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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[65]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 00:51:24 ID:P9T0pqWk 以上7人は海外に飛び立つ事が出来ず、ひとまず日本でプレイする事にした。 そして残りの16人は欧州プロリーグに舞台を移すが、勿論彼ら一人一人にドラマがある。 各国のライバルの様子も交えてそれらを描写していこう。 〜岬太郎、エル・シド・ピエール〜 ピエール「ミサキ!」 岬「ピエール!」 岬はフランスの空港にて浅からぬ縁のピエールと再会していた。 ピエール「君とまた会えてこの上無く嬉しいよ。マルセイユ入団を心から祝福する」 岬「有難う。これからは僕たちはプロのライバルだね」 岬が選択したのはフランスのリーグ・アンの名門マルセイユ。3年間の滞在と国際Jrユース大会で 現地を良く知っており、知名度もある為彼にとってやり易い環境だと誰もが納得する選択だった。 岬「(この年代でライバルになりそうなのはピエールとナポレオンだけ。 リーグ・アンの特徴もレベルも良く理解している。危険を伴う大金よりも 確実に入る小金を狙う。そして将来の為の名声とコネも確保。これだよね)」 無論そこには腹黒い計算もあるのだが、それを知る者はいない。邪推する者なら居るだろうが、 岬にはそんな邪推を否定もせずオブラートに包み言い換える事も朝飯前である。
[66]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 00:55:10 ID:P9T0pqWk ピエール「ところで…フライトの影響か?何だか顔色が良くない様だが」 岬「あ、ああうん…上手く眠れなくてね…(う、思い出しちゃった…)」 しかしそんな彼の人生も全てが順風満帆と言う訳ではない。 岬太郎には美子と言う妹が居る。彼の父と離婚した母が再婚相手と産んだ父違いの妹である。 ところが何の因果か美子は彼を実の兄だと知らないまま惚れ込んでしまい、 運が味方したチャンスを逃さず押しかけ女房同然に彼女の地位を獲得してしまった。 リスクを恐れた岬は中々真相を言い出せずに居たが、ひょんな事から二股野郎との 汚名まで着せられてしまった為これ以上長引かせる訳にはいかないと決意し、 ワールドユース大会後に家族と共に集まり真相を美子に告げた。 美子「ああ…とうとうお父さんとお母さんにお話をして下さるのね、岬様!」 岬「…美子。確かに大事な話なんだけれど、そういう話じゃないんだ」 美子「えっ…?」 岬は告げた。彼と美子は実の兄妹である事を。同じ母から産まれた事を。 岬は告げなかった。彼が最初からその事を知っていた事を。 両親とその再婚相手の強力をとりつけ、彼もつい最近知ったのだと言う事にした。 美子「………」ポカーン 岬「(よし、茫然としている!今の内に畳みかけるんだ!)だから、僕は 君の恋人じゃなくて兄なんだよ。こんな事になってしまって大変申し訳ないけど、 どうか許して欲しい。言い訳でしかないけれど、僕も知らなかったとしか言い様がないんだ」
[67]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 00:56:58 ID:P9T0pqWk それを聞かされた美子は目を丸く開き、次に目を潤ませた。 美子「つまり…岬様は、私のお兄様なんですか…?」 岬「うん。僕は、君の兄なんだ。今更だけど、兄として受け入れて貰いたいと思っている (よしよし、どうやら諦めてくれた様だ。後は適当に可愛がっておけば満足して…)」 岬も、彼に協力した父、母、再婚相手の3人もこれでホッと一安心した。 衝撃的な真実を何事もなく受け入れてくれて良かったと。 だが事態は最悪の展開を迎える。 美子「 す て き 」 岬「えっ?」 美子「岬様がお兄様でもあって運命の王子様でもあるなんて、すてき♪♪♪」 岬・大人達『えっ!?』 美子「お兄様〜〜〜♪♪♪私、可愛い妻になります〜〜〜♪♪♪」 この時岬は初めて実感した。知識としては知っていたが、実体験で学習した。 この世には禁忌を冒す事を喜びとする人種も居ると言う事を。 岬「(とりあえず日本に置いてきたけど…距離を置いただけじゃ絶対あきらめないよな… ううう、あの爆弾がある限り僕の日本サッカー乗っ取り計画が危ういのに…どうしよう…)」 策士、策に溺れる。神をも欺く男も、計算外の事は常に有り得る。
