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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[587]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:39:46 ID:??? 鈴仙「(や、やっぱり怖い……! ――って、あれ?)」 意識を失いそうな緊迫感の中、鈴仙はその隙に気付く。 眼前には弾幕は無く、代わりに紅い槍が地面に突き刺さっていたのだから、気付かない方がおかしいとも言える。 紫「――貴女も私を裏切る気かしら。 私は、貴女方のような妖怪の為に、こうして危険因子を取り除こうと奮闘しているというのに……」 紫は心底哀しむように空を仰いで呟く。 果たして、その先には槍を投げ放った張本人が不敵な笑みを湛えていた。 彼女は腕を組みながら、尊大な態度でこうも言い放った。 レミリア「何を言うか八雲の大妖。私は貴殿に協力してやろうと思っていたのに。 折角の準決勝戦の会場が、バラバラになってた事への腹いせに、ね」 鈴仙「あ。……れ、レミリアさん!?」 そこに居たのは、幻想郷では間違い無く高名な妖怪の一つである吸血鬼。 紅魔館の当主であるレミリア・スカーレット本人で間違いが無かった。 彼女は外見相応の好奇心旺盛な瞳を輝かせながら地上へと降りて行き、紫に対してこう話す。 レミリア「大体の話は聞かせて貰った。そして、その上で私は貴殿に宣言しようじゃないか」 紫「……私の行為が姑息である、とでも? もしくは、鈴仙を排斥しない為の陳情かしら?」 レミリア「どっちでも無いわね。私は姑息であっても全力を尽くしての行為ならば否定はしないし、 どっかの自称賢者ならともかく、この私までもがあんな頭の緩い兎風情を助け出す義理も無い」 鈴仙「(頭の緩い兎……どーせ私なんか……)」
[588]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:41:05 ID:??? 紫「だったら何か。その中身をお聞かせ頂きたいわね。 協力と言っていたけれど。もしや貴女が私に代わって、この鈴仙を排除してくれるとでも?」 紫は嘲るように招かれる第三者へと尋ねた。レミリアはハハハと笑って、紫にこう答えた。 レミリア「さすがは妖怪の賢者ね! その通り。私が代わりに鈴仙を。アイツらを退治してやるって言ってんのよ」 霊夢「………………は?」 突拍子も無い発言に、いよいよ場は凍り付く。 それも、これまでの緊張感を引き継いだものでは無い、単純な混乱によって。 ただし幸いな事に、今のレミリアの発言を解説してくれる人物も追いついた。 パチュリー「……はぁ。要するにレミィは拗ねてるだけなのよ。 準決勝戦第二試合そっちのけで、あんた達が鈴仙やら中山政男を吊し上げてるから。 当の鈴仙達にしろ、私達そっちのけで、異変を解決するだの霊夢に挑むだの言ってるしねぇ」 咲夜「ただでさえ人一倍プライドの高いお嬢様ですし……」 美鈴「あはは、困ったものですねぇ」 陸「ハヒーッ! 貴様らか弱い人間である朕に荷物持ちさせんなアルー!」 フラン「zzz……」(←昼なので陸におぶさって寝ている) 佳歩「あ! 紅魔スカーレットムーンズの人達です!」 小悪魔「あらどうも。ご無沙汰してます」 ……とはいえ、彼女達にはあくまで解説役であり、今目下で繰り広げられている レミリアと紫との静かな対立を止めるまでには至らない。 鈴仙がビビり、霊夢が辟易としている中、二人は未だ話し続けていた。
[589]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:42:16 ID:??? レミリア「……大体、気にくわないのよ。自分こそが幻想郷の秩序を守る存在だ。 だから自分がか弱い妖怪達を調子に乗った人間から守ってやろう、的な考えがさ。 だってさ。人間の創り上げた希望に対する敵ってのは、希望を台無しにする、絶望的な理不尽や恐怖。 ――すなわち、私達妖怪そのものじゃない。だから、私達にも鈴仙を退治する権利があるって訳よ」 紫「……霊夢や私に代わって、貴女が『希望』を退治してくれると。だとしたら、それは随分な思い上がりね。 暴力を振るうしか能が無い吸血鬼風情に、中山政男の希望を打ち砕けるとは、私には思えないわ」 レミリア「私だけだったらそうかもね。 でも、私には優秀な妹やら自称賢者やらメイドやら門番やら中国人やらが居るのよ。 相手が希望の力で結束しているとしたら、私達はいわば、絶望の力で結束した軍団。 条件は敵と大体一緒だと思うし、むしろ我らの方が敵役に相応しい気すらするけれど?」 霊夢「……はぁ。長々と喋っちゃって。でも、大体言いたい事は分かったわ」 永遠に終わりそうに無い紫とレミリアの口論に割って入ったのは霊夢だった。 霊夢「要するにレミリア。アンタは私や紫に対して、『鈴仙の敵役ぶるなら、まずは自分達を倒してからにしろ!』 ……って、言いたい訳でしょ。それには私も同意だから、心配しなくて良いわよ。 今回の件だって、紫が勝手に突っ走ったのもあるしね」 紫「あら。その点については私だって反対はしていませんわ。 ただ単に、『紅魔スカーレットムーンズは、永遠亭ルナティックスに対立する器ではない』と主張していただけですし」 レミリア「あんですってぇー!? やる前から決めつけないでよね、バーカ!」 咲夜「お嬢様、口調がブレイクしております」 レミリア「おっと……コホン。――ならば、準決勝戦はきちんと執り行われると。 そして我々が勝った場合は、先ほどの異変解決がどうとかも含めて、 全て我々の思い通りにしても良いと。そういう認識で良かったかしら?」
