん、頼みます!」 キスメ「……!!」 ヒュ〜〜〜〜ッ、ガイーーーーンッ!! 天子「ちょ、ちょーーーい! なんで私のシュートが釣瓶落としに防がれるの〜!?」 実況「――後半28分、辛うじて弾かれた針妙丸選手のシュート『輝針剣』に対し、 勝手に後ろで張り付いていた天子選手がねじ込みに向かいましたが……これは通じない!」 ――とはいえ、地霊殿もある程度は奮戦した。 確かに、中盤の支配力の差、そして勇儀やお燐、松山等主力選手の疲労もあって、 地霊殿サブタレイニアンローゼスのボール支配率は悲惨な事となっていた。 しかし、ゴールキーパーの古明地さとりは持ち前の精神力とリーダーシップで守備陣を鼓舞しており、 今のようにペナルティエリア外から飛んで来たミドルシュートであっても、仲間と連携して守り失点を回避していた。
[556]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:08:55 ID:??? 空「勇儀さんのカタキー! くらえっ、『核反応制御不能ヘッド』ォーーーー!」 森崎「無駄だと……言ってるだろうが!!」 バァァァァッ、バシイイイイイイイイイイイイイイイッ!! ただし、地霊殿が誇る高火力のFWは、いよいよ顕在した森崎の守備力の高さに依然苦戦していた。 空のシュートとて勇儀には劣るものの、並のチームではエース格の攻撃力を誇るにも関わらず、 森崎はその全力すら出さず、『がんばりダイビング』の多用で容易く切り抜ける。 無論、体力面の不安は各技のあまりの無茶な動きから容易に想像できたが……。 勇儀「もう一度決めてやるよ! この私の『零歩必殺嵐』で……」 萃香「甘いね勇儀!」 ジャラッ、ズザアアアアアアアアアアアッ! ポロッ! 勇儀「――な。これは『鬼縛りの鎖』! くそっ萃香、私にシュートを撃たせんとは卑怯だぞ!」 萃香「何言ってるんだ。こっちは限られたルールの中で全力を尽くしたまで。 誇りを捨てずとも、もうちょいと気楽に行きなよ、勇儀はさ!」 ――森崎を支える博麗連合の守備陣もまた優秀。 ブロック一芸だけでなく、最低限以上のタックル技術と技を持つ萃香が勇儀をマークし撃たせず、 空へのセンタリングは中里が『縮地法』『韋駄天の術』などのパスカット技を発揮し通せない。 また、天子も攻めッ気たっぷりな所は玉に傷であるが、優秀なタックラーかつブロッカーである。 故に、手数で森崎を削る事や、一対一を挑む事すらも相成らない。
[557]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:11:16 ID:??? 中盤は完敗。守備は辛うじて守るが、攻撃が振るわない。 そうしたジリ貧の状況が十分、二十分と続き――そして、後半ロスタイム。 霊夢「――魔理沙! ……お願いね」 バシュッ! ギュルルルルルルルルルルルルッ! 実況「出た〜! 霊夢選手自慢の、受け手に向かって追尾する必殺パス! その性能から『博麗アミュレット』とも称されるホーミングパスを、魔理沙選手が受け取りました!」 魔理沙「……もう一発食らえ! これが私の……『マスタースパーク』だ!」 グワァァァッ、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! ビイイイイイイ………ンン!! キスメ「……!」 ドガァァァッ! ヤマメ「ちぇーっ。またひよったシュート? 最初のヤツでやれよー? ……ま、吹っ飛ぶんだけどさ」 バゴオオオッ! こいし「ふふふ。あなたの無意識、面白いね!」 バゴオオオオオッ! さとり「こ、こいし。皆……!(――距離は27メートル程度。私から魔理沙さんの心の声は聞こえない。でも……)」 ―――ドゴオオオオオオオオオオオオッ! ズバァァァァァァァッ!!