[68]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 01:03:06 ID:P9T0pqWk いったんここまで。
[69]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 07:11:37 ID:P9T0pqWk 〜松山 光〜 全日本ユースの縁の下の力持ち。その名は松山光。 彼はレギュラーの守備的MFとして派手な活躍こそ無かったものの何度も敵の攻撃を阻止してきた。 その功績を認められ彼はイングランドのプレミアリーグの名門クラブ、 マンチェスター・ユナイテッドにスカウトされていた。 そこのレギュラーに定着出来れば彼のプロサッカーキャリアは素晴らしいスタートを切る。 そのスタートまで後三日間の間、松山は愛する故郷にしばしの別れを告げる時間があった。 松山「う、うぅううう…」 だが今彼はそんな輝かしい未来を掴めそうな若者とは思えない状態だった。 はばかりもなく涙を滝の様に流しフラフラと街をさ迷うその姿はかなり惨めだった。 松山「ふ、ふじさわぁああ…」 彼は失恋した直後だった。 ワールドユース優勝と名門クラブとのプロ契約。この二つのトロフィーを手にし “ここまで頑張れたのは君のお陰だ”と想いを秘めた女に告白しに行ったのだが… “え?今更そんな事言わないでよ。もう私、貴方を応援なんてしていないわよ” “大体私は鈍感な男は止めておこうって決めているの。理由は分かるわよね?” 藤沢美子。かつて彼が傷つけた相手は怒りでも悲しみでも勿論喜びでもなく、 純粋に迷惑そうな顔をして彼の告白をたった二言で切り捨てた。 松山「うわぁああああ…俺が、俺が悪いのかぁああ…」 好きの反対は嫌いではなく無関心。松山は今日それを身をもって理解した。
[70]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 07:13:30 ID:P9T0pqWk 中西「お、おいおい。あんさん、どないしたんや?」 松山「う、ぅう…?」 泣きながら当てもなく歩き続けていれば、その内親切な通りすがりに心配される事もある。 この場合通りすがりはうどんの屋台を引いて開店の準備をしていた中西だった。 中西「…なんかツラい事あったんやな…どや、奢っちゃるから一杯食っていき」 松山「い、いや、その…ん?」 中西「何も言わんでええで。こういう時は好きなだけ泣いて、温かいモン食ってスッキリするのが一番や」 松山「あ、ありがとう…(何だろう…こいつ、何処かで見た様な…)」 中西「あんさん日本代表の松山光やろ?テレビで見たで。ワイも子供の頃はサッカーやっててなぁ…」 松山「…そうなのか?(そう言えば、何時か選手として会った気が…なんだ?段々ムカついてきたぞ)」 中西にとってサッカーはもう遠い過去の物だった。小学生時代に全国大会に出た記憶も最早おぼろげだった。 しかしそんな彼でも日本サッカーの躍進は喜んでいたし、松山を見かけた時そういえばこいつが全国大会で 活躍していたなあとふと懐かしい気分になり、折角だから自慢のうどんを一杯食わせようと善意を働かせたのである。 中西「一応小学生ん時全国大会に出てたんやで?中西太一って言うデカいGK覚えてへん?」 松山「中西…太一…!?(そうだ!こいつ、食堂で…!)」 彼は完全に忘れていた。約8年前、松山と殴り合いをして圧勝し、恥をかかせた事を。 だが松山はしっかりと覚えて恨んでいた。
[71]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 07:14:58 ID:P9T0pqWk バキィッ! ドガシャアッ!! 中西「ぐほぁあああっ!?」 松山「思い出したぞ!ここで会ったが百年目!」 中西「な、何すんねん!ワイがあんさんに何したっちゅうんじゃ!」 松山「何をだと?食堂の借りをここで返すんだよ!」 中西「一体何のこっちゃ!?ばほっ!!」 ドガアッ! ガッシャーン! ベキベキベキッ!! 中西「げほっ…ヒイィイイ!?ワイの、ワイの屋台がぁああああ!?」 松山がプレミアリーグに出発する前の最後の3日間をどう過ごしたかを下に短く記そう。 出発3日前:告白して、失恋して、喧嘩を売り、通報される 出発2日前:中西から示談の提案。少なくない金額を払い、プロ契約金が大分目減りした 出発1日前:ゴシップ雑誌に嗅ぎつけられ、ローカル誌の表紙を飾ってしまう 出発の当日:逃げる様に成田空港に向かい、イングランドに向けて飛び立つ この騒動が原因でまたしても松山は地元のヒーローの筈なのに評判が悪化したと言う。
