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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[619]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 02:21:03 ID:??? 岬「――さて。話を本題に戻そうか。今回の八意永琳の計画において、 なぜ、鈴仙・優曇華院・イナバというそこまで突出していない兎妖怪の存在が必要となるか。 なぜ、八雲紫を始めとする多くの幻想郷の実力者が、君の存在を重く見ているか。 その答えを端的に言ってしまうと――君が居なければ、八意永琳の壮大な計画は、アッサリ破綻してしまうからだ」 鈴仙「………えっ?」 再び謎の中に突き落とされた鈴仙。岬はそんな鈴仙の表情を明らかに楽しんでいる。 岬「――しつこいけれど、おさらいをするよ。僕達の立てた理論によると。 八意永琳の計画とは、中山政男や日向小次郎などの存在を介して、幻想郷という世界の在り方に大きな変化を与え。 ……そして、その変化によって生じたエネルギーを採取し、何等かの目的の為に利活用する事だったよね?」 鈴仙「ええ。……そう言ってたわね」 岬「だとするとここで疑問が生ずる。八意永琳が、色々と手回しをしたり、弟子に手を焼いたり、 世界改変の為に『プロジェクト・カウンターハクレイ』の完遂に向けテコ入れを行ったり。 そうした行動を取るのは良いが、その結果世界の在り方に大きな変化を起こした後。 ――さて。彼女は一体、どんな観測機を使って、副産物であるエネルギーを採取し、利用しようと思っていたのかな?」 鈴仙「……分からないわよ。私に聞かれても。そんな機械がどっかにあるんじゃないの?」 鈴仙は不機嫌に答える。確かに永琳は弟子である鈴仙に全てを教えてくれない事がある。 だから、本当は自分が知らないだけで永遠亭の地下に実験施設の一つや二つでも、何かあるのかもしれない。 しかし、岬が鈴仙に答えた内容は、そうした鈴仙の思考とは大きくかけ離れていた。
[620]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 02:29:01 ID:??? 岬「…………君だよ」 鈴仙「……えっ?」 岬は気障っぽく人差し指を鈴仙に立てた。鈴仙は始め、それが何の意味を齎しているのか分からなかった。 そんな様子を察したのか、彼は鈴仙を軽く鼻で笑うと、説明を始めた。 岬「前に例で、世界とは様々な可能性が波のように重なって揺らぎながら存在している。そう言ったと思うけど。 アレはたとえ話じゃない。実際に、世界そのものが巨大な一つの波なんだ。 ……少なくとも、八意永琳の持つ観測機は、世界をそう表現できる能力を持っていた。 その観測機の『瞳』には、映る全てのものの『波長』を観測し、編集できる能力があった」 岬は鈴仙の赤い瞳を見つめて離さない。鈴仙の『狂気の瞳』に吸い込まれているようだったが、 その実、鈴仙が逆に岬の圧力にやられてしまいそうだった。 岬「――無論、その観測機はまだ未熟で、世界と世界との差が生み出す大きな波長なんかは、 とてもじゃないが今すぐには観測できない。どうしても、その瞳の精度を上げる必要があった。 より強い衝撃に耐えられるよう、より強い精神を持つ必要があった。 より広く世界を見つめられるよう、より高い技術を持つ必要があった。 ――そして、要領の良い彼女は、自身の計画を進めながら、観測機の成長を促す方法を思いついた。 それが……」 鈴仙「――それが。八意永琳の計画に必要な、エネルギーの観測機たる『私』を育てるための。 『プロジェクト・カウンターハクレイ』の正体だって言うの……?」 岬は黙って頷いた。それが鈴仙にとって最もきつい仕打ちである事を知った上で。 彼は追い打ちを掛けるように、鈴仙に向かってこう冷酷に言い放った。 岬「――鈴仙さん。君は八意永琳にとって大事な弟子でも何でも無い。単なる観測機にしか過ぎないんだ。 彼女は君の事を、自分の計画の役に立つ道具としてしか見ていない。 そして、そんな彼女にこれまでずっと理由も無く従っていた君は、間違い無く機械だ。 八意永琳の、八意永琳による、八意永琳の為の都合の良い機械。――それが、これまでの君だったんだ」
[621]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 02:37:40 ID:??? ……と、いったところで今日の更新はここまでです。 明日はもうちょっとフォローしきれなかった点を補足しつつ、次の試合でのテーマを散りばめて、 出来れば大会14日目の自由行動に移れればと思っています。 今日の岬の主張を超簡単に纏めると、 『鈴仙が主人公になれたのも永琳って奴のせいなんだ。鈴仙は永琳の計画遂行の為に必要な道具なんだ』 ……って感じです。永琳のそもそもの動機は依然不明です。 それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[622]森崎名無しさん:2015/05/23(土) 02:51:20 ID:??? 乙なのです。 初期鈴仙ならともかく、今の鈴仙ならある程度の動揺はあるにしても、大きな精神的ショックはないかなあ。 師匠が最終的にとんでもないこと企んでたり、鈴仙さんが観測機にはなれるけど、命の保証はないとかなら別だけど。 にとり「話は聞かせて貰った! 観測機なんてこのにとり様にかかれば朝飯前だよ! 河童なめんな!」 にとり(つまり主役はこの私だ! 主人公交代だよ鈴仙!) 鈴仙「いつから聞いてたのー!?」 岬「今までの話根底からひっくり返してきた!?」
[623]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 23:13:16 ID:??? こんばんは、更新していきます。今日はなんと判定があります(白目) >>622 乙ありがとうございます。 永琳が必ずしも鈴仙の為に動いているとは限らない……というのは重要な点ではありますが、 これだけで鈴仙がどうにかなる訳ではありませんね。 にとり主役で思いついたのは、自分はそこまで強くないけど、日常で素材を集めて機械を作って、 試合では状況に応じて使う機械を変えて乗り切る、SFCのスラップスティック的な話ですね。 ……あれ、案外面白そうかも?