[590]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:44:08 ID:??? 紫「更なる絶望で、中山政男の希望に蓋をすると言うのなら、それは止めませんわ。……出来るならば、だけど」 パチュリー「――試合が恙なく行われるのは、嬉しい知らせだけど。 ……こんなボロボロのスタジアムじゃあ、もう試合なんてできないわね。 フィールド中に穴は開いてるし、観客席は瓦礫の山だし……。 今からでも、人里のサッカーコートにでも移動すれば良かった?」 紫「いいえ。それには及びませんわ。……この程度の事なら、それっ」 ブウウン。パァァァァァァァァァアアアアアアアッ……! パスカル「うわっ、凄い! スタジアムがまるで、巻き戻し映像のように元の姿に戻って行くぞ!」 ウサギD「ど、どんな仕組みなんですか!?」 慧音「……八雲紫の得意とする、『境界操作能力』の応用かな。 例えば、『過去』と『現在』の境界を曖昧にし、過去に健在だったスタジアムの光景を復元させたとか」 妹紅「永琳とか輝夜とかと付き合っていると忘れがちだけど。あれも中々におかしい能力だよなぁ……」 鈴仙「(……本当に。ほんっと〜〜〜〜に。八雲紫って力を失いつつあるのよね。 これで本気じゃないとしたら、一体どれだけチート級な妖怪なのよぉ……!)」 紫「……疲れたから、私は別の場所で状況を静観させて頂く事にするわ。 ――霊夢。後は頼んだわよ。全ては、私達が愛する幻想郷の為に……」 ブウウン……スッ。 霊夢「あっ、行っちゃった。――全く、紫にも困ったものねぇ。 ……しょうがない。私もめんどいけど、試合準備にでも行きますか」 タッ、タッ……。
[591]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:45:48 ID:??? ――紫が去り、少しずつではあったが、事態はとりあえずの収束を迎えようとしていた。 試合後の下剋上騒ぎは中山によって解決され、 その後の紫による中山糾弾は鈴仙の主張によって退けられ、 鈴仙への報復は、午後からの準決勝第二試合を控えたレミリアによって防がれた。 ――そして、今、紆余曲折を経て準決勝第二試合は始まろうとしている。 レミリア「おい、頭の緩い兎妖怪さん」 鈴仙「……私、ですよねぇ」 レミリア「別に、バカにして言った訳じゃないけどね。頭が緩い方が、柔軟に物事を考えられる訳だしさ」 最後に、鈴仙の命を結果的に救ってくれたレミリアは鈴仙に声を掛ける。 先ほど自分達を退治する、と言った割にその口調は非常に親しげだった。 鈴仙「あの、さっきはありがとうございます。もしも、あの槍が無かったら……」 レミリア「あの槍が無かったところで、きっと誰かが助けに来てたよ。私は関係ない。 ただ単純に、面白くないから喧嘩を売っただけよ」 鈴仙「それって、自分が無視されてた事……だったり?」 レミリア「ま、それが9割ね」 鈴仙「思ったより多い!?」 レミリア「当たり前じゃない。私を誰だと思ってる、って話よ。……っと、着いちゃったわね。私のチームの控室」 鈴仙「ええ。その……観客席で応援してます。紅魔スカーレットムーンズ」 レミリア「ええ、ありがとう」
[592]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:48:13 ID:??? 鈴仙はスタジアムのフィールドから控室までレミリアを見送った。 途中の彼女は上機嫌な様子で、鈴仙もそこまで会話に困らなかった。 そして結局、鈴仙は思い至る事が出来なかった。 中山「(……俺のせいで、鈴仙さんは命を失いかけた。 鈴仙さんは、それでも俺の教えてくれた希望を諦めないと言ってくれたけれど。 俺だけが傷つくならそれで良い。 だが、俺は。他者をそんな目に遭わせてまで、この場所に居ても良いのだろうか……?)」 ――今回の一件は、あの中山の強靭な精神にすら、僅かならぬ罅を入れていたという事実に。
[593]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 02:59:05 ID:fbshiDjU ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 明日はウサギBの命名イベントから開始します。 流れとしては、現在出ている名前(下記)+次の更新時(明日夕方ごろ)までに出ている名前+自由選択枠(要4票) で3票決の投票をし、必要に応じて決戦投票をする……と言う流れを考えています。 なので、皆様につきましては、積極的に名前案を考えて頂ければ幸いです。 (現在出ている名前案) ・因幡 霞(かすみ) ・因幡 椿(つばき) ・因幡 風音(かざね) ・因幡 鈴音(すずね) (参考:ウサギBの特徴)※私がパッと思いついたもの、考えているものを抜粋 ・基本的には真面目な性格(外見的にも真面目なイメージ(?)) ・主にウサギCへツッコミを行う ・ややデータマン気質 ・新聞記者(射命丸)に憧れている ・データマンをこじらせた結果(?)、スパイとしての能力が高い ・サッカー能力はオールラウンド型だが、パスが上手い それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[594]森崎名無しさん:2015/08/09(日) 03:15:56 ID:??? 乙です 紫がどうみてもいろんな意味でハードウェア
[595]森崎名無しさん:2015/08/09(日) 19:35:57 ID:??? 乙なのです 紫さん、こうみえて鈴仙さんチートクラスの強さですよ! ただ周りがそれ以上に規格外すぎるだけです!
[596]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/09(日) 19:39:58 ID:fbshiDjU こんばんは、今日はウサギBの命名イベントをしようと思います。 >>594 乙ありがとうございます。 ハードウェアは良く分かりませんが、多分似たキャラは居るかと思いますw
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0ch BBS 2007-01-24