[558]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:38:02 ID:??? 魔理沙は霊夢のパスを受け、再度『ファイナルスパーク』ではなく『マスタースパーク』を放った。 この時点で、魔理沙だけで無く針妙丸や天子、 稀に霊夢のミドルシュートを幾度と受けていたさとりは疲労していたため、 今大会全体ではややパッとしない威力の『マスタースパーク』でも、充分有利な勝負という事は明らか。 そのため、運でも気力でも何でもなく、さとりがこうして吹き飛ばされるのは必然だった。 ――ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! ピッ、ピッ。ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 魔理沙「……うん、よし。 ……やったぜぇぇぇぇっ!!」 4点目のゴールと試合の終了を告げるホイッスルが鳴り、 魔理沙は彼女らしからぬ小さな声でそう呟いた後、大きく叫び直した。 その顔は一瞬だけ曇っていたが、すぐにいつも通りの傍若無人で大胆不敵な満面の笑みに変わっていた。 魔理沙のこの微妙な表情の変化は、あまりに一瞬だったが――それに気付かぬ者も居ないでもない。 その一例が、魔理沙のすぐ近くで無表情ながら敗北感を噛みしめていた、覚妖怪の少女だった。 さとりは魔理沙から比較的近くの距離でゴールを守っていたため、彼女の心の一端を読む事ができていた。 さとり「……魔理沙さん。貴女は今ゴールを決めた時、嬉しそうではなかった」 魔理沙「………」 さとりは魔理沙とすれ違いざまにそれだけ伝えた。魔理沙は黙って何も答えなかった。 その明るくも虚ろな目線の先には、先程自分をアシストしてくれた巫女の姿が映っていた。 彼女の姿を見て、この金髪の小柄な少女は何を想ったか。 さとり「(『私は、霊夢と並び立ちたかったのに……』――ですか。 彼女にとってはやはり、あの努力の成果である『ファイナルスパーク』こそが、大きな心の拠り所だったようね……)」 さとりは敢えて、魔理沙が何を想っていたかを口に出すのは避けるようにした。 それを伝えたら、彼女の中の何かが修復不可能なまでに壊れてしまうような気がしたからだ。 そのまま、さとりは敗者に相応しくとぼとぼと自チームの控室へと戻って行った。
[559]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:45:59 ID:??? 霊夢「(――これで……良かったのよね)」 そして、心を読まずとも魔理沙の心境などお見通しの者は無力だった。 彼女は魔理沙の心の中身を知ってなお。 それとは無関係なごく当然かつ一般的な理を、自分の中で何度も繰り返す事しか出来なかった。 博麗連合2015 4 − 0 地霊殿サブタレイニアンローゼス 試合終了! 大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ): 12ゴール レミリア 11ゴール 鈴仙 9ゴール フランドール、射命丸 8ゴール 魔理沙 7ゴール 勇儀 6ゴール 来生 5ゴール 屠自古、星、諏訪子 4ゴール 森崎、神子、反町、霊夢 3ゴール 早苗、謎の向日葵仮面 2ゴール 神奈子、ピエール、メルラン、天子、赤蛮奇、空、佳歩 1ゴール 妹紅、咲夜、美鈴、サニー、リリーB、ぬえ、響子、永琳 影狼、藍、幽々子、幽香、針妙丸、パチュリー、小田、椛、岬 大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ): 6アシスト パチュリー、霊夢 5アシスト 小町 4アシスト てゐ、神子 3アシスト 早苗、ピエール、小悪魔、マミゾウ 2アシスト 森崎、反町、はたて、岬、空、お燐、ウサギB、レミリア、アリス 1アシスト 鈴仙、影狼、大妖精、橙、諏訪子、 衣玖、針妙丸、リリーW、ルナサ、ぬえ、永琳、妹紅
[560]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/15(金) 23:55:50 ID:??? ……と、いったところで今日の更新はここまでです。 皆様、本日もお疲れ様でした。
[561]森崎名無しさん:2015/05/16(土) 09:49:20 ID:??? 乙でした。 さすがは主人公チーム。強い(確信) 森崎対策は、シュート連発なんだけど、まず削るのが難しそうだね。
[562]森崎名無しさん:2015/05/16(土) 15:33:17 ID:??? 乙なのです 実際総合力は博麗の方が上だし、てゐをマークされて、中盤押し負けて支配されたら シュートラッシュor一対一で完封+姫様炎上もありそう