[624]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 23:16:59 ID:??? 鈴仙「……そんな、事」 あるわけがない。鈴仙はそう断言しようとしたが、……できなかった。 過去程では無いにせよ、依然少なからず永琳に依存している自分が居る事を、鈴仙は感じていた。 岬「その顔を見ると、多少の自覚はあったようだね。だって、普通じゃ考えられないよ。 何を考えているかを分からぬ相手を盲目的に信じるなんてさ。 君もお師匠様を信じつつも、どこか無意識にでも、不安を覚えていたんじゃないかな」 鈴仙「――そ、そんな事……ないもん……」 岬「たんじゅ……おっと失礼、素直だね、君は。顔に出ているよ」 鈴仙は岬を強く見つめ返す事すら出来なくなっていた。 そして、心理的に弱みを見せた相手に対して岬は容赦しなかった。 岬「――もしかしたら、君がここに来た事自体が、最初っから八意永琳の計画だったのかもしれない。 八意永琳には親しい月の有力者姉妹も居るようだし、そこそこ優秀で御しやすい玉兎を見繕う事もできただろう。 その後、玉兎の通信電波をジャックして、『人間が月に攻めて来る』とかいうガセ情報を送るのも、月の賢者ならば容易だろうし、 それで地上に逃げて来た時優しく保護してやれば、簡単に懐柔できる。 ……噂話でも何でもホイホイ信じて突っ走ってしまう、そんな単純な少女が相手だったらなおさらだ」 鈴仙「…………!」 岬は鈴仙の物語をあざ笑う。 月からの逃亡、永遠亭での平穏だが鬱屈した生活、サッカーの流行、パスカルや中山との出会いによる成長。 これまでの鈴仙が体験して来た一連の物語の全てが、もしも永琳によって仕組まれたものだと断じる。 岬の説はこれまでの論理と比べて整合性に欠ける、より推測が強くなっていたが……。 しかし、今の鈴仙は反論できる余裕を失っていた。岬は鈴仙の心理的な不安を的確に突いていたからだ。 これまで自分は永琳から何も聞かされていない。自分はもしかしたら本当に、永琳の道具に過ぎないのかもしれない。 そんな思考は不毛だと思っていても、今の鈴仙は中々それを拭えないでいた。
[625]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 23:18:38 ID:??? 岬「人を信じる事は立派さ。しかしそれは、その人が嘘をついているかもしれない。 その人が自分を利用しようとしているのかもしれない。 ……そう言ったリスクを負ってでも、尚も突き進もうとした場合にのみ立派と言えるんだ。 そうでも無いのに、ただ単に言われた事を信じて。 それで裏切られた時になって初めて文句を垂れて絶望するのは、子どものする事だ」 これまでの自分を否定されたような気分になった鈴仙を諭すように、岬は語気を和らげた。 そこには神子の手下ではない、岬太郎自身の考えが見え隠れているような気がした。 岬「さて。とにかく僕が君に伝えなければならない事は全て言い終わったんだけれど。 ――君にひとつ、宿題をあげよう」 暫くの沈黙が流れた後に、岬は不意にこんな事を呟いた。 鈴仙「……宿題? 悪いけれど師匠や先生はもう間に合っているんだけど」 岬「――なに。至極簡単な宿題だよ。やろうと思えば、幼児でも容易く出来る事さ」 鈴仙「だったら別にやる必要なんてないじゃないの。姫様じゃないけど、ムダなタスクは捨てる化したら?」 永琳に対する不信を押し留めるのに必死な鈴仙だったが、 それでも皮肉を振り絞って、少しでも岬に抗い続けようとした。 次に何を言われても、精神的な動揺を見せてはいけない。 永琳の見えない真意に苦しみながら、鈴仙は岬の発言を待つ。一秒が比喩でも何でもなく長く感じる。 しかしそんな鈴仙の辛抱とは裏腹に――。
[626]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/23(土) 23:23:02 ID:D7SACXzA スッ。 岬「そっか。じゃあ、……これを返してくれないかな。君のチームの、とある方から借りてたんだ」 岬は言葉に代えて、鈴仙に対しある物を手渡した。それは一見、何の変哲も無い、ありふれた物だったが……。 鈴仙「――え。これって……? な、なんであんたが……?」 先程岬が語った、永琳の計画の全容に関する推察以上に、岬が鈴仙に手渡した物はショッキングだった。 ――何故なら、それは鈴仙も良く知っている物だったからだ。その持ち主であろう人物も含めて……。 そう、岬が鈴仙に手渡した物。それは――。 先着1名様で、 ★鈴仙の試練→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER→妹紅と見知らぬ女子高生との怪しいツーショットだった。慧音「も、妹紅……?」チャキッ 岬「(渡す相手間違えた)」 ダイヤ・ハート→一冊の恋愛小説だった。 スペード・クラブ→七つ葉のクローバーが押してある古手帳だった。
[627]森崎名無しさん:2015/05/23(土) 23:23:42 ID:??? ★鈴仙の試練→ ハート3 ★
[628]森崎名無しさん:2015/05/23(土) 23:24:07 ID:??? ★鈴仙の試練→ ハート3 ★
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0ch BBS 2007-01-24