[72]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 08:26:29 ID:P9T0pqWk いったんここまで。
[73]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/01(月) 07:38:40 ID:5kKgHQ8Q 〜早田 誠〜 エバートン。イングランド・リヴァプールに本拠地を置くプレミアリーグのサッカークラブ。 それが早田が戦場として選んだクラブだった。 早田「早田です。ソーダじゃありませんよ、飲めませんからね」 どよっ… チームメイト達「(い、いきなり自分の名前をネタにしやがっただと…?)」「(こいつ、何考えているんだ…)」 早田「(なんでえ、ノリの悪い連中ばっかりみたいだな…ん?あのおっさんがキャプテンだっけ)」 キャプテン「さてさて、分からんぞ…お前はワールドユースでは調子に乗っていた様だが、 プレミアリーグのレベルの高さに飲まれるかも知れん。そうなったらお前は泡の様に 消えるかもな…日本のサッカーブームも一時的なバブルに過ぎんと言う事になるだろう」 早田「(お、こいつは反応出来るのか。それなら)へえ、面白い事言うじゃないですか。 でも先程も言ったでしょう?俺はソーダじゃないって」 キャプテン「ほう。じゃあお前は何なんだ?」 早田「俺はカミソリ。ばっさりと刈り取るんですよ。ボールも名声もな。 だからしっかり泡を立てておかないと怪我をしちまうのは…そっちですよ?」 キャプテン「ほ〜う…」 早田「………」
[74]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/01(月) 07:41:27 ID:5kKgHQ8Q キャプテン「フッ。日本人ってのは礼儀正しくて臆病なヘタレ揃いかと思っていたら お前みたいな生意気な野郎も居たんだな…お前が特別なのか?」 早田「いいや、俺、日本代表では大人しい方ですよ」 ドッ! ワハハハハ… チームメイト達「これでかよ!」「日本って実は悪童の巣窟だったのか?」「ウチも他所の事は言えないだろ」 キャプテン「気に入った!そこまでビッグマウスを叩きやがるんだったらチャンスくらいはくれてやる。 精々プレミアリーグの荒っぽさに自慢のほっそいカミソリを折られない様にするんだな!」 早田「ご安心を。俺のカミソリは二枚刃よ!」 彼は持前の気の強さと要領の良さであっさりとチームに溶け込み、偏見や人種差別の問題を軽減する事に成功した。 キャプテン「よーしこいつは俺からの入団祝いだ。日本には無いだろう?」 早田「ん?なんですこの瓶は…マーマイト?チョコレートペーストですかね?」 キャプテン「見た目はチョコレートみたいなモンだが、塩味とコクがある。イギリスのお袋の味だ。まずはトーストに塗ってみな」 早田「フーン。じゃあ明日の朝食に試してみますよ」 早田「げひゃぶーーーーっ!!?なんだこの味わぁあああああああああ!!!」 ただし、そんな彼もイギリス料理に苦しめられたと言う。海外に住むと言うのは生易しい事ではないのだ。
[75]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/01(月) 07:43:39 ID:5kKgHQ8Q 〜若島津 健〜 スカウトされた海外クラブに何事もなく受け入れられた者も居れば、平和的とは言い難い入団だった者も居る。 同じくイングランドの名門アーセナルに入団した若島津の場合はそんなケースだった。 監督「…と言う訳で彼がケン・ワカシマヅだ。皆仲良くしてやってくれ。君はどう呼べばいい?」 若島津「…どうでもいいです。ワカシマヅでも、ケンでも、お好きな様に」 監督「そ、そうか…」 チームメイト達「(なんだこいつは…)」「(見た目以上に生意気な奴だな)」 若島津はお世辞にも愛想が良いとは言えない男である。それを一目で見抜いた監督は彼がチームメイト達と 衝突しない様に色々気を配っていたが、若島津の方ではそんな気遣いに感謝する気は無かったらしい。 先輩DF「じゃあ、これからよろしくな。バカシマヅ」 監督「おい!やめろ!」 若島津「………」 チームメイト達「あーあ、またアイツか」「でも新入りの態度もな…」 先輩DF「こいつが自分で言った事ですよ。どんな呼び方でもいいって」 若島津「ああ、構わんぞ。弱い犬は良く吠える位しかできないからな」 先輩DF「なんだと…!やるのかテメエ!」
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0ch BBS 2007-01-24