[563]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/16(土) 21:44:11 ID:??? こんばんは、今日もほんの少しだけですが更新します。 >>561 乙ありがとうございます。 森崎の弱点については明白なので、そのあたりの対策はしてきますね。 決勝戦はずっと続いて来た第一部のクライマックスですので、それにふさわしい強敵になればと思います。 >>562 乙ありがとうございます。 博麗チームはかなり強いですが、実は中山さん加入+仲間の成長で、総合力的にはほぼトントンだったりします。 なので、サンパウロ戦レベルの引きでもなければ、そう一方的な試合にはならないと思います。
[564]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/16(土) 21:52:18 ID:??? 鈴仙「――何と言うか。圧倒的な試合でしたね……」 永琳「そうね。でも……内容を見ると、地霊殿サブタレイニアンローゼスも決して悪くは無かった。 とりわけ、星熊勇儀はこの試合で大きく株を上げたでしょうね。 試合後半に見せたあの新必殺シュートは、霧雨魔理沙は勿論、レミリア・スカーレットにも真似できない。 彼女の全幻想郷選抜でのレギュラーは、ほぼ確定されたものね」 輝夜「あんなシュート、ウチらの試合中に思いつかれてたら今頃死んでたわよねー。ハハハ!」 慧音「笑ってみせるその豪胆さは尊敬するけれど。そんな恐ろしい想像、してくれるなよ……」 佳歩「それよりも、魔理沙さんのあの『ファイナルスパーク』。やっぱりもう使わないのかなぁ……」 ウサギB「もしも使われてたら、決定力は文句なしのSランクだろうけど。 少なくとも、もう無駄撃ちはしないと思うな。あの人間の魔法使い、意外と計算高いから」 中山「う〜む。パルスィさんにマンマークされていたから、 博麗霊夢……さんの出番があまり無かったのが少し残念だったか」 パスカル「にも関わらず、博麗連合は俺達がナカヤマ抜きとは言え3−2と苦戦した 地霊殿サブタレイニアンローゼス相手に、4−0で圧勝してしまったのは恐るべき事実だ」 試合終了後、鈴仙は観客席で永遠亭ルナティックスのメンバーと共に、試合の感想を口々に語り合っていた。 かつて苦戦した地霊殿サブタレイニアンローゼスの大敗は、ある意味では予想通りとはいえ、 メンバーに危機感と博麗連合というチームの強大さを教えるには充分だった。 鈴仙「まあ、とりあえず私達は明後日の準決勝も勝たないといけないんだけどね……」 しかし、博麗連合と対決できる権利を得る為に、鈴仙達はまず明後日の試合に勝利しなくてはならない。 全幻想郷選抜サッカー大会の決勝トーナメント準決勝戦。 謎と野心に満ち溢れた道士・豊聡耳神子率いる、聖徳ホウリューズとの試合の事である。
[565]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/16(土) 21:55:52 ID:??? 鈴仙「(パチュリーさんを故意に負傷させたり、来生君を疑惑の反則で退場させたり、 果ては手下を使って、フィールド全体の雰囲気までをも混乱させる、恐るべきデマゴーグの扇動家! 妖夢はそれをも認めて、力の為に彼女達の軍門に落ちたけれど。 やっぱり、私は彼女達のやり方を理解はすれど、納得はできない……!)」 鈴仙とて、過去に軍人として多くの卑怯な兵法を学び、その必要性を学んで来た。 実際に自分が手を下した事もある。しかし、それでも今ここにある聖徳ホウリューズのやり方は納得できないでいた。 そこに明確な論理や理屈は無い。理を学んでも、どうしてもなんとなくそれを割り切れないのが、永琳には無い鈴仙らしさだった。 輝夜「ま! 疲れたし明日の事は明日考えましょ! 今日はもう解散ね!」 鈴仙がそう地面に向かって怖い顔をしていると、輝夜がパンパンと手を叩いて雑に解散を宣言する。 子どもの妖怪ウサギ達はそれを聞くと、真っ先にこぞって人里へと駆けだして行った。 佳歩から前に聞いたところによると、永遠亭のウサギ達は外出時の帰りに、 人里のオシャレな店やおいしい茶店へと寄るのが最上級の至福のひとときであるらしい。 鈴仙「(――もっとも、おこずかいは少ないから専らウインドウショッピングらしいけど。 やっぱりあの位の年の子だったら、ただ刺激があるってだけで楽しいのよねぇ……きっと) ――って、あっ!」 ドシン! 少年「おっと、これは失礼」 鈴仙「いえいえ、こちらからすみません(怖い人じゃなくて良かったなぁ……)」 自分がおらずともたくましく遊ぶウサギ達に何となく寂しい感じを覚えながらも、 鈴仙は未だ人混みの激しいモリヤスタジアムの観客席から出口に向かって歩く。 先程の少年を始めとして、当然の権利のように、鈴仙は道中で他人に三回ほどぶつかった。
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0ch BBS 2007-01-24